ウスバサイシン

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ウスバサイシン
ウスバサイシン Asarum sieboldii.JPG
2008年5月 福島県会津地方
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ウマノスズクサ目 Aristolochiales
: ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae
: カンアオイ属 Asarum
: ウスバサイシン A. sieboldii
学名
Asarum sieboldii Miq.
シノニム
  • Asiasarum sieboldii (Miq.) F.Maekawa
  • Asarum sieboldii var. cineoliferum Y.Fujita
和名
ウスバサイシン

ウスバサイシン(薄葉細辛[1]学名Asarum sieboldii Miq.)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属分類される多年草の1シノニムAsiasarum sieboldiiAsarum sieboldii var. cineoliferum(カワリバウスバサイシン))[2]

分布[編集]

中国日本に分布する。

日本では、北海道本州四国九州北部に分布し、山地のやや湿った林下に自生する多年生草本。

特徴[編集]

花期は3-5月頃で[1]、暗紫色の花を咲かせる。花弁のように見える部分は萼である。同種のアオイ類などと比べ、葉が薄いこと、味が辛いことが和名の由来となっている。アリが種子を運ぶ。国内に分布するウスバサイシンは、形態、含有成分の違いなどにより複数の亜種が指摘されている[3]

本種は上胚軸休眠種子と呼ばれる特性があり、植物体が種子を飛散させる状態になっていても、種子内部の胚は十分に成熟をしていない。そのため、湿潤埋蔵期間中(実際には、土中で発芽時期までの期間)に胚が肥大成長し発芽に至る。また、成熟は10℃および25℃・100日では進まず、至適温度は15℃・50日程度とされる[4]

生薬[編集]

ウスバサイシンまたはケイリンサイシンAsarum heterotropoides var. mandshuricum、シノニムAsarum heterotropoides var. mandshuricum)の根および根茎は細辛(サイシン)という生薬である。解熱、鎮痛作用があり、小青竜湯、麻黄附子細辛湯、立効散などの漢方方剤に使われる。

  • ウスバサイシンの地上部に含まれるアリストロキア酸は腎障害発生の注意喚起がされている[5] [6]。 

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d 林 (2009)、549頁
  2. ^ 学名はSugawara, Takashi. (2006) "Asarum", Flora of Japan Vollume IIa, K. Iwatsuki et.al. (ed.), KODANSHA, 2006, pp.368-387.及び「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)に従ったが、日本薬局方ではAsiasarum sieboldiiを採用している。
  3. ^ 長沢元夫:生薬の赤外部吸収スペクトルによる分析 (第2報) 細辛の赤外部吸収スペクトルによる分析 藥學雜誌 Vol.81 (1961) No.1 P129-138, JOI:JST.Journalarchive/yakushi1947/81.129
  4. ^ ウスバサイシン Asiasarum sieboldii F. Maekawa の発芽特性 生薬學雜誌 60(1), 28-31, 2006-02-20
  5. ^ 「アリストロキア酸を含有する生薬・漢方薬」-医薬品情報21
  6. ^ 香港衛生署がアリストロキア酸を含むいわゆる漢方製剤に注意喚起(080115)「 健康食品 」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)

参考文献[編集]

  • 林弥栄 『日本の野草』 山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。

関連項目[編集]