大日本帝国憲法第8条

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大日本帝国憲法第8条は、大日本帝国憲法第1章にある、勅令についての規定を示した条項である。

条文[編集]

  1. 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス
  2. 此ノ勅令ハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出スヘシ若議会ニ於テ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ

現代風の表記[編集]

  1. 天皇は、公共の安全を保持し、又はその災厄を避けるため、緊急の必要により、帝国議会閉会の場合において、法律に代わる勅令を発する。
  2. この勅令は、次の会期において、帝国議会に提出しなければならない。もし、議会において承諾しないときは、政府は、将来に向かってその効力を失うことを公布しなければならない。

内容[編集]

天皇自身が勅令を発することは当然可能であるが、実際には天皇ではなく総理大臣が勅令を発することが度々あった。この場合は、(1)天皇が病臥している時、(2)議会が閉会中の時、(3)議会が混乱した時、(4)総理大臣が反対勢力を制する時、のいずれかが多かった。例えば、治安維持法の最高刑を死刑に改定した緊急勅令(1928年)は、田中義一総理大臣が主導し、昭和天皇がこれを追認して成立させた例である。

関連項目[編集]