アニマルズ
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アニマルズ The Animals | |
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![]() 左から、エリック・バードン、アラン・プライス、チャス・チャンドラー、ヒルトン・ヴァレンタイン、ジョン・スティール(1964年) | |
基本情報 | |
出身地 |
![]() ニューカッスル・アポン・タイン |
ジャンル | ブルースロック、ブリティッシュ・ブルース、サイケデリック・ロック、ロックンロール、R&B、ソウル |
活動期間 |
1963年 - 1969年 1975年 - 1976年 1983年 - 1984年 |
レーベル |
コロムビア・レコード デッカ・レコード MGMレコード Jet Records IRS Records アトコ・レコード アトランティック・レコード |
公式サイト |
animalsandfriends |
メンバー |
Eric Burdon & The Animals エリック・バードン ヒルトン・ヴァレンタイン アラン・プライス チャス・チャンドラー ジョン・スティール |
旧メンバー |
The Animals エリック・バードン ヒルトン・ヴァレンタイン アラン・プライス チャス・チャンドラー ジョン・スティール |
アニマルズ(The Animals)は、イギリスのロックバンドである。ジャンルはブルースロック、R&B、ブルース、ロックである。60年代後半にアメリカに渡ってからは、サイケデリック・ロックの作品も残した。1960年代半ば、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクスなどと共に人気を博した。アメリカでは、いわゆるブリティッシュ・インベイジョン[1]の代表格の一組とされている。アメリカのブルースに根ざした作風が特徴的で、ロックシーンにも多大な影響をもたらしたバンドである。
ボーカルのエリック・バードンが「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第57位にランクインしている[2]。
キャリア[編集]
1963年、イギリスのニューカッスル・アポン・タインでエリック・バードン(ボーカル)、アラン・プライス(オルガン、ピアノ)、ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター)、チャス・チャンドラー(ベース)、ジョン・スティール(ドラム)の5人で結成。バンド名はグラハム・ボンド・オーガニゼーションのグラハム・ボンドが命名[3]。ライブがあまりにもワイルドだったため、観客から「Animal!」という声が多くかかったことから、メンバー自ら名乗るようになったという由来が語られたことがあるが、2013年のインタビューでエリック・バードンが否定している。
音楽性はブルース色が非常に強く、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」などをコピーしている。対照的に、シングル曲にはヒットを意識してブリル・ビルディング系の作曲家の作品が多く取り上げられる。
多数のヒット曲の中、「The House Of The Rising Sun(邦題は「朝日のあたる家」)」が最大のヒット曲として知られている。これはアメリカの伝統的なフォーク・ソングを、ブルース的な解釈でカバーしたものである。また、「We Gotta Get out of This Place (邦題は「朝日のない街」)」は、全英2位に輝き、ブルース・スプリングスティーンやボン・ジョヴィなど、多くのアーティストがカバー。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2011年版)では235位にランクされた[4]。特にブルース・スプリングスティーンはこの曲について、彼の1970年代の曲作りにおいて影響を受けた曲の1つとインタビューで語っている[5]。
同じ時期に活躍していたこともあり、ビートルズとも仲が良かった。チャス・チャンドラーは、ジミ・ヘンドリックスを見出したことでもよく知られている。
1966年に、本拠地をサンフランシスコへ移し「エリック・バードン&ジ・アニマルズ」として再始動し、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインなどとシスコ・サウンドと呼ばれるようになる。1968年の曲「スカイ・パイロット」は、サイケデリック・ロックの反戦歌と認識されている。この時期のメンバーとして、後のザ・ポリスのギタリスト、アンディ・サマーズが在籍していた。
1968年の来日ツアーは、本来9月の予定がビザ取得が困難だったため11月に延期されている。この際のトラブルとしてよく知られている事件は、日本でのプロモーターは彼らが全く面識のない反社会的勢力だったことである。彼らは、来日の延期で損失した金額として$25,000を要求され、借用書に$25,000の金額を記入させられた。相手は、翌日までにバンドメンバーと共に出国しなければバンドメンバー共々危害を加えると脅した。彼らはツアー用機材を全て残して、直ちに日本を去った。
1975年及び1983年に、オリジナル・メンバーで一時的に再結成した。1994年に、ロックの殿堂入りを果たしている。
ディスコグラフィ[編集]
アルバム[編集]
- 『ジ・アニマルズ』 - The Animals (1964年、US) / The Animals (1964年、UK)
- 『ジ・アニマルズ・オン・ツアー』 - The Animals on Tour (1965年、US)
- 『アニマル・トラックス』 - Animal Tracks (1965年、UK) / Animal Tracks (1965年、US)
- 『アニマリズムズ』 - Animalisms (1966年、UK) / Animalization (1966年、US)
- 『アニマリズム』 - Animalism (1966年、US)
- 『エリック・イズ・ヒア』 - Eric Is Here (1967年、US) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義
- 『サンフランシスコの夜』 - Winds of Change (1967年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『ウィンズ・オブ・チェンジ』
- 『野性の若者たち』 - The Twain Shall Meet (1968年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『トウェイン・シャル・ミート』
- 『エヴリー・ワン・オブ・アス』 - Every One of Us (1968年、US) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義
- 『愛』 - Love Is (1968年) ※エリック・バードン&ジ・アニマルズ名義。旧邦題『ラヴ・イズ』
- 『ビフォー・ウィー・ワー・ソー・ルードリー』 - Before We Were So Rudely Interrupted (1977年)
- 『アーク』 - Ark (1983年)
脚注[編集]
- ^ http://britishinvasionradio.com/the-bands/the-animals/
- ^ Rolling Stone. “100 Greatest Singers: Eric Burdon”. 2013年6月8日閲覧。
- ^ 『ブルース・ロック・アンソロジー』(2017年 シンコーミュージック・エンタテイメント ISBN 9784401644926 p26)
- ^ Rolling Stone. “500 Greatest Songs of All Time: The Animals, ‘We Gotta Get Out of This Place’”. 2019年12月7日閲覧。
- ^ DoubleTake. “Will Percy Interviews Bruce Springsteen”. 2019年12月7日閲覧。