日立マクセル

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日立マクセル株式会社
Hitachi Maxell, Ltd.
Maxell logo.svg
Hitachi Maxell.JPG
日立マクセル本店
種類 株式会社
市場情報
東証1部 6810
1977年11月1日 - 2010年3月29日
東証1部 6810
2014年3月18日上場
大証1部(廃止) 6810
1977年11月1日 - 2010年3月29日
略称 マクセル
本社所在地 日本の旗 日本
108-8248
本店所在地 567-8567
大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号
設立 1947年昭和22年)11月7日
業種 電気機器
事業内容 機能性部材料、電池、デバイス、光学部品および電気機械器具の製造・販売
代表者 取締役社長:千歳喜弘
資本金 122億0,272万円
発行済株式総数 5,334万株
(2015年3月31日現在)
売上高 連結:1,560億33百万円
単独:1,111億02百万円
(2015年3月期)
営業利益 連結:51億90百万円(2015年3月期)
純利益 連結:68億20百万円
単独:76億89百万円
(2015年3月期)
純資産 連結:1,187億43百万円
単独:1,098億61百万円
(2015年3月31日現在)
総資産 連結:1,604億52百万円
単独:1,429億04百万円
(2015年3月31日現在)
従業員数 連結:4,053名 単独:1,911名
(2015年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 (株)日立製作所 32.4%
(2014年3月18日現在)
外部リンク http://www.maxell.co.jp/
特記事項:※登記上の設立年月日である。
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東京本社が入る太陽生命品川ビル

日立マクセル株式会社(ひたちマクセル、Hitachi Maxell, Ltd.)は電池磁気テープ、光学部品、理美容、健康、医療などの製造・販売、CDDVDなどの光ディスクを販売する日立製作所の関連会社である。

概要[編集]

記録メディアと電池を中心とした電気機器メーカーで、大阪府を発祥の地とする。微粒子材料をセパレータやフィルムに付着させる技術から、乾電池や磁気テープが生まれたといわれる。音楽用カセットテープが有名だが、もともとフィリップスの音楽テープ規格であるカセットテープを日本初で製品化したことから始まる。電池ではアルカリ乾電池や酸化銀電池を日本初で製品化している。過去には、記憶メディア部門はTDK、乾電池部門はパナソニック エナジー社とのシェア争いが熾烈を極めた時期もあったが、現在の部門別売上高ではそれぞれ後塵を拝している。

社名の「マクセル」は乾電池のブランド名「MAXELL」(Maximum Capacity Dry Cell=最高の性能を持った乾電池)から。

1980年代から1999年までは、個人用途(民生品)のカセットテープミニディスクのブランクメディア商品のテレビCMで、ミリオンセラーを達成した有名アーティストの楽曲をタイアップにした作品が放送されていた事でも知られる。

資本面では日立製作所の子会社であった時期もあり、共同で材料の調達や、日立製作所へOEMにて製品の供給も行っている。しかし、営業面では、マクセルの主力分野が乾電池や磁気テープ、光ディスクであることからも判るように、他の日立グループの企業と距離を置いて独自の活動を行っている面があった(「企業集団の状況」)。

当社は委員会等設置会社だったが、上場廃止および100%子会社化の際に監査役設置会社に戻っている。また、2011年4月に事業再編により電池事業を日立製作所完全子会社の日立マクセルエナジーに移管したため、当社の社名の由来である電池事業は一部の製品の販売が残るのみとなっていたが、2013年1月に吸収合併したため、両社で一時期分担して手掛けていた電池事業に関する一切の事業を再び担うこととなった。

日立製作所による完全子会社化[編集]

2009年平成21年)7月に日立製作所が「社会イノベーション事業の強化」と称して、上場している日立グループ5社を順次株式公開買付け(TOB)と株式交換方式で完全子会社化させる方針を決定。このうちマクセルについては電池事業などで日立製作所の社会インフラ部門とのシナジー効果を期待する点が挙げられた。2009年(平成21年)8月から10月上旬にかけてTOBが実施されたが全株取得には至らなかったため、2010年(平成22年)4月1日に簡易方式での株式交換を実施し、完全子会社化される事が2010年(平成22年)1月に発表された。これに伴い、株式交換の効力発生日前の2010年(平成22年)3月29日に上場廃止され、一般株主が保有する日立マクセル株は日立製作所の株式に1:5.66の比率で交換された。

再上場と日立グループからの離脱[編集]

日立グループから独立し、迅速な経営判断を行えるようにするため、2014年3月18日に東京証券取引所に再上場した。再上場と同時に、日立製作所は保有株の大半を売却、出資比率を33.3%に引き下げた[1][2][3]

沿革[編集]

  • 1961年昭和36年) - 日東電工の乾電池、磁気テープ事業を分離し、「マクセル電気工業」を設立。
  • 1963年(昭和38年) - 国産として初めてアルカリ乾電池を製造。
  • 1964年(昭和39年) - 日立製作所の子会社となり、日立マクセル株式会社と改称。営業本部を東京に設置。
  • 1966年(昭和41年) - 国産として初めてカセットテープを商品化。
  • 1973年(昭和48年) - 高性能マンガン乾電池「塩化亜鉛形乾電池」を商品化。
  • 1976年(昭和51年) - 国産として初めてフロッピーディスク「FD-3200S」(8インチ型)を商品化。日本初の酸化銀電池を商品化。
  • 1977年(昭和52年)11月1日 - 東京証券取引所大阪証券取引所市場第2部に上場。
  • 1978年(昭和53年) - VHS方式ホームビデオカセットを商品化。
  • 1980年(昭和55年) - 東京・大阪証券取引所市場第1部に指定。
  • 1981年(昭和56年) - コイン形二酸化マンガンリチウム(CR)電池を商品化。
  • 1984年(昭和59年) - 12型追記型光ディスクカートリッジを商品化。ICカード、メモリカードを製造。
  • 1987年(昭和62年) - DAT用テープを商品化。
  • 1989年平成元年) - BETACAM SP・B-MBQシリーズ発売、放送局むけ業務用テープ市場に本格参入。
  • 1991年(平成3年) - 3.5型光磁気ディスク(MO)を商品化。
  • 1995年(平成7年) - 書き込み可能なコンパクトディスクCD-Rを商品化。世界初の光変調オーバーライト方式MO(RD-M230)を商品化。
  • 1996年(平成8年) - リチウムイオン電池を製造。ニッケル水素電池を商品化。
  • 1998年(平成10年) - 世界初のDVD-RAMを商品化。本社機能を東京に移転。
  • 1999年(平成11年) - メディア(エンターテインメント)事業への参入とアニメ映画「風を見た少年」の製作を発表。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月 - メディア事業を新設子会社のマクセル・イーキューブへ移管。レコード会社としてCDリリースを手がける[4]
    • 7月 - (夏休み期間)「風を見た少年」がブエナビスタ配給・松竹・東急系で公開される。
    • 月日不明 - 世界初のビデオカメラ用DVD-RAM(8cm)を商品化。
  • 2003年(平成15年)
    • 月日不明 - 東京本社を飯田町アイガーデンエアに竣工した「日立マクセル東京ビル」へ移転。
    • 月日不明 - マクセル・イーキューブの解散とエンターテインメント事業の撤退を決定。
  • 2006年(平成18年) - 世界初のHD DVD-Rを商品化。BD-RBD-REを商品化。
  • 2007年(平成19年) - 日立製作所が、薄型テレビ「Wooo」に着脱可能なHDD「iVDR」搭載機を加えたのに合わせ、160GBと80GBのiVDR「アイヴィ」を発売。世界初のBDビデオカメラ用BD-RBD-RE(8cm)を商品化。
  • 2008年(平成20年) - 本社機能を大阪府茨木市に移転。
  • 2009年(平成21年)10月 - 親会社の日立製作所が、完全子会社化を目的として株式公開買い付けを実施し、94.27%の株式を取得。
  • 2010年(平成22年)4月 - 日立製作所が、株式交換を実施し完全子会社化。
  • 2011年(平成23年)4月 - 日立マクセルエナジーを設立し、同社が電池事業を承継(同社は日立製作所の完全子会社となる)。本社機能を東京都千代田区に移転。
  • 2012年(平成24年)
    • 4月 - マクセルファインテック、マクセルスリオンテック、九州日立マクセル、マクセル精器、マクセル商事を吸収合併
    • 10月 - 日立マクセルエナジーとの経営統合を発表。
  • 2013年(平成25年)1月1日 - 日立マクセルエナジーを吸収合併
  • 2013年(平成25年)7月25日 - 女子ソフトボール部(1984年創部)の活動終了を発表[5]
  • 2014年(平成26年)3月18日 - 東京証券取引所市場第1部に再上場。日立製作所が親会社でなくなり「その他の関係会社」となる。
  • 2015年(平成27年)6月1日 - 本社機能を東京都港区に移転[6]
  • 2016年(平成28年)
    • 4月 - 京都本社を設置し、東京本社との二本社制に移行[7]
    • 6月30日 - DDSカートリッジ(磁気テープ)の生産を終了。
    • 11月25日 - 同社のカセットテープ発売開始50年記念として1972年(昭和47年)発売当時のUDのカセットハーフ、およびラベル、ケース等の意匠を復刻した『UD デザイン復刻版』が数量限定(全ラインアップ(C10・C46・C60・C90)合計6万巻の限定生産)で発売。ただし、テープの中身(磁性体・ベースフィルム共に韓国製)自体は同社の既存のUR相当のものが使用される。

主な製品[編集]

マクセル製のオーディオカセット(ノーマル、ハイポジ、メタル)
マクセル製の電池

一般の目に触れることはないが、他社へのOEM用として、コンピュータテープ、光学レンズ、磁気カードICカードの製造を行っている。

個人向け商品としては、乾電池と磁気テープVHSオーディオカセットUR」「UL」)や追記型DVD(DVD-RDVD-RAM)など等のデータメディアが特に知られている。このうち、VHS等の映像記録用磁気テープメディアやDATDDS等のデジタルデータ記録用磁気テープメディアからは既に完全撤退。また、CD-R/CD-RW、追記型DVDBD-Rミニディスク等、光ディスクの自社生産からは撤退しており、台湾メーカなどに生産委託を行ったOEM製品を「Maxell」ブランドで発売している。この他では、日立ブランドのシェーバーやドライヤー等のヘアケア製品、女性向けのフェイスケア製品などの理美容家電がある。

また、主に日立製作所製の薄型テレビWoooに搭載されるデジタルテレビ放送番組の録画再生機能の記録媒体用途として扱われる、日立製作所が開発したリムーバブルハードディスクメディア「iVDR」の発売元であることでも知られる。但し、内部のHDDは日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立と米IBMのHDD部門を統合)のOEM製品である。

かつては、「XLシリーズ」や「響」など高級(プレミアム)オーディオカセットテープを数多く発売していて、国内大手メーカーとしては最後までオープンリールテープ(最末期にはEEポジション(コンパクトカセットでいうTYPE-II/CrO2/ハイポジション相当)専用ブランクオープンリールテープも製造)も手がけていたが、2000年代に入ると高級テープやリールテープは販売終了された。

iVDR対応BDレコーダー「アイヴィブルー」[編集]

  • 「アイヴィブルー」は日立マクセル自社生産ではなく、全て船井電機よりOEM供給を受ける形で販売されている。また2016年12月現在、4Kチューナー内蔵のアイヴィブルーは発売されていない(4K対応の日立ブランド「Wooo」も2016年12月現在はパナソニック「VIERA」OEMの「L65-Z2」と三菱電機REAL」OEMの「L55/L49-ZP3」のみ)。
  • HDMIケーブルは全機種別売り(アナログAVケーブル付属)。アナログAV出力端子も1系統搭載しているので、HDMI端子非搭載の従来型TV受像機(主に2005年以前モデル)とも(アナログAV接続による)組み合わせが可能(新AACS規定施行に伴いアナログAV出力端子を全廃し、TVへの出力はHDMI端子のみとするBDレコーダーが増えている中、「アイヴィブルー」は従来型アナログTV受像機における外付けデジタルチューナーとしても使える貴重な機種)。
  • 但し「アイヴィブルー」は全機種(世界共通の著作権保護規格である)AACS「アナログ画質による映像伝送全面禁止」規定が適用されているため、市販BDソフト再生時はアナログ映像端子より映像が出力されない(市販BDソフトはHDMI接続時のみ視聴可。S端子D端子は非搭載)。またiVDRが外付け記録媒体として機能している(USB-HDDの役目を果たしている)事から、USB端子搭載機種であっても市販USB-HDD接続には全機種非対応(iVDRは対応の他機種で再生する場合でも初期化不要で、本体HDDよりダビングして番組を持ち出し可能。但しiVDRは専用スロット「iVポケット」へ入れる方式による再生しか出来ずUSBケーブル接続には非対応なので、外付けUSB-HDDと同様の使い方は不可。日立以外の他社製品は全てiVDR非対応)。
  • 全機種光デジタル出力端子を搭載しており、ホームシアター及びデジタルコードレスサラウンドヘッドホンなどとの組み合わせが可能。さらに日立のHDMI連動機能「Woooリンク」にも全機種対応しており、日立製薄型テレビ「Wooo」のリモコンで本機の操作も可能。さらに(本機と「Wooo」をHDMI接続して「Woooリンク」を有効に設定した場合に限り)「Wooo」の電子番組表より本機(アイヴィブルー)への録画予約も可能。
  • 「アイヴィブルー」のリモコンは日立はじめ国内主要メーカーTV受像機も操作可能。「テレビ」ボタンを押せばTV操作モードへと切り替わり、数字ボタンを押してのTV受像機側チャンネル直接選局&3桁入力選局も可能(但し複数のコードを設けているメーカーもあり、その場合はメーカー設定の際に操作可能な側のコードを選ぶ。メーカー・機種・年式によっては「アイヴィブルー」リモコンによるTV受像機操作が出来なかったり、一部ボタンが動作しない場合あり)。
  • 全機種アナログAV入力端子を1系統搭載しているので、ビデオデッキなど従来型アナログ再生機器からも本体HDD・iVDR・BD/DVDへのダビングが可能(但しS映像入力端子は非搭載のため、S-VHSW-VHSD-VHS各方式の高級ビデオデッキを繋いだ場合でもVHSデッキ同様の標準画質によるダビングとなる)。SDカードスロット(SDXC対応)も搭載しているが、ワンセグ&フルセグ画質による(SDカードへの)番組持ち出し・SDオーディオ録再(音楽CDからHDD及びSDへの録音)には全機種非対応。さらにヘッドホン端子も全機種非搭載のため、ヘッドホンはTV受像機やアンプなどを介して繋ぐ形となる。
  • かつての親会社「日立製作所」は既にBD/DVDレコーダー自社生産より撤退。その後に行われていた「パナソニックから日立コンシューマーマーケティングリビングサプライ社(当時“日立リビングサプライ”)へのBD/DVDレコーダー(DIGAOEM品)供給」は(DVL-BRT12を最後に)2012年限りで終了。のちに日立マクセルは(再上場に伴い)日立製作所の子会社から関連会社に変わったため、本体・リモコン・取扱説明書へのメーカーロゴ表記は(旧来の「HITACHI」から)「maxell」に変わっている。なお日立「Wooo」カタログと日立特選品カタログ「ふぁみーゆ」にも「アイヴィブルー」とiVDRを掲載(BDプレーヤーはオンキヨー&パイオニアPioneerブランドの製品を掲載)。
  • 本機は公式発表上は「量販店兼用モデル」として発売されているが、実際「アイヴィブルー」を販売する量販店&ネット通販サイトはごく一部のみで、(「Wooo」と共に)日立チェーンストールでの販売が中心となっている(「アイヴィブルー」はもともと発売機種=ラインナップ及び生産台数が少ないため、多くの日立チェーンストールでは「Woooリンク」と同一規格のHDMI連動機能「ビエラリンク」を採用したパナソニック「DIGA」も併売)。

現行モデル[編集]

  • 本体HDDは1TB(WS500のみ500GB)。BIV-TW1000のみ4Kアップコンバート出力対応(但しホームシアターと組み合わせる場合はシアターが4K映像パススルー対応である場合とそうでない場合とで接続方法が異なり、4K非対応シアターと組み合わせる場合はシアターを間へ挟まずに「アイヴィブルー」と4K対応TVを直接繋ぎ、シアターは別系統で独立接続する)。
BIV-TW1000
本体トリプルチューナー搭載、スカパー!プレミアムサービスと合わせて4番組同時録画対応。4Kアップコンバート出力対応。iVポケットを2系統搭載しており(二つのiVDRへ同時録画、一方で録画中にもう一方のiVポケットでiVDRの再生など)多彩な使い方が可能。無線LAN内蔵。
BIV-WS1000
本体Wチューナー搭載、スカパー!プレミアムサービスと合わせて3番組同時録画対応。但し無線LANは非搭載(有線LAN接続のみ)でiVポケットは1系統のみ。HDMI端子も4K非対応。
BIV-WS500
本体HDDは500GB、Wチューナー搭載。その他仕様はWS1000と共通。

生産終了モデル(在庫・展示品限り)[編集]

  • 本体HDDは500GB。Wチューナー搭載でスカパー!プレミアムサービスと合わせて3番組同時録画対応(但し4Kには非対応)。無線LANは非搭載(有線LAN接続のみ)でiVポケットは1系統のみ。
BIV-R1021
BIV-R521

広告宣伝関係[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 子会社の東京証券取引所上場およびそれに伴う所有株式の売却について日立製作所ニュースリリース2014年2月14日
  2. ^ 親会社及びその他関係会社の異動に関するお知らせ日立マクセルニュースリリース2014年3月18日
  3. ^ 東京証券取引所市場第一部上場のお知らせ日立マクセルニュースリリース2014年3月18日
  4. ^ 企業訪問 日立マクセル 次世代をにらみ、多角化を進める読売ADレポート「ojo!」2000年12月号
  5. ^ 女子ソフトボール部の活動に関するお知らせ日立マクセルニュースリリース2013年7月24日
  6. ^ 東京本社住所移転のお知らせ日立マクセルニュースリリース2015年4月28日
  7. ^ “京都本社設置(二本社制)に関するお知らせ” (プレスリリース), 日立マクセル, (2016年4月4日), http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1341892 

関連項目[編集]