ちょうこくしつ座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Sculptor | |
---|---|
![]() | |
属格形 | Sculptoris |
略符 | Scl |
発音 | 英語発音: [ˈskʌlptər]、属格:/skəlpˈtɒrɨs/ |
象徴 | the Sculptor |
概略位置:赤経 | 0 |
概略位置:赤緯 | −30 |
広さ | 475平方度 (36位) |
主要恒星数 | 4 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 18 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 2 |
3.0等より明るい恒星数 | 0 |
10パーセク以内にある恒星数 | 0 |
最輝星 | α Scl(4.27等) |
最も近い星 | グリーゼ1;(14.2光年) |
メシエ天体数 | 0 |
隣接する星座 |
くじら座 みずがめ座 みなみのうお座 つる座 ほうおう座 ろ座 |
ちょうこくしつ座(ちょうこくしつざ、彫刻室座、Sculptor )は、南天の星座の1つ。18世紀にニコラ・ルイ・ド・ラカーユが考案した星座の1つで、ラカーユが考案し現在も使われている14の星座の中で最も大きい[1]。日本でも見ることができるが、高度が低く明るい星もなく、その割に面積は広いため、探しにくい星座である。しかし、特徴のある銀河などによりアマチュア天文家にはよく知られる。銀河南極がこの星座内にある。
主な天体[編集]
恒星[編集]
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式に固有名が定められている。
- HD 4208:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でニカラグアに命名権が与えられ、主星はCocibolca、太陽系外惑星はXolotlanと命名された[2]。
その他、以下の恒星が知られている。
- α星:ちょうこくしつ座で最も明るい恒星。
- R星:漸近巨星分枝。周囲に渦巻き構造と球殻構造を同時に持つ赤色巨星としては初の発見例である。
- HD 4113:太陽系外惑星が発見されているG型主系列星。
- HD 4208:太陽系外惑星をもつ恒星。
星団・星雲・銀河[編集]
これらの銀河は緯度が低かったためメシエカタログからは洩れている。
由来と歴史[編集]
ラカーユが、1751年から1752年にかけて喜望峰で観測を行っていた際に考案された[1]。
1756年に彼が出版した南天の天球図では、フランス語で「彫刻家のアトリエ」を意味する l’Atelier du Sculpteur として描かれ[1][3]、後の1763年に刊行された彼の天球図ではラテン語化されたApparatus Sculptoris とされている[1]。現在のSculptor という短縮した名称は、1844年にイギリスのジョン・ハーシェルが提案した。これが翌年の1845年に出版されたフランシス・ベイリーのカタログで採用され[1]、1922年に国際天文学連合により88の星座が定められた際にも採用された。Sculptorという学名を直訳すると「彫刻家」であるが、日本では「ちょうこくしつ座」が正式な星座名とされている[4]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e Ian Ridpath. “Star Tales - Sculptor”. Star Tales. 2019年7月23日閲覧。
- ^ “Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月5日閲覧。
- ^ Ian Ridpath. “Lacaille’s southern planisphere of 1756”. Star Tales. 2019年7月23日閲覧。
- ^ 『文部省 学術用語集 天文学編(増補版)』日本学術振興会、丸善、1994年11月15日、306頁。ISBN 978-4818194045。
|