かな入力

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かな入力(かなにゅうりょく)は、かな漢字変換を使用した日本語入力システムで文字を入力する際、変換の前段階として読みを入力する方法の一つ。一部の連想式漢字直接入力を使用した日本語入力システムでも使用される。

概要[編集]

キーを打鍵することで、キーに刻印されている文字のうち日本字部分に対応するひらがなが入力される。たとえば日本においてもっとも普及しているJISキーボードでは、キーの右側に書かれている文字が入力される。かな入力に対して、ローマ字の綴りを入力するローマ字入力があり、こちらはアルファベットに対応するキーを打鍵し、ローマ字規則によりひらがなに順次変換していくものである。

入力された文字に「かな漢字変換」を行い、漢字仮名交じり文にする。

キー配列は複数あるが、一般にかな入力といえば、もっとも普及しているJISキーボードによるものを指す事が多い (JISかな配列)。近年普及している標準的な日本語入力システムにはJISかな入力が初めから実装されている。

他にもいくつか配列が知られており、打鍵効率の向上または打鍵疲労軽減などを目的として開発されている。それらは標準の日本語入力システムには実装されておらず、それぞれ個別に指定された方法で実装する必要がある。

標準的な設定下では、Altキー押しながらカタカナひらがな/ローマ字キーを押すことでローマ字入力と切り替えることができる。

キー配列[編集]

キー配列#日本語入力方式とキー配列も参照

JISかな配列[編集]

JIS X 6002情報処理系けん盤配列として策定された配列。現在はデファクトスタンダードとなっている。

親指シフト配列[編集]

NICOLA親指シフト配列

親指シフト配列はシフト操作を親指で行うことを特徴とし、JISかな配列よりも効率よく日本語入力できることを目指して開発された配列である。後に半濁音入力をブラッシュアップしたNICOLAに引き継がれたが、現在でも「親指シフト」と呼ばれることが多い。JISかな配列とは異なり かなを3段に納めており、最上段のキーは数字と記号の入力にのみ使用する。シフトキーと文字キーの同時打鍵による入力を採用することでJISかな配列では二打を要した濁音半濁音を一回の操作で入力できる。富士通や他社から外付けキーボードやノートパソコンのオプションも発売されている。これ以外にも飛鳥カナ配列など、親指によるシフト操作を採用している配列は存在する。

50音順配列[編集]

50音順キー配列の一例

50音順配列とはその名の通り五十音図に倣って定められた配列の事である。同一行の5字を縦または横に配列するかは機種によって異なる。公共施設 (図書館の検索機など) や銀行ATMのタッチパネルなどで採用されることがある。iPadには日本語入力用のソフトウェアキーボードの一つとして50音配列キーボードが標準搭載されている。パーソナルワープロの黎明期には、各社から50音順配列キーボードを搭載した機種が発売されていた。また、黎明期のパーソナルコンピュータのうち、MZ-700MZ-1500MSXなど、低価格帯の機種の一部でも採用されている。親指シフト配列を推進する富士通からは、キーボードに取り付けると50音順配列にすることができる樹脂製カバーが添付されたこともある。

新JIS配列[編集]

新JIS配列

新JIS配列とは高校教科書や天声人語などから得られた統計データと実際の運指を調査して作成された配列である。JISかな配列と異なり3段である事が特徴であり、シフトキーとして「小指位置」または「親指位置」を採用している。1986年にJIS規格となったが、当時は既にJISキーボードが普及していたため、ワープロ専用機のオプション扱いにとどまり、1999年には「使用実態がない」としてJIS規格から廃止された。

月配列[編集]

月配列2-263式。☆で記されたキーがシフトキーであり、右上の文字は☆の後に打鍵をする。2つのシフトキーはどちらを同じ役割である。

月配列 (つきはいれつ) とは日本の電子掲示板である2ちゃんねるの中で考案された配列である[1]。考案者は複数の匿名ユーザーであるため特定する事はできない。親指シフト配列および新JIS配列と同様に3段の配列であるが、標準運指で両中指が担当するキー (QWERTY配列DおよびKに相当するキー) をシフトキーとして用いる点が特徴である。もともとこのような中指シフト方式は冨樫雅文 氏により開発された花配列が起源となっており[2]、新JIS配列に対して中指シフト方式を応用することが月配列開発の目的であった。月配列には数々の派生が存在するが月配列2-263式と呼ばれるものが代表的である (右図)。両中指の運指にそれぞれ1つずつ同じ役割のシフトキーが割り当てられているため、入力文字によって用いるシフトキーを使い分けることで高い交互打鍵率を実現できる。

その他のかな配列[編集]

変形キー配列の一例

かつて、米国製のコンピュータが日本市場向けにローカライズされる際、キー数の少ない英字向けのキーボードでかな入力をするため、JISかな配列を若干改変した独自の配列が採用されることがあった。初期の日本版MacintoshAX、日本版NeXTのキーボードなどがあり、配列の改変部分はそれぞれ異なる。

上記以外にもTRON配列カナタイプ、飛鳥カナ配列、新下駄配列などがある。

かな入力の長所・短所・指摘[編集]

かな入力とローマ字入力を比較すると、以下のような長所・短所・指摘がある。

長所[編集]

  • キートップに刻印された文字がそのまま出力されるので、特にキーボード初心者の導入障壁はかなり低い。
  • パターンの多いローマ字入力用の変則ローマ字綴りを覚える必要がない。また、アルファベット文字を習得してない子ども等でも入力できる。
  • かな入力ではほとんどの場合1打鍵に対して1文字入力される。総じて打鍵数が少ないため、打鍵の速さが同じならばより速く (ローマ字と同打鍵数の文字列や打鍵数が増える文字列もあるので概ね1.5倍ほど) 入力でき、手指の疲労も少ない。
  • ローマ字入力では、まずひらがなをローマ字に頭の中で変換してから入力しなければならない。かな入力ではこの思考が不要となる。
  • ローマ字入力はアルファベットの発音と混同しがちである(例えばAを「あ」と強く認識させる)。かな入力ではそのような英字との混同は発生しない。
  • かな入力モード時、英数キー(CapsLock)を押すと英文モードに素早く移行できる。

短所[編集]

  • ローマ字入力で扱われる特殊記号(!”#$%&’()=~|^¥@‘;:+*<>?_)が直接打てない為、苦労する事がある。
  • ローマ字は英字入力と共通の配列で入力できるが、かな入力の場合はアルファベットの配列を別途覚える必要がある。
  • ひらがなはアルファベットに比べて数が多いため、多くの配列でキーボードの全域にひらがなのキーがあり、手指の運動範囲が広くなる。配列によってはこのことを考慮し、少ないキーで入力をすることが出来るものもあるが、その場合はシフトキーの使用頻度が高くなる。

JISキーボード[編集]

日本語の入力で最も多く使われているものがJISキーボードであるため、JISキーボードにおける特徴もあげる。

長所[編集]

  • 2打鍵となる部分においても、「ほ・へ・せ・く・け」の濁音半濁音を除いてはすべて交互打鍵での二打鍵となり、入力しにくい片手連打鍵による濁音半濁音入力は頻発しにくい。
  • 濁点半濁点を筆記と同じような後置方式で入力していくので、ローマ字入力よりも直感的な入力ができる。
  • 濁点や半濁点を単独で入力できる。したがって「あ゛」のように普通は使わない文字との組み合わせでも入力できる。
  • 捨て仮名があるキーについては、シフトキーを押しながら清音かなのキーを押せば、清音かなと同じ形の捨て仮名が表示される。欧文タイプライタのシフト関係ともよく似ている。

短所[編集]

  • 濁音・半濁音・拗音・促音の入力に2打鍵を必要とする。
  • 標準運指で右小指が担当するキーが多くなり、特に最も使用頻度が高い濁点キーが右小指担当となっている。また、ひらがなは規則的に配列していないのでキー位置の把握に時間を要する。

参考文献[編集]

  1. ^ 中指前置シフト新JIS「月配列」”. 2019年3月21日閲覧。
  2. ^ 花のくに 中指シフト方式仮名文字配列”. 2019年3月21日閲覧。

関連項目[編集]