おかあさんの木

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おかあさんの木』(おかあさんのき)は、児童文学作家大川悦生1969年に発表した戦争を題材にした文学作品。小学校の国語の教科書にも近年まで収録され[1]、アニメ映画にもなっている。2015年6月6日には終戦70年目の節目として実写版が映画化された。 本記事はアニメ及び実写映画版についても記述する。

あらすじ[編集]

今から数十年前、ある家に「おかあさん」と七人の息子が暮らしていた。やがて日中戦争を皮切りに日本が戦争に入ると自分の息子たちは次々に召集され、戦地へ赴いていった。おかあさんは息子が出征する度に裏の空き地にを植え、息子が不在の間、代わりとなる桐に語りかけて息子たちを励まし続けた。初めは出征をするからには手柄を立てるようにと願っていたおかあさんも、一郎が中国大陸で戦死し、遺骨となって戻って来たことをきっかけに、次第に手柄を立てるより無事に戻ってくることを願うようになっていった。召集をかけられた全ての息子たちは、戦争が終わっても誰一人戻らず、戦死または行方不明になっていた。おかあさんは次第に体が衰えていったが、それでも息子たちの帰って来るのを心待ちにして、自分が植えた七本の桐の木に絶えず語りかけた。しばらく経って軍人たちが次々に帰還する中、ビルマで行方不明になっていた五郎が片足を引きずった状態で家に戻ってきた時には、おかあさんは「五郎」と名づけた桐の木に凭れかかったまま息絶えていた。

書籍情報[編集]

表題の『おかあさんの木』の他、戦争に関する作品等を収録した短編集になっている。

  • 大川悦生,箕田源二郎(絵) 『おかあさんの木』 ポプラ社、1969年12月。ISBN 978-4-591-01143-0。
  • 大川悦生 『おかあさんの木』 ポプラ社、2005年10月。ISBN 978-4-591-08878-4。

アニメ映画[編集]

1986年製作。平和教育のため、幾つかの自治体にてビデオテープの貸出を行っている。[2]

実写映画[編集]

おかあさんの木
監督 磯村一路
脚本 磯村一路
原作 大川悦生
製作 須藤泰司
木下直哉
平城隆司
間宮登良松
風間健治
吉村和文
沖中進
浅井賢二
宮田謙一
広田勝己
樋泉実
笹栗哲朗
大辻茂
製作総指揮 岡田真
栗生一馬
堀川慎太郎
土本貴生
出演者 鈴木京香
志田未来
三浦貴大
平岳大
田辺誠一
波岡一喜
市川知宏
松金よね子
有薗芳記
菅原大吉
石井貴就
細山田隆人
大鶴佐助
大橋昌広
西山潤
安藤瑠一
木場勝己
大杉漣
奈良岡朋子
音楽 渡辺俊幸
撮影 喜久村徳章
編集 菊池純一
制作会社 東映東京撮影所
アルタミラピクチャーズ
製作会社 「おかあさんの木」製作委員会
配給 東映
公開 日本の旗 2015年6月6日
上映時間 114分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2015年6月6日上映の日本映画。映画化に合わせ、大人向けに編集された文庫版が2015年5月に発売されている。特典として映画版の紹介と特別割引券が付いている。同12月9日にDVD版がリリースされた[3]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

実写映画版雑記[編集]

  • 映画版は原作者の大川悦生の疎開先の長野県上田地域を舞台にしている。
  • 原作では一郎が中国大陸で戦死した際におかあさんの元に遺骨が戻ってきたが、映画版では土しか持って帰ることができなかった。
  • 原作では二郎は南方の島、五郎はビルマの部隊に配属されたが、映画版では南方の島で二人が再会を果たした。
  • 原作では末っ子の七郎(映画版では六郎)は特別攻撃隊の飛行機で敵の軍艦に突撃したが、映画版ではサイパン島バンザイクリフで身投げするシーンに置き換えられた。
  • 原作では最後、桐の木は古くなって伐採され、五郎によってクルミの木が植えられたが、映画版では7本の桐が現在も残されて、役人が老人となったサユリを訪ねた際に、サユリに桐の伐採を咎められた。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ 原作「おかあさんの木」 - 映画版公式サイト
  2. ^ 「おかあさんの木」ライブラリー情報 - 高知県教育委員会事務局 2015年5月15日閲覧。
  3. ^ 東映ビデオ:「おかあさんの木」特集
  4. ^ 三浦貴大&ジュノンボーイらが集結!『おかあさんの木』鈴木京香の“子どもたち” - シネマカフェ cinemacafe.net 2015年5月16日閲覧。

関連リンク[編集]