あやめ (列車)

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あやめ
E257系500番台「あやめ」(2012年6月23日 成田駅)
E257系500番台「あやめ」
(2012年6月23日 成田駅)
概要
日本の旗 日本
種類 特急列車(東京 - 佐原)
普通列車(佐原 - 鹿島神宮・銚子)
現況 廃止
地域 東京都千葉県茨城県
運行開始 1975年3月10日
運行終了 2015年3月13日
運営者 JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者 Japanese National Railway logo.svg 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 東京駅
終点 鹿島神宮駅銚子駅
使用路線 総武本線成田線鹿島線
技術
車両 E257系500番台電車
幕張車両センター
軌間 1,067 mm
電化 直流1,500 V
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あやめは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東京駅 - 鹿島神宮駅銚子駅間を総武本線成田線鹿島線経由で運行していた特急列車である。2015年(平成27年)3月13日に定期運行を終了した[1]

本項では、成田線・鹿島線で運行されていた優等列車の沿革についても記述する。また、特に断りがない場合は定期運行終了時のデータである。

概要[編集]

特急「あやめ」は、東京千葉県北東部・茨城県鹿行地域を結ぶ列車として、成田線成田駅 - 松岸駅間の電化完成後の1975年3月10日から東京駅 - 鹿島神宮駅間で運行を開始し、エル特急に指定された。当初は4往復であったが、1982年11月に急行「鹿島」の1往復を統合し5往復体制となった。

1985年3月14日には、佐原駅 - 鹿島神宮駅間を普通列車として運行されるようになり、さらに1993年7月2日には2往復が、1994年12月3日には2往復が廃止されて1往復のみの運行となり、エル特急の指定が解除された。

2004年10月16日に成田線方面への定期特急列車の名称を統一するため、東京駅 - 成田駅間で運行されていた「ホームタウン成田」と東京駅 - 佐原駅 - 銚子駅間で運行されていた「すいごう」が「あやめ」に変更されている[2]

運行概況[編集]

「あやめ」廃止時は東京駅 - 鹿島神宮駅間と、東京駅 - 銚子駅間でそれぞれ1往復、上り列車は朝に、下り列車は夜間に設定されていた。なお、佐原駅 - 鹿島神宮駅・銚子駅間は全列車が各駅に停車する普通列車として運行していた。

「あやめ」3号は平日のみ、東京駅 - 佐倉駅間で「しおさい」17号と併結して運行していた。

停車駅[編集]

鹿島神宮駅 - 東京駅間
(鹿島神宮駅 - 延方駅 - 潮来駅 - 十二橋駅 - 香取駅 - 佐原駅)- 滑河駅 - 成田駅 - 佐倉駅 - 千葉駅 - 錦糸町駅 - 東京駅
銚子駅 - 東京駅間
(銚子駅 - 松岸駅 - 椎柴駅 - 下総豊里駅 - 下総橘駅 - 笹川駅 - 小見川駅 - 水郷駅 - 香取駅 - 佐原駅)- 滑河駅 - 成田駅 - 佐倉駅 - 四街道駅 - 千葉駅 - 錦糸町駅 - 東京駅
  • ( )は普通列車として各駅に停車。
  • 四街道駅は3号のみ停車。

使用車両・編成[編集]

2010年3月13日現在の編成図
あやめ
← 東京
鹿島神宮駅・銚子 →
表・・話・PJRPJRNC
1 2 3 4 5
  • E257系500番台で運転
  • 3号は「しおさい」17号の6 - 10号車と併結
  • 全車禁煙
凡例
自=普通車自由席

全列車が幕張車両センターに所属するE257系500番台5両編成で運行されている。普通車自由席で、グリーン車座席指定席は連結されていない。なお、臨時列車では座席指定席が設定されることがある。

なお、臨時列車や車両故障や計画的な車両変更により、255系が使用される場合がある[3]

運行開始当初は、183系電車9両編成でグリーン車も連結されていたが、1985年3月14日にグリーン車の連結を中止し、普通車のみの6両編成となった。

担当車掌の所属区所[編集]


臨時列車[編集]

臨時列車は末端区間で普通列車とならない(潮来駅には停車)。また、定期列車の通過する船橋駅津田沼駅にも停車する。「犬吠初日の出号」は新小岩駅市川駅稲毛駅にも停車。「すいごう」はそれに加え笹川駅にも停車。「さわら号」「こうざき酒蔵まつり号」は酒々井駅(2013年のみ)・下総神崎駅にも停車。定期列車の「あやめ」終了以後、これらの臨時列車で「あやめ」の名称は使用されていない。

あやめ祭り号[編集]

千葉県香取市水郷佐原水生植物園)および茨城県潮来市水郷潮来あやめ園)のあやめ祭り開催に合わせ、毎年6月の土曜・休日に、最大2往復が運行される。東京駅大船駅発着の列車にはE257系500番台で、新宿駅秋葉原駅経由)始発・終着の列車には、主に「ニューなのはな」(485系改造車)などのジョイフルトレインで運行されていたが、2006年からは183系で運行された。

2008年までは「あやめ祭り号」の名称で運転されていたが、2009年からは「あやめ」として運転している。2011年以降は新宿駅発着の1往復のみで、通常のあやめ号同様E257系500番台で運転されている。

2015年3月の定期列車「あやめ」廃止後は、再度「あやめ祭り号」の名称で運行される。引き続きE257系500番台で運転されており、前面の表示については引き続き「BOSO EXPRESS あやめ」表示若しくは「特急 あやめ祭り」表示の二通りである。

初詣・初日の出臨時列車[編集]

毎年1月1日、犬吠埼への初日の出客輸送列車「おいでよ犬吠初日の出号」「犬吠初日の出号」が高尾駅 - 銚子駅間などで運行される。列車名や本数・運行区間等は年度ごとに異なる。高尾発列車については松本車両センターのE257系0番台が使用されている。このほか、成田発銚子行きの快速「銚子初日の出号」も運行される。いずれも片道のみ。

また、毎年12月31日には成田山新勝寺への初詣客輸送列車「成田山初詣号」も運行されていたが、2011年度より運行されていない。過去には1月1日発の復路の運行もあったほか、成田エクスプレス用のJR東日本253系電車を使用して運行されたこともある。

佐原夏祭り号・佐原秋祭り号[編集]

毎年7月と10月に開催される佐原の大祭に合わせて運行される。7月に運行される列車は、年によっては成田祇園祭と同日になることもあるため、「佐原の大祭」および「成田祇園祭」で当列車を利用したパッケージツアーが企画されることがあった。

一時期、他の臨時列車と同様「あやめ」の名称で運行されたが、2011年より「佐原秋祭り号」については名前が復活した。一方で、夏祭り向けの臨時列車は2011年より運行されていない。こちらも現在はE257系500番台で運転されている。

さわら号・こうざき酒蔵まつり号[編集]

「駅からハイキング」の開催日や、あやめ祭りと佐原の大祭以外での観光シーズンに運行。2013年は、同年に開業した酒々井プレミアム・アウトレットの買い物客向けに酒々井駅に停車していた。

毎年3月に神崎町で行われる「発酵の里こうざき酒蔵まつり」(はっこうのさとこうざきさかぐらまつり)開催日には、「さわら号(こうざき酒蔵まつり号)」として運行され、2014年からは「こうざき酒蔵まつり号」の名称で運行されており、2015年3月の定期列車「あやめ」廃止後も運行が継続され、定期列車廃止から僅か2日後の2015年3月15日に「こうざき酒蔵まつり号」が運行された[4]

その他の列車[編集]

183系「すいごう」
あやめ101・102号
2007年4月14日に成田太鼓祭の開催に合わせ東京 - 成田間で全車指定席で運行された。
コスモスさわら号
1998年9月、コスモスの見頃に合わせて運行された。
ピクニックあやめ号
1994年9月 - 11月および1995年4月 - 11月の土曜・休日に運行された。
すいごう
2008年1月末 - 3月末および2009年2月 - 3月末の土休日に新宿駅 - 銚子駅間で運行。
485系「ニューなのはな」で運行。かつて運行されていた特急列車の愛称が復活した形になるが、快速列車で全車指定席。2009年には一部をお座敷グリーン車として運行した。
小江戸佐原号
2011年3月の土休日に新宿駅 - 佐原駅間で運行。
E257系500番台を使用した快速列車で全車指定席。3月12日の下り列車のみ香取行として設定されていたが、東日本大震災の影響で3月11日以降の全列車が運休となった。


成田線・鹿島線優等列車沿革[編集]

  • 1933年昭和8年) - 1935年(昭和10年):5月・6月の日曜日に新緑列車として「水郷めぐり号」が両国駅 - 佐原駅を往復1人3円で運行。
  • 1954年(昭和29年) - 終了日不明:水郷の釣り客を対象にした「銀麟号」が3 - 4月の日曜・休日に上野駅 - 水郷駅常磐線我孫子駅経由)、両国駅 - 水郷駅間で運行。
  • 1955年(昭和30年) 1月1日キハ10系を使用した臨時快速「成田号」を新宿駅 - 成田駅で7往復運行。
  • 1955年(昭和30年)4月17日:休日に臨時快速「房総の休日号」を新宿駅 - 成田駅 - 佐原駅 - 銚子電気鉄道外川駅間で運行[5]
  • 1961年(昭和36年)10月1日準急「房総(犬吠)」の千葉駅での増解結を解消。総武本線方面へ向かう列車を分離し、新宿駅・両国駅 - 銚子駅(総武本線成東駅経由)間を結ぶ準急「総武」を運行。成田線初の優等列車として佐倉駅で「総武」に分割併合する佐原駅始発・終着の臨時準急2往復の運行を開始。
  • 1962年(昭和37年)
    • 4月16日:佐原駅始発・終着の臨時準急を定期列車化。
    • 10月1日:「総武」の列車名称を変更。佐倉駅以東総武本線経由の列車を「犬吠」とし、成田線経由列車を「水郷」とする。小見川駅始発・終着列車を2往復増発。
  • 1964年(昭和39年)10月1日:「水郷」の1往復を佐原駅 - 小見川駅間で延長。
  • 1965年(昭和40年)10月1日:「水郷」の1往復を銚子駅まで延長。
  • 1966年(昭和41年)3月5日:「水郷」を急行列車に昇格。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:鹿島線香取駅 - 鹿島神宮駅開業により、「水郷」5往復に鹿島神宮駅始発・終着列車を併結開始(佐原駅で増解結し、佐原駅 - 鹿島神宮駅間は普通列車として運行)。
  • 1972年(昭和47年)7月15日:「水郷」の鹿島神宮駅始発・終着の4往復を急行とし、「犬吠」と併結していた2往復をそれぞれ単独運行とする。
錦糸町駅に停車中の183系「あやめ」
(2005年11月)
  • 1975年(昭和50年)3月10日:成田線成田駅 - 松岸駅間の電化によるダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 東京駅 - 鹿島神宮駅間に、エル特急あやめ」を4往復設定。
    2. 「あやめ」の補完列車として新宿駅・両国駅 - 鹿島神宮駅間に急行列車「鹿島」を2往復(うち1往復は季節列車)を設定。
    3. 急行「水郷」を電車化。両国駅 - 銚子駅間2往復の運行となる。
      • 急行列車は、153系または165系7両編成で運行。
  • 1982年(昭和57年)11月15日ダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 急行「鹿島」1往復を特急「あやめ」に格上げ[6]。「あやめ」は5往復となり、新宿駅・両国駅始発・終着列車が設定される。
    2. 両国駅 - 佐原駅 - 銚子駅間の急行「水郷」を特急「すいごう」に格上げ[6]。183系電車6両編成(グリーン車なし)で運行[6]
  • 1985年(昭和60年)3月14日ダイヤ改正により以下のように変更。
    1. 「すいごう」の上り列車1本を東京行きに変更[6]。また、佐原駅 - 銚子駅間を普通列車に変更[6]
    2. 「あやめ」の佐原駅 - 鹿島神宮駅間を普通列車に変更し、グリーン車の連結を中止、普通車のみの6両編成に短縮[6]
  • 1986年(昭和61年)11月1日:「すいごう」の下り列車1本の始発駅を東京駅に変更[6]
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「すいごう」「あやめ」の両国駅始発・終着列車を廃止[7]。「すいごう」は全列車東京駅始発・終着に変更[7]。これにより、両国駅始発・終着の総武本線系統列車は消滅。
  • 1991年平成3年)3月19日:特急「成田エクスプレス」の運行開始に伴いスピードアップ。東京駅 - 佐原駅間の最速所要時間は、88分から80分に短縮される。
  • 1993年(平成5年)7月2日:利用客の減少により、以下のように変更[8]
    1. 日中の「あやめ」2往復および「すいごう」1往復を廃止[8]。これにより「あやめ」の新宿駅始発・終着列車の運行は終了し、「あやめ」は3往復、「すいごう」は1往復となる[8]
    2. 代替として、「エアポート成田」併結で成田 - 鹿島神宮間の快速列車を2往復設定[8]
  • 1994年(平成6年)12月3日:利用客の減少により、以下のように変更[9]
    1. 「あやめ」2往復を廃止して1往復のみの運行となり[9]、エル特急の指定が解除される。なお、このエル特急指定解除は、東北本線の「新特急なすの」に続き2例目である(なお、JR東日本は2002年にエル特急の呼称を廃止)。
    2. 代替として「エアポート成田」併結の快速列車が1往復増発される[9]
    3. 「すいごう」の下り列車を佐原駅終着に変更[9]
    4. 特急「ホームタウン佐倉」を東京発佐倉行きで運行開始[9]
    • この結果、「あやめ」・「すいごう」は、朝上り各1本、夜間下り各1本の運行となり、「ホームライナー」に近い列車となる。なお1995年3月末までは、東京駅 - 佐原駅間に毎日運行の「あやめ」93・94号が設定されており[9]、東京駅 - 佐原駅間は実質3往復体制。
  • 1995年(平成7年)12月1日:「ホームタウン佐倉」の行き先を成田行きに延長し、名称を「ホームタウン成田」に変更[6]
  • 2002年(平成14年)11月24日:165系の営業運行終了に伴うリバイバルトレインとして急行「鹿島」が復活運行。
  • 2004年(平成16年)10月16日:「ホームタウン成田」・「すいごう」の名称を「あやめ」に統一[2]
  • 2005年(平成17年)12月10日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「あやめ」1号を成田行きに変更し、土曜・休日運休とする。
    2. 成田線経由東京発銚子行きの下り列車を1本増発(東京駅 - 佐倉駅間は「しおさい」15号と併結)。
    3. 「あやめ」全列車をE257系500番台の運行とし、全車禁煙化。
  • 2007年(平成19年)3月18日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「あやめ」1号の停車駅に四街道駅を追加。
    2. 「あやめ」3号を鹿島神宮行きに変更。
  • 2009年(平成21年)3月14日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「あやめ」1号の運行区間を東京駅 - 佐倉駅間に短縮して「しおさい」に編入。
    2. 「あやめ」5号(旧7号)を5両編成に減車。
  • 2010年(平成22年)
    • 3月13日:ダイヤ改正により「あやめ」3号の東京発時刻を繰り下げ、「しおさい」17号との連結順序を逆転(「あやめ」は1 - 5号車となる)。
    • 12月4日:ダイヤ改正により東京発22時の「あやめ」5号を廃止し、代替として21時台終わりに通勤快速を増発。また、「しおさい」17号が平日のみの運行となり、土曜・休日の「あやめ」3号が単独運行となる。
  • 2014年(平成26年)1月1日:特急あやめの車内販売を廃止。前日の「あやめ」2号が最終営業。
  • 2015年(平成27年)
    • 3月13日:「あやめ」の運行廃止[1]
    • 3月14日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 定期券用月間料金券(区間変更):2015年2月14日まで発売分「東京・新宿 ⇔ 佐倉~八日市場・佐原」→ 2015年2月15日以降発売分「東京・新宿 ⇔ 佐倉~八日市場」[10]
    2. 定期券用月間料金券(発売終了:2015年2月14日発売終了・2015年3月13日利用終了):千葉 ⇔ 横芝・滑河[10]
    3. 房総料金回数券(指定席用・自由席用)区間短縮[10]。滑河・佐原を発着とする設定があったが当該区間の特急列車「あやめ」が廃止されたため。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 早川健人(2015年3月14日). “特急「あやめ」:最後の運行 県内と東京、40年間結び−−JR東日本”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  2. ^ a b 「鉄道記録帳」、『RAIL FAN』第52巻第1号、鉄道友の会、2005年1月号、 22頁。
  3. ^ 普通車は全車自由席、グリーン車はグリーン指定席。
  4. ^ 春の増発列車のお知らせ (PDF) - 東日本旅客鉄道 プレスリリース 2015年1月23日
  5. ^ 運転開始日は『鉄道ピクトリアル』 No.605(1995年5月号)「房総におけるキハ20系気動車準急活躍の頃」白土貞男 による。そのなかで運転開始日を1956年1月20日とする文献は、初めて時刻表に掲載された際のダイヤ改正をさしている、としている。1958年夏季では房総東線経由安房鴨川駅行を併結。1960年10月末に銚子電気鉄道への乗り入れを中止。
  6. ^ a b c d e f g h 『特急10年』 p.196
  7. ^ a b 『特急10年』 p.33
  8. ^ a b c d 『特急10年』 pp.86-87
  9. ^ a b c d e f 『特急10年』 pp.99-101
  10. ^ a b c “北陸新幹線開業に伴うおトクなきっぷの設定および2015年3月ダイヤ改正に伴うおトクなきっぷの見直しについて” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2014年12月22日), http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141224.pdf 2014年12月24日閲覧。 

参考文献[編集]

  • 『JR特急10年の歩み』 弘済出版社1997年5月15日。ISBN 4-330-46597-4。

関連項目[編集]