エンキ・ビラル

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エンキ・ビラル
Enki Bilal
Enki Bilal 20100328 Salon du livre de Paris 5.jpg
2010年3月、パリの書籍見本市にて
本名 エネス・ビラロヴィッチ
Enes Bilalović
生誕 1951年10月7日(64歳)
セルビア ベオグラード
国籍 フランスの旗 フランス
職業 漫画家映画監督
活動期間 1972年-
ジャンル SF政治
代表作 『ニコポル三部作』
『アッツフェルド四部作』
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エンキ・ビラル (Enki Bilal、1951年10月7日 - )はバンド・デシネ作家(漫画家)および映画監督

経歴[編集]

ボスニア人の父親とチェコ人の母親のもと、セルビア(旧ユーゴスラビア)のベオグラードで生まれる。1961年、9歳の時に家族でフランスパリに移住[1]。14歳の時にルネ・ゴシニと出会い、彼の励ましによって自らの才能を漫画に見出す。1971年に、当時の有名コミック雑誌「ピロット」(Pilote)のコンテストに応募し、受賞。翌年に処女作『呪われたバル』(Le Bal Maudit)を発表し、バンド・デシネ作家としてのデビューを果たした。その後、原作者のピエール・クリスタンと共にいくつかのSF作品を発表する。1979年に発表した『黒の旅団』で、彼はバンド・デシネ作家としての地位を確固たるものにするが、この頃から彼は、本格的に政治をテーマに扱った作品を世に送り出すようになった。そして1980年から12年にわたって発表したSF作品『ニコポル三部作』が世界的な人気を博し、第3巻『冷たい赤道』が文芸誌『リール』(Lire)の1993年度最優秀書籍に選ばれ[1]、多くの読者から高い評価を受けた。以後、映画にも活動の幅を広げ、1989年には最初の映画作品『バンカー・パレス・ホテル』を発表。映像作家としてもその手腕をいかんなく発揮している。近年の作品としては、ルーヴル美術館と漫画出版社・フュチュロポリスの共同出版プロジェクトの一環として発表された『ルーヴルの亡霊たち』がある。

作品[編集]

シリーズ[編集]

  • 今日の伝説(Légendes d'Aujourd'hui、ピエール・クリスタン作、1975年 - 1977年、3巻)
    1. 亡き者たちの航海(La Croisière des Oubliés、1975年)
    2. 石の船(Le Vaisseau de Pierre、1976年)
    3. 存在しない町(La Ville qui n'Existait Pas、1977年)
  • ニコポル三部作(1980年 - 1992年、3巻)
    1. 不死なる者の祭典(La Foire aux Immortel、1980年)
    2. 罠の女(La Femme Piege、1986年)
    3. 冷たい赤道(Froid Équateur、1992年)
  • アッツフェルド四部作(1998年 - 2007年、4巻)
    1. 怪物の眠り(Le Sommeil du Monstre、1998年)
    2. 12月32日(32 Décembre、2003年)
    3. パリのランデヴー(Rendez-Vous à Paris、2006年)
    4. 4人?(Quatre?、2007年)

単巻[編集]

  • ロサンゼルス ローリー・ブルームの失われた星(Los Angeles - L'Étoile Oubliée de Laurie Bloom、ピエール・クリスタン作、1974年)
  • 星の叫び(L'Appel des Étoiles、1975年)
  • 外宇宙の記憶(Mémoires d'Outre-Espace, Histoires Courtes 1974-1977、1978年)
  • 抹殺者17号(Exterminateur 17、ジャン=ピエール・ディオネ作、1979年)
  • 黒の旅団(Les Phalanges d'Ordre Noir、ピエール・クリスタン作、1979年)
  • 宇宙の十字(Crux Universalis、1982年)
  • 狩猟会(Partie de Chasse、ピエール・クリスタン作、1983年)
  • オフサイド(Hors Jeu、パトリック・コーヴァン作、1987年)
  • 血まみれの心臓とその他の事実(Coeurs Sanglants et Autre Faits Divers、ピエール・クリスタン作、1988年)
  • 別時間の記憶(Memoires d'Autre Temps, Histoires Courtes 1971-1981、1996年)
  • アニマルズ(Animal'z、2009年)
  • ジュリアとロエム(Julia & Roem、2011年)
  • ルーヴルの亡霊たち(Les Fantômes du Louvre、2012年) ※ルーヴル美術館とフュチュロポリス社の共同出版
  • 大気の色(La Couleur de l'Air、2014年)

挿絵[編集]

  • 石棺(Le Sarcophage、ピエール・クリスタン作、2000年)

その他[編集]

  • 青い血(Bleu Sang、1994年)  ※画集
  • EnkiBilalAnDeuxMilleUn(1996年)  ※画集
  • Tykho Moon - Livre d'un Film(1996年) ※ビラル自身が監督した映画「ティコ・ムーン」のメイキング画像などを収録した本
  • 愛の世紀(Un Siècle d'Amour、1999年) ※画集
  • マグマ(Magma、2000年) ※画集

監督した映画作品[編集]

日本での出版[編集]

  • 『モンスターの眠り』(大友克洋監修、貴田奈都子訳、1998年 ISBN 4309263585) ※アッツフェルド四部作『怪物の眠り』の翻訳版。絶版。
  • ニコポル三部作(貴田奈津子訳、河出書房新社) ※絶版
    1. 『不死者のカーニバル』(2000年 ISBN 4309264026)
    2. 『罠の女』(2000年 ISBN 4309264034)
    3. 『冷たい赤道』(2001年 ISBN 4309264042)
  • 『モンスター [完全版]』(大西愛子訳、飛鳥新社、2011年 ISBN 4864101264) ※アッツフェルド四部作を単行本としてまとめた新訳版。
  • 『ルーヴルの亡霊たち』(大西愛子訳、小池寿子監修、小学館集英社プロダクション、2014年 ISBN 4796875301)

脚注[編集]

  1. ^ a b 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』32-33頁。

参考文献[編集]

  • 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』玄光社、2013年

関連項目[編集]

  • チェスボクシング - 冷たい赤道の作中に登場した架空のスポーツだったが、2003年に実際開催された。
  • 新川洋司 - 影響を受けた作家としてエンキ・ビラルの名を挙げ、画集で対談を行った。
  • 弐瓶勉 - 画集内で対談を行っており、エンキ・ビラルを最も好きなバンド・デシネ作家に挙げている。自身の作品にも影響を受けたことを語っている。