アキュラ・TLX

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アキュラ・TLX
登場型
Yvacu 2b (28512530961).jpg
改良型(TLX-L)
GAC Acura TLX-L form Guangzhou Auto Show in 2017.jpg
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 2014年 -
TLX-L:2017年12月-
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン J35Y型:3.5L 直噴 V6 SOHC i-VTEC VCM
K24W型2.4L 直噴 直4 i-VTEC
駆動方式 FF / 4WD
変速機 8速DCT / 9速AT
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン式
後:マルチリンク
全長 4,833mm
TLX-L:4,981mm
全幅 1,854mm
全高 1,447mm
ホイールベース 2,776mm
TLX-L:2,900mm
車両重量 1,579-1,700 kg
先代 アキュラ・TLアキュラ・TSX
-自動車のスペック表-

TLX(ティーエルエックス)は、本田技研工業が生産し、アキュラブランドで販売するセダン型の乗用車である。TLおよびTSXの統合後継車種。

概要[編集]

2014年北米国際オートショーにてTLXプロトタイプが発表され[1]、量産モデルは2014年4月に開催された ニューヨークオートショーで発表された[2]。 2014年8月よりアメリカでの販売を開始した。生産はオハイオ州メアリーズビルで行われている。

開発テーマは「レッドカーペットアスリート」で、スポーツセダンとしての性能とラグジュアリーセダンとしての洗練さを融合したユニークなデザインを目指している。ボディサイズはTSXとTLの中間で、ホイールベースはTLと同じものの、前後のオーバーハングを短縮し全長はTLよりも9.3cm短くなり、よりスポーティとなっている。全高は0.2in、全幅は1in減り前面面積が小さくなることで、CdA値はTLよりも15%向上している。室内容量は先代TLの98.2cu ftから93.3cu ftになったものの、タンデムディスタンスは先代同等を維持している。

デザインではダイナミックに造形されたフェンダーアーチやキャラクターライン、フードデザインによりスポーティさを演出。アキュラのアイコンであるジュエルアイLEDヘッドライトを標準装備する。インテリアではセンターコンソールには8インチの上部のインフォメーションスクリーンと下部の7インチのOn Demand Multi-Use Display(ODMD)を持つ。

グレードは大きく以下の3つに分けられ、さらにオプションでテクノロジーパッケージを用意、V6モデルではさらにアドバンスパッケージが選択できる。

  • 2.4L直4エンジン+8速DCT+P-AWS
  • 3.5LV6エンジン+9速AT+P-AWS
  • 3.5LV6エンジン+9速AT+SH-AWD

メカニズム[編集]

ボディはねじり剛性はTLより21%向上。ボディの52%を高張力鋼板とし、ドア開口部のワンピーススティフナーリング(2014MDXも同様)やボディの5%にはアルセロール・ミッタルのAl-Siめっきのホットスタンプボロン鋼USIBORを採用する[3]。 前後バンパービームやサブフレーム、フードにはアルミニウム合金を使用、さらにマグネシウムハンガービームを採用する。 フロントサブフレームは2013年アコードに続いて摩擦撹拌接合(FSW)を応用したアルミ合金とスチールのハイブリッドフレームを採用する。前後サブフレームとも先代より室内に伝わる振動ノイズの大幅低減を図った。 リアホイールアーチ部ではアウターパネルとインナーパネルの接合にロールヘミング加工を採用[3]、スポット溶接部をなくしスムーズな外観になり、タイヤとフェンダー隙間も減ることで空力も向上した。

タイヤは225mm幅と先代の245mmからナロー化し、走行抵抗を低減した。ダンパーにはサスペンションには最近のホンダアキュラ車でよく使用される振幅感応型ダンパーを採用する。パーキングブレーキは全モデル電子式となる。

FFモデルにはRLXに次いで後輪のトー角を左右独立制御するP-AWS(Precision All-Wheel Steer)を搭載する。 P-AWS、SH-AWDモデルともにVSAを利用しコーナリング中のパフォーマンスを向上させるアクティブブレーキ機能であるAHA(Agile Handling Assist)を搭載する。 ボッシュの6ピストンブレーキモジュレーターを採用し、VSAのアクティブブレーキ制御をより高速化している[4] ドライビングモードを切り替えるIDS(Integrated Dynamics System)を標準搭載、MIDのメニューよりECON、Normal、Sport、Sport+の4つを選択できる。

2.4L 直4 8速DCT[編集]

2.4L i-VTEC 直噴エンジンは、206hp(153kW)/6800rpm 182lb.-ft.(246N⋅m)/4500rpmを発生、2013年北米アコードに搭載されたエンジンと比べガソリンがハイオク仕様となることもあり、圧縮比が11.1から11.6となり出力が向上している。 トランスミッションは新開発の8速DCTで世界初[5]トルクコンバーターを組み合わせる。 トルコンを採用することでデュアルクラッチの発進時のギクシャク感が減り、さらにDCT単独と比較し60フィート加速で1.4秒速くなった[6]。5速AT比較で1速をローレシオ、8速をハイレシオ化し、スポーティな走りと低燃費を実現、15%の動力性能向上と、8%の燃費向上を果たしている。デュアルクラッチは湿式油圧式のシングル構造で、同軸上に並べず奇数クラッチと偶数クラッチを別軸に配置、クラッチと繋がるインナーシャフトと、ギア段選択のシフト機構を配したアウターシャフトによる2重管構造をとることで全長、重量ともに従来の5速AT並に抑えている。クラッチは小径化することで、慣性を低減し素早い変速を可能にしている[7]。 クラッチにはツイントーションダンパーを採用し、低慣性によるロックアップクラッチ締結時の回転変動、歯打ち音を低減している。シフト機構はMT構造をベースにリニアソレノイドを用いた油圧サーボピストンにて行う。

3.5L V6 9速AT[編集]

3.5L直噴エンジンはMDX同様290hp(216kW)/6200rpm、267lb.-ft.(362N⋅m)/4500rpmを発生。 SH-AWDモデルでは新たにアイドリングストップに対応した。組み合わされる9速ATはZF社の9HP遊星歯車式ATを採用する。ギアセレクターは電子スイッチ式となる。

SH-AWD[編集]

SH-AWDは新型となり、従来の電磁クラッチ式から油圧式とすることでシステム重量を25%軽量化した。 1つの電動モーターがペアの油圧ポンプを駆動、ECUがリニアソレノイドバルブをコントロールし、左右のクラッチパックを制御する システムとなっている。動力性能でもリアのオーバードライブは従来の常時1.7%から2.7%に増加、よりトルクベクタリングの効果を高めた。 通常クルージング時は従来は70:30の前後動力配分を90:10としている。

オプション[編集]

オプションパッケージとしてテクノロジーパッケージとV6モデルのみにアドバンスパッケージが用意される。

テクノロジーパッケージは3Dビュー搭載アキュラナビゲーションや10スピーカーAcura/ELS Stuioプレミアムオーディオシステム、次世代アキュラリンクなどを装備。安全装備ではFCW(フォワード・コリジョン・ウォーニング)、LKAS(レーンキープアシストシステム)、LDW(レーン・デパーチャー・ウォーニング)、BSI(ブラインドスポットインフォメーション)、リアクロストラフィックモニター(Rear Cross Traffic Monitor)などが付く。リアクロストラフィックモニターはアキュラ初搭載でリア左右に搭載されるBSIセンサーを利用し、バック走行時に左右から接近する車両を通知する機能。5km以下で有効に働く。

アドバンスパッケージはRDM(Road Departure Mitigation System、路外逸脱抑制機能)をアキュラ初搭載。フロントガラス上部の単眼カメラを使用して、車線やキャッツアイなどのオブジェクトを探索、車線を逸脱していると判断した場合警告音とMIDへの情報表示を行い、場合によってはLKASを使用したハンドルアシストやVSAによるブレーキ操作を行い、車線逸脱の抑制を行う。リモートエンジンスタート機能もアキュラ初搭載。さらに低速速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、CMBS(追突被害軽減ブレーキ)+Eプリテンショナー、フロントリアパーキングセンサーや、LEDフォグライト、LEDパドルライトなどが用意される。

脚注[編集]

  1. ^ 2014年北米国際自動車ショーでAcura新型「TLXプロトタイプ」を世界初披露
  2. ^ 新型Acura「TLX」を2014年ニューヨークオートショーで発表
  3. ^ a b アーカイブされたコピー”. 2014年10月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月24日閲覧。 2015 Acura TLX: Body
  4. ^ 2015 Acura TLX: Chassis Archived 2014年10月24日, at the Wayback Machine. 8/4/2014
  5. ^ 新型Acura「TLX」を2014年ニューヨークオートショーで発表[リンク切れ] 2014年4月17日
  6. ^ アーカイブされたコピー”. 2014年10月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年10月24日閲覧。 2015 Acura TLX: Powertrain- 8/4/2014
  7. ^ Honda R&D Technical Review Vol.26 No.2

関連項目[編集]