おことば

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おことば(御言葉)とは、「言葉」の丁寧語であり、特に天皇君主が式典等公開の場において発する言葉を指す。

概要[編集]

日本国憲法の施行後、従来「勅語」と称されていた天皇の公式発言が次第に「おことば」に改称された。

しばしば勅語が政治的に利用された経緯を踏まえ、また、日本国憲法下において国政に関する権能を有しない天皇の立場もあり、おことばの内容は勅語の内容より更に徹底して党派色を排したものとされている。しかし、その程度について論議が生じることもある。

天皇の「公的行為」と「私的行為」との区別において、代表的な行為として取り上げられるものである。

憲法上の位置づけについては、7条10号の「儀式」に含まれるとする説(国事行為説)、国事行為に準じた行為であるとする説(準国事行為説)、天皇の象徴的地位に基づく公的行為であるとする説(象徴行為説)、天皇の公人としての地位に付随する公的行為であるとする説(公人行為説)など、様々あるが、いずれの説も欠点が指摘されており、通説を形成するには至っていない。

歴史[編集]

テレビを通じて国民(視聴者)一人一人の目を見ながら、直接自身の見解を伝える手法は、英国で始まったものである。[1]

1952年に即位したエリザベス2世女王は、その年の暮れから今日に至るまで毎年恒例となった「クリスマスメッセージ」を12月25日に国民に寄せている。即位当初はまだラジオを通じての時代であったが、57年からはテレビが使われた。英国だけではなく、女王が同じく君主を務めるカナダやオーストラリアなど世界中に向けて放映され、毎年異なったテーマで女王が語り掛ける。このメッセージを初めて発したのは、女王の祖父ジョージ5世であった。ラジオが国民の間に急速に普及した32年のことだった。[1]

エドワード8世は離婚歴を有する米国出身の女性との結婚を望む国王は、国民からの反対が強かったこともあり、ついに自ら退位を決意した。その意思表明も、ラジオを通じて直接国民に語り掛けるというものであった。[1]

国民の多くから絶大な人気を誇ったダイアナへの冷たい態度は、珍しく国民の間で女王への強い不満を醸しだ際にも、これを受けて英王室は、自分たちの活動をより国民に理解してもらおうと、ホームページYouTubeなどを駆使し、王室が請け負う年間3000件以上もの公務や、高齢の女王や夫君エディンバラ公が各々600から700に及ぶ各種団体の長を務めている実態を明らかにした。[1]

2013年1月、オランダ女王ベアトリックスが75歳の誕生日を控え、突然、国民に長男ウィレム・アレクサンダーへの譲位を発表した。この時女王が採った譲位表明の在り方が、記者会見ではなく、ビデオメッセージで国民に直接語り掛けるという方式だったのである。健康的にも問題はなく、国内での人気も極めて高いさなかの譲位に、国民の大半は驚愕した。しかし一人一人の目を見つめながらの女王の強い意思に、国民も納得した。[1]

同じ年の7月、ベルギーアルベール2世国王が長男フィリップへの譲位を発表した。すでに79歳を迎えていたアルベール国王は、議会政治のとりあえずの安定化にも一定の目途がついた2013年夏に息子への譲位を決意した。この時も国王の意思は、テレビを通じて一人一人の目を見ながら直接国民に伝えられた。[1]

天皇[編集]

天皇が日本国民に対し、マスメディアを通じて自らメッセージを伝えたの主に以下の時である。

玉音放送
第124代昭和天皇
1945年(昭和20年)8月15日
東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば
第125代今上天皇
2011年(平成23年)3月16日[2]
象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば
第125代今上天皇
2016年平成28年)8月8日[3]

関連項目[編集]


脚注[編集]