からす座
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Corvus | |
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属格形 | Corvi |
略符 | Crv |
発音 | [ˈkɔrvəs]、属格:/ˈkɔrvaɪ/ |
象徴 | the Crow/Raven |
概略位置:赤経 | 12 |
概略位置:赤緯 | −20 |
正中 | 5月10日21時 |
広さ | 184平方度 (70位) |
主要恒星数 | 4 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 10 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 0 |
3.0等より明るい恒星数 | 4 |
10パーセク以内にある恒星数 | 1 |
最輝星 | γ Crv(2.58等) |
最も近い星 | α Crv;(48.2光年) |
メシエ天体数 | 0 |
流星群 | Corvids (6月26日) |
隣接する星座 |
おとめ座 コップ座 うみへび座 |
からす座(からすざ、烏座、Corvus)は、トレミーの48星座の1つ。
日本では春の南の空に見ることができる星座で、β星、γ星、δ星、ε星の4つの3等星で構成される四角形の特徴的な並びは、比較的目立つ。
主な天体[編集]
恒星[編集]
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
- α星:アルキバは、4等星。
- β星:クラズ (Kraz) 。
- γ星:ギェナー (Gienah)は、からす座で最も明るい恒星。はくちょう座ε星も同名で呼ばれていたため、かつてはギェナー・コルビ (Gienah Corvi) と呼んで区別されていたが、2016年にGienahが正式にからす座γ星の固有名とされた。
- δ星:アルゴラブ (Algorab) 。
星団・星雲・銀河[編集]
からす座には顕著な天体が少ない。
神話[編集]
古代ローマのオウィディウスが伝えるギリシア神話によると、カラスはアポローンの使いの鳥であった。当時は真っ白できれいな鳥で、人の言葉を喋っていた[1]。ところが、このカラスは、アポローンの恋人コローニスが別の男と密会しているという誤った情報をアポローンに伝えた。カラスがうっかり者だったという説と、カラスがうそつきだったという説がある。アポローンは現場に行き、人影を確認して矢を放ったところ、間男などはおらず、射殺した相手は当の恋人コローニスであった。コローニスは、腹にいるアポローンの子を無事育てて欲しいと告げ息を引き取った。この子は無事育ち、後にへびつかい座になった。この後の詳細はへびつかい座およびアスクレーピオスを参照のこと。カラスは罰として真っ黒に染められ、二度と人の言葉を喋れないようにされたのち、天上に追放され、星座となった。なお、「このときカラスを天に打ち付けた4本の釘が、からす座で四辺形を作る4つの星である」とする話が巷間伝わっている[2][3]が、これは1980年代から[4]日本でのみ広まっている説で、これは野尻抱影「星三百六十五夜」[5]にある、からす座をムジナの生皮の四つ足をクギでうった形にたとえる「皮張り」という奥多摩地方に伝わる方言と混同したものと思われる[独自研究?]。
呼称と方言[編集]
日本では「帆かけ星」などと呼ぶ地方がある。
出典[編集]
- ^ Ian Ridpath. “Star Tales - Corvus and Crater”. 2014年2月4日閲覧。
- ^ 沼澤茂美、脇屋奈々代『星座神話クラブ』誠文堂新光社、1996年2月15日、91頁。ISBN 9784416296035。
- ^ 沼澤茂美、脇屋奈々代『四季の星座神話』誠文堂新光社、2014年7月9日、61頁。ISBN 978-4416114575。
- ^ 山田卓『春の星座博物館』地人書館、1993年5月15日、第二版第一刷、121頁。ISBN 4-8052-0160-6。
- ^ 野尻抱影『星三百六十五夜』恒星社厚生閣、1988年8月30日、新装版、8頁。ISBN 4-7699-0623-4。
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