新型インフルエンザ等対策特別措置法

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新型インフルエンザ等対策特別措置法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 新型インフル特措法
法令番号 平成24年5月11日法律第31号
効力 現行法
種類 医事法
主な内容 新型インフルエンザ等に対する対策
関連法令 感染症予防法
条文リンク 法令データ提供システム
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新型インフルエンザ等対策特別措置法(しんがたインフルエンザとうたいさくとくべつそちほう、平成24年5月11日法律第31号)とは、新型インフルエンザ等に対する対策の強化を図ることで、国民生命及び健康を保護し、生活経済への影響を最小にすることを目的として制定された日本法律である。略して新型インフル特措法とも呼ばれる[1]。なお、本法は新型インフルエンザだけでなく、急激に流行して国民に重大な影響を及ぼすおそれのある新たな感染症が発生した場合にも対応できる(第2条第1号)。

経緯[編集]

2009年に世界的に流行したH1N1亜型インフルエンザウイルスへの対応が混乱したことを踏まえ、2012年5月11日に制定された[1]。当初、2013年4月下旬に施行される予定であったが、中国トリインフルエンザH7N9亜型)の感染が広がったことを受け、予定より前倒しされ、2013年4月13日に施行された[1]

行動計画の作成[編集]

地方公共団体、指定された公共機関は、新型インフルエンザ等の発生に備え、行動計画を作成することとなっている(第6条から第9条)。

発生時の対応[編集]

新型インフルエンザ等の発生が確認された場合、内閣総理大臣は原則として政府対策本部を設置する(第15条)。また、政府対策本部が設置されたときは、都道府県知事及び市町村長も対策本部を設置しなければならない(第22条、第34条)。また、医療従事者等へのワクチンの先行接種が行われる(第28条)。

緊急事態となった場合[編集]

全国的かつ急速なまん延により、国民の生活及び経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態となった場合、内閣総理大臣は「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行う(第32条)。緊急事態宣言がなされると、都道府県知事は住民に対し外出の自粛を要請できる(第45条第1項)。また、罰則はないものの、原則1,000平方メートルを超える体育館映画館劇場などの使用制限を要請することができる(第45条第2項)。外出自粛や使用制限の期間は、新型インフルエンザ発生後の最初の1-2週間が目安とされている[2]

このほか、臨時の医療施設を開設するため、土地や建物を強制使用することも可能である(第49条)。また、都道府県知事等は、新型インフルエンザ等の対応に必要な物資の売り渡しを業者に要請することができ、不当に応じない場合は収用することも可能である(第55条)。また、不当に売り渡しに応じなかった業者に対して、罰則を適用することもできる(第76条)。

ただし、個人自由権利の制限につながるおそれもあることから、日本弁護士連合会が2012年3月に本法への反対声明を出すなど、慎重な運用を求める声もある[2]。なお、第5条において、国民の自由と権利の制限は必要最小限のものでなければならないと定められている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 「新型インフル特措法施行 外出自粛要請の発令可能に」 『産経新聞』 2013年4月13日付け、東京本社発行15版、3面。
  2. ^ a b 「大流行防止へ万全態勢 新型インフル特措法 権利の制限 議論も」 『産経新聞』 2013年4月13日付け、東京本社発行15版、24面。

関連項目[編集]