おごと温泉駅

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おごと温泉駅*
駅舎(2008年3月15日)
駅舎(2008年3月15日)
おごとおんせん
Ogotoonsen
JR-B27 比叡山坂本 (3.4km)
(3.2km) 堅田 JR-B25
所在地 滋賀県大津市雄琴北一丁目3-12
駅番号 JR-B26
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 B 湖西線
キロ程 14.5km(山科起点)
京都から20.0km
電報略号 コト
駅構造 高架駅
ホーム 2面4線
乗車人員
-統計年度-
6,507人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1974年昭和49年)7月20日[1]
備考 業務委託駅
みどりの窓口
* 2008年(平成20年)3月15日に雄琴駅から改称[2][3]
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駅舎(改称前、2007年12月21日)
駅構内(2007年12月4日)
ホーム(2007年12月21日)

おごと温泉駅(おごとおんせんえき)は、滋賀県大津市雄琴北一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)湖西線である。駅番号はJR-B26

歴史・概要[編集]

日本国有鉄道湖西線の全線開業と同時に、雄琴駅として開業したのが始まりである[1][注釈 1]

この開業時の駅の駅名は、小槻宿禰今雄が西暦9世紀後半頃に開発を始めたとされる当地が、彼らが演奏した琴に由来するとも言われる「雄琴」という地名によるものであった[3]

ただし、大津市は駅名について江若鉄道の駅名であった「雄琴温泉」を要望していた[6]

この雄琴地区には、863年貞観5年)に小槻宿禰今雄によって創建された法光寺の境内に霊泉があることが古くから知られていたが、大正時代に当地区の湧水が、ラジウム温泉に当たることが確認されたことから、1925年大正14年)頃から急速に温泉地として発展し始めた[3]

ところが、1966年(昭和41年)に、風俗営業法が改正されたことを受けて、滋賀県が当地の一角をトルコ風呂の「禁止除外区域」に指定したことから、性風俗産業の進出が急増して歓楽街化が進み、1979年(昭和54年)には49軒の特殊浴場が立地するに至った[3]

その結果、当地を訪れる客は男性客や団体旅行に偏ることになり、「雄琴」という地区の印象が大きく変化することになった[3]

こうした「雄琴=歓楽街」という印象からの脱却を目指した温泉街は、女性や家族向けを意識した新たな旅館名へ変更すると共に建物の改装なども進め、さらに旅行会社や各種のメディアなども通じて印象の転換を図った[3]

その一環として当駅の名称の変更を働きかけることになり[3][7]、地元側が32,000人分の署名と要望書を集めて駅名変更を申し入れた[8]

2006年(平成18年)10月21日新快速敦賀駅への延長のダイヤ改正時に西大津駅の大津京駅への改称と合わせて行う方針を2005年(平成17年)9月、大津市長が大津市市議会で表明し[9]、経費を大津市が負担する方針を示したが[10]、2006年(平成18年)1月に駅名変更を先送りすることになった[11]

その後、2007年(平成19年)2月19日に大津市が駅名変更費用を新年度予算に計上し[12]2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正時に当駅を「おごと温泉駅」へ改名した[2]

当駅の駅名改称を含めた、イメージ転換の戦略が功を奏し、2010年(平成22年)には宿泊客数が約44.9万人と、統計のある1989年(平成元年)以降で過去最高を記録した[7]

年表[編集]

駅構造[編集]

島式ホーム2面4線を持つ停車場で、待避設備を備えた高架駅になっている。改札口は地上に2か所ある。バリアフリー化工事が完成し、2007年3月12日よりホームエレベーター(直角2方向型)、多機能トイレ電光掲示板が使用され始めた。この工事で、地上にホームエレベーター用の自動改札機車椅子対応)とのりこし精算機のみの改札口が新しく設置された。

改札口から踊り場(中2階)へ階段が1本通じていて、その踊り場から各ホームへ階段が1本ずつ通じている。また、その踊り場には自動販売機が設置されている。

堅田駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託する業務委託駅で、みどりの窓口が設置されている。ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。

西口には1992年(平成4年)4月1日に仰木太鼓の記念碑が設置された[18]。 東口広場に1996年(平成8年)8月6日に完成した噴水[19]、愛称が公募され[20]、同年9月11日に「琴のしらべ」と名付けられた[21]

2008年(平成20年)3月15日、駅名改称と同じ日に足湯「六角足湯」が設置された[2]。 また、この駅の近江今津方面側には第四雄琴トンネル、京都方面側には第三雄琴トンネルがあり、駅の両側をトンネルではさまれている。

のりば[編集]

のりば 路線 方向 行先
1・2 B 湖西線 下り 堅田近江今津方面
3・4 上り 京都大阪方面
  • 内側2線(2・3番線)が本線、外側2線(1・4番線)が待避線である。
  • 各のりばには待合室が設置されているが、売店自動販売機などは設置されていない。

ダイヤ[編集]

日中時間帯は1時間あたり3本(土曜・休日は4本)が停車する。朝夕の快速は停車する(朝の快速は山科駅から、夕方は大阪駅から京都駅まで新快速として運転される)が、湖西線区間で新快速として運転される列車は当駅に停車しない。したがって、湖西線における新快速と快速との相違点は、当駅に停車するかしないかの違いだけである。 また、2016年3月25日までは緩行線電車が入線しており、朝には西明石行き、夜には西明石(平日ダイヤ)・新三田(土休日ダイヤ)発近江舞子行きの設定があった。

利用状況[編集]

「滋賀県統計書」によると、1日平均の乗車人員は以下の通りである。近年は増加が進み、新快速停車駅である比叡山坂本駅近江舞子駅より多い。

年度 1日平均
乗車人員
出典
1992年 3,602 [22]
1993年 3,995 [23]
1994年 4,211 [24]
1995年 4,465 [25]
1996年 4,514 [26]
1997年 4,593 [27]
1998年 4,734 [28]
1999年 4,895 [29]
2000年 5,165 [30]
2001年 5,439 [31]
2002年 5,540 [32]
2003年 5,742 [33]
2004年 5,944 [34]
2005年 6,162 [35]
2006年 6,341 [36]
2007年 6,407 [37]
2008年 6,452 [38]
2009年 6,307 [39]
2010年 6,417 [40]
2011年 6,416 [41]
2012年 6,515 [42]
2013年 6,654 [43]
2014年 6,463 [44]
2015年 6,515 [45]
2016年 6,459 [46]
2017年 6,507 [47]

駅周辺[編集]

先述の通り、当駅周辺は、小槻宿禰今雄が西暦9世紀後半頃に開発を始め、彼らが演奏した琴に由来するとも言われている「雄琴」と呼ばれている[3]

863年貞観5年)に小槻宿禰今雄によって創建された法光寺の境内に霊泉があることが古くから知られていたが、温泉地として発展し始めたのは当地区の湧水がラジウム温泉に当たることが確認された大正時代になってからで、1925年大正14年)頃からのことである[3]

しかし、1966年(昭和41年)の風俗営業法改正の際に滋賀県が当地の一角を特殊浴場の「禁止除外区域」に指定したことで風俗産業の進出が急増して歓楽街化し、1979年(昭和54年)には49軒の特殊浴場が立地して温泉街を訪れる客は男性客に偏り、「雄琴」という地区は歓楽街と見られることになった[3]

「歓楽街」という印象からの脱却を目指した温泉街では[3]、女性や家族向けを意識した新たな旅館名へ変更すると共に建物の改装なども進めると共に[3]、旅行会社や各種のメディアなども通じて印象の転換を図り[3]、先述の通り駅名を2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正時に当駅を「おごと温泉駅」へ改名させた[2]

こうしたイメージ転換の戦略の成果もあり、2010年(平成22年)には宿泊客数が約44.9万人と統計のある1989年(平成元年)以来過去最高を記録した[7]

また、温泉街以外では、1991年(平成3年)1月29日に当駅周辺の区画整理事業が着工し[48]、「湖都が丘」として1997年(平成9年)9月12日から宅地の分譲が行われたが、販売が伸び悩んだことから2002年(平成14年)度決算で大津市が約1.3億円の赤字を計上した[49]

バス路線[編集]

乗り場 系統 主要経由地 行先 運行会社 備考
雄琴駅 1 94 仰木中学校前・仰木の里・成安造形大学前・けやき通り東 雄琴駅 江若交通 仰木の里外右まわり循環
2 92 けやき通り東・御呂戸川緑地前・仰木中学校前 雄琴駅 江若交通 仰木の里内左まわり循環
96 けやき通り東・成安造形大学前 堅田駅 江若交通
  • 江若交通のバス停は2008年3月15日の駅名改称後も「雄琴駅」を名乗り続けている。

隣の駅[編集]

西日本旅客鉄道
B 湖西線
新快速
通過
快速・普通(普通列車は高槻駅以西は快速
比叡山坂本駅 (JR-B27) - おごと温泉駅 (JR-B26) - 堅田駅 (JR-B25)

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 江若鉄道雄琴温泉駅1923年(大正12年)4月1日叡山-雄琴間が開通した際に「雄琴駅」として開業したが[4]、湖西線の建設に伴って[1]1969年(昭和44年)11月1日に江若鉄道が全線廃止された[5]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 林屋辰三郎ほか編『新修大津市史 第8巻 中部地域』 大津市、1985年。
  2. ^ a b c d e f “歓迎ムードと戸惑い交錯 「大津京駅」「おごと温泉駅」誕生 名称の根拠に疑問も 足湯や壁画楽しむ”. 京都新聞(京都新聞社). (2008年3月16日)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m “ぷらっと沿線紀行(44)うみと空を見つめて JR湖西線 おごと温泉駅”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2008年3月15日)
  4. ^ 『高島町史』 高島町、1983年11月3日。
  5. ^ 『交通年鑑 昭和45年版』 交通協力会、1970年2月20日。
  6. ^ 国鉄湖西線建設促進期成同盟会『国鉄湖西線建設の歩み』、1975年5月、54頁。
  7. ^ a b c “宿泊客が過去最高 駅名改称など功奏す 昨年1年44万9000人 おごと温泉”. 中日新聞 (中日新聞社). (2011年1月27日)
  8. ^ “「JR雄琴」駅名変更を 5ヶ月で3万2000人署名”. 京都新聞(京都新聞社). (2004年9月4日)
  9. ^ “来秋にも改名へ 西大津駅→大津京駅 雄琴駅→おごと温泉駅 琵琶湖環状腺開業合わせ 大津市長が答弁”. 京都新聞(京都新聞社). (2005年9月16日)
  10. ^ “JR駅名変更要請 西大津→大津京 雄琴→おごと温泉 来秋実現へ大津市経費負担”. 読売新聞(読売新聞社). (2005年11月11日)
  11. ^ “JR駅改称 市が先送り 琵琶湖環状線今秋開通で 「西大津」→「大津京」「雄琴」→「おごと温泉」”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2006年1月25日)
  12. ^ “「西大津」→「大津京」駅 「雄琴」→「おごと温泉」駅”. 読売新聞(読売新聞社). (2007年2月20日)
  13. ^ 『交通年鑑 昭和63年版』 交通協力会、1988年3月。
  14. ^ 今村都南雄 『民営化の效果と現実NTTとJR』 中央法規出版、1997年8月。ISBN 978-4805840863
  15. ^ “きょうからイコカ JR西カード 関西253駅でスタート 京滋でも84駅で”. 京都新聞(京都新聞社). (2003年11月1日)
  16. ^ “バリアフリー化完成 JR雄琴駅 エレベーター2基設置”. 京都新聞(京都新聞社). (2007年3月13日)
  17. ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!
  18. ^ “勇壮な音聞こえそう 仰木太鼓の記念碑除幕”. 読売新聞(読売新聞社). (1992年4月2日)
  19. ^ “「親しみ」のシンボルに 完成式で噴水披露 JR雄琴駅東口広場”. 京都新聞(京都新聞社). (1996年8月6日)
  20. ^ “噴水の愛称募る JR雄琴駅広場”. 読売新聞(読売新聞社). (1996年7月29日)
  21. ^ “「琴のしらべ」と呼んで 雄琴駅前の噴水、愛称決まる 大津”.毎日新聞 (毎日新聞社). (1996年9月11日)
  22. ^ 平成4年滋賀県統計書
  23. ^ 平成5年滋賀県統計書
  24. ^ 平成6年滋賀県統計書
  25. ^ 平成7年滋賀県統計書
  26. ^ 平成8年滋賀県統計書
  27. ^ 平成9年滋賀県統計書
  28. ^ 平成10年滋賀県統計書
  29. ^ 平成11年滋賀県統計書
  30. ^ 平成12年滋賀県統計書
  31. ^ 平成13年滋賀県統計書
  32. ^ 平成14年滋賀県統計書
  33. ^ 平成15年滋賀県統計書
  34. ^ 平成16年滋賀県統計書
  35. ^ 平成17年滋賀県統計書
  36. ^ 平成18年滋賀県統計書
  37. ^ 平成19年滋賀県統計書
  38. ^ 平成20年滋賀県統計書
  39. ^ 平成21年滋賀県統計書
  40. ^ 平成22年滋賀県統計書
  41. ^ 平成23年滋賀県統計書
  42. ^ 平成24年滋賀県統計書
  43. ^ 平成25年滋賀県統計書
  44. ^ 平成26年滋賀県統計書
  45. ^ 平成27年滋賀県統計書
  46. ^ 平成28年滋賀県統計書
  47. ^ 平成29年滋賀県統計書
  48. ^ “平成9年度には完了 JR雄琴駅周辺 区画整理に着工” 産経新聞 (産経新聞社). (1991年2月1日)
  49. ^ “JR雄琴駅周辺り宅地分譲 赤字1億3000万円見込み 大津市02年度決算”. 京都新聞(京都新聞社). (2003年7月11日)

関連項目[編集]