横山ホットブラザーズ

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横山ホットブラザーズ(よこやまホットブラザーズ)は、ケーエープロダクション所属(2011年より吉本興業と業務提携)の日本の音楽ショウグループ。元松竹芸能所属。「しゃべくり漫才」→「シチュエーションコント」が主流を占める中で、楽器を用いた音曲漫才ボーイズ物の伝統を守る、数少ないグループの一つ。

結成は戦前に遡り、戦後は戎橋松竹トップホットシアター道頓堀角座等をホームグラウンドに、キャバレー廻り等もした。現在も定席やテレビ・ラジオ出演の他に、営業も数多くこなす。

メンバー[編集]

横山姓は本名で、横山エンタツ横山ノックら漫才師の「横山」一門とは関係が無い。

家父・創始者の横山東六には7 - 8人の子があったが、長男と長女は幼くして病死している。他の子は殆どがメンバーに在籍した。

現行メンバー[編集]

横山アキラ(本名:横山彰、1932年8月7日 - )
長男、大阪府出身。ミュージックソーギター担当。
昨今ギターは殆ど叩いて音頭を取ったりする位で、きちんと弾く事は滅多にないが、 市川福治・かな江直伝の阿呆陀羅経などもこなす腕前を誇る。かつては進駐軍相手のジャズバンドに所属していた。のこぎりを叩く「おまえはアホか」のギャグは有名である。
横山マコト(本名:横山誠、1934年6月16日 - )
次男、大阪府出身。アコーディオン担当。
嘗ては高級で音の良いアコーディオンを使用していたが、近年体力面からアキラのミュージックソー演奏中はアコーディオンを肩から下ろし、アコーディオンも小型軽量な物を使用している。なお、いわゆる絶対音感の持ち主であり、音楽を聴きながら記譜ができるという。また作曲家として、学校の校歌や企業の社歌などを数多く手掛けている。:妻は浪曲師松浦四郎の娘。
横山セツオ(本名:横山節雄、1946年4月3日 - )
三男、大阪府出身。エレキギター担当。
学生時代からバンド活動に参加。近畿大学を中退し1966年から加入。初舞台で緊張のあまりセリフに詰まっていると、長男から「おまえはしゃべらんでええ。そこにたっているだけでエエ。」というツッコミは今もお約束のフレーズとして続く。

元メンバー[編集]

横山東六(本名:横山登二、1906年 - 1980年11月6日
バイオリン担当。父親で創始者。
音楽学校卒の元楽士で、1928年に関西交響楽団(現在の大阪フィルハーモニー交響楽団の前身とは別団体)に入団。
1933年より陽気屋東六の名で音曲漫才に転向し、落語家出身の笑福亭福之助(後の鹿島洋々)とコンビを組み、新世界アシベ劇場で漫才初舞台。
1974年頃から健康上の理由で徐々に出番を減らし、1975年に引退。
小田レイジ(当時は横山レイジ)(本名:小田栄正、1930年 - )
広島県呉出身。東六の弟子。途中から洋二に交代。
国鉄に勤務していたが芸界に憧れショウを自ら結成。後に妻と夫婦漫才を組む。
脱退後は吉本興業ザ・ダッシュに加入、ポケットミュージカルスでも活躍。その後は片山津温泉街で宴会の司会業をした。
横山洋二(本名:上甲元行、生没年不詳
東六の弟子。
父は永田キングの弟子の永田小キング、母は星ギン子・ララ子の星ギン子。
1974年にセツオと交代。何でも用事が済む様にとこの名が付いた。

略史[編集]

  • 1936年 - 東六が妻の登志子、娘のセツコ、リュウコに弟子一門を従えて「横山トーロクショウ」を結成。当初はバンドスタイルの比較的真面目な歌謡ショウで、ボーカルやドラムもいた。「横山トニー一党」と称したこともある。
  • 1937年 - 次男マコトが加入。
  • 1944年 - 長男アキラが加入。戦後「横山ファミリーショウ」と改称。
  • 1952年 - 戎橋松竹出演に際し、男ばかりのメンバー(東六、アキラ、マコト)では華がないと、女性ボーカルを招いて「横山ホットブラザーズ」と改称。
  • 1960年 - 弟子のレイジが加入。
  • 年代不明 - 弟子の洋二が加入。
  • 1966年 - 洋二と入れ替わりに、三男セツオが加入。
  • 1971年 - 第6回 上方漫才大賞 奨励賞受賞。
  • 1975年 - 東六が引退、現在の兄弟トリオに。
  • 1985年 - 第9回 日本パロディ展 優秀賞受賞。
  • 1991年 - 第20回 上方お笑い大賞 審査員特別賞。
  • 1994年 - 第29回 上方漫才大賞 審査員特別賞受賞。
  • 1996年 - 平成8年度 第51回 文化庁芸術祭 大賞受賞。
  • 2003年 - 第38回 上方漫才大賞 大賞受賞。
  • 2009年 - 上方演芸の殿堂入り
  • 2011年3月 - ケーエープロダクション所属のまま、吉本興業と業務提携。[1]
  • 2011年4月 - 43年ぶりに花月の通常公演に出演。以降NGKやよしもと祇園花月に出演。

芸風[編集]

  • テーマソングは父東六が参加していたころは「明るく笑ってリズムショー楽しく唄ってリズムショー仲良く陽気に奏でるホットブラザース〜♪」後に「(とかくこの世は朗らかに笑う門には福来たる。歌う門にも又福来たる)歌って笑ってホットブラザーズ〜♪」となっている。
  • 出だしは決まって、マコトの歌(殆ど「北酒場」だが、「無錫旅情」など別の歌を用いる場合もある)。アキラがそれに「ヤッコラマタ、ドッコイマタ」と頬を痙攣させつつ合いの手を入れ、次第にオーバーアクションになってマコトの歌を食ってしまい、マコトが「やかましわい!」とツッコんで中断する。
  • その後は、掛け合い~歌合戦系のネタと、楽器演奏系のネタに分かれる。
  • アキラ(ボケ)とマコト(ツッコミ)の漫才形式で進行し、セツオの絡みは少ない。セツオがツッ込んだ場合は、それにアキラとマコトがツッ込み、セツオがいじられて会話から弾き出されるパターンが多い。
  • 歌合戦系のネタの場合は、何かのテーマ(季節ネタや時事ネタ、地方巡業の場合はご当地ネタなど、演じる場に合わせる)に沿った歌を互いに出し合う形と、しりとり等のゲームで歌を繋いで行く形があり、この場合、マコトの仕切りでアキラとセツオが対戦、という役割分担になる。最初は普通にテーマに沿った歌を出し合うが、対戦が進むに連れいい加減な語呂合わせが増え、最終的に破綻するパターンが多い。
  • しりとり型の場合は、司会のマコトがセツオに優しく、アキラには難しくなるように仕切って行き、アキラが苦し紛れに出す歌にマコトがツッ込むパターンが定番。どちらもマコトのツッコミに、アキラがオチをつけて下げとなる。
  • 楽器演奏系の場合は、家財道具(後述)を使って珍妙かつ軽快な音を出し、客を感心させるボーイズ芸を見せる。

使用楽器[編集]

現在も使用中の楽器[編集]

ミュージックソー(のこぎりの形をした楽器)
轟一蝶・美代子漫画トリオの初代横山フックの親)から、バイオリンを分解するネタと共に東六が教わり、息子のアキラに伝授した。のこぎりは一蝶がアメリカに行った際に買ってきたものを戦後譲り受けた。
西洋のこぎりから派生した、演奏専用に作られた弦楽器。アキラはこれを弾かずに、打楽器用のマレットで叩いて音を出す。
音程と余韻の操作をしつつ、7拍叩いて「お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜」と聞かせるギャグと、マコトのアコーディオン、セツオのギター伴奏によって「荒城の月」「六甲おろし」「お正月」等を演奏する持ち芸がある。
特に「おまえはアホか」はアキラの代名詞になっており、国内外を含め他の追従を許さぬ第一人者になっている。
横山裕関ジャニ∞)はアキラからこの芸を直伝された。
地方興行で飛行機に搭乗しようとしたところ、所持していたミュージックソーが空港の金属探知機に引っかかり、凶器として没収されそうになった。凶器ではなく楽器だという説明を係官に信じてもらえず、その場で「お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜」を演奏して納得させた。(『月亭八方の楽屋ニュース』で暴露。サキタハヂメにも同様のエピソードがある)。
「おまえはアホか」を音階で表すと「ド♯ ド♯ ド♯ シ♭ ド♯ シ♭ ド♯」となり、半音だらけである[2]
「おまえはアホか」を音声認識式のコンピュータに入力すると、何故か「米陸軍」と出る(『探偵!ナイトスクープ』の小ネタより)。
近年レパートリーに「世界に一つだけの花」が加わり、『笑っていいとも!』では香取慎吾の前で披露された。
小型のミュージックソーを使用する場合もある。
嘉門達夫のアルバム「天賦の才能」収録の「アカペラな夜」には、この「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」の音源が曲中に収録されている。
ガラクタパーカッション
マコトが担当。
おもちゃの木琴を中央に、周りに左からうちわ太鼓ひしゃくちりとり、ホーン、小型のフライパン、などを装備したミニチュアのパーカッションセット。
小さいため台が必要だが、舞台には台がないので、アキラを座らせて肩と頭部に乗せて演奏する。この時アキラはクラリネットを吹く。
セツオのギター伴奏で「ドレミの歌」や「大阪ラプソディ」等を演奏する。
楽器演奏のネタの場合、多くはこれがオチネタにされ、曲の途中でマコトが乱打して、台のアキラが「えーい、うるさい!」とセットを放り出して下げとなる。
ハーモニカ
アキラが担当。ハーモニカを鼻息で吹いていた、父の東六から受け継いだネタ。
ハーモニカの端に棒を立て、皿を回しながら吹奏する。
その後そのハーモニカのもう一端でもう一枚皿を回し、その下に棒を立ててリコーダーで「おおスザンナ」を吹く。
フライパン
アキラがフライパン、セツオが釜を持ち、各々底をマレットで叩き、アコーディオンに合わせて長唄勧進帳」を演奏する。
最後はセツオが釜を表側にし、内ポケットから取り出した太鼓の撥で「カーン」と釜を叩いて、下げになる。

過去に使用していた楽器[編集]

壊れるヴァイオリン「ストラディヴァリウス?」
父・東六のネタ。
モーニング姿でヴァイオリンを抱え、舞台に登場。短く一曲を弾き終え、「これは(ヴァイオリニストの)辻久子の持っているストラディヴァリウスよりもさらに高い…明日から、見られまへんで。明日からフェスティバルホールに出まんねん…」などと笑わせる。
「ホンマに、丈夫だんねん」とヴァイオリンを叩くと、ネックが根元から折れて「おじゃましました!」と言いながら舞台を降りる。言うまでもなく、ネックは最初から根元が固定されていない。
はたき
東六、アキラ、マコトのネタ。
竹箒とはたきを改造。箒の柄の部分には、はたきにはが張ってあり、バイオリンのように演奏する。
箒の柄の先には吹き込み口と穴が穿ってあり、フルートのように演奏できる(この部分のみマコトが担当)。
セツオのエレキギター伴奏で「お手々つないで」を演奏する。
三味線
東六のネタ。
胸から提げたハーモニカを吹き、足で太鼓を叩き、ピックで三味線を弾き、残りの薬指・小指に付けた撥で鉦を叩く。

その他[編集]

  • 2005年11月現在、NHKラジオ第1放送の演芸番組『上方演芸会』に170回超出演しており、現役芸人として最多の出演回数を誇る(歴代最多は夢路いとし・喜味こいしの230回超)。
  • メンバーの「長男・次男・三男」の位置づけは飽くまでグループ内のもので、出生順とは異なる。三男とされるセツオは、実際は8人兄弟の末っ子である(本人談)。
  • かつて大津市紅葉パラダイスで月に1度行われていた、のど自慢大会のバックバンドを務めていた。このバンドは通常の3人のメンバーのほかに増員されており、びわ湖放送KBSテレビで放送されていた。
  • 次男・マコトは「横山誠」の名前で大阪市立苅田南小学校の校歌を作曲している。

出演番組[編集]

テレビ[編集]

ほか

ラジオ[編集]

CM[編集]

医療法人いなほ会 くまざき歯科(ラジオCM) 松下電器 「ほっとベルト」 NTTドコモ 「やりくりくん」 毎日オートセンター(横山アキラ) サッポロビール

レコード[編集]

  • 「ホットの日本列島うかれ節」(日本レコード)

弟子[編集]

東六の弟子

  • 横山レイジ(後の小田レイジ)
  • 横山洋二
  • 横山サンデー(後の柳サンデー)

横山ホットブラザーズの弟子

その他

[編集]

  1. ^ 「横山ホットブラザーズ」が吉本興業入り!
  2. ^ 2015年11月4日放送『水曜日のダウンタウン