天皇大権

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天皇大権(てんのうたいけん)とは、大日本帝国憲法において天皇に属するとされた権能を指す。広義においては、行政権立法権司法権をはじめとする統治権全般を指すが、より限定的にには帝国議会の協賛を得ることなく天皇が行使することが可能な(1) 国務大権、(2) 統帥大権および(3) 皇室大権を指す。

(1) 国務大権には立法大権(法律の裁可・公布)、議会に関する大権(解散権など)、緊急勅令大権・独立命令大権・外交大権・戒厳大権・任官大権・非常大権恩赦大権・栄誉大権・改正大権(憲法改正)・軍制大権などを含み、(2) 統帥大権とはすなわち統帥権のことであり、(3) 皇室大権は皇室典範によって定められ、祭祀大権もこの中に含まれることもある。皇室大権は、皇室の家長として皇室の事務を総攬する天皇の大権であり、宮内大臣がその補弼の責に任じ、議会はこれに参与することは無く、その事務にかんする費用は皇室費の負担に属する。2つにわけられ、すなわち、(a)国務にかんする皇室大権 その性質上、国家事務たるべきものではあるが、皇室にかんするため、国法がとくに皇室の大権に任じ、議会の関与外とし、皇室の自ら決するところがすなわち国家の行為なる効力を有する。すなわち、(イ)皇位継承にかんする権(ロ)摂政就任にかんする権 および(ハ)皇室典範を定める権 (b)内事にかんする皇室大権 純然たる皇室内部の事項にかんする皇室の自治権で、いっぱんに治外法権の特権を有し、原則として国の法令に拘束されない。

ただし、限定的な天皇大権が発動可能な分野でも実際に天皇個人の判断のみで天皇大権が発動されたことはないとされ、天皇大権が行使された例とされる二・二六事件ポツダム宣言の受諾は木戸幸一ら宮中グループの影響もあった。また、戒厳大権・非常大権それぞれと天皇大権との差異が不明確であり、憲法学者の間でも様々な意見があった。

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