抱きしめたい

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抱きしめたい
ビートルズシングル
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ (1963年10月17日)
ジャンル ロック
時間
レーベル 日本の旗オデオン・東芝音楽工業
イギリスの旗パーロフォン・EMI
アメリカ合衆国の旗キャピトル・レコード
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
  • 1位(イギリス、アメリカ・Billboard Hot 100
  • 3位(日本、ミュージック・マンスリー洋楽チャート、1964年当時[1]
ビートルズシングル盤 U.K. 年表
シー・ラヴズ・ユー
b/w
アスク・ミー・ホワイ
(1963年)
抱きしめたい
b/w
ジス・ボーイ
(1963年)
キャント・バイ・ミー・ラヴ
b/w
ユー・キャント・ドゥ・ザット
(1964年)
ビートルズシングル盤 U.S. 年表
シー・ラヴズ・ユー
b/w
アイル・ゲット・ユー
(1963年)
抱きしめたい
b/w
アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア
(1963年)
プリーズ・プリーズ・ミー
b/w
フロム・ミー・トゥ・ユー
(1964年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
抱きしめたい
b/w
ジス・ボーイ
(1964年)
プリーズ・プリーズ・ミー
b/w
アスク・ミー・ホワイ
(1964年)
オールディーズ 収録曲
A面
  1. シー・ラヴズ・ユー
  2. フロム・ミー・トゥ・ユー
  3. 恋を抱きしめよう
  4. ヘルプ!
  5. ミッシェル
  6. イエスタデイ
  7. アイ・フィール・ファイン
  8. イエロー・サブマリン
B面
  1. キャント・バイ・ミー・ラヴ
  2. バッド・ボーイ
  3. デイ・トリッパー
  4. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
  5. 涙の乗車券
  6. ペイパーバック・ライター
  7. エリナー・リグビー
  8. 抱きしめたい
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
  1. ラヴ・ミー・ドゥ
  2. フロム・ミー・トゥ・ユー
  3. サンキュー・ガール
  4. シー・ラヴズ・ユー
  5. アイル・ゲット・ユー
  6. 抱きしめたい
  7. ジス・ボーイ
  8. 抱きしめたい(ドイツ語)
  9. シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)
  10. ロング・トール・サリー
  11. アイ・コール・ユア・ネーム
  12. スロウ・ダウン
  13. マッチ・ボックス
  14. アイ・フィール・ファイン
  15. シーズ・ア・ウーマン
  16. バッド・ボーイ
  17. イエス・イット・イズ
  18. アイム・ダウン
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抱きしめたい」("I Want To Hold Your Hand")は、1963年11月にビートルズが発表した5枚目のオリジナル・シングル曲である。初期の代表作であり、ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では16位にランクされている。

解説[編集]

レノン=マッカートニーの作品。ボーカルジョン・レノンポール・マッカートニー。すべての楽器がリフをキメるダイナミックなイントロから始まり、中間部(ブリッジ)は、1回目がユニゾン、2回目はジョンがメロディを歌い、ポールがその上のハーモニーをつけている。 曲調はアメリカ的なゴスペルを意識したものであり、結果的にはこの曲でアメリカ市場を席巻することになった。

ボブ・ディランはこの曲の一節"I can't hide"を"I get high"と勘違いし、「ビートルズがドラッグソングを歌っている!!」と思ったという。同時に、ディランがフォークソングからロックに転向するきっかけとなった曲であるとも言われる。

ステレオ・ヴァージョン[編集]

「抱きしめたい」のリアル・ステレオヴァージョンは、1966年12月にリリースされたコンピレーション・アルバムオールディーズ』ステレオ盤に収録された。

アメリカでは、1982年10月にリリースされたコンピレーション『20グレイテスト・ヒッツ』において初めてリリースされた。それ以前の『ミート・ザ・ビートルズ』(ステレオ盤)および『ザ・ビートルズ1962年~1966年』では、疑似ステレオ・ヴァージョンが収録されていた。

CDでは、1988年3月にリリースされたアルバム『パスト・マスターズ Vol.1』に収録された。

なおこの曲は、3つのステレオ・ヴァージョンが制作された。

  1. 1963年版(ヴォーカルが右)オーストラリア盤収録
  2. 1965年版(ヴォーカルが中央)ドイツ盤収録
  3. 1966年版(1965年版とほぼ同じ)イギリス盤収録

今日CD化されているミックスは66年版である。本作はビートルズが初めて4トラック録音をした楽曲である。

シングル盤[編集]

ビルボード誌では、1964年2月1日に週間ランキング第1位を獲得。同1964年年間ランキングでも第1位。また、キャッシュボックス誌では、8週連続第1位を記録し、年間でも第1位となっている。前作のシングル「シー・ラヴズ・ユー」と共に、彼らの人気を決定づけた曲でもある。B面は英国・日本では「ジス・ボーイ」、米国では「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア[注釈 1]

アメリカだけでも500万枚以上、イギリスでも170万枚以上のセールスを記録し、「シー・ラヴズ・ユー」に続いてミリオン・セラーとなった。全世界で1,200万枚をセールス。世界歴代シングル売上第5位(ギネス・ワールド・レコーズ認定による)。

日本においては、1964年2月5日にデビューシングルとして発売された(東芝音楽工業オデオン・レーベル・OR-1041)。東芝音楽工業では当初、「プリーズ・プリーズ・ミー」を日本でのビートルズのデビュー曲に決めていたが、アメリカでの熱狂ぶりを考慮して急遽発売が前倒しされた。そのため1964年発売当時のレコード番号は「プリーズ・プリーズ・ミー」の方が若い(OR-1024)。また既にジャケット等の印刷が始まった後でリリース順が変更されたことから、初期ロットの一部にはジャケットの差し替えが間に合わず「プリーズ・プリーズ・ミー」を第1弾シングルとして掲載しているものがある[2]

収録盤[編集]

抱きしめたい(ドイツ語)[編集]

抱きしめたい(ドイツ語)
ビートルズシングル
B面 シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ (1963年10月17日)、EMI パテ・マルコーニスタジオ (1964年1月29日)
ジャンル ロック
時間
レーベル オデオン(西ドイツ)
作詞・作曲 レノン=マッカートニー=ニコラス=ヘルマー
プロデュース ジョージ・マーティン
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抱きしめたい(ドイツ語)」("Komm, Gib Mir Deine Hand" / John Lennon - Paul McCartney - Jean Nicolas - Heinz Hellmer)は「抱きしめたい」のドイツ語版である。

解説[編集]

"Komm, Gib Mir Deine Hand"とは英語で "Come, give me your hand" つまり「来て、あなたの手を取りたい」という意味である。タイトルだけでなく歌詞も相当意訳されている。訳詞者のJean Nicolas、Heinz Hellmer は同一人物で、ルクセンブルク出身のタレントであるキャミロ・フェルゲンのペン・ネームである。歌詞に、「君はダイアモンドのように美しい("O du, bist du schön, schön wie ein Diamant")」という一節が出て来るが、これはこの部分のオリジナルの一節"You'll let me be your man"と語呂を合わせるためのものと思われる。

マーク・ルウィーソン著『ビートルズ/レコーディング・セッション』によるとバック・トラックはオリジナルの英語版のものを流用しているとされる。「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)」同様、英語版と比較してハーモニーと発音が雑な仕上がりになっている。

EMIの西ドイツ支部オデオンの強力な要請によって西ドイツのファンのためになされたレコーディングである。レコーディングは1964年1月29日パリのパテ・マルコーニ・スタジオで行われており、同じ日に「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)」も録音されている[注釈 2]

ビートルズはこの録音に気乗りしておらず、レコーディング当日は予約していたスタジオに出向かずに滞在していたホテルにこもっていたという。プロデューサーのジョージ・マーティンがホテルに出向き、叱りつけてビートルズをスタジオに向かわせた。彼らがプロデューサーに反抗したことはそれまでになかったという。

イギリスではビートルズ解散の8年半後の1978年12月2日に発売されたアルバム『レアリティーズ』で初めてリリースされた。アメリカでは1964年7月20日に発売されたアルバム『サムシング・ニュー』において、日本では1965年5月5日に発売されたアルバム『ビートルズ No.5!』でリリースされていた。

ステレオ・ヴァージョン[編集]

「抱きしめたい(ドイツ語)」のステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中オリジナルなフォームではリリースされず、ビートルズが解散して8年あまり後に発売されたコンピレーション・アルバム『レアリティーズ』で初めてリリースされた。ただしアメリカでは編集アルバム『サムシング・ニュー』のステレオ盤においてリリースされていた。

収録盤[編集]

パロディ・オマージュ[編集]

1965年インド映画の「JAANWAR」でダンスホールでのシーンでビートルズを思わせるバンドと主人公と女性がこの歌をマサラ映画風にアレンジした「Dekho Ab To(抱きしめたいのインド語)」が歌われるシーンがある。映画自体もビートルズを題材にしたロマンティック・コメディーである。

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ オリジナル・シングルのなかで英パーロフォン盤と米キャピトル盤でカップリングが異なっていたのは「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」と「抱きしめたい」の2種だけ。
  2. ^ なお、このドイツ語版2曲のレコーディングは予定より早く終了したため、残り時間を使って「キャント・バイ・ミー・ラヴ」が録音された。

出典[編集]

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  1. ^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP社、2015年、97頁。ISBN 978-4-8222-7834-2
  2. ^ 東京スポーツ・2010年12月15日付 連載「高嶋弘之 ビートルズとカレッジポップス」