アバウト・レイ 16歳の決断

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アバウト・レイ 16歳の決断
3 Generations
監督 ゲイビー・デラル英語版
脚本 ニコール・ベックウィズ英語版
ゲイビー・デラル
製作 ドロシー・バーウィン
ゲイビー・デラル
マーク・タートルトーブ英語版
ピーター・サラフ
出演者 エル・ファニング
スーザン・サランドン
ナオミ・ワッツ
テイト・ドノヴァン
リンダ・エモンド
サム・トラメル英語版
音楽 ウェスト・ディラン・ソードソン英語版
撮影 デヴィッド・ジョンソン
編集 ジェフ・ベタンコート
ジョセフ・ランダウアー
製作会社 ビッグ・ビーチ英語版
インフィルム・プロダクションズ
IMグローバル英語版
配給 アメリカ合衆国の旗 ワインスタイン・カンパニー
日本の旗 ファントム・フィルム
公開 カナダの旗 2015年9月12日 (トロント国際映画祭)
アメリカ合衆国の旗 2017年5月5日
日本の旗 2018年2月3日
上映時間 92分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 世界の旗 $443,962[2]
日本の旗 4000万円[3]
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アバウト・レイ 16歳の決断』(アバウトレイ じゅうろくさいのけつだん、3 Generations)は、2015年アメリカ合衆国のドラマ映画。監督はゲイビー・デラル英語版、主演はエル・ファニングが務める。

2015年9月に開催された第40回トロント国際映画祭英語版で『About Ray』のタイトルで初上映された[4]

ストーリー [編集]

映画は「ラモーナ」と名付けられた16歳の少年レイと、彼の母マギー、その母ドリー、その同性パートナー、フランシスが性別移行に関する説明を医師から受けているところで始まる。4人は同居しており、新しいジェンダーの概念を理解するのに苦労する。ドリーはレイがレズビアンになればいいというが、マギーは彼がトランスジェンダーの男性であることを理解している。

レイはホルモン療法を開始して転校したいが、そのためには両親の同意署名が要る。マギーはレイの後に戻れない選択を前に躊躇する。マギーは10年ぶりにレイの父親クレイグに会うが、クレイグは考える時間が欲しいと言う。マギーはクレイグのせいにすることで時間を稼ごうとする。レイは一人でクレイグを探し出し、彼に妻と3人の子供がいること、またマギーは過去にクレイグの弟マシューとも関係を持っていてマシューが本当の父親かもしれないこと、マギーのせいで父親がいなかったことを知る。レイは母親に裏切られた気持ちを覚え、女性の身体に囚われたまま人生を終えるのではないかとの恐怖に慄く。

フランシスはレイの性別移行を支援することにし、マシューとマギーは話し合いを持つ。マギーとクレイグは同意書にサインし、レイは安堵する。映画は彼らが日本料理店で夕食をしているところで幕を閉じる。

キャスト[編集]

製作[編集]

ベックウィズとデラルは2012年の秋に脚本の執筆に取りかかった。ベックウィズは2013年の春に初稿を完成させた[5]。2014年10月30日、エル・ファニングナオミ・ワッツスーザン・サランドンの出演が発表された[6]。同年11月18日、テイト・ドノヴァンの出演が決まった[7]。同月25日、サム・トラメル英語版が本作に出演すると報じられた[8]。撮影は2014年11〜12月、ニューヨーク州ニューヨーク市およびウエストチェスター郡で25日間にわたって行われた[5]。2015年8月、マイケル・ブルック英語版が本作の音楽を作曲すると発表された[9]

2016年4月、デラルはInstagramに映画の再編集が行われていることを示唆する写真を投稿した[10][11]。作曲はブルックからウェスト・ディラン・ソードソン英語版に変更された[12]

公開[編集]

2015年5月15日、ワインスタイン・カンパニーは当時『Three Generations』と呼ばれていた本作の配給権を600万ドルで獲得した[13]。2015年6月、同作は『About Ray』のタイトルで2015年9月18日に公開されると発表された[14]。本作は2015年9月12日、トロント国際映画祭で披露され、凡庸な評価を受けた[15]。その後すぐ、ワインスタインは数日後に迫った公開の中止を決めた[16]。2017年3月、映画は『3 Generations』として2017年5月5日に公開されることが発表された[17]

日本では当初2016年1月22日の公開が予定されていたが、2015年12月に中止が発表された[18]。2017年9月、2018年2月3日の日本公開(タイトルは当初のまま)が発表された[19]

反応[編集]

批評[編集]

批評集計サイトRotten Tomatoesは40件の批評に基づき、高評価の割合を33%、評価の平均値を5.2/10、批評家の総意を 「『アバウト・レイ 16歳の決断』は、せっかく期待できる設定を、人物造形をなげうって劇映画の定石に固執する薄っぺらく書かれたストーリーに浪費してしまっている」としている[20]Metacriticは21件の批評に基づき、47/100という「賛否両論または平均的な評価」の加重平均値を示している[21]

論争[編集]

シスジェンダー女性であるエル・ファニングがトランスジェンダーの男性を演じたことに対しては批判の声が上がった。2015年、デラルはRefinery29に「同役は女性です。彼女はとてもか弱い方法で自分を男性として表現しているんです」と発言し、トランス男性の役を女性代名詞で呼んだことから、トランスジェンダーのコミュニティから激しい批判を浴びた[22][23]。2017年、デラルは、発言は誤解されたとし、「あのRefinery29のインタビューでは、私はエル・ファニングという女優のことを話していたのであって、だから女性代名詞を使ったのです」と述べた[24]

参考文献[編集]

  1. ^ 어바웃 레이”. Korea Media Rating Board. 2017年9月22日閲覧。
  2. ^ 3 Generations” (英語). Box Office Mojo. 2017年10月14日閲覧。
  3. ^ 『キネマ旬報』2019年3月下旬特別号 p.66
  4. ^ Rex Reed (2017年5月5日). “‘3 Generations,’ a Sweet But Dated Transgender Family Drama” (英語). Observer. https://observer.com/2017/05/3-generations-elle-fanning-susan-sarandon-naomi-watts/ 2019年3月15日閲覧。 
  5. ^ a b About Ray: Production Notes”. ワインスタイン・カンパニー. 2017年9月22日閲覧。
  6. ^ AFM: Naomi Watts, Elle Fanning, Susan Sarandon Board 'Three Generations' (Exclusive)”. 2015年10月4日閲覧。
  7. ^ Tate Donovan Joins Elle Fanning Transgender Drama ‘Three Generations’”. 2015年10月11日閲覧。
  8. ^ 'Fault in Our Stars' Actor Joins Naomi Watts in Transgender Drama 'Three Generations'”. 2015年10月7日閲覧。
  9. ^ “Michael Brook Scoring ‘About Ray’”. Film Music Reporter. (2015年8月17日). http://filmmusicreporter.com/2015/08/17/michael-brook-scoring-about-ray/ 2017年9月22日閲覧。 
  10. ^ Dellal, Gaby (2016年4月25日). “Round 2 ! Here we go again !!! Go three generations”. Instagram. 2017年9月22日閲覧。
  11. ^ Dellal, Gaby (2016年4月30日). “And we re done ! Go Three Generations”. Instagram. 2017年9月22日閲覧。
  12. ^ “Music Tracking for "About Ray"”. Dubway Studios. (2016年5月18日). http://www.dubwaymusic.com/new-blog-1/2016/4/27/music-tracking-for-film 2017年9月22日閲覧。 
  13. ^ Fleming, Mike (2015年5月15日). “Weinstein Co. Snags 'Three Generations'; Buyers Eye Tom Ford Project”. Deadline.com. 2017年9月22日閲覧。
  14. ^ Busch, Anita (2015年6月1日). “TWC's Cannes Favorite 'Three Generations' Set For Release”. Deadline.com. 2017年9月22日閲覧。
  15. ^ McClintock, Pamela; Siegel, Tatiana (2015年9月15日). “Weinstein Co. Bumps Transgender Teen Drama 'About Ray' Days Before Debut”. ハリウッド・リポーター. http://www.hollywoodreporter.com/news/weinstein-bumps-transgender-teen-drama-823592 2017年9月22日閲覧。 
  16. ^ Busch, Anita (2015年9月15日). “'About Ray' Transgender Drama Pulled From Release Schedule”. Deadline.com. 2017年9月22日閲覧。
  17. ^ N'Duka, Amanda (2017年3月3日). “The Weinstein Company Sets Release Date For Transgender Film ‘3 Generations”. Deadline.com. 2017年9月22日閲覧。
  18. ^ 市川遥 (2015年12月17日). “『アバウト・レイ 16歳の決断』日本公開中止…エル・ファニングがトランスジェンダーのティーン役”. シネマトゥデイ. 2015年12月17日閲覧。
  19. ^ ピカデリープライムレーベル 新しいブランディング戦略と2017-2018ラインナップを発表!”. @Press (2017年9月21日). 2017年9月22日閲覧。
  20. ^ 3 Generations (2017)”. Rotten Tomatoes. Fandango. 2017年9月22日閲覧。
  21. ^ 3 Generations”. Metacritic. CBS Interactive. 2017年9月22日閲覧。
  22. ^ “About Ray”‘s Director Doesn’t Seem To Understand That Trans Boys Aren’t Girls”. 2017年4月6日閲覧。
  23. ^ 'About Ray' director Gaby Dellal's problematic explanation for casting Elle Fanning as transgender boy”. 2017年4月6日閲覧。
  24. ^ Simon, Rachel (2017年4月24日). “'3 Generations' Director Gaby Dellal Stands By Casting Elle Fanning As A Trans Boy”. Bustle. https://www.bustle.com/p/3-generations-director-gaby-dellal-stands-by-casting-elle-fanning-as-a-trans-boy-51795 2017年9月22日閲覧。