お笑い第七世代

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お笑い第七世代(おわらいだいななせだい)は、2010年代後半頃から台頭を始めた若手お笑い芸人の総称。明確な定義はないが、2010年以降にデビューした若手お笑い芸人、1987年以降に生まれたデジタルネイティブであるゆとり世代の芸人、1989年以降に生まれた平成生まれの芸人などが該当するとされる[1][2]

発端[編集]

せいや霜降り明星)が、2018年12月22日深夜放送のラジオ番組霜降り明星のだましうち!』(ABCラジオ[3] にて「次の年号の世代を『第七世代』と勝手に銘打ち、20代で区切って固まる」ことを提案したことによる。当初は芸人に限った話ではなく、同世代のYouTuberミュージシャンなどと共にジャンルを超えて集まることの提言であった[4][5]。『七』という数字はせいやの思いつきによるものであり「順番ではないんすよね。平成世代とか、なんでもよかった」「『ゆとり世代』でもええわ」ということだった[5][6]。後にせいやは「ちょっとそんなん(第七世代)があったらおもろいなってラジオで言ったらブワッと広がってしまって…」と語っている[7]。さらに「上の世代に勝とうとかじゃなくて、自分ら20代でしかできないお笑いがあるのではないか、そういう可能性を探る世代」としている。

反応[編集]

有吉弘行は、この括りに違和感を表明している。山崎晋 〈現・ヤマザキモータース〉(元・ノンキーズ)と有田哲平くりぃむしちゅー)を引き合いに出し、同じ世代で売れた芸人と売れない芸人が存在していることから世代で括ることに疑問を呈した。有吉がかつて組んでいたコンビの猿岩石は第四世代に該当するが、自身のブレイクはそこから遅れている[8]。また有吉は、本Wikipedia記事に『有吉弘行はこの括りに違和感を表明している』と書かれていることについて言及し、「第3と4のあいだが、さまぁ〜ず爆笑問題で3.5とか。そんなのがある時点でくくりが甘い」と指摘。「いま世の中に出てきているのが『第7世代』と括るのはわかりやすい」としながらも、世代ごとで括られることについては納得できないと語っている[9]

竹内まなぶ(カミナリ)は、「『お笑い第7世代』とかで括られるのは、霜降りがリーダーになっちゃうから嫌ですけど(苦笑)」とする一方、「テレビに出ているのが、僕らの世代に集まっているのは嬉しい」と語っている[10]

稲田直樹アインシュタイン)は、自分たちアインシュタインが30代後半でありお笑い第七世代に入れないため、世間に古いと思われてしまう事を理由にお笑い第七世代に否定的である。また、稲田は番組で公言した際には「せいやを今度しっかり怒る」「せいやだけは絶対に許さない」と語り、笑いを誘った [11]

2019年12月27日に『霜降り明星のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)で、せいやは「第7世代は終わりました。ミルクボーイさんが(M-1を)獲ったことで、終了。崩壊。もう元の世界に戻ります。僕らも“優勝”じゃなくなったわけですからね」と語り、雑誌や書籍などで『お笑い第7世代』が紹介され、言葉自体が一人歩きしていることについて「第7世代がビジネスになっている。第7世代のうまみみたいなのは周りが持って行って、えぐみみたいなのを俺だけ飲んでる」と不満を漏らした[12]。2020年3月4日、ニューヨークがYouTubeチャンネルの生配信でせいやに電話し、第7世代に入りたいと強くアピールしたことを受けてせいやは自分が第7世代の提唱者とされることについて「第7世代を管理していない」と主張。逆に「第7世代のリーダーになってください」とニューヨークをリーダーに任命した。その後、ニューヨークがお笑い第七世代のリーダーとなったとせいやが自身のTwitterで宣言し[13][14]、3月6日深夜には、お笑い第七世代の括りについて「俺らは括ってない」「“第7世代”は全芸人に権利がある」と語った。それに対して粗品は「いや、20代だけやな」とせいやを否定し「令和元年の段階で20代じゃないと…第7世代じゃないです!」と主張した。

ぺこぱは一般的に第7世代と言われているが、第7世代側からも「ぺこぱは違う(世代が上の為)」という声が上がっており、ぺこぱ自身も自分たちが第7世代と括られていることに納得していないが[15]、一方でその後のインタビューでは第7世代芸人との共演について「豪華客船のチケットをついでにもらえているような感覚」「そのチケットがあるうちは乗っちゃえ」とも語っている[16]

その一方で「第7世代」という用語が浸透するとともに、『ゴッドタン』(テレビ東京)や『アメトーーク!』(テレビ朝日)、『しくじり学園 お笑い研究部』(AbemaTV)で「第6世代」「6.5世代」という語もレトロニム的に使われるようになった[17][18][19]

特徴[編集]

社会学者の太田省一によると、ダウンタウンの影響をあまり受けておらず[20]、新たな時代のお笑いを形づくることが期待される世代となっている[21][22]

価値観[編集]

ラリー遠田によると、お笑い第七世代は物心ついた頃からインターネットが身近にあったデジタルネイティブ世代であり、お笑い以外の文化にも幅広い関心を持っている。具体的には、上の世代の芸人と比べて、地上波テレビを絶対視するような意識が薄く、YouTuberにも偏見を持っていない者が多い[4]。粗品は「20代はそんなガツガツしてない。特に体張る系は慣れてない。僕らの時代は体罰はもう問題になっていたんで、そういう違いはめっちゃある」と語っている。岡部大(ハナコ)は、同世代で上下関係に厳しい人を聞かないと語っている。また、陣内智則は「テレビで物怖じしない」との印象を受けており、テレビ東京佐久間宣行は「昔はモテたいとかお金が欲しいとか別の野心があってお笑いを選んでた人たちが多かったのに対し、多分お笑い以外で稼げる能力や選択肢がたくさんある上でお笑いを選んでいるから、よこしまな気持ちでお笑いをやってない」と語っている[6]

「第七世代」という括りで特集が組まれた番組・書籍[編集]

テレビ番組[編集]

書籍[編集]

  • 『芸人芸人芸人』コスミック出版、2019年8月1日。ISBN 978-4-7747-8671-1。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 【お笑いナタリー】お笑い第7世代特集ムック登場、霜降り×ハナコ、Aマッソ、かが屋、金属バットら 2019年6月11日
  2. ^ 【デイリースポーツ】霜降り、EXITらブレイク中!「お笑い第七世代」ってなんだ? 2019年9月23日
  3. ^ お笑い第7世代の“新BIG3”は「四千頭身」「EXIT」「宮下草薙」で決まり?”. 日刊大衆 (2019年5月22日). 2019年5月27日閲覧。
  4. ^ a b ラリー遠田 (2019年4月27日). “霜降り明星が牽引する「お笑い第七世代」は、令和の“笑い”の主役になれるのか?”. AERA aot.. 2019年5月27日閲覧。
  5. ^ a b “霜降り明星、世にはばかる”. クイック・ジャパン (太田出版) 145. (8 2019). 
  6. ^ a b 芸人芸人芸人. コスミック出版. (2019年8月1日) 
  7. ^ 霜降り明星、低姿勢貫く 次なる“冠”獲得期待も「反感買わないように」”. Billboard JAPAN (2019年5月22日). 2019年5月27日閲覧。
  8. ^ 「お笑い第七世代」フレーズに賛否両論”. リアルライブ (2019年5月25日). 2021年9月1日閲覧。
  9. ^ 有吉弘行、いまだに「お笑い第7世代」くくりに納得できず 「猿岩石は5.8か?」”. ニュースサイトしらべぇ (2020年1月6日). 2021年9月1日閲覧。
  10. ^ 鈴木旭 (2019年6月8日). “カミナリが語る、お笑い第7世代「霜降り明星、ハナコの優勝は刺激になった」”. bizSPA!フレッシュ. 2021年9月1日閲覧。
  11. ^ アインシュタイン稲田、霜降り明星・せいやは「許さない」 お笑い第7世代に持論を展開”. スポニチ Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社 (2020年2月15日). 2021年9月1日閲覧。
  12. ^ 霜降り明星せいや、ミルクボーイの優勝で「第7世代は終わりました」”. マイナビニュース (2019年12月30日). 2021年9月1日閲覧。
  13. ^ “霜降り明星せいやが“お笑い第7世代”のリーダー任命「ニューヨークが王位継承者」”. ENCOUNT. (2020年3月5日). https://encount.press/archives/29753/ 2021年9月1日閲覧。 
  14. ^ 霜降り明星 せいや [@simofuriseiyam] (2020年3月4日). "ニューヨークさんが正式に第7世代を牽引してくれることが決定しました。ニューヨークさんが王位継承者でありリーダーです。" (ツイート). Twitterより2021年9月1日閲覧
  15. ^ 中崎亜衣 (2020年6月13日). “ぺこぱは「お笑い第7世代」じゃない!「泥水を飲んだ量はピッチャー2杯ぐらい」”. wezzy|ウェジー. サイゾー. 2021年9月1日閲覧。
  16. ^ ぺこぱ “第7世代”との共演は「豪華客船のチケットをもらえた感覚」 〈週刊朝日〉”. AERA dot. (2020年7月6日). 2021年9月1日閲覧。
  17. ^ ギース、かもめんたる、ラブレターズ、“第6世代”コント職人の「腐り芸人セラピー」”. お笑いナタリー. ナターシャ (2020年1月18日). 2021年9月1日閲覧。
  18. ^ かまいたち、ジャンポケ、三四郎小宮ら“6.5世代”集結、第7世代への思い”. お笑いナタリー. ナターシャ (2020年2月26日). 2021年9月1日閲覧。
  19. ^ 「何回やるの?」草薙航基、先輩にお悩み相談も…“第6世代ミニコント”に阻まれる”. ABEMA TIMES. ABEMA (2020年9月18日). 2021年9月1日閲覧。
  20. ^ 社会学者が解説 お笑い第7世代が “卒・松本人志” できた理由”. Smart FLASH. 2020年10月5日閲覧。
  21. ^ テレビは「時代遅れ」なのか? 「平成」のテレビバラエティの変遷(てれびのスキマ) Yahoo!ニュース 2019年4月8日
  22. ^ 霜降り、NSC生に新時代到来を宣言「イーブイやシャワーズで笑い取れる時代が来る」 お笑いナタリー 2019年1月30日
  23. ^ Inc, Natasha. “サンド、千鳥、アンガ「ENGEI」出張ライブ、リズムネタや新世代企画も” (日本語). お笑いナタリー. 2019年5月14日閲覧。
  24. ^ ザテレビジョン. ““お笑い第7世代”が一挙集結!「ENGEIグランドスラム LIVE」第2弾出演者 (1/2) | 芸能ニュースならザテレビジョン” (日本語). ザテレビジョン. 2019年8月19日閲覧。