みちのく大賞典

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一條記念みちのく大賞典
開催国 日本の旗 日本
主催者 岩手県競馬組合
競馬場 水沢競馬場
創設 1973年7月22日
2019年の情報
距離 ダート2000m
格付け M1
賞金 1着賞金500万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上オープン、岩手所属
負担重量 3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減
出典 [1]
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みちのく大賞典(みちのくだいしょうてん)は、岩手県競馬組合が施行する地方競馬重賞競走である。正式名称は「一條記念みちのく大賞典(いちじょうきねんみちのくだいしょうてん)」で、東北の馬産発展に貢献し旧盛岡競馬場を設計した一條友吉を記念したものである。

一條記念賞、社台スタリオンステーション賞、奥州市長賞、開催執務委員長賞[2]

概要[編集]

岩手の古馬ナンバーワン決定戦として1973年に創設された。創設以来、開催時期については多少ばらつきがある(「歴代優勝馬」の項を参照)ものの、盛岡競馬場の移転に伴い水沢競馬場で代替開催された1996年の第24回を除き、全て盛岡で施行されている。長らく岩手所属馬のみを対象に施行されてきたが、2001年に東日本地区所属馬に開放され、翌年にはさらに九州地区が加わり、2005年からはJRA所属馬を除く全国の地方所属馬に開放された。また、2004年には同じく盛岡で行われる統一重賞マーキュリーカップへのトライアル競走に指定され、上位2着までに同競走への優先出走権が与えられるようになり、2006年からは1着馬のみ同競走への優先出走権が与えられる。このように、全国的な位置付けとしては岩手のローカル重賞となっているが、歴代の優勝馬には岩手競馬を代表する名馬が名を連ね、現在でも岩手競馬が主催する競走の内で最も権威あるもののひとつである。また、本競走の勝ち馬は岩手競馬所有の馬運車にその名前が転用されることが慣習となっている。

当初はファン投票レースとして創設され、現在は桐花賞に継承されている。また、岩手競馬では1972年以前の重賞レースは農林大臣賞典や岩手県知事賞典等と呼ばれていた。この頃から競走番組の商品化・ソフト化を推進し始めたが、主導した中心人物が「岩手競馬中興の祖」と称される藤原正紀である。

創設当時は重賞レースと特別レースの位置付けが曖昧であり、文献によってみちのく大賞典が岩手競馬初の重賞レースという説と、レース名称がついた最初の重賞レースという2つの説が存在する。1971年と1972年で一部不明な記録があったりするため、正確にはわからないようである。

当時まだビデオテープが高額で、録画してもすぐに消去されて別の番組に使い回されることが普通だったことから、同レース最古の映像は1978年の第6回という説がある(それより以前の映像が放映されていないに等しいため)。但し、ビデオテープの映像が劣悪で放映できない状態だったり、ニュースフィルム等で現存している可能性はある。

2001年からは、岩手のみならず日本の馬産界に多大な功績を残した岩手出身の一條牧夫、友吉親子の名前を後世に残すため、レース名称を一條記念みちのく大賞典と変更された。しかし、一般的にはみちのく大賞典と呼ばれ親しまれている。

2016年に、岩手競馬で重賞格付け制度がスタートし、M1に格付けされた。

2018年は東北農政局賞がつきレース名が「東北農政局長賞典 一條記念みちのく大賞典」となったが、2019年は東北農政局長賞がつかず「一條記念みちのく大賞典」となった。

本競走では2008年からスタリオンシリーズ競走に指定されており、2008年は「クロフネ賞」、2009年は「ダンスインザダーク賞」、2010年は「フジキセキ賞」、2011年は「ネオユニヴァース賞」、2012年は「ドリームジャーニー賞」、2013年は「ルーラーシップ賞」、2014年は「ハービンジャー賞」、2015年・2016年は「ルーラーシップ賞」、2017年・2018年は「ハービンジャー賞」として、優勝馬の馬主に副賞として種牡馬の配合権利が贈られている。

条件・賞金等(2019年)[編集]

出走条件
サラブレッド系3歳以上、岩手所属。
トライアル競走の「あすなろ賞」で上位3着までに入った馬に本競走への優先出走権が与えられている。
負担重量
定量、3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減。
賞金等
1着500万円、2着130万円、3着70万円、4着50万円、5着25万円で、着外手当は2万5000円[2]
副賞
スタリオンシリーズに指定されており、オルフェーヴルの配合権利が優勝馬馬主への副賞となっている。
優先出走権付与
優勝馬にマーキュリーカップの優先出走権が付与される。

歴史[編集]

  • 1973年 - 旧・盛岡競馬場のダート2000mのサラブレッド系4歳(現3歳)以上の岩手所属馬限定の重賞競走「みちのく大賞典」として創設。1着賞金150万円。
  • 1980年 - スリーパレードが史上初の連覇。1着賞金700万円。
  • 1984年 - 1着賞金1000万円。
  • 1991年
  • 1992年 - グレートホープが史上3頭目の連覇。
  • 1995年 - モリユウプリンスが史上4頭目の連覇。
  • 1996年 - 盛岡競馬場の移転新設に伴い、水沢競馬場のダート2000mに変更。
  • 1997年 - 新設の盛岡競馬場のダート2000mで初開催。
  • 2000年 - メイセイオペラが史上初の3連覇。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更及び当年のみ東日本地区交流競走と施行。それらに伴い、出走条件を「サラブレッド系4歳以上の岩手所属馬」から「サラブレッド系3歳以上の北海道・岩手・北関東・南関東所属馬」に変更。
    • 名称を現在の「一條記念 みちのく大賞典」に変更。
  • 2002年 - この年から東日本・九州地区交流競走として施行、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の北海道・岩手・北関東・南関東・九州所属馬」に変更。
  • 2003年 - 船橋マキバスナイパーが他地区所属馬として初制覇。
  • 2004年 - マーキュリーカップへのトライアル競走に指定、上位2着までにマーキュリーカップへの優先出走権が付与される。
  • 2005年
    • この年から地方競馬全国交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の地方所属馬」に変更。
    • トニージェントが史上5頭目の連覇。
  • 2006年 - マーキュリーカップへの優先出走権取得条件を1着の入賞馬のみに変更。
  • 2008年 - スタリオンシリーズ競走に指定。
  • 2009年
    • 施行場を水沢競馬場のダート2000mに変更。
    • 1着賞金が500万円に減額。
  • 2010年
    • 笠松のマルヨフェニックスが水沢競馬場のダート2000mのコースレコード2:05.3[3]で優勝。
    • 創設以来、初めて他地区所属馬が掲示板を独占した[4]
  • 2011年 - 東日本大震災の影響により盛岡競馬場のダート2000mで施行。
  • 2012年 - 水沢競馬場での施行に戻る
  • 2016年 - 施行場を盛岡競馬場に変更。
  • 2017年 - 施行場を水沢競馬場に変更。

歴代優勝馬[編集]

すべてダートコースでの施行。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1973年7月22日 盛岡 2000m ヤマトハナ 8 水沢 2:05.9 千葉次男 千葉忠一
第2回 1974年6月30日 盛岡 2000m スリービート 牡7 水沢 2:07.8 佐々木恒 佐々木豊
第3回 1975年11月2日 盛岡 2000m カネヒエイ 牡4 盛岡 2:07.1 平澤芳三 小西善一郎
第4回 1976年6月27日 盛岡 2000m メジロスイセイ 牡8 水沢 2:06.8 千葉次男 千葉忠一
第5回 1977年6月12日 盛岡 2000m シンコダイオー 牡6 水沢 2:07.6 村上実 千葉博次
第6回 1978年6月25日 盛岡 2000m ジムパーナ 牡8 水沢 2:08.3 村上昌幸 村上初男
第7回 1979年6月24日 盛岡 2000m スリーパレード 牡7 水沢 2:09.1 村上昌幸 村上初男
第8回 1980年6月22日 盛岡 2000m スリーパレード 牡8 水沢 2:09.0 伊藤和 村上初男
第9回 1981年6月21日 盛岡 2000m イチコンコルドオウ 牡7 水沢 2:07.4 伊藤和 佐々木豊
第10回 1982年6月20日 盛岡 2000m ダイドウスター 牡6 水沢 2:09.1 小竹清一 佐々木豊
第11回 1983年6月19日 盛岡 2000m テルノエイト 牡7 水沢 2:07.0 佐藤浩一 志村文雄
第12回 1984年6月17日 盛岡 2000m ハシクランツ 牡9 盛岡 2:10.3 村上昌幸 大和正四郎
第13回 1985年6月23日 盛岡 2000m サクラハイデン 牡7 水沢 2:09.5 佐藤浩一 志村文雄
第14回 1986年6月22日 盛岡 2000m ボールドマックス 牡6 水沢 2:09.1 小竹清一 千葉忠一
第15回 1987年6月21日 盛岡 2000m マグマカザン 牡6 水沢 2:06.3 村上昌幸 村上初男
第16回 1988年6月19日 盛岡 2000m トウケイフリート 牡5 水沢 2:07.2 菅原勲 村上実
第17回 1989年6月18日 盛岡 2000m エンゼルトーン 牡5 水沢 2:07.2 織笠光幸 酒井清
第18回 1990年6月17日 盛岡 2000m スイフトセイダイ 牡4 盛岡 2:08.9 小竹清一 城地藤男
第19回 1991年5月12日 盛岡 2000m スイフトセイダイ 牡5 盛岡 2:10.6
(同着)
小竹清一 城地藤男
グレートホープ 牡5 盛岡 菅原勲 小西重征
第20回 1992年6月21日 盛岡 2000m グレートホープ 牡6 盛岡 2:09.1 菅原勲 小西重征
第21回 1993年8月1日 盛岡 2000m トウケイニセイ 牡6 盛岡 2:03.9 菅原勲 小西重征
第22回 1994年7月31日 盛岡 2000m モリユウプリンス 牡5 水沢 2:06.2 小林俊彦 千葉四美
第23回 1995年7月30日 盛岡 2000m モリユウプリンス 牡6 水沢 2:07.7 小林俊彦 千葉四美
第24回 1996年6月9日 水沢 2000m ヘイセイシルバー 牡8 水沢 2:12.6 三野宮通 村上実
第25回 1997年8月31日 盛岡 2000m シャマードシンボリ 牡9 盛岡 2:08.5 佐藤雅彦 櫻田浩三
第26回 1998年8月30日 盛岡 2000m メイセイオペラ 牡4 水沢 2:03.5 菅原勲 佐々木修一
第27回 1999年8月29日 盛岡 2000m メイセイオペラ 牡5 水沢 2:05.1 菅原勲 佐々木修一
第28回 2000年8月27日 盛岡 2000m メイセイオペラ 牡6 水沢 2:06.7 菅原勲 佐々木修一
第29回 2001年8月19日 盛岡 2000m グローバルゴッド 牡7 盛岡 2:10.0 小林俊彦 櫻田浩三
第30回 2002年8月18日 盛岡 2000m シネマパラダイス 牡8 盛岡 2:07.2 西康志 晴山厚司
第31回 2003年8月17日 盛岡 2000m マキバスナイパー 牡8 船橋 2:07.5 左海誠二 岡林光浩
第32回 2004年6月13日 盛岡 2000m トニージェント 牡7 水沢 2:06.8 村上忍 村上実
第33回 2005年6月5日 盛岡 2000m トニージェント 牡8 水沢 2:05.9 村上忍 村上実
第34回 2006年6月4日 盛岡 2000m コアレスハンター 牡9 大井 2:08.2 御神本訓史 高橋三郎
第35回 2007年6月17日 盛岡 2000m テンショウボス 牡4 水沢 2:07.6 小林俊彦 佐々木修一
第36回 2008年6月22日 盛岡 2000m ブラーボウッズ 牡10 水沢 2:09.2 菅原勲 村上昌幸
第37回 2009年6月21日 水沢 2000m キングスゾーン 牡7 愛知 2:08.4 安部幸夫 原口次夫
第38回 2010年6月20日 水沢 2000m マルヨフェニックス 牡6 笠松 2:05.3 尾島徹 柴田高志
第39回 2011年6月19日 盛岡 2000m コアレスレーサー 牡7 盛岡 2:06.3 関本淳 熊谷昇
第40回 2012年6月24日 水沢 2000m トーホクキング 牡5 盛岡 2:10.2 菊地康朗 櫻田浩三
第41回 2013年6月23日 水沢 2000m コスモフィナンシェ 牡4 水沢 2:11.1 岡部誠 板垣吉則
第42回 2014年6月22日 水沢 2000m ナムラタイタン 牡8 水沢 2:08.9 坂口裕一 村上昌幸
第43回 2015年6月21日 水沢 2000m コミュニティ 牡5 盛岡 2:09.9 山本政聡 櫻田浩三
第44回 2016年6月19日 盛岡 2000m ミラクルフラワー 牝4 水沢 2:05.4 村上忍 村上実
第45回 2017年6月18日 水沢 2000m エンパイアペガサス 牡4 水沢 2:14.1 村上忍 佐藤祐司
第46回 2018年6月17日 水沢 2000m エンパイアペガサス 牡5 水沢 2:11.3 菅原俊吏 佐藤祐司
第47回 2019年6月16日 水沢 2000m ハドソンホーネット 牡5 盛岡 2:04.7 山本政聡 齋藤雄一

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 注目レースピックアップ”. 岩手競馬オフィシャルページ. 2019年6月14日閲覧。
  2. ^ a b 令和元年度 第4回水沢競馬改定番組”. 岩手競馬オフィシャルページ. 2019年6月14日閲覧。
  3. ^ 2着の愛知のキングスゾーンも同タイムで入線している。2着との着差はアタマ差。
  4. ^ 1着マルヨフェニックス(笠松)、2着キングスゾーン(愛知)、3着スズノマグマ(笠松)、4着セトノギムレット(船橋)、5着ライジングウェーブ(船橋)。

各回競走結果の出典[編集]

関連項目[編集]