アジア系アメリカ人

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アジア系アメリカ人
Asian American
アメリカ合衆国の旗
タイ系アメリカ人日系アメリカ人ベトナム系アメリカ人フィリピン系アメリカ人
日系アメリカ人インド系アメリカ人台湾系アメリカ人Elaine Chao
韓国系アメリカ人日系アメリカ人台湾系アメリカ人中国系アメリカ人
総人口
2240万8464人
合衆国総人口の約6.9%(2017年)[1]
言語
主にアメリカ英語
宗教
キリスト教仏教 ヒンドゥー教 イスラム教 その他の東アジアの宗教、 その他のインドの宗教、 その他の宗教

アジア系アメリカ人(アジアけいアメリカじん、英語: Asian American)は、アメリカ合衆国の市民のうち、アジアに起源を持つ人々のこと。

概要[編集]

アメリカ国籍を有するアジア系の人間を指す。最も多いのは2011年時点で中国系となっており、アジア系の23.2%を占める。以下、フィリピン系インド系ベトナム系韓国系日系と続く[2]

太平洋諸島に起源を持つ人々と合わせて、アジア・太平洋諸島系アメリカ人(Asian/Pacific American (APA) またはAsian/Pacific Islander (API) または Asian Americans and Pacific Islanders (AAPI))という呼び方もある。

歴史[編集]

アジア系アメリカ人は民族のグループごとの異なった歴史がある。

最も古いアジア系の移民はフィリピン系でありアメリカ独立以前の16世紀に当時の宗主国であるスペインの船でやってきた[3]

19世紀には中国人移民が急増し、アメリカ政府は1882年中国人排斥法を成立させた。その後、日本からの移民が増えることで、1913年カリフォルニア州で日系移民の土地利用を制限する排日土地法(外国人土地法)が成立した。さらにその後、1924年に日本人移民を制限する排日移民法が成立し、日米関係は悪化した。

1939年第二次世界大戦が勃発すると、中国は同盟国であったために中国人排斥法が撤廃される一方で、1942年日系人の強制収容が始まった。1945年に第二次世界大戦が終結しても収容は解かれず、1946年に強制収容が解かれた。1952年移民国籍法が成立した。

1960年代黒人らの公民権運動ブラック・パワー運動に刺激されて、アジア系アメリカ人の市民権拡大運動(イエローパワー運動)が起こった[4]。しかし、ベトナム戦争の終了とともに多くの運動は解散した。

1982年、日米貿易摩擦の渦中でビンセント・チンが殺害される事件が起こり、これがアジア系アメリカ人の権利向上のきっかけとなった[5]

政治[編集]

2014年3月カリフォルニア州上院議員であるリーランド・イーチャイナタウンマフィアらと共謀し、銃器密売や恐喝、贈賄を行なったとして連邦捜査局に逮捕された。

経済[編集]

アジア系アメリカ人は出自別では全米で最も経済的に成功している。2012年3月に発表された米国雇用機会均等委員会の調査によると、世帯毎の平均年収はアジア系が53,401ドル、白人が50,349ドル、ヒスパニックが49,873ドル、黒人が44,333ドルとなっており、アジア系が首位を確保している。[7]

社会的地位[編集]

アフリカ系アメリカ人より高くヨーロッパ系アメリカ人よりは低い二級の立ち位置と言われている。アフリカ系アメリカ人が最下層となる白人至上主義的な社会の恩恵を受けていたため同じマイノリティであっても連帯は乏しくロス暴動などで標的となったこともある[8]

著名なアジア系アメリカ人[編集]

政治家[編集]

法律家[編集]

  • トーマス・タン (en:Thomas Tang) 中国系。裁判官。アメリカ合衆国連邦裁判所判事。  
  • タニ・キャンティル=サカウエ (en:Tani Cantil-Sakauye) フィリピン系。裁判官。カリフォルニア州最高裁判所長官。
  • デニー・チン (en:Denny Chin) 中国系。裁判官。アメリカ合衆国第2巡回控訴裁判所判事。     
  • ジョイス・L・ケナード(en:Joyce L. Kennard) インドネシア系および中国系。裁判官。カリフォルニア州最高裁判所判事。
  • ミン・チン (en:Ming Chin) 中国系。裁判官。カリフォルニア州最高裁判所判事。
  • ドリー・M・ジー (en:Dolly M. Gee) 中国系。裁判官。カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所判事。      
  • ジョージ・H・キング (en:George H. King) 中国系。裁判官。カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所判事。     
  • エドモンド・E・チャン (en:Edmond E. Chang) 台湾系。裁判官。イリノイ州北部地区連邦地方裁判所判事。      
  • エドワード・E・チェン(en:Edward M. Chen) 中国系。裁判官。カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所判事 。
  • ハーバート・チョイ(en:Herbert Choy) 韓国系。裁判官。アメリカ合衆国連邦裁判所判事。         
  • ウェンディ・ドゥオン(en:Wendy Duong) ベトナム系。裁判官。ヒューストン郡裁判所判事。          
  • ドリス・リン=コハン(en:Doris Ling-Cohan) 中国系。裁判官。ニューヨーク州高位裁判所判事。
  • ロナルド・ムーン(en:Ronald Moon) 韓国系。裁判官。ハワイ州最高裁判所長官。  
  • ルーシー・H・コ(en:Lucy H. Koh) 韓国系。裁判官。カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所判事。      
  • ロナルド・S・W・ルー(en:Ronald S.W. Lew) 中国系。裁判官。カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所判事。         
  • リリアン・リム(en:Lillian Lim) フィリピン系。裁判官。カリフォルニア州上位裁判所判事。
  • ジャクリーン・グエン(en:Jacqueline Nguyen) ベトナム系。裁判官。カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所判事。

軍人[編集]

警察[編集]

  • ヘザー・フォン(en:Heather Fong) 中国系。警察。サンフランシスコ市警察本部長。

宇宙飛行士[編集]

医学[編集]

学者[編集]

実業家[編集]

建築家[編集]

芸術家[編集]

映画[編集]

俳優[編集]

放送・報道[編集]

モデル[編集]

ミュージシャン[編集]

スポーツ選手[編集]

その他[編集]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ US Census Bureau, Japanese alone or in combination in 2007, http://factfinder.census.gov/servlet/IPTable?_bm=y&-geo_id=01000US&-qr_name=ACS_2007_1YR_G00_S0201&-qr_name=ACS_2007_1YR_G00_S0201PR&-qr_name=ACS_2007_1YR_G00_S0201T&-qr_name=ACS_2007_1YR_G00_S0201TPR&-ds_name=ACS_2007_1YR_G00_&-reg=ACS_2007_1YR_G00_S0201:031;ACS_2007_1YR_G00_S0201PR:031;ACS_2007_1YR_G00_S0201T:031;ACS_2007_1YR_G00_S0201TPR:031&-_lang=en&-redoLog=false&-format= 2008年10月26日閲覧。 
  2. ^ “「アジア系」は米の模範的移民? 軋轢生じる恐れも”. 産経新聞. (2012年7月3日). オリジナルの2013年5月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130514082254/http://sankei.jp.msn.com/world/news/120703/amr12070310190001-n1.htm 2013年3月28日閲覧。 
  3. ^ Martha W. McCartney (2003年). “A Study of the Africans and African Americans on Jamestown Island and at Green Spring, 1619–1803”. Historic Jamestowne. National Park Service. 2013年5月11日閲覧。Francis C. Assisi (2007年5月16日). “Indian Slaves in Colonial America”. India Currents. オリジナルの2012年11月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121127200048/http://www.indiacurrents.com/articles/2007/05/16/indian-slaves-in-colonial-america 2013年5月11日閲覧。 
  4. ^ Nittle. “History of the Asian American Civil Rights Movement”. 2021年3月21日閲覧。
  5. ^ https://asiasociety.org/blog/asia/35-years-after-vincent-chins-murder-how-has-america-changed
  6. ^ バイデン氏、中国系標的のヘイトクライムを非難 「米国らしくない」”. AFP (2021年3月12日). 2021年3月14日閲覧。
  7. ^ “Federal Worker Pay By Race: Asians, Whites Make The Most” (英語). DCentric. http://dcentric.wamu.org/jp/federal-worker-pay-by-race-asians-whites-make-the-most/ 
  8. ^ チャイナタウンのレストランはなぜ略奪されたのか? 背景にある、黒人とアジア系アメリカ人の複雑な関係性”. ビジネスインサイド. 2020年7月24日閲覧。