くろしお (列車)

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くろしお
海岸線を行く289系「くろしお」(岩代 - 南部間)
海岸線を行く289系「くろしお」(岩代 - 南部間)
概要
日本の旗 日本
種類 特別急行列車
現況 運行中
地域 京都府・大阪府・和歌山県
前身 準急「黒潮」
特急「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」
運行開始 1965年3月1日
後継 特急南紀(新宮 - 名古屋間)
運営者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
運営者 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 新大阪駅京都駅
終点 白浜駅新宮駅
営業距離 315.5 km (196 mi) (京都 - 新宮間)
運行間隔 18往復
使用路線 東海道本線JR京都線)・梅田貨物線大阪環状線阪和線紀勢本線(きのくに線)
車内サービス
クラス グリーン車普通車
技術
車両

283系電車287系電車吹田総合車両所日根野支所)

289系電車吹田総合車両所京都支所)
軌間 1,067 mm
電化 直流1,500 V
最高速度 130 km/h
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くろしおは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が、主に京都駅新大阪駅 - 白浜駅新宮駅間を東海道本線JR京都線梅田貨物線)・大阪環状線阪和線紀勢本線(きのくに線)経由で運行する特別急行列車である。

本項では、同一経路で運行されていた特急「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」のほか、過去に運行されていた臨時列車とともに、京都・大阪と南紀を結ぶ優等列車の沿革についても記述する。

概要[編集]

京阪神地区と南紀を結ぶ列車で、特急「くろしお」としては、1965年3月1日天王寺 - 名古屋間を阪和線・紀勢本線・関西本線経由で運行する列車として運行を開始した。1978年10月2日に紀勢本線の和歌山 - 新宮間が電化されたことにより、新宮駅を境に系統分離され、天王寺 - 白浜・新宮間の列車を「くろしお」、名古屋 - 新宮・紀伊勝浦間の列車を「南紀」とした。

1989年7月22日グリーン車パノラマ型先頭車に改造した「スーパーくろしお」の運行を開始。天王寺駅構内の阪和短絡線が完成し「くろしお」「スーパーくろしお」が梅田貨物線を経由して新大阪駅・京都駅まで運転されるようになった[1]

「オーシャンアロー」は1996年7月31日より「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」として運行を開始し、1997年には列車名を「オーシャンアロー」へ変更している。

2012年3月17日より、「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の列車名はすべて「くろしお」に統一された[2]

名称の由来[編集]

「くろしお」の名称は、日本近海を流れる「黒潮」に由来するため、この海流の沿岸(房総半島以西の太平洋沿岸)であればどの地域でも採用できる列車名であった。そのため、大阪対南紀直通列車の系譜を引く紀勢本線列車以外にも日本国有鉄道(国鉄)では、四国房総半島でも使用されており、3地域で「くろしお」「黒潮」の名が同時使用され、重複するという事態が起こった。

  1. 1961年10月より四国の高松 - 窪川間を運行する急行列車黒潮」。現在の「南風」「しまんと」に相当する。
  2. 1963年10月より、房総半島で両国 - 安房鴨川間を走る準急列車くろしお」。現在の「わかしお」に相当する。

これらは1965年10月、四国の「黒潮」が「南風」に、房総の「くろしお」が「外房」にそれぞれ改称され、「くろしお」の3重複はこの時解消した。また、国鉄バスが運行した松山高知急行線の高知行きの急行バスも「くろしお」と名乗っていたが、本列車名と混同するため公募で「なんごく」と改称した。私鉄では、京成電鉄でもこの愛称を使用していたことがあったとされる(京成電鉄のダイヤ改正を参照)。

運行概況[編集]

2018年3月17日現在、定期列車は以下の上り下り共に18本が運転されている[3]。なお、「くろしお」は列車番号が上りが奇数、下りが偶数と、本来とは逆になっている(他の「きのくに線」を走行する列車も同様である)。

運行区間
(新大阪 -)
運行本数 列車番号
上り 下り
和歌山間 3本(25・33・35号) 2本(2・4号) (号数+2050)M
海南間 (なし) 1本(6号)
紀伊田辺間 1本(31号) (なし)
白浜間 8本(3・7・9・13・15・19・23・29号) 9本(8・10・14・18・22・26・28・32・34号)
新宮間 6本(1・5・11・17・21・27号) 6本(12・16・20・24・30・36号) (号数+50)M

12・23号は上記区間に加えて京都 - 新大阪間も運行されている。

新大阪 - 白浜間では原則1時間に1本運転され、新大阪発9時台および白浜発16時台のみ1時間2本運転されている(新大阪 - 和歌山間では新大阪発18・21時台および和歌山発6・8時台も1時間に2本運転。ただし前者は8時台、後者は7・20時台は1本もない)。海南・和歌山・紀伊田辺発着の区間列車の一部は、かつて運転されていた「はんわライナー」を特急列車化したもので、これらを含めた朝の下りと夕方の上りは、通勤需要に対応した停車設定になっている。箕島・藤並・湯浅・南部駅は白浜駅までが運行区間の列車はほとんどが停車する一方、新宮駅まで運行する列車はほとんどが通過する。日根野駅は元々通過駅で、関西国際空港開港後のダイヤ改正によって一部列車が停車するようになったが次第に停車する列車が増え、2019年現在は通過する列車の方が僅かとなっている。

運行開始当初はすべて天王寺発着だったが、2004年10月16日のダイヤ改正以降、天王寺発着は原則臨時列車のみとなっており、現在はすべての定期列車が新大阪・京都方面へ直通運転している。なお、天王寺発着の列車には、東海道山陽新幹線からの乗り継ぎにおける割引は適用されない。

停車駅[編集]

京都駅 - 新大阪駅 - (西九条駅) - 天王寺駅 - (和泉府中駅) - (日根野駅) - (和泉砂川駅) - 和歌山駅 - 海南駅 - (箕島駅) - (藤並駅) - (湯浅駅) - 御坊駅 - (南部駅) - 紀伊田辺駅 - 白浜駅 - 周参見駅 - 串本駅 - 古座駅 - 太地駅 - 紀伊勝浦駅 - 新宮駅

  • ( )は一部の列車のみ停車《詳細は以下》。
西九条駅:上りは19号以降、下りは8 - 14号が停車。
和泉府中駅:上りは33号以降、下りは8号までが停車。
日根野駅:上りは15・17号以外、下りは16・20・36号以外が停車。
和泉砂川駅:上りは19号以降、下りは10号までが停車。
箕島・藤並・湯浅・南部駅:上りは3・7・13・19 - 23・27 - 31号、下りは8 - 14号と18・22・26・34号が停車。
紀伊田辺 - 新宮間は単線区間のため、対向列車待ちで上記以外の駅で運転停車(乗り降り不可)することがある。

使用車両・編成[編集]

2018年3月17日現在の編成図[3]
くろしお
← 新宮・白浜・和歌山
新大阪 →
283系
1 2 3 4 5 6
PG F
← 新宮・白浜・紀伊田辺・海南・和歌山
新大阪・京都 →
287系・289系
1 2 3 4 5 6
G F
  • 全車禁煙
  • 京都・新大阪 - 白浜間を9両編成で運転する場合がある。なお、6号車と7号車間の通り抜けはできない。
  • 座席種別・編成は変更になる列車がある(283系のみ)。
  • 4号車には車椅子対応座席がある。
  • 普通車の最前部と最後部、グリーン車の全席にはモバイル用コンセントがある(283系を除く)。
凡例
G=グリーン車指定席
PG=パノラマ型グリーン車指定席
指=普通車指定席(F=女性専用席
自=普通車自由席

283系と287系は吹田総合車両所日根野支所、289系は同総合車両所京都支所(旧・京都総合運転所)に所属する車両が使用されている。2011年3月12日以降、白浜 - 新宮間は乗り入れない車両があったが、2018年3月17日のダイヤ改正で7年振り(「くろしお」統一後では初)に現在運行中の車両全てが乗り入れるようになった。なお、臨時列車は基本的に287系または289系での運転となる。

基本編成は6両で運転されているが、京都 - 白浜間に限り、繁忙期には付属編成3両(すべて普通車指定席、ただし283系の場合、新大阪方1両(9号車)がパノラマ型グリーン車指定席になることがあり、この場合は7号車にも車椅子対応座席がある。287系と289系は8号車に車椅子対応座席がある。)を増結した9両編成で運転する日がある。新宮発着列車の場合、増結編成は白浜駅で増解結作業を行うため、下り列車では行き違い待ちおよび増結作業を見込んだ余裕時間を含めて、白浜駅で6 - 12分の長時間停車を行うダイヤが組まれている。これに対し、解結作業を行う列車の同駅での停車時間は2・3分であるため、新大阪 - 新宮間の平均所要時間は新大阪方面行きの方が若干長い。なお、白浜駅以北で折り返す場合は車両の増解結作業はない。

この増解結作業は、初期はパノラマ編成の381系(元スーパーくろしお)のみ行われていた(他の車両は実施されるまで、全区間9両編成だった)が、2011年3月から全特急列車(後に登場する車両も含む)で実施されるようになった(アコモ編成の381系は途中で増解結できないため、以降運用終了まで白浜 - 新宮間の運用が廃止された。また、同時に新宮駅に乗り入れる可能性がある列車は増解結部分に接する車両同士の幌の連結も廃止された為、6号車と7号車の通り抜けができなくなった)。この影響で余裕時分の追加により延びた大阪方面 - 新宮間の所要時間がさらに延び、速達性における381系に対する優位性がほぼ失われている。2012年3月17日のダイヤ改正時点の天王寺 - 新宮間の所要時間は最速3時間38分、2016年3月26日のダイヤ改正では最速3時間47分にまで延び、かつての最速列車(この区間を3時間18分で運転)よりも30分近く長くなっている。後述の非振り子車で運転される列車の最速列車と比較しても僅か1分の差となっており、後述の非振り子車で運転される「くろしお」とのダイヤの一体化が進められている状況にある。

振り子式車両である381系の一部を非振り子式車両である287系へ置き換えたことにより、置き換え後の列車は和歌山 - 白浜間で5分程度所要時間が長くなっている。2015年3月14日のダイヤ改正では、残る381系の置き換え用として非振り子車の289系が投入されることから、10分前後所要時間が長くなっている[4]。しかし非振り子式車両対応ダイヤの天王寺 - 新宮間の最速列車は3時間48分で、これは381系が投入された1978年10月当時の最速列車(3時間53分)よりも5分速い。

担当車両は下記の通り決まっているが、ダイヤの乱れや悪天候により運行取り止めが発生すると車両が変更されることがある。

283系[編集]

283系電車は、かつて「オーシャンアロー」として運転されていた車両で、充当される4往復(1・4・13・16・21・24・32・33号)は大型時刻表などで「オーシャンアロー車両で運転」と表記される。グリーン車は原則1号車でパノラマ車となっているが、車両検査などで付属編成を2本連結した6両編成で運転される場合があり、この場合は1号車が普通車指定席となり6号車がパノラマ型グリーン車指定席となる。また、基本編成と付属編成を連結した場合、1号車と9号車の2両がグリーン車となることがある。3号車(基本編成)には展望ラウンジが設けられており、座席はすべて海を展望できるようになっている。

「くろしお」統一後もJR京都線および京都駅へ運用していたが、2016年3月のダイヤ改正でJR京都線および京都駅は運用線区から外された。

287系[編集]

287系電車は、専用のHC編成が使用され、大型時刻表などで「新型車両で運転」と表記されていた。2012年3月17日に運行を開始し、381系非パノラマ編成で運転されていた4往復(4・5・10・11・22・23・24・29号)を置き換えた[2][5]。さらに、同年6月1日から3往復(3・14・15・18・19・30号)にも充当されている[6]。2019年3月現在、8往復(2・7・9・10・12・15・17・18・20・23・25・26・27・28・31・34号)に充当されている。

2017年8月5日に1編成(6両)をアドベンチャーワールドのシーンをラッピングした車両にして臨時列車として運行し、翌日以降は定期列車として運行中(2019年11月頃までの予定)[7]

289系[編集]

2015年4月28日に後継として、北陸新幹線金沢開業前までは特急「しらさぎ」に使われた683系2000番台を、直流化して形式変更された289系の投入が決まり[8][9]、2015年10月31日に営業運転を開始した[10]。同年5月27日には289系の試運転が行われたが[11]、「くろしお」には287系と同じオーシャングリーンの帯が施されているものが投入された。6往復(3・5・6・8・11・14・19・22・29・30・35・36号)に充当されている。2016年11月頃より順次、全車両グリーン車が全室から半室化(残りの半室は普通車指定席)された(同時にグリーン車の全座席にモバイル用コンセントが設置)[12]

一時期、JR京都線および京都駅へ運用していたが、2019年3月現在はJR京都線および京都駅は運用線区外となっている。

過去の使用車両[編集]

運行開始当初からキハ80系気動車が使用されていたが、1978年の紀勢本線新宮電化時に381系電車に置き換えられた。先頭車はキハ82形のほか、1972年10月からはキハ81形も運用され、キハ81形は「くろしお」が最後の定期特急運用となった。

1985年4月には、増発のために485系電車44両が日根野電車区に配置され、運用が始まった[注 1]。充当列車はグリーン車なしの普通車4両編成で組成され、列車によっては白浜駅での増解結により白浜駅以北を8両、白浜駅以南を4両で運転する列車もあった。

急行格上げ列車にも充当され、急行停車駅でありながらもこの日のダイヤ改正により簡易委託駅化された椿駅や、無人化された太地駅湯川駅にも停車することとなった。また、この車両は振り子機能や低重心設計がなされていない[注 2]ため、カーブを高速で走行できないことや、停車駅の多さもあり、格上げ前の気動車急行列車との所要時間差は天王寺 - 白浜間が平均約15分の短縮で所要時間は2時間25分前後、天王寺 - 新宮間が平均約25分の短縮で所要時間は4時間30分前後[注 3]と気動車特急時代の「くろしお」と同等かそれ以上の所要時間を要し、「きのくに」より1時間以上速く走る381系「くろしお」と比較して速達効果は薄いものであった。なお、1往復は串本 - 新宮間を普通列車として運転していた(遜色急行#特急における事例も参照)。

1986年11月1日から全列車が381系電車で運転されることになり、当時新設されたエル特急「北近畿」用に転出した。この代替として、「やくも」の編成短縮によって捻出した381系が新たに転入した。

車内チャイム[編集]

かつては381系「くろしお」「スーパーくろしお」に限り、8トラックによる磁気テープで各停車駅のイメージにあった車内チャイムを流していたが、1998年のテープ更新を最後に8トラの老朽化により順次廃止。381系末期には各駅とも電子オルゴールの音色の鉄道唱歌が流れていた。 287系は283系と同様のチャイムが、289系は683系と同じチャイムが流れる。

車内チャイムのメロディは以下のとおり[13]

駅名 チャイム 旧チャイム 備考・参照
京都駅 祇園小唄 - 祇園小唄絵日傘 舞の袖の主題歌
新大阪駅 大阪ろまん フランク永井の楽曲
天王寺駅 鉄道唱歌 汽車 「くろしお」オリジナルバージョン
鳳駅 うたのまち 現在は通過するが、当時は一部停車していた。
日根野駅 (曲名なし) - くろしおオリジナルチャイム
和歌山駅 鞠と殿様 和歌山電鐵貴志川線伊太祈曽駅に入線する前と発車直後に流れるメロディとは異なる。
海南駅 おお牧場はみどり 浜辺の歌  
箕島駅 みかんの花咲く丘 海沼實の楽曲
湯浅駅 みなと  
御坊駅 故郷  
南部駅 梅は咲いたか ほたるこい  
紀伊田辺駅 牛若丸  
白浜駅 愛のオルゴール ハワイアン  
椿駅 お猿のかごや 汽車 海沼實の楽曲。JR東日本小田原駅の発車メロディとはアレンジが異なる。現在は停車しないが、当時は一部停車していた。
周参見駅 五匹の子豚とチャールストン 汽車ポッポ  
串本駅 串本節  
古座駅 われは海の子  
太地駅 出船の港 船頭さん  
湯川駅 - 変更後は全列車通過となった。
紀伊勝浦駅 いい湯だな かわいい魚屋さん  
新宮駅 鳩ぽっぽ 作者の東くめの出身地。

この表にない西九条駅、和泉府中駅、和泉砂川駅、藤並駅は収録されなかった。

臨時列車[編集]

JR発足後に運行開始した列車を挙げる。

ふれ愛紀州路・しらはま[編集]

1987年(昭和62年)9月 から 1988年(昭和63年)3月まで、「ふれあい紀州路キャンペーン」に伴い、京都 - 白浜間を奈良線・関西本線・阪和貨物線・阪和線・紀勢本線経由で運転する臨時特急列車として「ふれ愛紀州路」(ふれあいきしゅうじ)が運転されていた[14]。週末特急と称し[14]、主に京都発は土曜日10時台に、白浜発は日曜日14時台に1本運転し、途中の停車駅は、宇治駅奈良駅王寺駅八尾駅・和歌山駅・御坊駅・紀伊田辺駅であった。

1988年(昭和63年)3月のダイヤ改正からは「しらはま」として、「ふれ愛紀州路」と同じ運行形態で運転された。しかし、1989年(平成元年)7月の天王寺駅構内の短絡線の利用開始による「くろしお」の京都駅乗り入れに伴い廃止された。

名古屋 - 東和歌山(現・和歌山)間を運行した「あすか」や2010年春季に運転された臨時特急「まほろば」とならび、奈良県内を走行する数少ない国鉄・JRの特急列車であった。

エキスポくろしお[編集]

エキスポくろしお
1990年9月 天王寺駅

1990年(平成2年)の国際花と緑の博覧会(花の万博)開催期間中、万博観客向けに土曜・日曜を中心に京橋 - 白浜間で1日1往復(午前が白浜発・午後が京橋発)が運転された。天王寺 - 京橋間は大阪環状線を経由し、途中大阪駅に停車した。やくも用編成が運用されたこともあった。

マリンくろしお[編集]

1993年(平成5年)から夏の海水浴シーズンに、全車指定席の臨時特急「マリンくろしお」の運転が開始された。1996年には、京都 - 新宮間で「マリンくろしお」1・2号として、大阪 - 白浜間で「マリンくろしお」3・4号が運転されている。また、同様の列車として、「春咲きくろしお」(冬季)が運転された。なお「春咲きくろしお」は、定期列車がすべて停車する御坊駅を通過していた。

おはようくろしお[編集]

2000年(平成12年)から土・休日のみ紀伊田辺発新大阪行きの臨時特急「おはようくろしお」が運転された。途中の停車駅は、南部駅・御坊駅・湯浅駅・箕島駅・海南駅・和歌山駅・日根野駅・天王寺駅。

当初は、大阪方面への行楽客の輸送を見込んで運行を開始したが利用率が伸び悩み平日を中心に特急通勤利用者が増加したことから翌年のダイヤ改正より「おはようくろしお」の列車名を使わずに定期列車とし毎日運行することになり、2005年(平成17年)のダイヤ改正より運行区間を白浜 - 新大阪間と拡大された。

ホワイトビーチエクスプレス[編集]

2005年(平成17年)の海水浴シーズンに、京橋 - 白浜間で臨時特急「ホワイトビーチエクスプレス」が運転された[15]。途中の停車駅は、大阪駅・天王寺駅・和歌山駅・海南駅・箕島駅・湯浅駅・御坊駅・南部駅・紀伊田辺駅。

白浜駅まで乗車した乗客に限りその場で浴衣が当たる三角くじを配布するなどのイベントを実施したものの、事前のPR不足もあり乗車率が予想を下回ったため、この年だけの運転に終わった。京橋駅から大阪駅経由で白浜駅まで乗車すると、鶴橋駅経由(天王寺駅乗り換え)に比べ運賃が割高になることも響いた。

くろしお白浜花火号[編集]

2012年(平成24年)から2014年(平成26年)まで、白浜で行われる花火大会(7月30日8月10日)にあわせて白浜発和歌山行きとして運行されていた[16]。287系・283系の3両編成(すべて普通車)が使用され、一部は指定席となる。当日、白浜駅でこの列車の指定席券を提示すると、全員に特別観覧席が招待されるサービスも存在した。

利用状況[編集]

本列車群は本来、南紀方面への観光用としての特急の色合いが強いため、自由席は基本的に2両しかなく、全車両が禁煙となるまではラッシュ時を中心に特に2号車(禁煙車の自由席)に偏って激しく混雑する傾向があった。しかし、阪和線内においても日中の快速列車はほぼ全列車が熊取 - 和歌山間各駅停車化されるなど、近年では特急と阪和線快速列車との格差拡大が進んだり、「はんわライナー」の廃止による代替としての和歌山・海南・紀伊田辺発着の区間列車を設定したり、和泉府中駅・和泉砂川駅への停車拡大をしたりすることにより[17][18]、阪和線内では国鉄時代の1970年代に運転されていた新快速と同じような性格を帯びるようになるなど、通勤・ビジネス特急としての色合いも濃くなっており、ラッシュ時間帯を中心に自由席では立ち客が出ることも多い。このため、和歌山・海南始発終着の列車は、自由席が1両多い3両に設定されていたが、2018年3月のダイヤ改正で設定が廃止され、他の列車と同じ設定になった。[注 4]

一方、きのくに線内(箕島 - 和歌山間)の利用客は、バブル崩壊以降の景気低迷などによる観光客の減少や、高速道路の延伸に伴うマイカー・バスへの転移もあって年々減少しており、1990年には1日平均5000人を超える利用があったが、2010年には平均2100人程度と半数以下にまで減少している。このため、2010年3月13日には週末のみ運転の列車2往復が廃止、翌2011年3月12日には新宮発着列車2往復を白浜発着に見直す改正を行った。JR西日本は割引切符の発売で対抗しているものの、鉄道利用客の減少に歯止めがかからない状況にある。2010年よりやや増加に転じたものの、再び2014年より微減している。[19]

大阪対南紀直通優等列車概略[編集]

くまの[編集]

戦後の紀勢西線初の準急3401・3400列車として、1950年に天王寺 - 新宮間で運行を開始したが、当初から毎日運転の臨時列車で、列車名は付けられていなかった。同年10月に定期列車化され、1952年に「熊野」と名付けられた。1956年から和歌山市駅発着の編成が連結されるようになり、1959年からは紀勢本線の全線開通に伴い運行区間が天王寺・和歌山市 - 名古屋間に変更されたが、1961年に急行化されることにより「紀州」に改称され、廃止された。

紀州[編集]

準急「くまの」を急行化して改称された列車で、1961年に天王寺 - 名古屋間で運行を開始した。使用車両も「くまの」が客車を使用していたのに対して、「紀州」は気動車が使用された。1968年からは名古屋発着の紀勢本線急行列車の総称として運転されるようになった。1978年に天王寺 - 新宮間の「きのくに」と名古屋 - 紀伊勝浦間の「紀州」に系統分割されたため、紀伊勝浦駅以西への乗り入れはなくなった。

南紀[編集]

御坊駅・紀伊田辺駅から天王寺駅へのビジネス列車として1953年5月に天王寺 - 白浜口(現・白浜)間で毎日運転の臨時列車として運行を開始した。同年11月に定期列車化され、1959年に天王寺 - 新宮間の運転になり、同時に気動車化され、自由席も連結されるようになった。1960年6月には客車で運転される列車が1往復増発されて2往復になり、毎日運転の臨時列車も同年10月に1往復運転されるようになった。1961年からは南海線難波発着の列車も乗り入れるようになった。

1966年に「南紀」は急行列車化されたが、1968年に「きのくに」に統合されて廃止された。

しらはま・紀ノ川[編集]

「しらはま」は、1956年に天王寺 - 白浜口間で毎日運転の臨時列車として運行を開始した。1957年に定期列車化され、白浜への観光に便利なダイヤ設定であったが、「きのくに」や「南紀」が気動車化される一方、1963年に気動車化されるまでは客車で運転されていた。1966年に急行列車化され、1968年のダイヤ改正では紀勢本線で運転されている急行列車の運行区間の整理により、名古屋駅・京都 - 白浜・新宮間の運転に変更された。1972年から京都 - 白浜間の列車にはグリーン車も連結されたが、1980年に京都 - 白浜間の「しらはま」は運行区間を京都 - 和歌山間に変更して「紀ノ川」に改称、名古屋発着の列車も名古屋 - 奈良間が残されて「かすが」に統合されて廃止された。

「紀ノ川」の編成も「しらはま」で運転されていたときのまま、グリーン車が連結された5両で運転されていたが、1984年に廃止された。

「紀ノ川」の列車名は、和歌山線内で並走する紀の川が由来となっている。

はやたま[編集]

1956年に新宮 → 天王寺間で準急103列車として運行を開始し、1958年に「はやたま」の名称が付けられた。運行開始当初から天王寺発新鹿行きの夜行快速の車両を使用したため片道運転であったが、1959年に天王寺 → 新宮間の夜行普通列車が準急列車化され、新宮行きは夜行列車であるものの1往復になった。1960年に「南紀」に統合されて廃止された。

列車名は、和歌山県新宮市にある熊野速玉大社が由来となっている。

スーパーくろしお[編集]

1989年7月22日に、381系車両にパノラマ型グリーン車を連結した列車として運行を開始し、同車を使用した列車は「スーパーくろしお」として、パノラマ型グリーン車を連結していない「くろしお」と区別した。2011年3月12日のダイヤ改正時点では6往復が運用され、基本的に新宮発着で運転されていたが、2号は海南発、6・27号は白浜発着となっていた[20]。2012年3月17日のダイヤ改正により、「くろしお」に統合されて廃止された[2]

オーシャンアロー[編集]

オーシャンアロー
2010年7月17日 新宮駅

1996年7月31日から「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」の列車名で運行を開始し、1997年に「オーシャンアロー」に改称された。運行開始当初から1日3往復が運転されていたが、2011年3月12日のダイヤ改正で、運用変更により新大阪発和歌山行きでも「オーシャンアロー」31号が運行され、新大阪 - 和歌山間は3.5往復であった[20]。基本的に京都 - 新宮間を最速で結ぶ列車で、停車駅も少なく設定されたが、通勤需要に対応して和歌山 - 白浜間では全停車駅に停車する列車も1往復設定されていた。2012年3月17日のダイヤ改正により、「くろしお」に統合されて廃止された[2]

大阪対南紀直通優等列車沿革[編集]

戦前の南紀直通快速列車「黒潮号」[編集]

快速「黒潮号」運行当時は、関西本線 - 王寺 - 和歌山線経由で連絡が可能であるものの、大阪 - 和歌山間を直接結ぶ鉄道を国鉄が管理していなかったため、私鉄による国鉄の飛び地路線への直通運転という形を採った。この列車は公募による列車愛称の付与など異例な点が多いことや、運営事業者の南海鉄道(現・南海電気鉄道南海本線)・阪和電気鉄道鉄道省が互いの威信を賭け列車運行を行ったことでも知られる。

戦後の南紀直通列車の復活[編集]

  • 1948年(昭和23年)7月1日不定期列車として天王寺・和歌山市 - 新宮間で夜行準急列車2010・2011列車が運行開始。この列車が大阪対南紀直通優等列車の戦後復活運行とされる。
  • 1949年(昭和24年)9月15日:2010・2011列車が天王寺 - 新宮間を運行する準急列車として定期列車化。
  • 1950年(昭和25年)
    • 4月1日:天王寺 - 新宮間で毎日運転の臨時列車として準急3401・3400列車が運行開始。
    • 10月1日:天王寺 - 白浜口間で土日運転の臨時快速列車3402・3403列車黒潮」(くろしお)が運行開始。3401・3400列車が定期列車化され、105・106列車になる。
  • 1951年(昭和26年)
    • 4月6日:南海線難波駅発着の「黒潮」が運行開始。ただし、運行当初は南海所有の客車が存在しないため、国鉄所有車両が乗り入れることになる。
    • 5月7日:夜行準急列車108・7列車が普通列車になる。
  • 1952年(昭和27年)
    • 4月1日:準急列車105・106列車に「熊野」(くまの)の列車名が与えられる。
    • 4月5日:週末準急「はまゆう」が天王寺 - 白浜口間で運行開始[24]
    • 5月:このころから「黒潮」の難波発着編成に南海所有客車サハ4801形客車が使用開始。ただし、1両のみの所有であったため、多客時には国鉄所有車両を貸し出す形で運用。
  • 1953年(昭和28年)
    • 3月20日:毎日運転の臨時列車として準急「南紀」(なんき)が天王寺 - 白浜口間で運行開始[24]
    • 11月11日:「南紀」が定期列車化。
  • 1954年(昭和29年)10月1日:「黒潮」が準急列車化。天王寺 - 白浜口間で臨時急行「はまゆう」が運行開始[24]
  • 1956年(昭和31年)11月19日ダイヤ改正に伴い、毎日運転の臨時列車として臨時準急「しらはま」が天王寺 - 白浜口間で、新宮 → 天王寺間で準急103列車が運行開始。また、「黒潮」「熊野」が「くろしお」「くまの」のひらがな表記になる。
  • 1957年(昭和32年)10月1日:「しらはま」が定期列車化[25]
  • 1958年(昭和33年)
    • 10月1日:準急103列車に「はやたま」の名称が与えられる。
    • 12月1日キハ55系気動車による全車座席指定制の準急「きのくに」が天王寺 - 白浜口間で運行開始。それに伴い、阪和線内で運転されていた料金不要の「特急電車」は「快速」に、「急行電車」「準急電車」は「直行」(現・区間快速)に改称[26]

紀勢本線全通後[編集]

  • 1959年(昭和34年)
    • 7月15日:紀勢本線全通に伴い、以下のように変更する[27]
      • 「くまの」の運行区間が天王寺 - 名古屋間に延長。紀勢本線全線を通しで運行する準急列車になる。
      • 天王寺 - 白浜口間および南海難波 - 白浜口間で臨時「第2きのくに」が1往復増発(毎日運転)。
      • 天王寺発新宮行きの夜行普通列車が準急列車化され「はやたま」になる。これにより「はやたま」は1往復になる。
    • 10月20日:「南紀」の運行区間が天王寺 - 新宮間に変更され、気動車化。「第2きのくに」が定期列車化[27]
  • 1960年(昭和35年)
    • 6月1日:「はやたま」が「南紀」に統合されて廃止。これにより、「南紀」は気動車列車と客車列車1往復ずつの2往復になる。
    • 10月28日:毎日運転の臨時列車として準急「臨時南紀」(りんじなんき)が天王寺 - 新宮間で運行開始[28]
  • 1961年(昭和36年)
    • 3月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
      • 準急「くまの」が急行列車化され「紀州」(きしゅう)に改称されて廃止。使用車両が客車から気動車に変更される[29]
      • 「臨時南紀」が「南紀」に統一され、「南紀」は3往復になる。また、昼行列車の一部に南海線難波発着の編成が連結開始。
    • 10月1日:急行・準急列車が増発(天王寺 - 名古屋間:1往復、天王寺 - 白浜間:1往復、天王寺・和歌山市 - 新宮間:1往復)[24]
  • 1962年(昭和37年)
    • 3月1日:ダイヤ改正により、以下のように変更[30]
      • 準急「はまゆう」が京都(奈良線経由)・名古屋(関西本線経由)・天王寺(阪和線経由)- 白浜口間で運行開始。奈良駅で京都駅と名古屋発着編成を連結して和歌山線を経由し、東和歌山駅(現・和歌山駅)で天王寺発着編成を連結する多層建て列車であった。
      • 新宮 → 名古屋間(和歌山線・関西本線経由)で準急「はやたま」が運行開始。王寺 → 名古屋間は「かすが」と併結。
      • 天王寺 - 紀伊椿(現・椿)間で準急「きのくに」が運行開始。
      • 天王寺行き「南紀」2号が客車列車化。
    • 6月10日:「きのくに」が天王寺 - 紀伊椿間で1往復増発。
  • 1963年(昭和38年)
  • 3月16日 - 5月18日:期間中の土曜日の「第2きのくに」が、白浜口 - 新宮間で延長運転[31]
  • 10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    • 「はまゆう」の天王寺発着編成の列車が「しらはま」に変更。「はやたま」に白浜口 → 天王寺間の編成と併結を開始して「しらはま」になる。これにより「しらはま」は、白浜口行き2本と天王寺行き3本になる。
    • 「きのくに」が1往復増発され、4往復になる。

特急「くろしお」の登場とその後の展開[編集]

1968年10月1日当時の編成図[32]
くろしお
← 名古屋
天王寺 →
1 2 3 4 5 6 7
1 2 3 4 5 6 7
1 2 3 4 5 6
  • 亀山 - 名古屋間は逆向き
凡例
=一等車
二=二等車
食=食堂車
  • 1965年(昭和40年)
    • 3月1日:ダイヤ改正により、次のように変更[33]
      • 準急「くろしお」が「しらはま」に統合されて廃止。
      • 特急「くろしお」が天王寺 - 名古屋間(阪和線・紀勢本線・関西本線経由)で運行開始(1往復)。
        和歌山機関区に配置されたキハ80系を使用していた。当時の途中停車駅は東和歌山駅・紀伊田辺駅・白浜駅・紀伊勝浦駅・新宮駅・熊野市駅・尾鷲駅・多気駅・松阪駅・津駅・亀山駅・四日市駅。本列車運行開始時には白浜や新宮はまだ国内新婚旅行需要が大変大きく、キハ80系でも異例の1等車(現・グリーン車)の3両連結運転も実施され、食堂車も連結していた。
      • 特急「あすか」が東和歌山 - 名古屋間(関西本線経由)で運行開始(1往復)。
    • 10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更[33]
      • 「しらはま」が増発され、天王寺 - 白浜間2往復と白浜発天王寺行き2本になる。
      • 「きのくに」1本が白浜 → 新宮間で運行区間を延長。
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月5日:準急制度改変に伴い、「はまゆう」・「しらはま」・「南紀」・「きのくに」・「はやたま」が急行列車に格上げ。「くろしお」が串本駅に停車するようになる。
    • 3月25日:天王寺・難波行き「南紀」1号の始発駅が熊野市駅に変更(熊野市 → 新宮間は普通列車)。
    • 10月1日:「はまゆう」が桜井線経由に変更[33]
  • 1967年(昭和42年)10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更[34]
    • 「くろしお」の天王寺 - 白浜間と、天王寺 - 新宮間で1往復ずつ増発され、3往復になる。また「くろしお」の列車号数を下り天王寺行きを奇数、上り名古屋行きを偶数とする。
    • 関西本線経由の特急「あすか」が廃止。
    • 「しらはま」の1往復が廃止。「しらはま」は白浜行き2本と天王寺行き3本になる。
    • 「はやたま」が和歌山線・桜井線経由に変更。
  • 1968年(昭和43年)10月1日ヨンサントオのダイヤ改正により、以下のように変更。
    • 「くろしお」の列車号数を上り名古屋行き方向偶数、下り天王寺行き方向奇数とする符番から上下列車ともに出発順に符番する方式に戻す。
    • 季節列車として天王寺 - 白浜間と天王寺 - 新宮間で1往復ずつ増発。ただし、天王寺発白浜行の定期列車が白浜 - 新宮間を延長運転して増発。この時点で、「くろしお」は5.5往復(季節列車を含む)。
    • 和歌山駅を発着し紀勢本線内で完結する急行列車のうち、阪和線・南海線直通の急行列車の名称として「きのくに」の名称が与えられる。これにより、「きのくに」は定期列車では天王寺発10本、天王寺行き8本、季節列車3往復、難波発着は定期列車3往復、季節列車1往復になる。
    • 「南紀」と奈良線経由の急行「はまゆう」・「はやたま」が「しらはま」に統一されて廃止。「しらはま」は京都・名古屋 - 白浜間1往復(桜井線和歌山線経由)と新宮発名古屋行き(和歌山線・桜井線経由)の1本になる。
      「はまゆう」は参宮線鳥羽 - 紀伊勝浦間を運行する急行列車の名称になった(紀勢本線新宮以東優等列車沿革を参照)。
    • 名古屋 - 天王寺間の急行「紀州」は名古屋発着の紀勢本線急行列車の総称となる。また名古屋 - 紀伊田辺間、1往復増室(紀勢本線新宮以東優等列車沿革も参照)。
  • 1969年(昭和44年)10月1日:「きのくに」が天王寺 - 白浜間で臨時列車1往復増発。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:ダイヤ改正により、「くろしお」の白浜発天王寺行きが季節列車として1本増発。天王寺 - 白浜間の「くろしお」1往復が季節列車化。
  • 1971年(昭和46年)11月2日:臨時特急「ブルースカイ」が天王寺 - 紀伊勝浦間で運転される。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:ダイヤ改正により、次のように変更。
      • 「くろしお」は白浜発着列車が新宮発着に変更し、新宮発着4往復(1往復は季節列車)、名古屋発着1往復の6往復になる。また天王寺方面行き始発と、新宮方面行き最終の1往復が御坊駅に停車を開始。
      • 「しらはま」は京都駅・名古屋 - 白浜間の1往復が京都 - 白浜間になり、「しらはま」は新宮発名古屋行(和歌山線・桜井線経由)1本と京都 - 白浜間(和歌山線・桜井線経由)1往復になる。
      • 「紀州」の名古屋発紀伊勝浦行き1本が天王寺行きになる。天王寺発着の「紀州」は、天王寺行き2本、名古屋行き1本になる。
    • 10月2日:「きのくに」の1往復を「くろしお」に格上げ、天王寺 - 白浜間1往復増発。「くろしお」は6往復(1往復は季節列車)になる。
    • 増発用車両は日本海縦貫線電化完成に伴い「いなほ」「ひたち」運用から捻出されたキハ80系でボンネット型先頭車のキハ81形も含まれていた。同車は名古屋発着の1往復に限定運用されキハ81形最後の使用列車となる。
  • 1973年(昭和48年)10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更。
    • 伊勢線開業に伴い、天王寺 - 名古屋間の「くろしお」「紀州」は亀山駅経由から伊勢線鈴鹿駅経由に変更され、約20分の時間短縮。
  • 1976年(昭和51年)3月1日:「くろしお」の全列車に普通車自由席が設定される[35]

紀勢西線電化とエル特急「くろしお」への収斂[編集]

1978年10月2日当時の編成図[32]
くろしお
← 新宮
天王寺 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9
G
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席
  • 1978年(昭和53年)10月2日:紀勢本線和歌山 - 新宮間の電化完成に伴い、以下のように変更[36]
    • 「くろしお」は新宮駅を境に以下のように系統分割。
      • 天王寺 - 白浜・新宮間の381系電車によるエル特急「くろしお」。
        天王寺 - 白浜間2往復(1往復は季節列車)、天王寺 - 新宮間7往復(1往復は季節列車)。一部は改正前の9月下旬よりダイヤで先行して投入された。
        御坊駅にすべての「くろしお」が停車するようになる。
        これによりキハ81形気動車の定期運用は終了。2両連結されていたグリーン車は1両に削減され、食堂車が全廃。
      • 名古屋 - 紀伊勝浦間運行の気動車特急「南紀」(3往復)
    • 急行列車については以下のように変更。
      • 「きのくに」は天王寺 - 新宮間で下り6本・上り5本、天王寺 - 椿間で1往復、天王寺 - 白浜間で下り5本・上り6本、天王寺 - 紀伊田辺間で1往復、紀伊田辺 → 新宮間で上り1本になる。ただし、南海線乗り入れ車両が気動車のみであったことや、参宮線鳥羽駅直通列車が存在したことで気動車での運行となる。また、紀伊田辺発新宮行きの「きのくに」2号が設定される。
      • 天王寺発着の「紀州」が廃止。
    • 日本全国で在来線列車の号数を下り奇数・上り偶数とした。これにより、紀勢本線の終点となる和歌山市駅(→天王寺駅・難波駅)方向は奇数、起点となる亀山駅(→名古屋駅)方向となる列車には偶数の符番がなされた。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更
    • 「きのくに」の3往復が廃止され、天王寺 - 白浜間に「くろしお」が3往復増発。これにより「くろしお」は10往復、「きのくに」は季節列車を含めて6往復となる。381系は2編成18両が新たに追加新製され、日根野配属となる。
      「きのくに」からの格上げ増発に伴い、天王寺方面行きの始発と白浜方面行きの最終「くろしお」1往復が箕島駅・湯浅駅・南部駅に停車するようになる。また、天王寺 - 白浜間を途中和歌山駅のみ停車し、1時間台で結ぶ列車が1往復設定。
    • 「しらはま」が廃止。新宮発名古屋行きの「しらはま」1号、奈良発名古屋行きを「かすが」、京都 - 白浜間の「しらはま」3・2号の京都 - 和歌山間は「紀ノ川」(きのかわ)になる。
  • 1982年(昭和57年)
    • 5月17日:関西本線名古屋 - 亀山間の電化により、以下のように変更する。
      • 「くろしお」の白浜発着1往復が季節列車化され、定期列車としては9往復に減便。また、新宮発着の季節列車が白浜発着になる。
      • 「きのくに」の鳥羽駅乗り入れが終了し、天王寺・難波 - 白浜・新宮・熊野市間および紀伊田辺発新宮行きのみの運行となる。
    • 11月15日:「きのくに」の天王寺 - 新宮間運行の夜行列車を季節列車化。
  • 1984年(昭和59年)
    • 2月1日:「きのくに」の夜行列車が廃止。なお、この時には「きのくに」は天王寺発は3本、天王寺行き5本、難波発着は2往復であった。
    • 10月1日:和歌山線電化により「紀ノ川」が廃止。「きのくに」の本数の変動はなかったが、和歌山市 - 和歌山間が国鉄と南海の渡り線区間を除き電化されたため、「きのくに」全列車は、ほぼ「全区間架線下を走る気動車急行」となっていた。
  • 1985年(昭和60年)3月14日ダイヤ改正により次のように変更。
    • 急行「きのくに」が廃止され、「くろしお」として4往復増発。これにより16往復(3往復は季節列車、1往復は串本 - 新宮間普通列車)になる。
      • 紀勢本線・阪和線で運行する定期急行列車が廃止。
      • 「くろしお」に485系電車が使用開始(4往復)。
    • 急行全廃により、紀勢本線内はB特急料金適用区間となる。同時に急行のみの停車駅であった海南駅・椿駅・周参見駅・古座駅・太地駅・湯川駅・那智駅に停車開始。箕島駅・湯浅駅・南部駅についても停車時間帯が全日に拡大。
    • 「黒潮号」以来の南海線難波発着列車が廃止[37]
    • 381系では各駅到着前に違う車内チャイムテープ録音により放送するようになった。
  • 1986年(昭和61年)
    • 10月: 紀勢西線の駅ホームの嵩上げ工事の進展及び485系の福知山への転出により、485系の運用を松本運転所から転入したばかりの165系が代走。(10月31日まで)[38]
    • 11月1日ダイヤ改正により、定期列車は11往復(1往復は白浜 - 新宮間季節列車)になる。全列車が381系電車に統一[注 5]

JR化以降の展開[編集]

1987年3月13日当時の編成図[32]
くろしお
← 新宮
天王寺 →
1 2 3 4 7 8 9
G
1 2 3 4 5 6
  • 1号車と9号車および6両編成の6号車は禁煙
  • 編成・座席種別は変更される場合があった
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席
  • 1987年(昭和62年)12月 - 1988年(昭和63年)1月:京都 - 白浜間で「ふれ愛紀州路」(ふれあいきしゅうじ)が運転。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「一本列島」をキャッチコピーにダイヤ改正により、「しらはま」が運行開始。新宮発着の「くろしお」の季節列車が定期列車化。
  • 1989年平成元年)
    • 3月11日:「しらはま」が廃止され、白浜発着の「くろしお」が1往復増発、季節列車3往復が定期列車化され、「くろしお」は16往復(1往復は季節列車)になる。
    • 7月22日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更する。
      • グリーン車をパノラマ型に改造した特急「スーパーくろしお」4往復が運行開始(1往復は白浜 - 新宮間は毎日運転の臨時列車)。「くろしお」は12往復(1往復は季節列車)になる。
      • 「くろしお」「スーパーくろしお」の京都駅・新大阪駅に乗り入れ開始[1]。なお、京都駅乗り入れは「スーパーくろしお」のみであった。
      • 白浜・新宮方面行きが「下り列車」、天王寺方面行きが「上り列車」になる。これに伴い、列車号数が新宮駅方面を奇数、京都駅・新大阪駅方向が偶数に変更。
      • 車内チャイムが更新。新たに沿線案内放送も加えてテープで流すようになる。
  • 1991年(平成3年)3月16日:「くろしお」1往復が「スーパーくろしお」に変更。「スーパーくろしお」は5往復(1往復は白浜 - 新宮間季節列車)になる。
  • 1993年(平成5年):京都 - 白浜・新宮間に臨時特急「マリンくろしお」(夏季)・「春咲きくろしお」(冬季)が運転される。
  • 1994年(平成6年)9月4日関西国際空港開港に伴い、一部列車が日根野駅に停車。
  • 1996年(平成8年)
    • 3月16日:季節列車として天王寺発白浜行きの「くろしお」が1本増発。
    • 7月31日:283系電車が投入され「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」3往復が運行開始。
    • 12月:平日に紀伊田辺発天王寺行の臨時特急「おはようくろしお」が運行開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月8日:「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」の列車名が、「オーシャンアロー」に変更[39]。地上設備改良が完了し、和歌山 - 新宮間の所要時間が約19分短縮。
    • 3月:「おはようくろしお」の一部が新大阪行きに変更[40]
  • 1998年(平成10年):381系がアコモ改良され塗装が変更、さらに車内チャイムと沿線案内が更新された。これによりグリーン車は全列車1号車に統一。
  • 1999年(平成11年)10月2日:「くろしお」の2往復が季節列車化。

2000年代以降の動き[編集]

381系運行終了時の編成図[3]
くろしお
← 新宮・白浜・海南
新大阪・京都 →
381系(パノラマ編成)
1 2 3 4 5 6
PG F
← 白浜・紀伊田辺
新大阪 →
381系(アコモ編成)
1 2 3 4 5 6
G F
  • 全車禁煙
  • 京都 - 白浜間を9両編成で運転する場合がある。
  • 座席種別・編成は変更になる列車がある。
凡例
G=グリーン車指定席
PG=パノラマ型グリーン車指定席
指=普通車指定席(F=女性専用席
自=普通車自由席
  • 2001年(平成13年)3月3日:「おはようくろしお」が定期列車化され、紀伊田辺発新大阪行きの「くろしお」になる[41]。ラッシュ時に和泉砂川駅に停車するようになる。
  • 2002年(平成14年)
  • 2004年(平成16年)10月16日:「はんわライナー」2・7号が廃止され、和歌山発着の「スーパーくろしお」が運行開始[42]。「スーパーくろしお」は6往復になる。また、すべての「くろしお」と「スーパーくろしお」と「オーシャンアロー」が周参見駅に停車するようになる。
  • 2005年(平成17年)
    • 3月1日:和歌山発新大阪行きの「スーパーくろしお」2号が、海南発として運転される(海南 → 和歌山間は毎日運転の臨時列車)。
    • 7月 - 8月:日曜日に京橋・大阪 - 白浜間で、臨時特急「ホワイトビーチエクスプレス」が運転される。
  • 2007年(平成19年)10月1日:「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の指定席のうち12席が女性専用指定席となる(当時、女性専用指定席は「くろしお」と「スーパーくろしお」が6号車、「オーシャンアロー」が5号車だった)。
  • 2008年(平成20年)3月15日:「くろしお」・「スーパーくろしお」・「オーシャンアロー」のうち上下計18本が新たに藤並駅に停車するようになる。
  • 2009年(平成21年)6月1日:全車禁煙となる[43]。また5月より順次、「くろしお」のそれぞれ6両編成のうち1両をパンダ車両として、2 - 4人分の座席限定でパンダ柄に改装[44]
  • 2010年(平成22年)3月13日:ダイヤ改正により、次のように変更される[45][18]
    • 鳳駅は全列車通過し、「くろしお」の一部列車の日根野駅停車が現行の計15本(下り8本、上り7本)から、計21本(下り11本、上り10本)になる。
    • 「くろしお」のエル特急が解消される。
    • 定期列車の全列車が新大阪駅または京都発着になり、「くろしお」は7往復になる。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月12日:ダイヤ改正により次のように変更[18]。ただし東北地方太平洋沖地震による大津波警報・津波警報の発令で紀勢本線が終日運転見合わせになったために、実施日は3月14日。
      • 「はんわライナー」が廃止される代替的な措置として「オーシャンアロー」25号が日根野駅に、夕ラッシュ時に和泉砂川駅に停車する列車が下り2本増える。
      • 新宮発着列車9往復のうち2往復を白浜発着に見直し、周参見 - 新宮間の各特急停車駅の始発の繰り下げ、最終の繰上げを実施し、終発は白浜駅で串本行き普通に接続するダイヤに変更(始発は従来より紀伊田辺駅で串本発の普通と接続が図られていた)。
      • 毎日運転の臨時列車として運転されていた「スーパーくろしお」2号の海南 → 和歌山間が定期列車に変更。
      • 一部の「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」の運用が入れ替えられ、「オーシャンアロー」下り2本・上り1本が海南駅に停車し、海南駅を通過する同じ本数の「スーパーくろしお」が設定される。
      • 9両編成時、オーシャンアローも白浜駅で増解結作業を実施(これにより幌の連結も廃止)。
      • 新宮発着列車が「スーパーくろしお」または「オーシャンアロー」に統一される。
      • すべての「スーパーくろしお」と「オーシャンアロー」が古座駅に停車するようになる。
    • 9月4日台風12号の被害により全列車運休になる[46](運転再開については、2011年台風12号の被害と運転状況の節を参照)。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日:ダイヤ改正により、次のように変更される[2]
      • 南紀方面の特急の列車名が「くろしお」に統一され、「スーパーくろしお」・「オーシャンアロー」が廃止(女性専用席は5号車に統一される)。
      • 「くろしお」の4往復に287系が運用開始。
      • すべての「くろしお」が海南駅に停車するようになる。
    • 6月1日:「くろしお」3往復に287系が追加投入され、381系(アコモ編成)の営業運転を終了[6][47]
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:ダイヤ改正により、次のように変更される[48][49]
      • 従来、海南駅だった「くろしお」2号を和歌山発に変更。車両は381系から283系に変更。
      • 新たに海南発の「くろしお」4号を増発。287系で運転。
      • 紀伊田辺・白浜発着の「くろしお」のうち、1往復を287系で運転。これにより、紀伊田辺・白浜発着の「くろしお」は287系に統一。2015年のダイヤ改正までは381系は新宮発着の列車のみとなる。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月15日:ダイヤ改正により、すべての「くろしお」が太地駅に停車するようになる[50]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:ダイヤ改正により、次のように変更[51]
      • 一部列車の時刻が変更。
      • 椿駅の停車を取り止め。
      • 車内販売の営業を終了。
      • 4・7・26号の運転車両を287系から381系に変更。
    • 4月28日:先のダイヤ改正によって、北陸特急「しらさぎ」の運用から外れた683系2000番台を、直流化した289系による381系全車置き換え・廃止が発表された[52]
    • 10月31日:289系が運行開始。287系で運転されていた白浜発着の5往復(5・6・8・15・16・19・20・23・29・32号)が289系に、381系で運転されていた新宮発着(一部は海南・白浜発着)の5.5往復(3・4・7・13・14・17・18・25・26・28・34号)が287系に置き換えられる。これに伴い、「くろしお」で運転されるすべての車両がJR西日本発足後の車両に統一された[53]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:ダイヤ改正により、次のように変更[54][55]
      • くろしお21号が新たに和泉砂川駅に停車を開始し、これにより17時以降に新大阪駅を発車するすべてのくろしおが和泉砂川駅停車となる。
      • くろしお24号の運転取りやめ、16時台白浜発のくろしお28号を新設。
      • 一部の運用車両の変更により283系と287系の運用便が1本ずつ減少、289系の運用便が2本増加。また、次のダイヤ改正まで京都駅に乗り入れる車両が287系のみとなる。
      • くろしお7・8・26→24号の新大阪 - 京都間の運行を取りやめる(代わりにくろしお10号の新大阪 - 京都間の運転が復活)。
      • 定時運転率向上のため、上り列車(くろしお7 - 29号)の始発駅出発時刻を15分繰り下げ(他にも下り列車も含め一部列車の時刻が変更)。
    • 12月17日:海南 - 新宮間のくろしお停車駅でICOCAが利用可能。これによりくろしおの全停車駅でICOCAが利用可能となる[56]
  • 2017年(平成29年)
    • 3月4日:ダイヤ改正により、次のように変更[57]
      • くろしお19号が新たに和泉砂川駅に停車を開始し、これにより16時以降に新大阪駅を発車するすべてのくろしおが和泉砂川駅停車となる。
      • くろしお15・29・32号の車両を289系から287系に変更。くろしお23号の車両を287系から289系に変更。
    • 8月5日:287系の1編成(6両)をアドベンチャーワールドのシーンをラッピングした車両として運行開始(2019年11月頃までの予定)[7]
  • 2018年(平成30年)3月17日:ダイヤ改正により以下のように変更[58][59]
    • 新大阪 - 和歌山間の列車を上り2本・下り1本増発。
    • 白浜 - 新宮間を1往復減便し6往復化(多客期は新大阪 - 新宮間で臨時列車を運行)。
    • 京都 - 新大阪間を1往復減便し1往復化。
    • 列車の本数変更により、担当する車両の変更(これにより289系が白浜-新宮間に乗り入れ開始となる)
    • 海南・和歌山発着列車の普通車自由席車両増加が廃止(これにより、同一車両は車両編成統一となる)。
  • 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正により以下のように変更[60]
    • 日根野駅に停車するくろしおを増加、これにより36本中31本のくろしおが日根野駅停車となる。
    • くろしお2号の車両を289系から287系に変更。くろしお6号の車両を287系から289系に変更。

2011年台風12号の被害と運転状況[編集]

2011年9月3日に日本に上陸した台風12号紀伊半島を中心に大雨をもたらし、特に本列車群が走行する白浜 - 新宮間では、那智 - 紀伊天満間の那智川橋梁が那智川の増水により一部流失[61]するなどの大きな被害が出た。

不通区間のうち、白浜 - 串本間は同年9月17日[62]、串本 - 紀伊勝浦間は同年9月26日に運転を再開した[63]が、白浜駅に留置されていた283系6両1本の床下機器が冠水して故障し、那智川橋梁が流失したため新宮駅に381系(スーパーくろしお編成)6両編成2本と283系6両1本が取り残されて車両が不足していることから、紀伊勝浦駅まで運転再開後も特急列車は当初2往復しか運転されていなかった[64]

しかし、283系は11月12日から13日にかけて[65]、381系は同月13日から14日にかけてと[66]、同月19日から20日にかけて[67]、新宮駅から伊勢鉄道伊勢線関西本線名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線東海道本線経由で京都総合運転所まで甲種輸送で搬出された[68]。この甲種輸送により車両数の不足がある程度解消できたことから、2011年11月19日から紀伊勝浦駅まで6往復運転されるようになった[69]

  • 9月7日:「オーシャンアロー」の全区間と「スーパーくろしお」の白浜 - 新宮間以外は運転を再開。
  • 9月17日:一部の「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」を次のように運転再開[70]
    1. 「スーパーくろしお」2往復(下り3・13号、上り26・32号)は白浜 - 串本間で運転再開。
    2. 「オーシャンアロー」1号の新大阪 - 白浜間、31号の新大阪 - 和歌山間、28号の白浜 - 京都間で運転再開。381系「スーパーくろしお」編成で運転。
  • 9月26日:「スーパーくろしお」2往復(下り3・13号、上り26・32号)の串本 - 紀伊勝浦間で運転再開。
  • 11月19日:「オーシャンアロー」25号と「スーパーくろしお」12号の白浜 - 紀伊勝浦間以外は全列車運転再開。「オーシャンアロー」2往復(下り9・31号、上り8・28号)は、「くろしお」および「スーパーくろしお」編成で運転。
  • 12月3日:紀伊勝浦 - 新宮間で運転再開し、これにより災害前の通常運転に戻る[71]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 東北新幹線上越新幹線の開業で余剰となった仙台運転所・青森運転所所属車や余剰車両を改造した先頭車、南福岡電車区から捻出。
  2. ^ 2012年3月以降順次投入されている287系も振り子機能は搭載されていないが、加減速性能が向上されていることと、低重心設計によりカーブの通過速度が本則+10 - 15km/hの設定とされていることなどの要因から、和歌山 - 白浜間を当時の485系よりも約10分速く走破することができている。
  3. ^ 「きのくに」の所要時間が約4時間40分 - 5時間25分であったのに対し485系「くろしお」の所要時間は約4時間25分 - 4時間55分。なお短縮時間のうち約5 - 10分は天王寺 - 和歌山間における最高速度の95km/hから110km/hへの向上などに伴う速達化によるものであり、紀勢本線内に限ってみれば速達効果はさらに限定されたものであった。
  4. ^ 以前は和歌山・海南始発終着の列車は、自由席が2両多い4両の設定で、これらの列車のみ女性専用席が存在しなかった。また白浜・新宮始発列車でも最初の便は自由席が1両多い3両に設定されていた
  5. ^ 新設のエル特急「北近畿」用に485系電車が転出し、「やくも」の編成短縮によって捻出した381系(18両)が485系の代替として転入した。

出典[編集]

  1. ^ a b “JR7社14年のあゆみ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 9. (2001年4月2日) 
  2. ^ a b c d e 平成24年春ダイヤ改正について (PDF) [リンク切れ] - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース 2011年12月16日
  3. ^ a b c 『JR時刻表』2013年3月号、交通新聞社
  4. ^ 速度より快適性 JR紀勢線の振子電車引退へ紀伊日報、2015年8月22日付
  5. ^ 特急〈くろしお〉に287系投入 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース 2010年11月17日
  6. ^ a b 特急くろしお 「新型車両287系」の追加投入について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2012年4月20日
  7. ^ a b JR西日本 × アドベンチャーワールド 特急「くろしお」号ラッピング列車を8月5日(土曜日)より運行します - JR西日本ニュースリリース 2017年7月14日
  8. ^ 特急くろしお:振り子式381系、元祖くろしお引退へ 来秋、老朽化で 後継候補に683系 /和歌山[リンク切れ] - 毎日新聞 2014年12月31日 地方版
  9. ^ 「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」へ289系(683系)車両を投入します - JR西日本プレスリリース 2015年4月28日
  10. ^ 289系車両が10月31日(土曜日)から運転を開始します! - JR西日本プレスリリース 2015年8月21日
  11. ^ 塗装変更された289系が本線で試運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2015年5月28日
  12. ^ 列車編成|くろしお 289系
  13. ^ 川島令三『全国鉄道事情大研究 大阪南部・和歌山篇』草思社、1993年。
  14. ^ a b 鉄道ジャーナル』第21巻第14号、鉄道ジャーナル社、1987年12月、 114頁。
  15. ^ 平成17年【夏】の臨時列車の運転 (PDF) (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年5月20日
  16. ^ [ 特急「くろしお白浜花火号」・普通列車「白浜花火号」+ 臨時バスの運転について ](インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2012年5月24日
  17. ^ a b 平成14年春 ダイヤ改正について I.在来線特急・急行列車(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2001年12月14日
  18. ^ a b c 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) [リンク切れ] - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース 2010年12月17日
  19. ^ データで見るJR西日本 - 西日本旅客鉄道
  20. ^ a b 『JR時刻表』2011年3月号、交通新聞社
  21. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.170。
  22. ^ 竹田辰男『阪和電気鉄道史』鉄道資料保存会、1989年、70頁。ISBN 978-4885400612。
  23. ^ a b c 竹田辰男『阪和電気鉄道史』鉄道資料保存会、1989年、99頁。ISBN 978-4885400612。
  24. ^ a b c d 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.285。
  25. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局 1981年(同書では、9月21日と10月1日が混在)
  26. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.285。
  27. ^ a b 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.203。
  28. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.205。
  29. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.207。
  30. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.204。
  31. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.211。
  32. ^ a b c 三宅俊彦・寺本光照『時刻表に見る〈国鉄・JR〉列車編成史』JTBパブリッシング、2011年。ISBN 978-4-533-08344-0。
  33. ^ a b c 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.286。
  34. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.219。
  35. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.237。
  36. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.287。
  37. ^ 国鉄と南海の渡り線区間の電化がされなかったため、直通電車運行が見送られた。
  38. ^ これが急行形電車による最後の特急運用になった。
  39. ^ 平成9年3月ダイヤ改正インターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1996年12月6日
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  55. ^ 平成28年春ダイヤ改正について - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース、2015年12月18日付、2015年12月18日閲覧。
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参考文献[編集]

  • 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院、2001年。ISBN 4-88732-093-0。
  • 今尾恵介・原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳-全線・全駅・全優等列車- 8号・近畿』新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5。

関連項目[編集]