九州旅客鉄道

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九州旅客鉄道株式会社
Kyushu Railway Company
JR logo (kyushu).svg
JRkyusyu honsya.JPG
JR九州 本社(博多駅前ビジネスセンタービル6F-11F)
種類 株式会社
市場情報
東証1部 9142
2016年10月25日上場
福証 9142
2016年10月26日上場
略称 JR九州、JR-K
本社所在地 日本の旗 日本
812-8566
福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号
(博多駅前ビジネスセンタービル)
設立 1987年(昭和62年)4月1日[1]
業種 陸運業
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役会長 唐池恒二
代表取締役社長 青柳俊彦
資本金 160億円
発行済株式総数 1億6000万株
売上高 連結:3,779億円
単独:2,111億円
(2016年3月期)
営業利益 連結:208億円
単独:54億円
(2016年3月期)
経常利益 連結:320億円
単独:182億円
(2016年3月期)
純利益 連結:△4,330億円
単独:△4,444億円
(2016年3月期)
純資産 連結:3,057億円
単独:2,623億円
(2016年3月31日現在)
総資産 連結:6,466億円
単独:5,369億円
(2016年3月31日現在)
従業員数 9,390人(2013年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要子会社 主な関係会社参照。
外部リンク http://www.jrkyushu.co.jp/
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九州旅客鉄道株式会社(きゅうしゅうりょかくてつどう、英称:Kyushu Railway Company[注 1] は、1987年4月1日日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つ。

主に九州地方山口県の一部の鉄道路線を管理運営している。また、旅行業不動産業農業なども展開している。本社は福岡市。通称はJR九州(ジェイアールきゅうしゅう)。英語略称はJR Kyushu。コーポレートカラー色。東証一部・福証上場企業。

概況[編集]

営業概況[編集]

九州新幹線と九州地方の在来線を営業エリアとし、総営業キロ数 2,273.0 km[2]、567駅の運営を行っている。

1987年のJR九州発足後は、福岡市博多区の博多駅前に福岡本社、北九州市門司区門司港駅隣の旧国鉄九州総局ビルに北九州本社を構えていたが、2001年に福岡本社に統合し、北九州市小倉北区西小倉駅近隣(小倉駅からも至近)に北部九州地域本社を設置している。

グループ会社は36社を抱え、不動産駅ビル事業など鉄道と縁深い事業だけに留まらず、船舶事業、ドラッグストア居酒屋チェーンなどの経営、はては農業といった幅広い事業を営んでおり、関連事業の収益が鉄道事業を超えている。

また、近年では、九州新幹線全線開業前に放送し、YouTubeで配信された『祝!九州縦断ウエーブ』と銘打った大規模イベントを敢行してのCM制作や、日本初の超豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」の運行を行っている。

経営環境[編集]

九州の各地でJR九州の特急と高速バスが競合している。さらに福岡市北九州市の都市同士を結ぶ博多駅 - 小倉駅間では国鉄分割民営化により山陽新幹線西日本旅客鉄道(JR西日本)の所有となり、JR九州の所有する鹿児島本線とは競争関係となっている。

このような経営環境もあり、鉄道事業においては特急列車の増発、運賃面でも特急料金の値下げ、「2枚きっぷ・4枚きっぷ」やインターネット専用の割引切符の販売など新幹線・在来線特急列車用の割引切符の拡充などが行なわれている一方で、普通列車や一部特急列車のワンマン化、余剰人員の削減、駅無人化の推進など徹底的なコストカットも推し進めている。

また、鉄道事業のほかにも不動産、船舶、飲食業、農業などといった事業の多角化を推し進めてきた。この結果、発足初年度の営業損益は288億円のマイナスとなったが、九州新幹線[注 2] が部分開業した2004年度に、営業損益が黒字に転換した。以降、営業黒字を拡大している。

近年では、2011年3月12日に全線開業した九州新幹線を軸として、事業の基盤となる地域の活性化を目的とした観光列車を相次いで投入、多角化を進めている関連事業と鉄道事業との相乗効果をもって利益を拡大する事業戦略を推進している[3]。2012年度から5カ年の中期経営計画では「株式上場の実現」を目標としている[4][5]

完全民営化[編集]

発足から長らく、北海道旅客鉄道(JR北海道)、四国旅客鉄道(JR四国)、日本貨物鉄道(JR貨物)と同様、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部(以下、鉄道・運輸機構。発足当初は日本国有鉄道清算事業団)が全株式を保有し、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(JR会社法)に依る特殊会社であった。JR北海道、JR四国と同様に、経営支援策として経営安定基金(3877億、元本の利用はできない。利益配当のみ経常利益に含まれる)が与えられていた。

2015年1月27日、政府は2016年度に鉄道・運輸機構が保有するJR九州の株式を売却し、東京証券取引所などに上場させるとする報告書が国土交通省より発表された。JR九州は前述の通り政府が造成した経営支援を目的とする経営安定基金を保有しており、上場に際してはその取扱が焦点となっていたが、九州新幹線の施設使用料(年102億円)の一括前払い(計2205億円)および借入金の償還などに充て、国庫に返納せず全て使い切る方針であるとした[6]

同年6月3日にJR九州の完全民営化を軸としたJR会社法が参議院本会議で可決・成立し[7]、6月10日にJR会社法改正法が公布され[8]、2016年4月1日より施行され[9]、法令上は特殊会社ではない民間会社となった。2015年の法改正により、基金は全額取り崩され、九州新幹線貸付料の一括前払いや鉄道・運輸機構からの借入金の一括返済等に充当された。また、法改正後も3年間の時限措置として引き続き、固定資産税の減免を受けている。

2016年10月25日にJR九州の株式は東京証券取引所(市場第一部)に上場(同年10月26日には福岡証券取引所にも上場)、鉄道・運輸機構が保有していたJR九州の株式は一括して売却された。これにより、東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、東海旅客鉄道(JR東海)に続いてJRグループでは4社目[6]、経営が厳しいと見られていた本州以外を営業エリアとする、いわゆる「三島会社」では初の上場および完全民営化となった[10]

今後の展望[編集]

JR九州全体では2004年度以降、営業損益が黒字に転換したものの、2016年3月現在、鉄道事業においては発足以来一度も黒字を計上したことがなく、九州新幹線が全線開業した後も依然として厳しい経営状況が続いているが、減価償却費の大幅な圧縮などにより、2017年3月期に当社発足以来初めて鉄道事業が226億円の営業黒字となる見通しであることが発表された[11]。当時のJR九州社長唐池恒二は「2014年度を目処に鉄道事業を黒字化させたい」としていた[4]。2016年のIPOにおいては、投資家の間でも訪日観光客の強い伸びが安定した企業成長につながるといった見方があるとされている[12]

九州新幹線長崎ルート(西九州ルート)が2008年4月に着工され、2022年度の完成を見込んでいる。

運転面[編集]

広域輸送[編集]

優等列車の運行については、民営化後博多駅を中心とした体系に改められ、同駅から九州各県の主要駅に向かう新幹線・在来線特急列車が発着している。

九州新幹線[編集]

九州新幹線は、九州内においては博多駅・熊本駅鹿児島中央駅の各都市間の輸送を主としている。このほかにも主な駅で佐賀・長崎・大分・宮崎の各都市を結ぶ在来線特急列車や高速バスと連絡している。

加えて、山陽新幹線新大阪駅と鹿児島中央駅との間で直通運転も行っている。

通常は博多駅から熊本駅までは1時間あたり3 - 4本、鹿児島中央駅までは2本 - 3本の頻度で運行されており、繁忙期などは山陽新幹線に直通する臨時列車も多数運行され、最大で1時間に6本ほど運行される時間帯もあるなど、高頻度での運行がなされている。

在来線特急列車[編集]

博多駅を中心として、小倉駅・佐賀駅長崎駅佐世保駅大分駅などの間で特急列車を運行している。特に博多駅 - 小倉駅・佐賀駅間に関しては、「在来線特急毎時上下各3本運転」[注 3] と高頻度での運行を行っている。宮崎駅に関しては途中駅での接続で対応しているが、特急料金の通算や同一ホームでの乗り換えなどで便宜を図っている。このほかにも宮崎駅 - 鹿児島中央駅間や、大分駅 - 熊本駅間を結ぶ特急列車も運行されている。

博多駅はかつて日本で在来線特急が最も多く発着するターミナル駅となっていた。特に九州新幹線全線開業前の博多駅 - 鳥栖駅間は3系統8種の特急列車(「リレーつばめ」「有明」「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」)が運転され線路容量は限界に達しており、2003年には待避専用の太宰府信号場が設置されたほどである。2011年3月12日九州新幹線が全線開業して「リレーつばめ」が廃止、「有明」が朝晩のみの運行になったことでこの区間の線路容量にも若干余裕ができたため、1976年長崎本線佐世保線電化開業以来行われていた「かもめ」「みどり」の併結運転は終了した。「みどり」は「ハウステンボス」と併結運転を行っており、「かもめ」との併結運転が終了するまでは「かもめ・みどり・ハウステンボス」の3階建て列車が運行されていた。

2008年6月発売の時刻表より、管内の「エル特急」の呼称がすべて「特急」に変更された。

その他[編集]

定期運行の寝台特急については1994年に「あさかぜ1・4号」「みずほ」が廃止されたのを皮切りに縮小が進み、2009年3月14日のダイヤ改正で「はやぶさ」「富士」が廃止されたことでJR九州管内から消滅した。また2011年3月12日のダイヤ改正で「ドリームにちりん」が廃止されたことで定期運行の夜行列車自体が消滅した。

急行列車については特急格上げや廃止が進められ、2004年に「くまがわ」が特急に格上げされたことで消滅した。

地域輸送[編集]

JR九州の発足後、福岡・熊本・大分・鹿児島の各都市圏では普通列車の増発が進められ、長距離を運行する普通列車の系統を分離、JR他社線への直通運転を廃止するなど、運転区間の細分化、車両を需要に合わせた短編成化も並行して行われた。一部の区間では、快速列車の新規設定や増発・停車駅追加などを実施した。しかし2000年代以降博多 - 小倉間では特急列車の増発が図られるとともに、快速列車については停車駅の追加のほか毎時1本を準快速に格下げし快速区間の短縮を行った。朝や夜間の一部を除く大半の列車で待避停車があり、博多 - 小倉間を日中の快速は68-70分。準快速にいたっては通過駅が5駅しかなく78分を要することとなり、最速55分で結んでいた国鉄時代と比較しても同区間の所要時間は大きく延びている。振り子式車両883系885系を投入して大幅に速度向上した特急列車との格差は拡大している。

また、九州各地の在来線特急列車や新幹線も、乗車距離の短い区間に廉価な特急料金や割引切符を設定し、列車の増発や停車駅を拡大することによって、短距離でも利用しやすい体制を整えている。

普通列車では、1988年の香椎線三角線を皮切りに、車掌を乗務させないワンマン運転を九州の各地で拡大させた。普通列車のワンマン運転は2015年3月時点で、山陽本線下関駅 - 門司駅間、鹿児島本線門司港駅 - 鳥栖駅間(福北ゆたか線との直通列車を除く)、筑肥線姪浜駅 - 筑前前原駅間を除くすべての区間で行われている。2004年以降は一部の特急列車もワンマン運転となっている(車内改札は客室乗務員が担当する)。

D&S列車(観光列車)[編集]

JR九州では管内各地のローカル線でD&S(デザイン&ストーリー)列車と称する観光面に特化した観光列車を多数運行している。D&Sの由来は、これらの列車が特別なデザインと運行する地域に基づくストーリーの「デザインと物語のある列車」であることから[13]

1989年に同社初の観光列車である特急「ゆふいんの森」が運行を開始し、2004年には九州新幹線が一部開業することを契機に、鹿児島県宮崎県を中心として多数の観光列車が運行を開始した。その後、九州新幹線が全線開業、沿線である熊本・鹿児島両県でさらなる観光列車の投入が行われた。

D&S列車はそのほとんどが従来から使用されていた車両をリニューアルした車両で運行されており、中には普通列車用の車両を改造し、観光特急と称して運行している列車もある。

各D&S列車の特徴としては、内外装やサービスに乗客を楽しませる仕掛けが施されてあり、車内にアルコール飲料を提供するバーを備えた特急「A列車で行こう」や、沿線の浦島太郎伝説にちなみ、ドアが開くとドア上部から玉手箱の煙に見立てた白いミストが噴出する特急「指宿のたまて箱」、中には、列車の運行中に客室乗務員が沿線の神話をモチーフにした手作りの紙芝居を披露するサービスが行われている特急「海幸山幸」といった列車も運行されている。

2015年8月現在、JR九州管内で以下の10種類のD&S列車を運行している。

列車名 運転開始
ゆふいんの森 1989年3月
いさぶろう・しんぺい 1996年3月
九州横断特急 2004年3月
はやとの風 2004年3月
SL人吉 2009年4月
海幸山幸 2009年10月
指宿のたまて箱 2011年3月
あそぼーい! 2011年6月
A列車で行こう 2011年10月
JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」 2015年8月

豪華寝台列車[編集]

2013年10月15日より、寝台列車「ななつ星in九州」を運行している。ななつ星in九州は、1室の料金が1人最大55万円ともなる超豪華寝台列車で、数日にわたって九州を周遊する。日本初となる観光に特化した寝台列車(クルーズトレイン)であり、主に国内やアジアの富裕層をターゲットにする[14]

運賃・料金面[編集]

1996年普通運賃を値上げしつつ、JR他社より安いグリーン料金や、JRグループの中では唯一、在来線特急の繁忙期(指定席特急料金が200円増しになる時期)を設定しない[注 4] など料金の値下げをしている。ただし、九州新幹線に関しては繁忙期・通常期・閑散期の設定がなされており、時期により指定料金が異なる。

JR九州の競争区間(主に九州内の高速バス)の対象である旅客に対する値下げ戦略は、2001年に割引きっぷのほとんどを特急回数券「2枚きっぷ・4枚きっぷ」に集約した。この「2枚きっぷ・4枚きっぷ」において、高速バスとの競合する区間では普通乗車券よりも安くなる区間も存在する[注 5]。また、インターネットでの割引切符の予約・販売も推進しており、「2枚きっぷ」と同等の価格で片道から購入できる「九州ネットきっぷ」、早期予約で「4枚きっぷ」以上の割引率で片道から購入できる「九州ネット早得」といった割引切符が設定されている。JR九州のインターネット予約サービスはJR西日本の同サービス「e5489」とも連携しており、山陽新幹線方面のインターネット専用割引切符「eきっぷ」「スーパー早得きっぷ」も購入できる。

快速・普通列車用の割引回数券としては、6枚つづりの「ミニ回数券」がある。特急列車の設定のない一部の区間(長崎 - 佐世保間、唐津 - 福岡市地下鉄博多間など)では、普通列車用の「2枚きっぷ・4枚きっぷ」を発売している。

若者向けの割引商品として、1996年に16歳から29歳までの人が入会可能な会員制割引サービス「ナイスゴーイングカード」を開始し、2011年まで新規入会受付を継続した。2012年からは16歳から24歳までの人が購入可能で2枚きっぷ・4枚きっぷより割引率の高い割引きっぷ「ガチきっぷ」を長期休暇期間に発売している。

全線フリーの企画乗車券については以前「九州グリーン豪遊券」(2003年まで)[15]・「九州レディースパス」(2002年まで)の発売が終了してから数年間存在しなかったが、2007年に入り特急列車・九州新幹線が利用可能な「九州特急フリーきっぷ」が発売開始され、以後使用期間を限定し、商品名を変更して発売されている。また同年にはJR九州の普通列車と九州内の私鉄路線に乗車できる「旅名人の九州満喫きっぷ」が発売された。

このように割引きっぷを設定する一方、急行列車の特急格上げ、山陽新幹線と在来線の乗継割引の廃止など、負担増となった例もある。また九州新幹線には新幹線と在来線の乗継割引が導入されていない。

車両面[編集]

特急車両に関しては、発足当初はJR他社と同様、485系電車など国鉄から引き継いだ車両の座席交換などの改良工事を進め、1988年にJRグループ初の新系列車両である783系電車を導入した。また、水戸岡鋭治のデザインによる個性的な車両やデザイン面を重視した列車を相次いで開発し、アクアエクスプレスを皮切りに、787系電車883系電車885系電車などの新系列特急車を多く導入している。

九州新幹線の全線開業以前は比較的車両によって使用される列車が固定されていたこともあり、外装に列車名をロゴとして表記する車両も多く見られた。このため運用の変更が起こると、885系電車では「かもめ」編成の「ソニック」と「ソニック」編成の「かもめ」が博多駅のホームに並んだり、稀ではあるが783系電車において「ハウステンボス」編成の「みどり」と「みどり」編成の「ハウステンボス」が併結するなどの事態が発生した。

九州新幹線の全線開業により、787系は「ハウステンボス」「ソニック」以外のJR九州管内のすべての在来線電車特急に充当されるようになったことと、885系では「かもめ」「ソニック」への使い分けが事実上消滅して共通運用になっていたことから、この2形式は共通運用を前提とした「AROUND THE KYUSHU」ロゴへの変更が行われている。

また、前述の観光列車に至っては指宿枕崎線指宿駅発着の「指宿のたまて箱」に予備車が1両あるのをのぞいて予備車両を持たないため、「海幸山幸」や「あそぼーい!」などのように週末などのみの運転に限定したり、「ゆふいんの森」や「はやとの風」などのように毎日運転ではあるが専用車両の検査時には別の車両で代走する、という措置が取られている。

普通列車関係では、トイレの設置を進めており、近年では103系1500番台および303系の全編成、キハ125形の全車に、バリアフリー対応トイレが設置された。この結果、トイレ非設置の普通列車はキハ31形単行列車くらいとなっている。

禁煙化[編集]

車両の禁煙化については、民営化直後の1988年には普通・快速列車の分煙化を行い、さらに1995年には普通・快速列車は全面禁煙とした。一方特急列車でも年々禁煙車は増加しており、2003年からは特急列車の喫煙車は編成最後部(下り列車基準)の1両のみとし、指定席自由席を1両に集約していた[注 6]。また、1999年に投入された「有明」用の787系では、喫煙ルームを設けることで客室内を禁煙とした。

その後、2007年3月18日のダイヤ改正で、JR北海道・JR東日本と共に管内特急の喫煙コーナーの廃止を含む大幅な禁煙化が行われた。この改正により管内特急の大半が全面禁煙となり、「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」に喫煙車が、「ゆふ」「ゆふDX」「ゆふいんの森」「九州横断特急」「くまがわ」に喫煙ルーム(客席内は禁煙)が残るのみとなった。2009年3月14日のダイヤ改正でこれら特急の喫煙車および喫煙ルームが廃止となり、当時残っていた寝台特急をのぞいて全特急が完全禁煙となった。

なお、九州新幹線に関しては、部分開業した2004年に運行を開始した「つばめ」に充当された800系に関しては、当初から全面禁煙であった。全線開業に伴い運行を開始した「みずほ」および一部の「さくら」「つばめ」に充当されるN700系7000番台・8000番台では客室内は全室禁煙で、3・7号車に喫煙ルームが設置され、JR九州管内を運行する列車では2年ぶりに喫煙可能の列車が登場した。

2012年2月現在でJR九州管内を運行する列車において、車内での喫煙が可能なのはN700系7000番台・8000番台で運行される「みずほ」「さくら」「つばめ」の喫煙ルームのみで、それ以外の新幹線・在来線全列車は全面禁煙となっている。

2012年4月1日からは福岡・北九州都市圏の一部エリアの在来線駅においてホーム上の喫煙コーナーを廃止し、全面禁煙となった[16]。ただし、博多駅・小倉駅の喫煙ルームは存続している[16]

本社・支社等[編集]

九州旅客鉄道の位置(日本内)
北部九州地域本社
北部九州地域本社
長崎
長崎
大分
大分
熊本
熊本
鹿児島
鹿児島
東京
東京
沖縄支店
沖縄支店
九州旅客鉄道
JR九州 Red pog.svg 本社 Blue pog.svg 支社・支店
事業所 所在地
本社 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号(博多駅前ビジネスセンタービル)
北部九州地域本社 福岡県北九州市小倉北区室町三丁目2番57号
長崎支社 長崎県長崎市尾上町1番89号
大分支社 大分県大分市要町1番1号(大分駅構内)
熊本支社 熊本県熊本市西区春日三丁目15番1号(熊本駅構内)
鹿児島支社 鹿児島県鹿児島市武一丁目2番1号
東京支社 東京都千代田区永田町二丁目12番4号(赤坂山王センタービル9階)
沖縄支店 沖縄県那覇市壺川二丁目1番14号
上海事務所 中華人民共和国上海市
小倉総合車両センター 福岡県北九州市小倉北区金田三丁目1番1号
JR九州病院 福岡県北九州市門司区高田二丁目1番1号
社員研修センター 福岡県北九州市門司区新原町8番1号

歴史[編集]

  • 1987年昭和62年)4月1日:国鉄が分割民営化され、九州旅客鉄道発足[1]。社長に石井幸孝が就任。
  • 1988年(昭和63年)
  • 1989年平成元年)
  • 1990年(平成2年)
    • 3月12日:博多と小倉に電話予約センターを開設。
    • 5月2日:高速船「ビートル」が博多港 - 平戸 - 長崎オランダ村間で運航開始。
    • 6月5日:一般旅行業取扱開始。
    • 7月2日:集中豪雨により、豊肥本線宮地駅 - 緒方駅間が不通になる(1991年10月19日に全線復旧)。
    • 9月1日:長崎・熊本・大分・鹿児島の4支店を支社に改組[17]
  • 1991年(平成3年)
    • 3月1日:電話予約サービスを九州全域に拡大。
    • 3月25日:博多 - 釜山間に高速船「ビートルII」運航開始[1]
    • 6月1日:唐津鉄道事業部発足[1]
  • 1992年(平成4年)
    • 3月25日:大村線早岐駅 - ハウステンボス駅間電化。特急「ハウステンボス」運転開始[1]。また、高速船「ビートル」の航路を博多港 - 平戸 - ハウステンボス間に変更。
    • 6月1日:人吉鉄道事業部・霧島高原鉄道事業部開設[1]
    • 7月15日:鹿児島本線に783・787系電車で特急「つばめ」運転開始[1]
  • 1993年(平成5年)6月1日:日南鉄道事業部発足。
  • 1994年(平成6年)
    • 3月31日:博多港 - 平戸 - ハウステンボス間の高速船「ビートル」休航。
    • 12月3日:寝台特急「みずほ」が廃止。
  • 1995年(平成7年)
  • 1996年(平成8年)
  • 1997年(平成9年)6月下旬:定時株主総会後の取締役会で社長に田中浩二、会長に石井幸孝が就任。
  • 1999年(平成11年)
    • 10月1日:豊肥本線熊本駅 - 肥後大津駅間が電化[1]
    • 10月17日:南福岡駅にJR九州で初めての自動改札機設置[1]
  • 2000年(平成12年)
  • 2001年(平成13年)
    • 4月1日
      • 福岡本社と北九州本社を統合。北部九州地域本社発足。
      • 福岡市交通局との共通カード乗車券「ワイワイカード」を導入。
    • 6月22日:改正JR会社法が施行(成立は2001年6月15日)。本州3社が本法の適用から除外されたものの、指針によりJR九州を含む三島会社とJR貨物との協力関係の維持を規定。
    • 7月1日:自動車事業部をすべてジェイアール九州バスに分社。
    • 9月27日:特急回数券「2枚きっぷ・4枚きっぷ」を発売開始。イメージキャラクターにPUFFYを起用。
    • 10月6日筑豊本線黒崎駅・折尾駅 - 桂川駅間と篠栗線が電化。これに合わせ福北ゆたか線と愛称をつける。
  • 2002年(平成14年)
    • 2月22日鹿児島線列車追突事故が発生。
    • 6月21日:社長に石原進、会長に田中浩二が就任、石井幸孝は相談役に就任するが福岡市長選に立候補するため、その後退社(結果的には立候補しなかった)。
  • 2003年(平成15年)
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日
      • 九州新幹線の一部(新八代駅 - 鹿児島中央駅間)開業。これに伴い、並行する鹿児島本線の一部(八代駅 - 川内駅間)を廃止し、肥薩おれんじ鉄道に転換。特急「つばめ」を廃止し、「リレーつばめ」運転開始。
      • 急行「くまがわ」が特急「九州横断特急」・「くまがわ」に格上げされ、廃止。これにより、JR四国に続いて管内から定期急行列車が消滅。
      • 特急「はやとの風」運転開始。
  • 2005年(平成17年)
    • 3月1日:寝台特急「さくら」が廃止。
    • 8月28日:「SLあそBOY」がこの日限りで運転終了。
    • 10月1日
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:管内列車の大幅な禁煙化を実施。
  • 2008年(平成20年)
    • 3月15日:寝台特急「なは」・「あかつき」廃止。
    • 4月1日
      • 管内主要駅に設置している旅行代理店名をこれまでの「ジョイロード」から「JR九州旅行」に変更。
      • 豊肥久大、阿蘇、霧島高原、指宿の4鉄道事業部廃止。
    • 6月:管内を走る「エル特急」の呼称を「特急」に統一。これにより「エル特急」の呼称がなくなる。また田中浩二が相談役に就任。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月1日:福岡・北九州都市圏にICカード乗車券SUGOCAを導入。
    • 3月14日
      • 寝台特急「はやぶさ」「富士」廃止。これにより九州内を発着地とする本州直通の寝台特急列車が消滅。
      • 管内のすべての新幹線および在来線特急を全列車全車両禁煙とする(喫煙車両や喫煙ルームの全面廃止)。
    • 4月1日:日田彦山鉄道事業部廃止[17]
    • 4月25日:熊本駅 - 人吉駅間で「SL人吉」を運転開始。「SLあそBOY」の蒸気機関車58654をオーバーホールして投入。
    • 6月23日:社長に唐池恒二、会長に石原進が就任。
    • 10月10日:日南線で高千穂鉄道から購入・改造した車両を使用した観光特急「海幸山幸」を運転開始[18]
    • 10月31日:この日限りで九州管内の在来線特急から車内公衆電話サービスを全廃。
  • 2010年(平成22年)
    • 3月13日:SUGOCAとnimocaはやかけんSuicaの相互乗車および電子マネー相互利用開始。
    • 4月1日:北部九州地域本社のうち、現業機関を再度鉄道事業本部直轄とする[17]
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)12月1日:SUGOCA利用可能エリアが、熊本・大分の両県(現行の福岡・佐賀エリアの拡大分)、ならびに長崎・鹿児島の両県(それぞれが独立エリア)に拡大[24][注 8]
  • 2013年(平成25年)
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:特急「かもめ」「ソニック」における車内販売を終了。これにより、九州新幹線の列車と「D&S列車」以外での車内販売の営業が事実上終了となった[注 9]
    • 3月27日:旅行部門でJTBとアライアンス関係を構築[27]
    • 5月22日:長崎本線肥前竜王駅にて特急「かもめ」20号が停車している線路に同19号が進入、93m手前で非常停止するインシデントが発生[28]
    • 8月4日:JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」運転開始。
    • 11月14日:SUGOCA利用可能エリアが宮崎県(独立エリア)に拡大。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:特急「くまがわ」と「川内エクスプレス」を廃止。
    • 4月14日:平成28年熊本地震の前震が発生。九州新幹線が脱線するなどの被害が出る[29]
    • 4月16日:14日の地震の本震が発生。豊肥本線で脱線や大規模な土砂崩れが発生するなど被害が拡大する[30]
    • 10月25日:東京証券取引所に上場[31]
    • 10月26日:福岡証券取引所に上場[31]

今後の予定[編集]

  • 2017年(平成29年)
    • 春頃(予定):観光列車「かわせみ やませみ」運転開始[32]
    • 7月(予定):インターネット列車予約向け「eレールポイント」、JQ CARD利用者向け「JQポイント」、SUGOCA利用者向け「SUGOCAポイント」 の各ポイントサービスを統合し、名称を「JRキューポ」に変更[33]

歴代社長[編集]

歴代の九州旅客鉄道社長
代数 氏名 在任期間 出身校
初代 石井幸孝 1987年 - 1997年 東京大学工学部
第2代 田中浩二 1997年 - 2002年 東京大学法学部
第3代 石原進 2002年 - 2009年 東京大学法学部
第4代 唐池恒二 2009年 - 2014年 京都大学法学部
第5代 青柳俊彦 2014年 - 東京大学工学部

路線[編集]

営業キロ数 線区数 駅数
新幹線 288.9 km 1 12
在来線 1984.1 km 21 563
全体 2273.0 km 22 567[34]
  • 営業キロ・線区数は2011年3月12日現在。駅数は2016年3月26日現在(全体数に新幹線・在来線併設駅8駅は重複計上せず)。

現有路線[編集]

分類 路線名 区間 営業キロ 愛称 備考
新幹線 九州新幹線 博多駅 - 鹿児島中央駅 288.9 km 山陽・九州新幹線 いわゆる鹿児島ルート
実キロは256.8 km
博多駅と博多駅から約8 kmの区間はJR西日本の管轄
幹線 山陽本線 下関駅 - 門司駅 6.3 km   神戸駅 - 下関駅間はJR西日本管轄
鹿児島本線 門司港駅 - 八代駅 232.3 km 福北ゆたか線黒崎駅 - 折尾駅および吉塚駅 - 博多駅)
あまくさみすみ線(熊本駅 - 宇土駅)
小倉駅 - 西小倉駅間 (0.8 km) は日豊本線と重複
川内駅 - 鹿児島駅 49.3 km    
篠栗線 桂川駅 - 吉塚駅 25.1 km 福北ゆたか線  
長崎本線 鳥栖駅 - 長崎駅 125.3 km    
喜々津駅 - 長与駅 - 浦上駅 23.5 km 旧線(長与支線)  
筑肥線 姪浜駅 - 唐津駅 42.6 km   両線は唐津線唐津駅で接続
山本駅 - 伊万里駅 25.7 km  
佐世保線 肥前山口駅 - 佐世保駅 48.8 km    
日豊本線 小倉駅 - 鹿児島駅 462.6 km 空港線(宮崎駅 - 南宮崎駅) 小倉駅 - 西小倉駅間 (0.8 km) は鹿児島本線と重複
宮崎空港線 田吉駅 - 宮崎空港駅 1.4 km 空港線  
地方交通線 香椎線 西戸崎駅 - 宇美駅 25.4 km 海の中道線(西戸崎駅 - 香椎駅  
三角線 宇土駅 - 三角駅 25.6 km あまくさみすみ線  
肥薩線 八代駅 - 隼人駅 124.2 km えびの高原線(八代駅 - 吉松駅)  
指宿枕崎線 鹿児島中央駅 - 枕崎駅 87.8 km    
唐津線 久保田駅 - 西唐津駅 42.5 km    
大村線 早岐駅 - 諫早駅 47.6 km    
久大本線 久留米駅 - 大分駅 141.5 km ゆふ高原線  
豊肥本線 大分駅 - 熊本駅 148.0 km 阿蘇高原線  
日田彦山線 城野駅 - 夜明駅 68.7 km    
日南線 南宮崎駅 - 志布志駅 88.9 km 空港線(南宮崎駅 - 田吉駅)  
吉都線 吉松駅 - 都城駅 61.6 km えびの高原線  
筑豊本線 若松駅 - 原田駅 66.1 km 若松線(若松駅 - 折尾駅)
福北ゆたか線(折尾駅 - 桂川駅)
原田線(桂川駅 - 原田駅)
 
後藤寺線 田川後藤寺駅 - 新飯塚駅 13.3 km    
航路 ビートル 博多港 - ハウステンボス -   1992年3月25日までは博多港 - 長崎オランダ村
1994年3月31日休航
博多港 - 釜山港 -   大韓民国釜山広域市への国際航路(運賃形態は独立)
2005年10月1日からJR九州高速船が運航
  • 山陽・九州新幹線は山陽新幹線(JR西日本)との総称。
  • 福北ゆたか線は鹿児島本線黒崎駅 - 折尾駅間および吉塚駅 - 博多駅間、篠栗線全線、筑豊本線折尾駅 - 桂川駅間の総称。
  • えびの高原線は肥薩線八代駅 - 吉松駅間と吉都線全線の総称。

廃止路線[編集]

分類 路線名 区間 営業キロ 廃止年月日 備考
幹線 鹿児島本線 八代駅 - 川内駅 116.9 km 2004年3月13日 九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間開業に伴い廃止
肥薩おれんじ鉄道に転換
地方交通線 山野線 水俣駅 - 栗野駅 55.7 km 1988年2月1日 第2次特定地方交通線の指定を受けて廃止
南国交通(バス)に転換
松浦線 有田駅 - 佐世保駅 93.9 km 1988年4月1日 第2次特定地方交通線の指定を受けて廃止
松浦鉄道に転換
上山田線 飯塚駅 - 豊前川崎駅 25.9 km 1988年9月1日 第2次特定地方交通線の指定を受けて廃止
西鉄バスに転換
高千穂線 延岡駅 - 高千穂駅 50.1 km 1989年4月28日 第2次特定地方交通線の指定を受けて廃止
高千穂鉄道に転換
台風14号による豪雨災害に伴い、2005年9月6日全線運転休止
延岡駅 - 槇峰駅間は2007年9月6日、槇峰駅 - 高千穂駅間は2008年12月28日に廃止
宮崎交通バスに転換
糸田線 金田駅 - 田川後藤寺駅 6.9 km 1989年10月1日 第3次特定地方交通線の指定を受けて廃止
平成筑豊鉄道に転換
田川線 行橋駅 - 田川伊田駅 26.3 km
伊田線 直方駅 - 田川伊田駅 16.2 km
湯前線 人吉駅 - 湯前駅 24.9 km 第3次特定地方交通線の指定を受けて廃止
くま川鉄道に転換
宮田線 勝野駅 - 筑前宮田駅 5.3 km 1989年12月23日 第3次特定地方交通線の指定を受けて廃止
西鉄バス・JR九州(バス)に転換

予定路線[編集]

分類 路線名 区間 営業キロ 開業予定 備考
新幹線 九州新幹線
(長崎ルート)
新鳥栖駅 - 長崎駅 未定 2022年[35] 2008年、スーパー特急方式武雄温泉駅 - 諫早駅間着工。
2012年、フル規格で諫早駅 - 長崎駅間着工。それに伴い武雄温泉 - 諫早間もフル規格に変更[36]
新鳥栖駅 - 武雄温泉駅間は在来線を活用。

ダイヤ[編集]

ダイヤ改正については3月に実施することが多く、他のJR各社に合わせて実施される。

列車[編集]

JR九州発足以降に同社の路線で運行されている、もしくはかつて運行されていた愛称付きの列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、他社の車両による運行のものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。詳細は各列車の記事を参照。

現行列車[編集]

新幹線[編集]

在来線[編集]

廃止列車[編集]

在来線[編集]

車両[編集]

九州新幹線800系
アクアエクスプレス
813系
883系 ソニック
885系 かもめ

特徴[編集]

JR九州の車両のデザインは、鮮やかな色彩を用い、社名英称・列車愛称形式称号などをヘルベチカによるレタリングに統一した塗装と、快適さを主眼においた内装を持っている。これらは同社のデザイン顧問に就任した水戸岡鋭治(ドーンデザイン研究所)の手によるものである。建築デザイナーとしてホテル公共施設のデザインを手がけていた水戸岡は、1988年のキハ58系「アクアエクスプレス」からJR九州の車両デザインに参加する[37]。効率と採算重視というそれまでの鉄道車両の常識の対極をいくともいえる「居住空間としての客席」との考え方によるデザイン[38] により、1992年787系つばめ」は、そのデザインと優れた内装によって、ブルーリボン賞・グッドデザイン商品(現・グッドデザイン賞)といった日本国内の賞のみならず、日本国外からもブルネル賞を受賞している。以降も水戸岡は883系ソニック」・885系かもめ」そして新幹線800系「つばめ」などの特急用にとどまらず、普通列車用まで含めた新車両や、国鉄継承車両のリニューアルのデザインを手がけている。D&S列車(観光列車)に使用されている車両の大半は国鉄から継承した車両の内外装を水戸岡のデザインを基に改造した車両であり、特に「はやとの風」「指宿のたまて箱」には一般形気動車のキハ140形を改造した車両が特急列車として使用されている。

車両の製造に関しては、電車では日立製作所笠戸事業所近畿車輛の2社に集約されている。しかし例外として2011年3月の九州新幹線全線開業に伴うN700系8000番台の投入では一部に川崎重工業車両カンパニー製の車両も存在する。一方、気動車では新潟鐵工所(現・新潟トランシス)製が多いが、一部に富士重工業日本車輌製造で製造された車両も導入している。

譲受車両[編集]

他社からの購入車両としては、後述の415系のほか、1992年にはJR四国から2000系気動車の導入で余剰となっていたキハ185系を購入し、久大本線豊肥本線の急行を特急に格上げ(「由布」→「ゆふ」「火の山」→「あそ」)したこともあるほか、2005年の台風14号の被害から廃線となった高千穂鉄道からTR400形を購入し、日南線向け観光特急「海幸山幸」用に、2015年には四国で余剰となったキハ47形をスイーツトレイン「或る列車」に改造するなどの事例もある。

普通列車用[編集]

近郊形電車については811系を皮切りに813系815系817系といった新形式車両を北部九州を中心に積極投入。817系は南九州エリアにも投入され、国鉄時代の車両を淘汰している。一方で、門司 - 下関間で運用可能な交直両用電車は、分割民営後は1両も造られておらず、交直両用電車の更新についてはJR東日本からE531系の投入で余剰となった415系1500番台を購入する形で行っている。一般型気動車については、キハ200系キハ125形の2形式が投入されたが、いずれも国鉄時代の車両を淘汰するには至っておらず、キハ40系をメンテナンスしながら併用している状況にある。

座席の種類別で見ると、JR九州発足後に開発された普通列車用の電車については、ワンマン運転を前提に投入された815系を除いて原則転換クロスシート車としているが、一方で近年福岡都市圏向けに投入される電車(303系305系、813系500番台、817系2000番台・3000番台)にはロングシート車も積極的に投入されている。

ジョイフルトレイン[編集]

発足当初は団体用のジョイフルトレインも保有していたが、団体用については1994年までに全廃され、以後は東海旅客鉄道(JR東海)と同様に保有していない。団体専用列車には一般の特急形車両のほか、D&S列車(観光列車)用車両を使用しており、結果的にジョイフルトレインと遜色ない対応を可能としている。


車両基地[編集]

支社別の車両基地設置状況は、以下のとおりである。漢字1文字の略号は機関車にのみ付される。

本・支社 車両基地 略号 備考
本社
鉄道事業本部
熊本総合車両所 幹クマ
川内新幹線車両センター 幹セイ 配置車両なし
南福岡車両区 本ミフ
小倉総合車両センター門司港派出 本コラ 門司港運転区(本モコ)の検修部門を小倉総合車両センターに統合の上改組
筑豊篠栗鉄道事業部直方車両センター 本チク
唐津鉄道事業部唐津車両センター 本カラ
長崎支社 長崎鉄道事業部佐世保車両センター 崎サキ 九州新幹線西九州ルート開業に伴う高架事業により、2014年3月15日に早岐駅構内へ長崎鉄道事業部長崎車両センターから移転
大分支社 大分鉄道事業部大分車両センター 分オイ、大 大分鉄道事業部大分運輸センターと豊肥久大鉄道事業部豊肥久大運輸センター(分ホウ)を統合
熊本支社 熊本鉄道事業部熊本車両センター 熊クマ、熊
鹿児島支社 鹿児島鉄道事業部鹿児島車両センター 鹿カコ、鹿
宮崎総合鉄道事業部宮崎車両センター 鹿ミサ
小倉総合車両センター門司港派出の電留線

車両工場[編集]

工場 名称
在来線 小倉総合車両センター (KK)
新幹線 熊本総合車両所

社歌[編集]

社歌は『浪漫鉄道』でハイ・ファイ・セットが歌っている。

制服[編集]

国鉄から民営化されてJR九州発足以来デザインにほとんど変更は無く、駅社員、乗務員(運転士、車掌)とも共通の制服である。冬服は紺色のスーツ型で襟元にはコーポレートカラーの赤色のラインが入る。ジャンパーはベージュ色の厚いタイプの物が使用されていたが、2011年より黒色で「AROUND THE KYUSHU」「KYUSHU RAILWAY COMPANY」ロゴが入り、ラインなど白い部分には反射材を採用した、水戸岡鋭治のデザインによるスッキリとした物に更新された。

駅長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は濃い紺色でダブルタイプとなる。ネクタイは紅と金色のストライプでインナーシャツは個人のものを使用する。制帽はJR他社と異なりヨーロピアン風の型状(ドゴール帽)で、正面には旧国鉄のシンボルマーク「動輪」にJRマークが入ったものに、赤色のラインが入った帽子を採用している。

なお、乗務員は上着の左肩には「運転士」「車掌」などのエンブレムを付けている。このエンブレムは在来線の乗務員と新幹線の乗務員とでデザインが異なり、新幹線の乗務員のエンブレムは下部に金色の刺繍が入っており「新幹線 運転士」「新幹線 車掌」と標記されている。

女性用制服は営業関係社員と運転関係社員とでは異なる。営業関係社員は左肩元に「KYUSYU RAILWAY COMPANY」のロゴが入った黒のスーツタイプの制服にスカーフを巻く。制帽はない。この制服にはパンツタイプ、スカートタイプが存在する。運転関係社員は前述の男性用制服と同じ紺色の制服を着用する。制帽に関しては、これまで男性社員同様ヨーロピアンタイプの帽子であったが2010年6月ごろより変更され、JR他社同様ハットタイプのものとなった。

一方、夏服は冬服よりは薄い紺色のズボンに男性はチェック柄の女性は水色の半袖のワイシャツを着用する。上着は省略する。駅長、車掌区長、新幹線車掌、在来線優等列車車掌など管理者クラスの社員は灰色で襟元に赤色のラインが入ったダブルのスーツタイプの制服を着用する。勿論、制帽も灰色のヨーロピアンタイプである。女性の管理者クラスの社員も同じものを着用する。女性の営業関係社員は上述の冬の制服の上着を省略し、代わりにインナーのベストを着用する。

観光列車「ゆふいんの森」「あそぼーい!」号の車掌はオリジナルの制服を着用する(博多車掌区、門司車掌区、大分車掌センターの車掌が着用する)。通常の制服と異なり黒のダブルの制服で胸元にそれぞれ、ゆふいんの森・あそぼーい!号オリジナルのロゴが入ったピンバッジを付けている。制帽は省略されている。

また、門司港駅では男性駅員・駅長の制服も他の駅とは異なっており、門司港レトロと調和されたデザインの制服となっている。

客室乗務員、駅の女性用制服、ななつ星in九州の全乗務員のデザインは車両などのデザインも手掛けているドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治によるものであり、それぞれ冬服・夏服もある。

2017年度より制服のデザインが、ロウタスインターナショナルのクリエイティブディレクターである嶋﨑隆一郎デザインによるものに変更される。水戸岡はトータルアドバイザー及び客室乗務員制服を引き続き担当[39]する。

ICカード乗車券[編集]

2009年3月1日から、独自のICカード乗車券SUGOCA」(スゴカ)のサービスを福岡県内の都市圏と佐賀県の一部を中心とした148駅で開始し[40]2012年12月1日より、既存エリアが熊本、大分の各都市圏まで拡大、長崎、鹿児島の各都市圏を中心に新規エリアが開設された。さらに2015年11月14日に宮崎市に新規エリアが開設されたことで九州全県の主な都市圏での利用が可能となった。2015年11月14日現在、JR九州全566駅のおよそ半分にあたる284駅で利用が可能である。

発行するのは、プリペイドタイプのIC乗車券(無記名式・記名式)と、それに定期乗車券の機能を一体化させたIC定期券の2種類で、発売の際、デポジット料金として500円を徴収する。積み増せるチャージ上限は20,000円。

開始当初から電子マネー機能を搭載しており、駅売店などで利用できる。ポイントシステムについては2010年2月1日に導入され、また西日本鉄道(西鉄)が導入しているnimocaにあるクレジット兼用型についても、グループ企業や系列の商業施設「アミュプラザ」などが独自に導入していたクレジットカードを統合する形で、同年3月に「JQ CARD」(三菱UFJニコスもしくはクレディセゾンと提携)の発行を開始した。

相互利用の拡大も進められている。2010年3月13日からは、nimocaおよび福岡市交通局が導入しているはやかけん、JR東日本のSuicaを含めた、4社局のICカード乗車券の相互利用を開始した。2011年3月5日には、JR西日本のICOCAおよびJR東海のTOICAと相互利用を開始し[20]、2013年3月23日にはJR北海道のKitaca、関東私鉄・バス事業者のPASMO、中京圏私鉄・バス事業者のmanaca、近畿圏私鉄・バス事業者のPiTaPaとの相互利用(PiTaPaは交通利用のみ、他は交通利用と電子マネーサービス)を開始している。

社内乗車人員上位10位[編集]

2015年度の1日平均の乗車人員は以下のとおり[41]

順位 駅名 人数 前年
順位
前年
人数
特記事項
1 博多駅 118,082人 1 113,566人 西日本旅客鉄道の乗車人員を含まない。
2 小倉駅 35,510人 2 35,301人 西日本旅客鉄道の乗車人員を含まない。
3 鹿児島中央駅 20,153人 3 19,926人
4 大分駅 19,550人 4 17,406人
5 折尾駅 16,475人 5 16,182人
6 黒崎駅 15,524人 6 15,614人
7 熊本駅 14,513人 7 13,774人
8 吉塚駅 13,457人 8 12,614人
9 佐賀駅 12,251人 9 12,023人
10 香椎駅 11,891人 10 11,560人

取扱収入上位10位[編集]

2015年度の1日平均の運輸取扱収入額は以下のとおり[11]

順位 駅名 運輸取扱収入額
1 博多駅 8636万4千円
2 鹿児島中央駅 3658万6千円
3 熊本駅 2832万0千円
4 小倉駅 2181万9千円
5 大分駅 1553万3千円
6 長崎駅 1114万6千円
7 佐賀駅 1054万9千円
8 久留米駅 1047万0千円
9 折尾駅 722万7千円
10 黒崎駅 719万6千円

グループ会社[編集]

社名 事業内容
運輸サービスグループ
JR九州メンテナンス 車両整備、駅・車両・ビル清掃・管理、有料老人ホームの経営。
JR九州鉄道営業 駅業務の受託。
JR九州バス 旅客自動車運送事業(高速・貸切・乗合)
JR九州高速船 海上運送事業(ビートル
JR九州レンタカー&パーキング 駅レンタカーレンタカー・カーリース)、駐車場管理事業。
JR九州リネン リネンサプライ業。
建設グループ
九鉄工業 総合建設業
ケイ・エス・ケイ 車両・機械・設備工事業
三軌建設 土木・建設工事業
九州電気システム 電気工事業、電気通信工事業
JR九州コンサルタンツ 建設コンサルタント業、設計業、駐車場
JR九州住宅 注文住宅建設・販売、リフォーム
駅ビルグループ
JR博多シティ JR博多シティアミュプラザ博多デイトスを経営。旧称・博多ターミナルビル。
小倉ターミナルビル アミュプラザ小倉ステーションホテル小倉を経営。
長崎ターミナルビル アミュプラザ長崎を経営。
JR大分シティ アミュプラザおおいたを経営。旧称・大分ターミナルビル。
鹿児島ターミナルビル アミュプラザ鹿児島を経営。
JR九州ビルマネジメント えきマチ1丁目などを経営。
流通・外食グループ
JR九州リテール 九州内のKIOSKファミリーマート(一部店舗)などを経営。かつては生活列車am/pm(一部店舗のみ)を経営していた。
JR九州ドラッグイレブン ドラッグイレブンを経営。
JR九州フードサービス 「うまや」、「驛亭」、「華都飯店」、「駅弁当」等の運営。
JR九州ファーストフーズ ミスタードーナツ」「ケンタッキーフライドチキン」「モスバーガー」「シアトルズベストコーヒー」「サブウェイ」等の運営。
トランドール パン類製造・販売
JR九州ファーム 「うちのたまご」生産、販売。旧JR九州たまごファーム。
分鉄開発 駅業務の受託。ファストフード店、旅館花べっぷ」の運営。
観光レジャーグループ
JR九州ハウステンボスホテル ホテルオークラJRハウステンボスを運営。
JR九州ホテルズ JR九州ホテル及び同ブロッサムブランドを運営。旧称・ジェイアール九州都市開発。
JR九州リゾート開発 JR内野カントリークラブ経営。
おおやま夢工房 2016年、株式を取得しグループ会社化。
ビジネスサービスグループ
JR九州商事 JR九州関連商品等の製造販売。鉄道関連部品の供給など。
JR九州フィナンシャルマネジメント
JR九州エージェンシー 広告代理店
JR九州セコム 総合警備業。大手警備会社「セコム」との合弁会社。
JR九州ライフサービス
JR九州システムソリューションズ
JR九州シニアライフサポート 有料型老人ホーム運営、訪問及び通所介護事業。居宅介護支援。

公式サイト、PHP研究所編「JR九州のひみつ」より

アミュプラザ鹿児島

労働組合[編集]

有価証券報告書によれば、JR九州には3つの労働組合がある[42]。カッコ内は略称。

名称 上部組織
九州旅客鉄道労働組合(JR九州労組) 日本鉄道労働組合連合会(JR連合)
ジェイアール九州ユニオン(JR九州ユニオン)
国鉄労働組合九州本部(国労九州本部) 国鉄労働組合(国労)

組合員数が最大の労働組合は九州旅客鉄道労働組合である。

各労働組合と会社との間で労働協約を締結している。

イメージキャラクター[編集]

CM等で活躍

提供番組[編集]

すべてJR九州一社提供番組。2016年12月現在は放送されていない。

その他[編集]

日章旗を掲げた駅舎の様子(周船寺駅、2009年11月3日)
  • 2002年以降、管内にあるすべての有人駅(業務委託駅を含む)で、すべての国民の祝日に、国旗(日章旗)を掲揚するようになった。[要出典]
  • 2011年に社員有志により演舞団「JR九州櫻燕隊(おうえんたい)」が結成され、「YOSAKOIソーラン祭り」など全国各地のイベントに出演し受賞するなどPR活動を行なっている[46][47]

注釈[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 社名ロゴの「鉄」の字は、金を失うという意味を避けるため「金偏に矢」という「鉃」の文字を使っているが、正式な商号は常用漢字の「鉄」である(四国旅客鉄道以外のJR各社も同じ)。
  2. ^ JR九州は営業路線の名称として「鹿児島ルート」を用いず、単に「九州新幹線」としている。以下この記事で単に「九州新幹線」としたときは鹿児島ルートを表すものとする。
  3. ^ 2014年3月15日改正時点では日中1時間片道当たり博多駅 - 小倉駅間が「ソニック」2本、「きらめき」1本(一部時間帯除く)、博多駅 - 佐賀駅間が「かもめ」2本、「みどり」1本。
  4. ^ ただしピーク期として2枚きっぷなどの特別企画乗車券で座席指定をする際には別途500円が必要になる期間を設けている。
  5. ^ 例:博多駅 - 大分駅(鹿児島線・日豊線経由)間の普通乗車券が3570円なのに対し、「福岡市内 - 別府・大分」の4枚きっぷは普通乗車券+指定席特急券で1枚当たり2500円。
  6. ^ なお、車両が2室に分かれる783系ではA室を自由席、B室を指定席とし、その他の車両については指定席の枕カバーを黄色にすることで区別していた。
  7. ^ 当初は2011年3月12日に運行を開始する予定であったが、前日に発生した東日本大震災による津波警報が指宿枕崎線の沿線で出された影響で全列車運休となり、翌13日より運転を開始した。
  8. ^ 長崎・鹿児島エリアと福岡・佐賀・熊本・大分の各エリアをまたがっての利用、および九州新幹線での利用は不可[25]
  9. ^ この時点では「九州横断特急4号」の送り込みとなる「くまがわ1号」のみ車内販売を継続していた。翌年3月のダイヤ改正で「くまがわ」は列車自体が廃止となる。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日) 
  2. ^ 交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2016年10月25日閲覧。
  3. ^ JR九州グループ中期経営計画 つくる2016”. 九州旅客鉄道. 2015年8月25日閲覧。
  4. ^ a b JR九州、5年内に上場 鉄道てこ入れ、都市開発を強化”. 日本経済新聞 (2012年4月6日). 2015年8月25日閲覧。
  5. ^ ごあいさつ”. 九州旅客鉄道. 2015年8月25日閲覧。
  6. ^ a b JR九州、債務返済に基金充当 上場へ国交省が報告書”. 日本経済新聞 (2015年1月27日). 2015年8月25日閲覧。
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関連項目[編集]