F

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

移動先: 案内検索
Ff Ff
ラテン文字
  Aa Bb Cc Dd  
Ee Ff Gg Hh Ii Jj
Kk Ll Mm Nn Oo Pp
Qq Rr Ss Tt Uu Vv
  Ww Xx Yy Zz  

Fは、ラテン文字アルファベット)の6番目の文字。小文字は f

字形[編集]

  1. 大文字は、縦線の上端と中央から、右に垂直に線が付き出した形である。筆記体 などではフラクトゥール のように、上線が縦線の左にも大きくはみ出すことがある。
  2. 小文字は大文字の中線より上を丸めた形であり、中線は縦線の左にはみ出す。小文字ながら大文字と同等の高さを持つ。フラクトゥールの やイタリック体では、さらにベースラインの下にはみ出し、しばしば左に曲げられて ƒ のように書かれる。

呼称[編集]

音素[編集]

この文字が表す音素は、/f/ないしその類似音である。

  • 日本語のファ・フィ・フ・フェ・フォの子音は外来語の/f/音写に使われ、ローマ字もfを使うが、実際の発音は[f]ではなく無声両唇摩擦音[ɸ](IPA) = [p\](X-SAMPA)である。
  • インドネシア語ではしばしば/p/で発音される。
  • 朝鮮語ではfの発音がpで発音される(ただし、h音で代替される場合も少なからず存在しており、その明確な基準はない)。
  • フランス語では、ごく僅かながら語末のf を黙字化する単語が存在する(例:「音部記号」を意味する clef [kle]。英語での発音は「クレフ」だがフランス語では「クレ」となる)。
  • ウェールズ語では/v/を表す。ff と二重に書くと/f/と発音される。
  • 英語では母音間ではしばしばffと2つ重ねる。

音声記号/f/は、「無声唇歯摩擦音」を表す。また、J の棒付小型大文字は「有声硬口蓋破裂音」を表すが、これは180度回転させた小文字の f と見ることもできる。

歴史[編集]

この字は、ギリシャ文字Υ(ウプシロン)の別形で古ギリシア語で使われた、Ϝ(ワウ/ディガンマ)に由来するとされる。当初の音素は/w/である。そこから、エトルリア語(エトルリア文字)では/v/へ、そして現在の/f/へと変化した。故にこの文字は、Υ(ウプシロン)に由来するUVWYと同系の文字であるといえる。

合字[編集]

f とのリガチャの例

f は それに f, l, i 等が続くとき、しばしば合字(ligature; リガチャ)を形成する。合字に独立のコードを割り当てる文字コード体系に基づく欧文フォントセットにおいては , , , , のような合字も1つの文字として用意される。

F の意味[編集]

学術的な記号・単位[編集]

  • 弗素(フッ素)の元素記号。
  • 十六進数二十進数において、十五十進数15)を1桁(1文字)で表すために用いられる。
  • 温度計で、華氏ファーレンハイト、華倫海)。「°F」のように用いる。
  • SI組立単位における静電容量の単位名ファラド (Farad)。
  • SI接頭辞フェムト(10−15)。(femto)(小文字を用いる)
  • 数学において、関数写像 (function) をあらわすのに使われる。通常は f(x) のように小文字が主に使われる。また関連の深い事物に同じ文字の大文字と小文字を充てる慣習から、 F(x) と f(x) とはなんらかの強い関係、例えば原始関数と導関数との関係のようなもの、を持つものである場合も多い。完全加法族 (σ-field) (faisceau) などは、しばしばスクリプト体で ℱ と書かれる。慣例として E を用いる場合(例えばフランス語の集合 (ensemble)ベクトル空間における基底 など)は第二候補として F が用いられることも多い。
  • 数学において、例えば有限体 Fp などのように、 (field) に用いることがある。
  • フーリエ変換 (Fourier transform) を表すのにスクリプト体の ℱ が用いられる。
  • 自然科学では (force)、振動数周波数 (frequency)、ヘルムホルツ(自由)エネルギーFree energy、大文字)を示す文字として用いられる。
  • レンズの明るさを示す値(F値)。レンズの焦点距離 / レンズの口径で求められ、F1.4、F2.8などのように表記される。数字が小さいほど明るいレンズになる。
    • 小文字の f はレンズの焦点距離を表す場合がある(この場合、F値は大文字の F を使う)。
  • 竜巻の強さを表す記号。フジタスケールの頭文字。
  • 音楽記号のフォルテ(小文字)。
  • 洋楽で用いられる音名の一つ(英米式、独式)。イタリア式では「fa」、日本式では「」に相当。→ヘ (音名)
    • 音階の4番目の音であることから、音楽関係者の間で4を表す隠語として使われる。例:F万=4万(円)
  • Fパラメータ(F行列)。二端子対回路電気回路)における表現手法。
  • 遺伝学において、雑種を表すための記号 (Filial)。

その他の記号[編集]

  • デパートなどで 1F、2F などと書くのは、Floor の略字である。なお 1F はイギリスでは2階、米では1階である。
  • 西洋言語文法やパスポートなどで、女性 (femina, female)。
  • 鉛筆の芯の硬さを表す記号。Firm(しっかりした)の頭文字。HB より硬く、H より軟らかい。
  • 衣服などのサイズ表示の一種。Free size(フリーサイズ)の略。伸縮性素材などの衣服に用いられ、S、M、Lなどとともにサイズ分類に用いられる。
  • 電気業界、通信業界、コンピューター業界で富士電機富士通を表す符丁Fuji Electric、Fujitsuの頭文字より。
  • 電設業界ではVV-Fケーブルを表す符丁として使われている。
  • ニコン一眼レフカメラレンズのマウント「ニコンFマウント」のこと。
  • 試験の評価で「落第」を表す。Failの略。
  • ダミーF - FのキーはQWERTY配列キーボードで最も押しやすいキーのうちの1つ(左手のホームポジション)であるために、何でもよいが文字を入れたい時に好んで使われる。
  • スポーツに関するもの
  • 電話帳でファクシミリ専用電話。なお、ファクシミリ兼用電話は(F兼)などと表記される。
  • 一般用照明器具の取付のうち床付。構内電気設備配線用図記号 (JIS C 0303:2000) で用いられる。
  • と次のもの(ページ等)。数字にスペースを入れずに f を書きピリオドを打つ。例えば“258f.”で258から259ページ。ラテン語 folium の奪格 folio から。

乗り物に関するもの[編集]

商品名・作品名[編集]

符号位置[編集]

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
F U+0046 1-3-38 F
F
f U+0066 1-3-70 f
f
半角
U+FF26 1-3-38 F
F
U+FF46 1-3-70 f
f
全角
Ƒ U+0191 - Ƒ
Ƒ
ƒ U+0192 - ƒ
ƒ
ƒ
鉤付きf
U+1E1E - Ḟ
Ḟ
U+1E1F - ḟ
ḟ
上ドット付きf
U+2132 - Ⅎ
Ⅎ
U+214E - ⅎ
ⅎ
倒立F
U+24BB Ⓕ
Ⓕ
U+24D5 1-12-38 ⓕ
ⓕ
丸囲み
🄕 U+1F115 🄕
🄕
U+24A1 ⒡
⒡
括弧付き
𝐅 U+1D405 𝐅
𝐅
𝐟 U+1D41F 𝐟
𝐟
太字
𝐹 U+1D439 𝐹
𝐹
𝑓 U+1D453 𝑓
𝑓
イタリック体
𝑭 U+1D46D 𝑭
𝑭
𝒇 U+1D487 𝒇
𝒇
イタリック体太字
U+2131 ℱ
ℱ
𝒻 U+1D4BB 𝒻
𝒻
筆記体
𝓕 U+1D4D5 𝓕
𝓕
𝓯 U+1D4EF 𝓯
𝓯
筆記体太字
𝔉 U+1D509 𝔉
𝔉
𝔣 U+1D523 𝔣
𝔣
フラクトゥール
𝔽 U+1D53D 𝔽
𝔽
𝕗 U+1D557 𝕗
𝕗
黒板太字
𝕱 U+1D571 𝕱
𝕱
𝖋 U+1D58B 𝖋
𝖋
フラクトゥール太字
𝖥 U+1D5A5 𝖥
𝖥
𝖿 U+1D5BF 𝖿
𝖿
サンセリフ
𝗙 U+1D5D9 𝗙
𝗙
𝗳 U+1D5F3 𝗳
𝗳
サンセリフ太字
𝘍 U+1D60D 𝘍
𝘍
𝘧 U+1D627 𝘧
𝘧
サンセリフイタリック
𝙁 U+1D641 𝙁
𝙁
𝙛 U+1D65B 𝙛
𝙛
サンセリフイタリック太字
𝙵 U+1D675 𝙵
𝙵
𝚏 U+1D68F 𝚏
𝚏
等幅フォント
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+A730 ꜰ
ꜰ
LATIN LETTER SMALL CAPITAL F
U+1DA0 ᶠ
ᶠ
MODIFIER LETTER SMALL F
U+20A3 ₣
₣
FRENCH FRANC
🄵 U+1F135 🄵
🄵
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER F
🅕 U+1F155 🅕
🅕
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER F
🅵 U+1F175 🅵
🅵
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER F

他の表現法[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]