五百籏頭真

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五百籏頭 真
(いおきべ まこと)
人物情報
生誕 (1943-12-16) 1943年12月16日(73歳)
日本の旗 兵庫県西宮市
出身校 京都大学学士修士博士
学問
研究分野 政治学
歴史学
主要な作品 米国の日本占領政策』(1985年)
日米戦争と戦後日本』(1989年)
占領期』(1997年)
学会 熊本県立大学
主な受賞歴 サントリー学芸賞1985年
吉田茂賞1990年1999年
吉野作造賞1998年
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五百籏頭 真(いおきべ まこと、1943年(昭和18年)12月16日 - )は、日本政治学者歴史学者熊本県立大学理事長、神戸大学名誉教授。五百旗頭とも表記される。専門は日本政治外交史、政策過程論、日米関係論。神戸大学大学院教授、防衛省防衛大学校長、日本政治学会理事長、日本学術会議会員を歴任。文化功労者サントリー学芸賞吉田茂賞吉野作造賞などを受賞。

2011年(平成23年)4月に創設された東日本大震災復興構想会議議長を務めた。2012年(平成24年)2月に創設された復興推進委員会委員長を務める。

経歴[編集]

兵庫県西宮市苦楽園口駅に近くで神戸大学教授五百籏頭真治郎の5男として生まれる。1962年(昭和37年)六甲高等学校1967年(昭和42年)京都大学法学部卒業。1969年(昭和44年)同大学院法学研究科修士課程修了。学部・大学院を通じて猪木正道に師事。猪木に勧められ、当時助教授であった高坂正堯の自主ゼミにも参加した。1987年(昭和62年)京都大学より法学博士の学位を取得。

広島大学政治経済学部助手・講師・助教授を経て、1981年(昭和56年)より神戸大学法学部教授2000年(平成12年)から2007年(平成19年)まで同法学研究科・国際協力研究科教授を務めたのち、定年退職となり神戸大学名誉教授の称号を受ける。その後防衛省防衛大学校長に就任。2012年(平成24年)4月より熊本県立大学理事長、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長。

この間、ハーバード大学1977年(昭和52年)-1979年(昭和54年)、2002年(平成14年)-2003年(平成15年))、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス1990年(平成2年) - 1991年(平成3年))で客員研究員、日本政治学会理事長1998年(平成10年) - 2000年(平成12年))を歴任。政府関係の委員として、小渕恵三首相時代に官邸に設置された有識者会議「21世紀日本の構想」懇談会の外交分科会(第1分科会)座長、小泉純一郎首相時代に設置された私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員、福田康夫首相の私的懇談会である「外交政策勉強会」の座長、2007年(平成19年)12月に設立された政府の有識者会議である「防衛省改革会議」(2009年(平成21年)10月に解体)委員を務めた。

現在は日中両政府に報告・提言を行う日中両国の有識者による会議「新日中友好21世紀委員会」委員(2003年(平成15年)12月 - )、一般社団法人アジア調査会会長[1]を務めている。

1985年(昭和60年)、『米国の日本占領政策』でサントリー学芸賞受賞。他に吉田茂賞(2回)、吉野作造賞を受賞。2011年(平成23年)、文化功労者に選ばれる。

1995年(平成7年)1月17日阪神・淡路大震災で、ゼミ生の一人を亡くす。尚、亡くなったゼミ生は、ゴスペルシンガー森祐理の実弟であり、告別式にはゼミ生が所属していた日本メノナイト・ブレザレン教団泉北キリスト教会で式辞を読んでいる。地元西宮市に本拠を置いた阪急ブレーブスのファンであった。

学歴・研究歴[編集]

学歴[編集]

研究歴[編集]

政府委員歴[編集]

  • 小渕恵三首相時代に官邸に設置された有識者会議「21世紀日本の構想」懇談会の外交分科会(第1分科会)座長
  • 小泉純一郎首相時代に設置された私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員
  • 福田康夫首相の私的懇談会である「外交政策勉強会」の座長
  • 政府の有識者会議である「防衛省改革会議」(2007年(平成19年)12月に設立、2009年(平成21年)10月に解体)委員

近年の発言・行動[編集]

  • イラク戦争には一定の理解を示したが、当初より懐疑的な立場をとった[3]

歴史関連[編集]

  • 2009年(平成21年)6月1日、北京で開催された「中国科学・人文フォーラム」で演説し、「日本が起こした侵略戦争は日本の国益を損ねた」とする見解を示した[4]
  • 2006年(平成18年)9月7日配信の「小泉内閣メールマガジン」内の特別寄稿では、小泉政権の外交政策について「とりわけ大きな業績は、対米関係の高水準化」「首相自らがあの北朝鮮を訪問し、拉致を認めさせ、問題解決の大筋を共同声明に示す大業は、小泉以外の誰にもできなかったであろう」などと述べ、高い評価を与えた。その一方で「(小泉首相の)靖国(神社)参拝一つで、どれほどアジア外交を麻痺させ、日本が営々と築いてきた建設的な対外関係を悪化させたことか」とも述べ、「後継者たちに残したものと考えて対処せねばなるまい」と締めくくった[5]
  • 歴史認識問題について日本政府の姿勢を批判する論客や諸外国は、戦前の植民地支配や対外侵略だけでなく、その歴史を反省して平和的発展に尽くした戦後日本の歩みも踏まえて評価すべきだとしている[6]

福田康夫政権関連[編集]

  • 歴代政権の外交政策の助言者として行動しているが、特に福田康夫政権では外交政策勉強会、防衛省改革会議と外交・防衛分野における主要なブレーントラストとなった。これは福田の官房長官時代に私的親交を結ぶ機会があったからとされる[7]
  • 防衛省改革に向けて2007年(平成19年)末に発足し、諮問機関「防衛省改革会議」に、五百籏頭が委員として参加した。最終報告書(2008年7月提出)を巡って、石破茂防衛大臣と激しく対立することとなった。しかし、首相であった福田康夫が、五百旗頭案を採用した為、五百旗頭の意見を軸に提案をまとめた[8]

家族[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『政治史 2』 放送教育開発センター〈ラジオ大学講座〉、1984年
  • 『米国の日本占領政策 戦後日本の設計図 (上)』 中央公論社〈叢書国際環境〉、1985年2月。ISBN 4-12-001374-X。 - サントリー学芸賞受賞。
  • 『米国の日本占領政策 戦後日本の設計図 (下)』 中央公論社〈叢書国際環境〉、1985年3月。ISBN 4-12-001379-0。
  • 『政治史2』 放送大学教育振興会 (出版) 日本放送出版協会(発売)〈放送大学教材〉、1985年3月。ISBN 4-14-531741-6。
  • 『日米戦争と戦後日本』 大阪書籍、1989年12月。ISBN 4-7548-5007-6。 - 吉田茂賞受賞。
    • 『日米戦争と戦後日本』 講談社〈講談社学術文庫〉、2005年5月。ISBN 4-06-159707-8。
  • 『秩序変革期の日本の選択 「米・欧・日」三極システムのすすめ』 PHP研究所〈PHPブライテスト〉、1991年11月。ISBN 4-569-53425-2。
  • 『占領期 首相たちの新日本』 読売新聞社〈20世紀の日本 3〉、1997年12月。ISBN 4-643-97003-0。 - 吉野作造賞受賞。
    • 『占領期 首相たちの新日本』 講談社〈講談社学術文庫〉、2007年7月。ISBN 978-4-06-159825-6。
  • 『戦争・占領・講和 1941~1955』 中央公論新社〈日本の近代 6〉、2001年4月。ISBN 4-12-490106-2。
    • 『戦争・占領・講和 1941~1955 日本の近代(6)』 中央公論新社〈中公文庫〉、2013年9月。ISBN 978-4-12-205844-6。
  • 『歴史としての現代日本 五百旗頭真書評集成』 千倉書房、2008年10月。ISBN 978-4-8051-0889-5。 - 毎日書評賞受賞。
  • 『NHKさかのぼり日本史』1巻(戦後) 経済大国の“漂流”、NHK出版、2011年7月。ISBN 978-4-14-081485-7。
  • 『日本は衰退するのか』 千倉書房、2014年12月。ISBN 978-4-8051-1049-2。

共著[編集]

編著[編集]

  • 『「アジア型リーダーシップ」と国家形成』 ティビーエス・ブリタニカ、1998年3月。ISBN 4-484-98202-1。
  • 『戦後日本外交史』 有斐閣〈有斐閣アルマ Specialized〉、1999年5月。ISBN 4-641-12069-2。 - 吉田茂賞受賞。
    • 『戦後日本外交史』 有斐閣〈有斐閣アルマ specialized〉、2006年3月、新版。ISBN 4-641-12258-X。
    • 『戦後日本外交史』 有斐閣〈有斐閣アルマ〉、2010年3月、第3版。ISBN 978-4-641-12407-3。
  • 『日米関係史』 有斐閣〈有斐閣ブックス〉、2008年3月。ISBN 978-4-641-18357-5。

共編著[編集]

  • 『開戦と終戦 太平洋戦争の国際関係』 北岡伸一共編、情報文化研究所(出版) 星雲社(発売)、1998年10月。ISBN 4-7952-8236-6。
  • 『占領と講和 戦後日本の出発』 北岡伸一共編、情報文化研究所(出版) 星雲社(発売)、1999年5月。ISBN 4-7952-8237-4。
  • 『二十世紀世界の誕生 両大戦間の巨人たち』 下斗米伸夫共編、情報文化研究所(出版) 星雲社(発売)、2000年6月。ISBN 4-7952-8238-2。
  • 楠田實 『楠田實日記 佐藤栄作総理首席秘書官の二〇〇〇日』 和田純共編、中央公論新社、2001年9月。ISBN 4-12-003160-8。
  • Yamamoto TadashiIriye Akira・Iokibe Makoto, ed (June 2006). Philanthropy and reconciliation: rebuilding postwar U.S.-Japan relations. Japan Center for International Exchange. ISBN 4-88907-076-. http://www.jcie.or.jp/japan/pub/publst/1417.htm1. 
  • 伊藤元重薬師寺克行共編『シリーズ90年代の証言』朝日新聞社、2006年-
    • 小沢一郎 『小沢一郎 政権奪取論』、2006年6月。ISBN 4-02-250163-4。
    • 宮澤喜一 『宮澤喜一 保守本流の軌跡』、2006年11月。ISBN 4-02-250239-8。
    • 柳井俊二 『外交激変 元外務省事務次官柳井俊二』、2007年3月。ISBN 978-4-02-250265-0。
    • 出井伸之 『出井伸之 多様性への挑戦』、2007年6月。ISBN 978-4-02-250298-8。
    • 森喜朗 『森喜朗 自民党と政権交代』、2007年10月。ISBN 978-4-02-250338-1。
    • 野中広務 『野中広務 権力の興亡』、2008年3月。ISBN 978-4-02-250414-2。
    • 菅直人 『菅直人 市民運動から政治闘争へ』、2008年6月。ISBN 978-4-02-250444-9。
    • 岡本行夫 『岡本行夫 現場主義を貫いた外交官』、2008年12月。ISBN 978-4-02-250479-1。
  • Caroline Rose, Junko Tomaru, John Weste, ed (January 2008). Japanese Diplomacy in the 1950s: from Isolation to Integration. Routledge Studies in the Modern History of Asia (Hardcover ed.). Routledge. ISBN 978-0-415-37296-1. 
    • Caroline Rose, Junko Tomaru, John Weste, ed (June 2011). Japanese Diplomacy in the 1950s: from Isolation to Integration (Paperback ed.). Routledge. ISBN 978-0-415-67391-4. 

監修[編集]

  • ヒュー・ボートン 『戦後日本の設計者 ボートン回想録』 五味俊樹訳、朝日新聞社、1998年3月。ISBN 4-02-257194-2。
  • 『世論調査にみる日米関係 読売・ギャラップ共同調査22年』 読売新聞社〈読売ぶっくれっと no.21〉、2000年4月。ISBN 4-643-00015-5。
  • J・M・ロバーツ 『第二次世界大戦と戦後の世界』 月森左知訳、創元社〈図説世界の歴史 = The illustrated history of the world 9〉、2003年9月。ISBN 4-422-20249-9。 - 原タイトル:Emerging powers

脚注[編集]

  1. ^ アジア調査会役員名簿(平成28年5月)
  2. ^ 博士論文書誌データベース
  3. ^ 五百旗頭真 (2003年4月2日). “思潮21 イラク戦争と日本”. 朝日新聞夕刊 (朝日新聞). http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/00484/contents/211.htm 2012年5月2日閲覧。 
  4. ^ “「侵略戦争は日本の国益を損ねた」=防衛大学長が北京のフォーラムで―中国”. レコードチャイナ (Record China). (2009年6月2日). http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=31956 2011年2月16日閲覧。 
  5. ^ 五百旗頭真 (2006年9月7日). “小泉政権5年をこう見る”. 小泉内閣メールマガジン 第248号. 2012年5月2日閲覧。
  6. ^ 五百旗頭真「歴史の咎を「戦後責任」で超えるとき」、『中央公論』第120巻10号(通号 1457)、中央公論新社、2005年10月、 pp. 229-243、 ISSN 0529-6838
  7. ^ “「福田外交」のキーマンに五百旗頭防衛大学校長”. FACTA ONLINE (ファクタ出版). (2008年1月6日). http://facta.co.jp/article/200801061.html 2012年5月2日閲覧。 
  8. ^ “揺れた防衛省改革(その1) 首相「石破君のは理想論だ」”. 毎日jp (毎日新聞). (2008年7月22日). オリジナル2008年10月5日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20081005050457/http://mainichi.jp/select/seiji/choice/news/20080722ddm001010027000c.html 2012年5月2日閲覧。 

門下生[編集]

  • 簑原俊洋(神戸大学大学院法学研究科教授)[要出典]
  • ロバート・D・エルドリッヂ(元・在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長)[要出典]
  • 服部龍二(中央大学総合政策学部教授)[要出典]
  • 高原秀介(京都産業大学外国語学部准教授)[要出典]
  • 村井良太(駒澤大学法学部准教授)[要出典]
  • 楠綾子(関西学院大学国際学部准教授)[要出典]
  • 井上正也(香川大学法学部准教授)[要出典]
  • 宮本悟(聖学院大学政治経済学部教授)[要出典]
新日中友好21世紀委員会委員としてのプロフィール紹介(外務省ホームページ内)