つくばエクスプレス総合基地

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つくばエクスプレス総合基地
つくばエクスプレス総合基地
つくばエクスプレス総合基地
基本情報
日本の旗 日本
所在地 茨城県つくばみらい市筒戸3500[1]
鉄道事業者 首都圏新都市鉄道
最寄駅 守谷駅
管轄路線 つくばエクスプレス
開設 2005年8月24日
配置両数
合計 138両
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つくばエクスプレス総合基地(つくばエクスプレスそうごうきち)は、茨城県守谷市松並つくばみらい市筒戸にまたがる(所在地はつくばみらい市)、首都圏新都市鉄道車両基地。略称は「TX総合基地」。

概要[編集]

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス守谷駅北側にある、同線の車両基地で、2005年の同線開業とともに開所した。総面積は、186,936.8m2TX-1000系14編成84両とTX-2000系23編成138両(2012年4月現在)の検査・修繕を行う基地であり、法定検車・車体清掃及び運転士の育成施設も、当総合基地内に設置されている。総合基地を守谷駅付近に設置したのは、守谷駅が直流電化区間(秋葉原駅 - 守谷駅間)と交流電化区間(守谷駅 - つくば駅間)の境界に当たるためである(実際の電化方式の境界であるデッドセクションは、守谷駅 - みらい平駅間にある)。つくばエクスプレスで使用されている車両のうち、TX-1000系が直流専用、TX-2000系が交流直流両用であり、守谷駅以南であればそれらの両方が直接乗り入れ可能であるため、無理なく法定検車が可能になる。守谷駅よりも東京寄りでは宅地開発が進んでいてまとまった土地を確保することが難しく、一方、みらい平駅よりもつくば寄りでは交流電化区間に入ってしまい、直流専用のTX-1000系を回送するのに専用軌道車が必要となってしまうため、当地が選定された。

総合基地から守谷駅構内へつながる入出庫線は、開業以来、単線となっていた。そのため、入出庫線内で車両故障などが発生した場合に、車両の入出庫ができず大規模な輸送障害となる恐れが高いことから、そのリスク低減のために、2013年度から入出庫線を複線化する工事が行われ[1]、2017年3月19日から供用開始となった[2]

2017年10月2日、約40億円かけた「車体更新場」を稼働させた。老朽化した車両の大規模修繕を行う[3][4]。そこに設置された電動シャッターが、最大の水平引きシャッターとしてギネス世界記録に認定された[5]

イベント[編集]

毎年11月上旬に、「つくばエクスプレスまつり」として一般公開を行っている。その際に基地まで直通する臨時列車が運転される。この列車に乗る場合は、守谷駅まで有効な乗車券が必要であり、PASMOSuicaなどのICカードは利用できない。また、大半の列車が通常運行されている秋葉原駅~守谷駅間の普通列車の基地への(または基地からの)回送を乗客に開放しているものである。基地内には旅客用のホームがないため、ドアカットで一部のドアのみ扱う。

例年同日に、近隣に通っている関東鉄道常総線水海道車両基地一般公開も行われている。そのため、つくばエクスプレス総合基地と関東鉄道水海道車両基地を往復するバスが運転される。ただし、2015年(平成27年)は同年に発生した関東・東北豪雨による鬼怒川堤防決壊の影響でこの一般公開が中止されたため、代替措置としてつくばエクスプレスまつりに関東鉄道のPRブースを設けることで対応することになった。

事故 [編集]

2019年2月28日16時10分ごろ、総合基地内の留置線で列車の過走防護機能[注釈 1]の動作確認試験(ORP試験)を行っていたところ、停止位置で止まらずに線路終端の車止めに衝突し、先頭車両が脱線する事故が発生した[6][7][8]。この事故によりつくばエクスプレス全線で16時10分から16時16分まで運転を見合わせた[9]

首都圏新都市鉄道の発表では、ブレーキ力が十分でない(調整中であった[10])車両を試験に用い、通常よりも線路終端に近い位置で加速操作を行ったことが原因としている[6][7]。一方で車両のブレーキについては、つくばエクスプレス開業時からORP試験前におけるブレーキの検査方法に問題があり[注釈 2]、同様の事故がいつ起こってもおかしくなかったという指摘もある[11]

この事故を受けて首都圏新都市鉄道は、ORP試験にはブレーキ力を定量的に確認した車両を用いること、車両を停止パターン速度まで加速させる際の運転操作・試験を打ち切る判断基準についてと過走距離を長くとれる留置線で過走防護試験を行う旨を試験のマニュアルに明記すること、試験要員を増強し、係員への教育訓練を充実させることを再発防止策として講じるとしている[6][7]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 終端駅など過走距離が取れない箇所において、所定の制限速度を超えた場合に、自動的に非常ブレーキを動作させる安全装置のこと。自動列車制御装置#つくばエクスプレスも参照のこと。
  2. ^ 首都圏新都市鉄道によると、実際に運行している車両については、ブレーキ力を確認して試運転を行なっているため問題はないとしている[11]

出典[編集]

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  1. ^ a b 「入出庫線の複線化」および「守谷駅追越設備の新設」工事を開始しました - 首都圏新都市鉄道株式会社 (PDF)
  2. ^ “つくばエクスプレス、駅と車両基地結ぶ線路の複線化でリスク軽減 3月19日から”. Response. (株式会社イード). (2017年3月10日). http://response.jp/article/2017/03/10/291913.html 2017年4月9日閲覧。 
  3. ^ TX、開業12年 車両老朽化 対策急ぐ 40億円かけ修繕施設日本経済新聞』朝刊2017年10月20日(首都圏経済面)
  4. ^ 車体更新場初公開&ステージイベント初開催「つくばエクスプレスまつり2017」を開催します!!〜11月3日(金・祝)はTX総合基地へ行こう〜首都圏新都市鉄道プレスリリース(2017年10月6日)
  5. ^ つくばエクスプレス車両基地のシャッター、ギネス世界記録に レスポンス 2017年9月29日
  6. ^ a b c 基地内試験中に発生した車両脱線事故に関する調査結果と対応について (PDF)”. 首都圏新都市鉄道 (2019年7月16日). 2019年10月12日閲覧。
  7. ^ a b c つくばエクスプレスの脱線、試験車両のブレーキ力が十分でなく発生”. RailLab ニュース (2019年7月17日). 2019年10月12日閲覧。
  8. ^ “つくばエクスプレス、基地内で脱線 車止めにぶつかる”. 朝日新聞デジタル. (2019年2月28日). https://www.asahi.com/articles/ASM2X6DRKM2XUTIL05D.html 2019年10月12日閲覧。 
  9. ^ 総合基地内での車両脱線事故について (PDF)” (2019年2月28日). 2019年10月12日閲覧。
  10. ^ 安全報告書 2019 (PDF)”. 首都圏新都市鉄道. p. 21 (2019年7月17日). 2019年10月12日閲覧。
  11. ^ a b 田中圭太郎 (2019年7月31日). “つくばエクスプレス「基地内脱線事故」本当の原因は何だったのか”. 現代ビジネス. 2019年10月12日閲覧。

関連項目[編集]

座標: 北緯35度57分50.5秒 東経139度59分31.7秒 / 北緯35.964028度 東経139.992139度 / 35.964028; 139.992139