捷運

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台灣交通系列
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中華郵政

台湾の交通史

台湾のバス交通
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捷運
台鉄捷運化

関係法令:
郵政法中華郵政条例
公路法
鉄路法大衆捷運法
航業法
海商法船舶法
商港法漁港法
民用航空法

関連項目:
台湾糖業鉄道
国光汽車客運
台湾鉄路貨運
台湾バス事業者一覧
台湾のIC乗車カード・電子マネー一覧

その他台湾関係記事

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人口 - 言語 - 歴史

捷運
各種表記
繁体字 捷運
簡体字 捷运
北京語拼音 Jiéyùn
通用拼音 Jiéyùn
注音符号 ㄐㄧㄝˊ ㄩㄣˋ
発音: ジェユン
台湾語白話字 Chiat ūn
日本語漢音読み しょううん
英文 Mass Rapid Transit (MRT)
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捷運(しょううん)とは、台湾主要都市部とその周辺都市を走る地下鉄(一部新交通システムBRTLRT)による高速鉄道網で、正式名称は「大衆捷運系統」。英称MRTMass Rapid Transit、大量高速輸送機関)である。例えば台北大都市圏の高速鉄道網は「台北都会区大衆捷運系統」と呼ばれ、簡称は「台北捷運」である。「」は「敏捷」の捷で、「速い」などを意味する。日本の都市高速鉄道に相当する。

概要[編集]

一般的に台湾における捷運システムは、大衆捷運法に基づく国内各都市内の各種軌道交通システムを指し、この法的定義に該当しない捷運化される台鉄路線やBRTも広義的に一種の捷運システムとみなすこともある。ただし主管する関係省庁や自治体、また大衆捷運法における定義により必ずしも同一でない。

大衆捷運法による位置付け[編集]

1968年に建設議論が起き、1988年12月15日に建設に着手した台北市による捷運運営の成功経験の影響で、他の自治体でも建設の機運が高まり、90年代初頭は当時の台湾政府も軌道交通について楽観的予測をしていたため、台北市・高雄市の両直轄市以外の、台中・桃園・新竹・嘉義・台南などの省轄市や県でも通勤ラッシュの緩和や同時期に計画された台湾高速鉄道の各駅と都心との連絡手段として次々と計画が持ち上がった。 しかし2000年代になると、中央政府・地方政府ともに急速な財政悪化で大規模な計画を遂行できなくなった。 また既に建設に着手していた高雄捷運でも開業後の運営が不透明になり、中央政府は路線新設に保守的な姿勢をみせ、各都市政府の計画審査を厳格化したため、 多数の路線建設計画は白紙化同然となった。

このため、交通部は地方政府の要求に対し、需要予測と開業後の持続可能な経営を求めるべく2011年4月11日付けで 捷運法に「大衆捷運系統建設および周辺土地開発計画申請と審査作業のガイドライン」を追記し、元の2段階審査から3段階審査に改めた。 各段階での審査内容も、工期・予算執行・施行各段階に加え、予算の分担率や資金調達方法、沿線開発をセットするTOD公共交通指向型開発)制度や開業後の税収増を担保に起債するTIFen:Tax Increment Financing)制度の導入を提案し、費用対効果を上げ、また地方負担分を高めることにした。以下のようにすべての段階で地方の草案に対し中央政府の多重チェックを機能させ、乱発を防ぐ狙いである。 [1]

  • 趣旨

路線計画と都市開発を並行させ、整合性を高める 費用対効果の見通しを併記させ、そぐわないものは廃案または修正 自治体および事業者の自己財源負担比率を明確化させ、必要であれば金融機関からの調達 一定の資金調達ができなければ計画を推進させない。

  • 改訂前
  1. フィジビリティスタディ(以下F/S)」:中央政府確定は必須ではない
  2. 「総合計画」審査:環境アセスメントのみ
  • 駅周辺の土地開発は市場に委ねる
  • 議会同意:必須ではない
  • 都市計画:その時点で有効な都市計画を修正・変更のみ
  • 改訂後
  1. 「F/S」:地方政府が策定したものを交通部→国家発展委員会(国発会)の2段階審査、確定→行政院による確定(閣議決定)
  2. 「総合計画審査」:地方政府が策定→交通部と国発会の2段階審査、確定→地方政府が都市計画案修正→環保署による環境アセスメント→行政院確定
  3. 「着工前作業審査」:財務・基金設立計画作成→都市計画変更を内政部が確定→交通部が審査
  • 費用対効果明確化が前提
  • 建設と同時に周辺土地開発も進行
  • TIF制度適用可
  • 都市計画:交通部から総合計画案審査を行政院に引き継ぐ前に、都市計画変更案を地方政府に一旦差し戻し委員会で再審議させる
  • 議会:建設計画および資金調達案は議会同意必須

これにより、中央政府各省庁および地方政府各部署の責任を明確化し、それぞれの協力を促すことで計画を推進させることになった。 桃園機場捷運は当初国家プロジェクトとして推進されたため、交通部傘下の高鉄局が建設主体となったが、開業後の運営は桃園捷運公司となっている。 また台中捷運緑線では建設段階では経験豊富な台北市政府捷運工程局が担当し、運営は今後設立予定の台中捷運公司であり、 新北市で建設中の淡海ライトレールでは建設主管はzh:新北市政府捷運工程局であるが、運営は3年間高雄捷運公司が行うなど、計画・建設・運営段階でそれぞれ事業者が異なるケースがある。

分類[編集]

台湾では規格や輸送量(1時間当たり片方向の輸送力)で高運量、中運量および低運量の3種類に分類され、それぞれの輸送力は2万人以上、5000人以上、5000人未満。
BRTとLRTでは同じ輸送量でも要求される本数・車両数・運転士の人数・道路交通への影響が異なるため、LRT導入前に初期コストが低いBRTを先行採用し、需要予測に役立てている[2]

捷運規格
種類 輸送量
(人/毎時/片方向)
名称 車輪型式 併用軌道 採用例
高運量 20,000以上 地下鉄(英語: Metro/Subway繁体字: 鐵路捷運) 鉄輪式 なし 台北(淡水信義線中和新蘆線松山新店線板南線
高雄(紅線橘線
桃園(機場線藍線
都市通勤鉄道(英語: Regional Rail繁体字: 區域通勤鐵路) 鉄輪式 なし 台鉄捷運化
ゴムタイヤ式都市鉄道(英語: Rubber-tyred Rapid Transit繁体字: 膠輪捷運) ゴムタイヤ式 なし
中運量 5,000-20,000 高速ライトレール(英語: LRRT/Light Rail Rapid Transit繁体字: 輕軌捷運) 鉄輪式 なし 台北(黄線三鶯線万大線
桃園(緑線
台中(緑線
新交通システム(英語: AGT/Automated Guided Transit繁体字: 自動導軌運輸) ゴムタイヤ式 なし 台北(文湖線
モノレール(英語: Monorail Rapid Transit繁体字: 單軌(輕軌)捷運) ゴムタイヤ式 なし
軽運量 -5,000 個人用高速輸送システム(英語: PRT:Personal Rapid Transit繁体字: 個人捷運) 鉄輪/タイヤ式 なし
ライトレール(英語: LRT/Light Rail Transit繁体字: 輕軌運輸) 鉄輪式 あり 高雄(環状軽軌
台北/新北(淡海線安坑線
バス・ラピッド・トランジット(英語: BRT/Bus Rapid Transit繁体字: 巴士快速交通、公車捷運) タイヤ式 専用レーン・共用レーン併用 嘉義(嘉義BRT
台中(藍線(廃止)

各都市における現状[編集]

台北捷運の電車

2015年現在、台北地区を中心に走る台北捷運(TRTC, Metro Taipei)と高雄地区を走る高雄捷運(KRTC, Kaohsiung Rapid Transit Corp)と桃園捷運(Taoyuan Metro)が開業している。 桃園市台中市台南市も、鉄道による捷運の建設が計画中である。 嘉義市ではバスによる捷運(BRT)が運行されている。過去には台中市にもBRTが存在したが既に運行をとりやめている。 高雄市では地下鉄整備に続いてLRTの試験運行が始まっている。台北市にもLRT建設の話が持ち上がっている。

路線一覧[編集]

開業済み[編集]

一部開業済み[編集]

建設中・計画中[編集]

都市
線名 区間 距離 F/S 総合計画 入札











開業
(予定)
系統 路線








































基隆 基隆軽軌 海線 基隆駅 - 海科館駅 -
山線 汐止区公所駅 - 基隆駅 -
台北・
新北
紅線 信義線 象山駅 - 中坡駅 1.5 2020年
黄線 環状線 西(大坪林駅 - 新北産業園区駅 15.4 2018年
北(新北産業園区駅 - 剣南路駅 14.2
南(大坪林駅 - 動物園駅 5.6
南北線 剣南路駅 - 秀朗橋駅 17.1
三鶯線 1段階 頂埔駅 - 鳳鳴国中駅 14.29 2024年
2段階 鳳鳴国中駅 - 大湳駅 3.7 2026年
萬大線 1段階 中正記念堂駅 - 外員山駅 9.5 2020年
2段階 四十張駅 - 迴龍駅 13.3
淡海軽軌 緑山線 紅樹林駅 - 崁頂駅 7.34 2018年
(三芝延伸線) 羊稠子駅 - 聖約翰科技大学駅 -
藍海線 浜海沙崙駅 - 淡水漁人碼頭駅 5.35 2018年
淡水漁人碼頭駅 - 淡水駅
八里延伸線 淡水魚人碼頭駅 - 八里駅 5.14
安坑軽軌 十四張駅 - 二叭子植物園駅駅 7.8 2021年
台北捷運民生汐止線中国語版 汐止駅 - 大稲埕駅 17.5
五股泰山軽軌中国語版 分子尾駅 - 輔大医院駅 10.45
深坑軽軌 動物園 - 石碇服務駅 8
桃園
台湾鉄路管理局縦貫線 (高架化) 鳳鳴駅 - 桃園駅 - 平鎮駅 15.95 保留 2017年
(地下化) 2025年
桃園機場捷運 機場線(本線) 台北車站 - 環北駅 51.03 ○* ●2017.2.2
中壢延伸線 環北駅 - 中壢車站 2.06 2018年
緑線 航空城線・菓林坑支線 大湳駅 - 長興駅 - 坑口駅 17.2 2025年
航空城線 長興駅 - 横山駅・八徳駅 - 大湳駅 10.6 2030年
中壢延伸線 八徳駅 - 中壢駅 8
大溪延伸線 八徳駅 - 大渓駅 3.5
棕線中国語版 桃園駅 - 迴竜駅 11.5
橘線中国語版 山子頂駅 - 同安駅 -
台中 大台中
山手線
台湾鉄路管理局台鉄捷運紅線 豊原駅 - 大慶駅(21.7km高架化) 31.8 ●2016.10.16
(5駅新設) 2017年3月
大慶駅 - 烏日駅(高架化延伸) 約3.7
台湾鉄路管理局微笑線(成追線複線化) 成功駅 - 追分駅 約2.2 2020年
台湾鉄路管理局台鉄捷運黄線中国語版(甲后線/彩虹線) 后里駅 - 外埔駅 - 大甲駅 約13.4
緑線 烏日文心北屯線 頂旧社駅 - 烏日駅 16.71 2020年
大坑延伸線 下旧社駅 - 大坑駅 2.49
彰化延伸線 新烏日駅 - 漢宝駅 5.33
藍線中国語版 港務大樓駅 - 東平駅 約23
橘線中国語版 清泉崗機場駅 - 省諮議会駅 約25
高雄 環状軽軌 1段階(水岸線) 籬仔内駅 - 凱旋中華駅 2.2 ●2015.10.16
凱旋中華駅 - 高雄展覧館駅 2.4 ●2016.06.26
高雄展覧館駅 - 哈瑪星駅 4.1 2017年6月
2段階 哈瑪星駅 - 機廠駅 - 籬仔内駅 12.4 2019年
紅線 岡山路竹延伸線 南岡山駅 - 岡山駅 -
岡山駅 - 大湖駅 -
台湾鉄路管理局高雄市内地下化 縦貫線・屏東線 左営駅 - 高雄駅 - 鳳山駅 2018年
  • "*"第三者機関(リカルド (企業)英語版)による独立認証

その他[編集]

  • 新竹捷運
    • 紅線(計画中)
    • 藍線(計画中)
  • 台南捷運
    • 紅線(計画中止、代替として沙崙線が開業)
    • 藍線(計画中止)
    • 緑線(計画中止)
    • 科学園区延伸線(計画中止)
    • 東西線(計画中)
    • 環状線(計画中)
    • 沙崙線(営業中)
  • 高雄捷運
    • 台鉄藍線(建設中)
    • 林園延伸線(計画中)
    • 大寮延伸線(計画中)
    • 屏東延伸線(計画中)
    • 東港延伸線(計画中)
    • 鳳山線(計画中)
    • 棕線(計画中)
    • 黄線(計画中)
    • 綠線(計画中)
    • 新国際機場延伸線(計画中止)
    • 藍線(計画中止)

過去に存在した路線[編集]

  • 台中BRT

関連項目[編集]

脚注[編集]