2020年東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム

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2020年東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム(2020ねんとうきょうオリンピック・パラリンピックぶんかプログラム)は、2020年に東京都を中心に開催される第32回夏季オリンピックおよび第16回パラリンピック競技大会に際し実施される公式行事としての関連文化事業である。

主旨[編集]

オリンピック憲章[1]と「オリンピックアジェンダ2020[2]では、オリンピック開催にあたりスポーツのみならず教育を含めた文化オリンピアード英語版Cultural Olympiad)の実施を義務付けている[3]

文化五輪史[編集]

オリンピックにおける文化プログラムは、1912年のストックホルムオリンピックから1948年のロンドンオリンピックまで合計7回の大会で正式競技として実施された芸術競技が原点となる。その後、1992年のバルセロナオリンピックから文化オリンピアードとして復活し、2012年のロンドンオリンピックにおいて、クーベルタン男爵の「The Olympics is the wedding of sport and art」の精神をより強く表現することが決議・実行された。

また、2010年のバンクーバーオリンピックでは冬季オリンピックとしては初の文化オリンピアードとして、デジタル文化オリンピアード英語版を採用し、デジタルアートを中心に映画音楽の祭典を実施している。

一方で、1964年の東京オリンピックでは、スポーツに関係なく「五輪期間中に日本最高の芸術品を世界に紹介する」という方針を掲げ、美術部門4種目(古美術・近代美術・写真・切手)と芸能部門6種目(歌舞伎・文楽・雅楽・能楽・古典舞踊邦楽・民俗芸能)の展覧会・上演会が組織委員会主催で実施されたり[4] 、1998年の長野オリンピックの際に障害者芸術英語版「アートパラリンピック展」が開催された経緯がある。

東京での準備計画[編集]

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は「文化・教育委員会」を設立、東京都も「文化プログラム検討部会」[5]を組織し「東京文化ビジョン」の素案を提示[6]して「東京キャラバン」を開始している[7]

文化プログラム計画はオリンピック招致にも影響することから、2016年の第31回夏季オリンピック東京招致に際し2006年に「東京芸術文化評議会」を設置し、「東京文化発信プロジェクト」を展開し[8]、「アーツカウンシル東京」[9]として継続してきた実績がある[4]。もともと東京は「文化創造都市」を標榜してきた経緯から「東京文化都市構想」が提案され[10]、民間からも文化創造都市政策の提言もあり[11]世界遺産国立西洋美術館がある上野公園を中心とした「上野『文化の杜』新構想」(東京文化資源区構想)[12]などもある。

政府日本文化を発信する首相直轄の「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」を設置[13]。また内閣官房に東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局を設置し、和食祭りなどを世界に発信する「beyond2020プログラム」を展開[14]

この他、オリンピックを観光振興のきっかけにしようと地域活性化推進首長連合が310の自治体の参加で発足し、各地の伝統芸能郷土料理を紹介することで日本文化を発信する。

実施プログラム[編集]

IPC logo (2004).svgはパラリンピック応援に特化した障害者文化英語版主体の催し。

その他の提言[編集]

大会組織委員会文化・教育委員会の第一回会合では「開会式は浴衣着用」などの案が出され、都検討部会では「盆踊りを盆ダンスとして披露」といった意見が出た。こうしたアイデアは2016年までに国際オリンピック委員会の承認を得る計画でいる。

2016年10月29日、「池袋ハロウィンコスプレ2016」に『リボンの騎士』のサファイアのコスプレで登場した小池百合子東京都知事は、「アニメ漫画クールジャパンの代表格で、東京オリンピック・パラリンピックでもスポーツだけでなく、日本の文化を発信していきたい」と挨拶した[17]

文部科学省は頭脳五輪と形容されるワールドマインドスポーツゲームズを誘致し、日本の将棋を追加種目とする構想を明らかにした[18]

2016年8月、リオデジャネイロオリンピックの開催に併せ、リオデジャネイロにおいてeスポーツの大会(主催者はeスポーツオリンピックを自称)が開催された[19]欧米では対戦アクションゲームのようなコンピューターゲームテレビゲーム)をゲーム文化英語版として一つの独立した文化と見なす傾向もあることから、東京オリンピックに際しても同様の大会を開催したり、オリンピックのエキシビジョンとしてでもeスポーツを正式採用するよう働きかける動きがある[20]

中止になった文化事業[編集]

新国立競技場の白紙撤回をうけ、競技場に伴うレガシー機能の内、博物館図書館設置が廃止となった。

五輪教育[編集]

オリンピック憲章では「スポーツを文化と教育と融合させることで、教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造」を目指している[4]

国連開発と平和のためのスポーツ事務局英語版[21]は、オリンピンク・パラリンピックなどのスポーツ教育による文化交流・平和貢献・人格育成などを目指しており、日本は東京オリンピック・パラリンピックに向け国際支援活動「Sports for Tomorrow」を公約に掲げた[22]

諸問題[編集]

文化プログラムが本格始動した2016年は、節目となる10月10日の体育の日や11月3日の文化の日に公式イベントが行われなかった。

脚注[編集]

  1. ^ オリンピック憲章 文化プログラム 日本オリンピック委員会
  2. ^ Olympic Agenda 2020(英語) (PDF) IOC
  3. ^ カルチュラル・オリンピアード スポーツ振興くじ助成金事業 (PDF)
  4. ^ a b c 2020年オリンピック・パラリンピックに文化の祭典を ネットTAM
  5. ^ 東京都の文化政策 文化プログラム 東京都生活文化局文化振興部
  6. ^ 東京文化ビジョン素案 東京都 (PDF)
  7. ^ 東京キャラバン アーツカウンシル東京
  8. ^ 東京都の文化政策 東京文化発信プロジェクト 東京都生活文化局文化振興部
  9. ^ アーツカウンシル東京 東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京室
  10. ^ 谷・根・千、連携させて目指す世界の文化首都 読売新聞(YOMIURI ONLIN)2014年06月03日
  11. ^ 文化創造都市戦略:東京都におけるクリエイティブ産業の集積 経済産業研究所
  12. ^ 上野「文化の杜」新構想推進会議 関係資料 - 文化庁 (PDF)
  13. ^ 「日本の美」総合プロジェクト懇談会 首相官邸
  14. ^ beyond2020プログラム 内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 政策会議
  15. ^ 野田秀樹らの「東京キャラバン2016」が8月18日からリオで開催! エンタメ特化型情報メディア スパイス
  16. ^ 東京オリンピックに向けた公認プログラムに「初音ミク」参加決定、太鼓芸能集団「鼓童」とスペシャルライブを披露 エキサイトニュース
  17. ^ 東京 池袋でハロウィーンイベント 小池知事が騎士の仮装 NHK 2016年10月29日
  18. ^ 読売新聞平成27年3月2日夕刊
  19. ^ 【eスポーツがオリンピック種目に!?】リオデジャネイロで開催決定 e-sports通信
  20. ^ eスポーツを東京五輪の公開競技に!ゲームが文化になる準備は整った。 Sports Graphic Number文藝春秋
  21. ^ 開発と平和のためのスポーツ 国際連合広報センター
  22. ^ SFTプログラム概要 外務省

関連項目[編集]

提言[編集]