第3次安倍内閣 (第2次改造)

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第3次安倍第2次改造内閣
Abe Government 20160803 1.jpg
2016年(平成28年)8月3日
国務大臣任命式後の記念撮影
内閣総理大臣 第97代 安倍晋三
成立年月日 2016年平成28年)8月3日
与党・支持基盤 自由民主党公明党
自公連立政権
日本のこころ閣外協力
第193回国会以降)
内閣閣僚名簿(首相官邸)
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第3次安倍第2次改造内閣(だいさんじあべだいにじかいぞうないかく)は、衆議院議員自由民主党総裁安倍晋三が第97代内閣総理大臣に任命され、2016年平成28年)8月3日に成立した日本の内閣である。

自由民主党公明党による自公連立政権を形成する。また2017年(平成29年)の第193回国会以降、日本のこころ参議院で自由民主党との統一会派「自由民主党・こころ」を結成する。

内閣の顔ぶれ・人事について[編集]

第3次安倍内閣第1次改造内閣の閣僚19人のうち、8人が留任し、1人が横滑りした。前改造内閣と同様8人が初入閣である。平均年齢は60.8歳となり、前改造内閣を0.7歳上回った。最高齢者及び最年少者は前改造内閣と同人で、最高齢は麻生太郎で75歳、最年少は丸川珠代で45歳(いずれも発足時)。当選回数は、12回の麻生太郎が最多で、4回の稲田朋美が最少であった。なお、前改造同様、山東派、民間人の入閣はなかった[1][2]

また、同じ「山本」姓を持つ閣僚が3人誕生することとなった。それぞれ山本公一山本有二山本幸三であり、同じ姓であることに加え、氏名の末尾が「一」「二」「三」と順番になっていることでも注目された[3][注釈 1]

国務大臣[編集]

職名 氏名 所属 特命事項等 備考
内閣総理大臣 Shinzō Abe April 2015.jpg 安倍晋三 衆議院
自由民主党
細田派
自由民主党総裁
財務大臣
内閣府特命担当大臣
(金融担当)
Taro Aso cropped.jpg 麻生太郎 衆議院
自由民主党
麻生派
デフレ脱却担当
内閣総理大臣臨時代理
就任順位第1位(副総理
留任
総務大臣
内閣府特命担当大臣
(マイナンバー制度担当)
Replace this image JA.svg 高市(山本)早苗 衆議院
自由民主党
(無派閥)
留任
法務大臣 Replace this image JA.svg 金田勝年 衆議院
自由民主党
額賀派
初入閣
外務大臣 Fumio Kishida cropped 2 John Kerry Fumio Kishida and Akitaka Saiki 20130414.jpg 岸田文雄 衆議院
自由民主党
岸田派
内閣総理大臣臨時代理
就任順位第4位
留任
文部科学大臣 Replace this image JA.svg 松野博一 衆議院
自由民主党
(細田派)
教育再生担当 初入閣
厚生労働大臣 Yasuhisa Shiozaki cropped 3 Caroline Kennedy Penny Pritzker and Yasuhisa Shiozaki 20141020.jpg 塩崎恭久 衆議院
自由民主党
(無派閥)
内閣総理大臣臨時代理
就任順位第5位
留任
農林水産大臣 Yamamoto Yuji 1-2.jpg 山本有二 衆議院
自由民主党
石破派
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣
(原子力損害賠償・
廃炉等支援機構担当)
Hiroshige Seko.jpg 世耕弘成 参議院
自由民主党
(細田派)
産業競争力担当
ロシア経済分野協力担当
原子力経済被害担当
初入閣
国土交通大臣 Isii.jpg 石井啓一 衆議院
公明党
水循環政策担当 留任
環境大臣
内閣府特命担当大臣
(原子力防災担当)
Replace this image JA.svg 山本公一 衆議院
自由民主党
谷垣グループ
初入閣
防衛大臣 Tomomi Inada 20160622.jpg 稲田朋美 衆議院
自由民主党
(細田派)
内閣官房長官 Yoshihide Suga cropped 3 Joint Press Announcement of the Okinawa Consolidation Plan.jpg 菅義偉 衆議院
自由民主党
(無派閥)
沖縄基地負担軽減担当
内閣総理大臣臨時代理
就任順位第2位
留任
復興大臣 Masahiro Imamura cropped 3 Masahiro Imamura 20160803.jpg 今村雅弘 衆議院
自由民主党
二階派
福島原発事故再生総括担当 初入閣
2017年4月26日辞任
Masayoshi Yoshino.png 吉野正芳 衆議院
自由民主党
(細田派)
初入閣
2017年4月26日就任
国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣
(消費者及び食品安全担当)
(防災担当)
Replace this image JA.svg 松本純 衆議院
自由民主党
(麻生派)
海洋政策・領土問題担当
国土強靱化担当
初入閣
内閣府特命担当大臣
(沖縄及び北方対策担当)
(クールジャパン戦略担当)
(知的財産戦略担当)
(科学技術政策担当)
(宇宙政策担当)
Replace this image JA.svg 鶴保庸介 参議院
自由民主党
(二階派)
情報通信技術(IT)政策担当 初入閣
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策担当)
Nobuteru Ishihara cropped 3 Ishihara Nobuteru 2012.jpg 石原伸晃 衆議院
自由民主党
石原派
経済再生担当
社会保障一体改革担当
内閣総理大臣臨時代理
就任順位第3位
留任
内閣府特命担当大臣
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当)
Katsunobu Kato cropped 2 Shinzo Abe Mike Penning Katsunobu Kato and Keiichi Hayashi 20130616.jpg 加藤勝信 衆議院
自由民主党
(額賀派)
一億総活躍担当
働き方改革担当
女性活躍担当
再チャレンジ担当
拉致問題担当
留任
内閣府特命担当大臣
(地方創生担当)
(規制改革担当)
Kozo Yamamoto 200609.jpg 山本幸三 衆議院
自由民主党
(岸田派)
まち・ひと・しごと創生担当
行政改革担当
国家公務員制度担当
初入閣
国務大臣 Marukawatamayo.png 丸川珠代 衆議院
自由民主党
(細田派)
東京オリンピック・ パラリンピック競技大会担当 横滑り

内閣官房副長官・内閣法制局長官[編集]

職名 氏名 所属等
内閣官房副長官 萩生田光一 衆議院自由民主党細田派)/内閣人事局
野上浩太郎 参議院/自由民主党(細田派)
杉田和博 内閣危機管理監
内閣法制局長官 横畠裕介 前内閣法制次長

副大臣[編集]

職名 氏名 所属
復興副大臣 橘慶一郎 衆議院自由民主党(無派閥)
復興副大臣 長沢広明 参議院公明党
内閣府副大臣 石原宏高 衆議院/自由民主党(石原派
内閣府副大臣 越智隆雄 衆議院/自由民主党(細田派
内閣府副大臣 松本洋平 衆議院/自由民主党(二階派
総務副大臣 原田憲治 衆議院/自由民主党(額賀派
総務副大臣
兼内閣府副大臣
赤間二郎 衆議院/自由民主党(麻生派
法務副大臣
兼内閣府副大臣
盛山正仁 衆議院/自由民主党(岸田派
外務副大臣 薗浦健太郎 衆議院/自由民主党(麻生派)
外務副大臣 岸信夫 衆議院/自由民主党(細田派)
財務副大臣 大塚拓 衆議院/自由民主党(細田派)
財務副大臣 木原稔 衆議院/自由民主党(額賀派)
文部科学副大臣 義家弘介 衆議院/自由民主党(細田派)
文部科学副大臣
兼内閣府副大臣
水落敏栄 参議院/自由民主党(岸田派)
厚生労働副大臣 橋本岳 衆議院/自由民主党(額賀派)
厚生労働副大臣 古屋範子 衆議院/公明党
農林水産副大臣 齋藤健 衆議院/自由民主党(石破派
農林水産副大臣 礒崎陽輔 参議院/自由民主党(細田派)
経済産業副大臣 松村祥史 参議院/自由民主党(額賀派)
経済産業副大臣
兼内閣府副大臣
高木陽介 衆議院/公明党
国土交通副大臣 田中良生 衆議院/自由民主党(無派閥)
国土交通副大臣
兼内閣府副大臣
兼復興副大臣
末松信介 参議院/自由民主党(細田派)
環境副大臣 関芳弘 衆議院/自由民主党(細田派)
環境副大臣
兼内閣府副大臣
伊藤忠彦 衆議院/自由民主党(二階派)
防衛副大臣
兼内閣府副大臣
若宮健嗣 衆議院/自由民主党(額賀派)

大臣政務官[編集]

職名 氏名 所属
内閣府大臣政務官 武村展英 衆議院自由民主党(無派閥)
内閣府大臣政務官 豊田俊郎 参議院/自由民主党(麻生派
内閣府大臣政務官
復興大臣政務官
務台俊介
2017年(平成29年)3月10日辞任
衆議院/自由民主党(麻生派)
内閣府大臣政務官
兼復興大臣政務官
長坂康正
2017年(平成29年)3月10日就任
衆議院/自由民主党(麻生派)
総務大臣政務官 金子恵美 衆議院/自由民主党(二階派
総務大臣政務官 冨樫博之 衆議院/自由民主党(石破派
総務大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
島田三郎 参議院/自由民主党(無派閥)
法務大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
井野俊郎 衆議院/自由民主党(額賀派
外務大臣政務官 小田原潔 衆議院/自由民主党(細田派
外務大臣政務官 武井俊輔 衆議院/自由民主党(岸田派
外務大臣政務官 滝沢求 参議院/自由民主党(山東派
財務大臣政務官 杉久武 参議院/公明党
財務大臣政務官 三木亨 参議院/自由民主党(二階派)
文部科学大臣政務官 樋口尚也 衆議院/公明党
文部科学大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
兼復興大臣政務官
田野瀬太道 衆議院/自由民主党(石原派
厚生労働大臣政務官 堀内詔子 衆議院/自由民主党(岸田派)
厚生労働大臣政務官 馬場成志 参議院/自由民主党(岸田派)
農林水産大臣政務官 細田健一 衆議院/自由民主党(細田派)
農林水産大臣政務官 矢倉克夫 参議院/公明党
経済産業大臣政務官 中川俊直
2017年(平成29年)4月18日辞任
衆議院/自由民主党(無派閥)
経済産業大臣政務官 大串正樹
2017年(平成29年)4月18日就任
衆議院/自由民主党(無派閥)
経済産業大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
兼復興大臣政務官
井原巧 参議院/自由民主党(細田派)
国土交通大臣政務官 藤井比早之 衆議院/自由民主党(無派閥)
国土交通大臣政務官 大野泰正 参議院/自由民主党(細田派)
国土交通大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
根本幸典 衆議院/自由民主党(細田派)
環境大臣政務官 比嘉奈津美 衆議院/自由民主党(額賀派)
環境大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
井林辰憲 衆議院/自由民主党(麻生派)
防衛大臣政務官 小林鷹之 衆議院/自由民主党(二階派)
防衛大臣政務官
兼内閣府大臣政務官
宮澤博行 衆議院/自由民主党(細田派)
  • 2016年(平成28年)8月5日任命[6][7]

内閣総理大臣補佐官[編集]

職名 氏名 所属等
内閣総理大臣補佐官
(ふるさとづくり推進及び文化外交担当)
河井克行 衆議院
自由民主党(無派閥)
内閣総理大臣補佐官
(国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度担当)
柴山昌彦 衆議院
自由民主党(細田派
内閣総理大臣補佐官
(教育再生、少子化、その他国政の重要課題担当)
衛藤晟一 参議院
自由民主党(二階派
内閣総理大臣補佐官
(政策企画担当)
長谷川榮一 民間
内閣広報官
内閣総理大臣補佐官
(国土強靭化及び復興等の社会資本整備、地方創生並びに健康・医療に関する成長戦略担当)
和泉洋人 民間
内閣官房参与

全員が第3次安倍第1次改造内閣からの再任。

勢力早見表[編集]

名称 勢力 国務大臣 官房副長官 副大臣 政務官 補佐官 その他
細田派 98 6 2 7 5 1 参議院議長総務会長、幹事長代行、 参議院議員会長
無派閥 75 3 0 2 4 1
公明党 60 1 0 3 2 0
額賀派 51 2 0 5 2 0 政務調査会長国会対策委員長、参議院幹事長
岸田派 40 2 0 2 2 0
麻生派 39 2 0 2 3 0
二階派 38 1 0 2 3 1 幹事長選挙対策委員長
谷垣団 31 1 0 0 0 0
石破派 20 1 0 1 1 0
石原派 15 1 0 1 1 0
山東派 12 0 0 0 1 0 衆議院議長副総裁

[注釈 2]

内閣の動き[編集]

発足時[編集]

2016年(平成28年)8月3日、第3次安倍第2次改造内閣発足後の記者会見で、安倍は最優先課題を「経済」とした上で、アベノミクスの継続を宣言し、国内総生産戦後最高600兆円達成、希望出生率1.8の実現、介護離職ゼロを、3つの「的」と位置づけた。また、「一億総活躍」のために、長時間労働是正や、同一労働同一賃金の実現、最低賃金の引き上げなど働き方改革を課題として挙げた[8]

内政[編集]

「天皇陛下のお言葉」[編集]

8月8日、今上天皇は「次第に進む身体の衰えを考慮する時、象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。」「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じる。」などと、国民に向けて自身の「生前退位(皇太子への譲位)」の意向がにじんだ10分間程度のビデオメッセージを出した[9]。これも受けて政府内では、9月23日に内閣官房を事務局とする「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議[10]」の複数回による開催を決定した。

IR(統合型リゾート)推進法案[編集]

12月6日、カジノを中心とした統合型リゾート推進法案(カジノ法案)が衆議院本会議で可決、参議院に送付された。また14日には参議院本会議で統合型リゾート推進法案の修正案が自民党・日本維新会などの賛成多数で可決。前日に開催された参議院内閣委員会で法案が修正されたため、同日衆議院へ再送付され、翌日の衆議院本会議にて自民党・日本維新会などの賛成多数で可決・成立した[11]

組織犯罪処罰法改正案[編集]

共謀罪の構成要件を改めて、テロ等準備罪を新設する法案であるため「共謀罪法案」と呼ばれることが多い[12]。5月19日の衆議院法務委員会で野党が抗議する中で可決された[13]。法務大臣の金田勝年の「(準備行為の下見と花見の違いについて)例えば花見であればビールや弁当を持っているのに対して、下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っている」「(野党の質問に)私の頭脳ではちょっと対応できない」といった答弁に対して不安定であるという批判がたびたびあがり、5月18日には不信任案が提出された(与党多数で否決)[14]

TPP関連法案[編集]

2016年12月10日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案及び関連法案が衆議院本会議で採決され、与党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。しかし、アメリカトランプ大統領は選挙戦以来TPP離脱の方針を掲げており、2017年1月23日にはTPP離脱の大統領令に署名した。これにより国内では批准手続きはほぼ完了しているにも関わらずTPPの発効は絶望的となった。

2017年4月20日、アメリカの復帰は困難と判断しアメリカ抜きの11カ国で、日本やオーストラリア主導のもと発効を目指すとした。5月のベトナムで開かれるTPP閣僚会合で11カ国での発効を呼びかける。

森友学園問題[編集]

国有地の不当に安い払い下げが政治的圧力ではないかとの指摘がなされた森友学園では「安倍首相がんばれ、安倍首相がんばれ、安保法制が国会を通過してよかったです」などと園児が復唱するといった異様な教育がなされていたため、メディアで大きな反響を呼んだ[15]財務省理財局長の佐川宣寿は、払い下げの交渉記録を「自動的に消去されて、復元できないシステム」で消去したと答弁し、後に手作業だったと撤回[16]。2017年5月、市民団体は財務省幹部の刑事告発に踏み切った[17]。また、学園の理事長である籠池泰典は首相夫人である安倍昭恵が学園に寄付を行ったとの主張などを行っており[18]、野党は夫人の証人喚問を要求した[19]。森友問題については、理事長のキャラ[20]もあって政治スキャンダルとしては別格の盛り上がりを見せている[21]

加計学園騒動[編集]

2017年5月18日、獣医学部の今治市への誘致をめぐって、学部新設計画に首相の安倍が関与したことを裏付ける内部文書が明らかになったとして、民進党代表の蓮舫は「究極の忖度があったと疑っている。内閣総辞職に値する内容ではないか」と総辞職を要求した[22]。学部新設については、京都産業大学も獣医学部建設を目指していたが、建設地が関西で「獣医学部の新設は近くに獣医学部がない地域に限る」という条件によって認可が下りず、加計学園だけが優先的に認可された[23]。一方で、農業の研究施設が四国に不足していることから長年の念願だったこともあり、地元の今治市では政争の具にされたとの批判の声もあがっている[24]

安全保障[編集]

尖閣諸島周辺における中国船問題[編集]

8月6日、中国海警局の船6隻が沖縄県尖閣諸島周辺の接続水域(領海の外側)に入り、中国の漁船およそ230隻がその周辺を航行した[25]

アメリカによるシリアへの空爆と北朝鮮問題[編集]

別項の日米首脳会談の後に北朝鮮はアメリカ本土が射程に入る中長距離弾道ミサイル「北極星2号」を発射。これについて3月7日に北朝鮮の労働新聞は「有事の際、在日米軍を攻撃する部隊が参加した」と報道した。このミサイル発射を受け、安倍首相はトランプ大統領と電話で会談し、「北朝鮮の脅威は新たな段階に入っていることを日米で確認した」との認識を示した。

2017年4月6日にアメリカのホワイトハウスで米中首脳会談が行われていたが、その裏でトランプ大統領はアメリカ軍にシリアへの空爆を指示し、トマホーク59発を撃ち込んだ。ていた。空爆の理由としてトランプ大統領は後日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したことに対しての対抗措置としている。 尚、この攻撃に対し日本政府は支持を表明した。そしてこの突然の空爆は、「アメリカは北朝鮮に対して先制攻撃も辞さない」というメッセージであるとの見方もあった。

2017年4月に入り、アメリカは北朝鮮に対する軍事的な対抗措置をいくつか検討し始めた。トランプ大統領は「全ての選択肢がテーブルの上にある」と述べ、北朝鮮への先制攻撃や金正恩朝鮮労働党委員長の斬首作戦などのオプションがあることを示した。これに対し北朝鮮はアメリカと戦争になった場合、在韓米軍在日米軍なども標的になると述べるなど、互いに挑発し合うチキンレース状態になった。4月15日は故・金日成主席の生誕105周年記念日で北朝鮮が核実験やミサイル発射実験などをすることが予想され、いずれかを行なった場合、アメリカは北朝鮮を先制攻撃するという報道もあった。その日の軍事パレードではアメリカ本土にも届く新型ミサイルICBM(大陸間弾道ミサイル)などが公開されるなど、近年の北朝鮮の軍事力の発展を誇示した形となった。実際ミサイルを発射したものの数秒で空中爆発し失敗したため、アメリカによる攻撃は行われなかった。またこの頃アメリカのハリス太平洋軍司令官は原子力空母カール・ビンソンを空母打撃群を率いて朝鮮半島沖に派遣させるなど緊張の度合いは増していった。これについてトランプ大統領は「非常に強力な艦隊を送り込んでいる」とした、声明を発表した。 4月後半には日本の海上自衛隊護衛艦さみだれ」と「あしがら」が、カール・ビンソン率いる打撃群と西太平洋で合流し共同訓練を行った。

安倍首相は4月13日参議院外交防衛委員会において、北朝鮮がミサイルの弾頭に化学兵器であるサリンを付けて着弾させる能力があると述べ、北朝鮮の脅威に危機感を示した。さらに自衛隊の現行のミサイル防衛体制には限界があるとの認識も示した。また首相は「ミサイル防衛能力はいわゆる抑止力にはならない。打撃力としての抑止力はアメリカに依存している」と説明した。さらに「現実を踏まえ抑止力をしっかり持つべきだという議論が当然ある」と述べ、自民党が進める敵基地攻撃能力保有に向けた議論に期待した。また朝鮮半島危機に対して日米韓で緊密に連携していくことで一致した。

4月25日は朝鮮人民軍創設85周年に当たる日であるため、この日も核実験の懸念があった。しかし実際には大規模な火力演習にとどめた。労働新聞は「米韓両国が先制攻撃妄動を続けるなら、米韓への先制攻撃を加える」と報道した。

この問題においてアメリカはかねてより中国の対応に期待している。トランプ大統領は「中国が何もしないならアメリカが単独で行動する」という趣旨の発言をしていた。また日本政府も同様に中国の対応に期待感を示した。当の中国はあくまで平和的解決を主張しており、朝鮮半島において米朝の武力衝突は望まないとしている。

5月14日、北朝鮮は再びミサイルの発射実験を行なった。発射したミサイルは「火星12」と呼ばれるもので、飛行距離約780km、最大高度は2110kmとされる。北朝鮮は「新型ミサイルの発射に成功した」と報じた。ミサイルは日本の防空識別圏に約20km入り、津軽海峡から西に約420kmの地点に落下した。

外交[編集]

2度の日米首脳会談[編集]

11月18日(日本時間)、安倍晋三首相はアメリカ大統領選挙で勝利したドナルド・トランプ次期大統領と異例の就任前の会談を行い、「信頼できる相手と確信した」などと述べた。なお、この会談は概ね高い評価を得た。

2017年2月10日から2月11日にかけて、アメリカホワイトハウスで日米首脳会談を開催。2日目にはフロリダ州にある、トランプ大統領が所有する別荘のゴルフ場でゴルフを2人で行った。この安倍首相の訪米では厚遇ぶりが注目され、「ゴルフ外交」とも言われた。

ロシアとの北方領土交渉[編集]

12月15日、安倍晋三首相とロシアウラジミール・プーチン大統領が安倍首相の地元である山口県で日露首脳会談を開催。翌16日にも、首相官邸で同会談を開催した。両首脳は、『新たなアプローチ』に基づく共同経済活動を行うための『特別な制度』について交渉を開始することで合意した。また、共同経済活動は「両国の立場を害さないという共通認識のもとで進められるべきだ。平和条約締結に向けた重要な一歩となる」と強調した。

安倍首相の真珠湾訪問[編集]

12月27日、安倍晋三首相はアメリカバラク・オバマ大統領と共に日米開戦(太平洋戦争大東亜戦争)の発端地となったハワイ真珠湾を訪問し、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊した。同訪問には、岸田文雄外務大臣、稲田朋美防衛大臣、萩生田光一内閣官房副長官、衛藤晟一内閣総理大臣補佐官、参議院自民党日ハワイ友好議員連盟の吉田博美会長、松山政司幹事長、堀井巌事務局長、キャロライン・ケネディ駐日米国大使、ハワイ州知事デービッド・イゲ、ジェリー・マルティネス在日米軍司令官他が同行した。

慰安婦問題[編集]

2017年1月9日、韓国釜山にある日本総領事館前への慰安婦像設置に対抗し、日本政府長嶺安政駐韓大使の一時帰国や、総領事館員の釜山市の行事参加の見送り、日韓スワップ協定再開の協議中断など複数の強行的な措置を取った。

欧州歴訪[編集]

3月19日からドイツフランスベルギーイタリアの4カ国を歴訪した。最初の訪問国のドイツのアンゲラ・メルケル首相とは北朝鮮問題の他に、台頭している保護主義を念頭に自由貿易の重要性を強調した。フランスではフランソワ・オランド大統領との最後の首脳会談を行なった。日仏で様々な問題に対し協力していくことの他に、思い出話に花が咲く会談でもあった。ベルギーでは、首都ブリュッセルにある欧州連合本部を訪問し、欧州理事会ドナルド・トゥスク常任議長(EU大統領)、欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長と会談した。また最後の訪問国のイタリアで、パオロ・ジェンティローニ首相との日伊首脳会談では北朝鮮問題に共同して対処、防衛装備品の技術移転の協議開始で合意した。

注釈[編集]

  1. ^ なお、総務大臣の高市早苗も戸籍名は山本早苗(旧姓:高市)のため、彼女も含めると、山本姓の閣僚は計4名となる
  2. ^ 2016年(平成28年)8月現在。なお谷垣グループには他派閥との掛け持ちをしている議員が8名所属している。ただし、いずれも政府の役職等には就いていない。

脚注[編集]

  1. ^ 平均年齢60.8歳=石破氏側近からも起用-再改造内閣時事通信2016/08/03
  2. ^ 「第3次安倍再改造内閣発足 首相「任期中に改憲」意欲」東京新聞2016年8月4日 朝刊
  3. ^ 「山本トリオ入閣…公一・有二・幸三氏」YOMIURI ONLINE2016年8月3日
  4. ^ 政府 副大臣25人を決定NHK
  5. ^ 初副大臣会議・記念撮影首相官邸
  6. ^ 政府 政務官27人を決定 NHK 2016(平成28)年8月5日 2016年8月9日閲覧。
  7. ^ 初大臣政務官会合・記念撮影 首相官邸 2016(平成28)年8月5日 2016年8月9日閲覧。
  8. ^ 「安倍内閣総理大臣記者会見」首相官邸 平成28(2016)年8月3日
  9. ^ 天皇陛下 お気持ちに退位の意向 強くにじむNHK 2016(平成28)年8月8日
  10. ^ 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議 - 首相官邸 (2017年1月11日閲覧)
  11. ^ カジノを含むIR法が成立 野党徹底抗戦も異例の会期再延長で衆院本会議採決 産経ニュース 2016年12月15日付
  12. ^ 実行段階迫ると減刑?=野党「バランス欠く」―共謀罪時事通信 2017年5月20日
  13. ^ 攻防「テロ等準備罪」新設法案
  14. ^ 金田法相の答弁、際立つ迷走ぶり 「私の頭脳では対応できない」東京新聞 2017年5月19日
  15. ^ 「安倍首相がんばれ」連呼させていた幼稚園 森友学園と安倍首相との深い縁j-cast 2017年2月26日
  16. ^ 森友学園がらみの消えた財務省文書は復元できる!そもそもまだ捨ててはいけないものだったj-cast 2017年4月27日
  17. ^ “森友問題”交渉記録破棄、市民団体 財務省を告発tbs 2017年5月16日
  18. ^ 【森友学園】「安倍首相から寄付金100万円」籠池理事長が発言、首相側は否定(UPDATE)ハフィントンポスト 2017年3月16日
  19. ^ 「安倍昭恵夫人の証人喚問求める」と蓮舫氏 夫人秘書のFAXめぐり【森友学園】ハフィントンポスト 2017年3月23日
  20. ^ たけし①籠池氏キャラ絶賛「ナイツ塙に顔そっくり」東スポ 2017年3月22日
  21. ^ ニュースペーパーが見た森友問題 バカ受け「籠池キャラ」の強烈度東スポ 2017年4月13日
  22. ^ 蓮舫氏「内閣総辞職に値」=安倍首相に説明要求―加計文書時事通信 2017年5月18日
  23. ^ 獣医学部 京産大は建設できずmbs 2017年5月18日
  24. ^ 安倍首相コネ開設!? 実際は42年前からの悲願、文科省いくども交渉…今治市「今後も丁寧に説明し続ける」産経新聞 2017年4月8日
  25. ^ 尖閣諸島周辺に約230隻の中国漁船ロイター 2016年8月6日

関連項目[編集]

政策
出来事