アベマキ

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アベマキ
Quercus variabilis
Quercus variabilis(2007年4月29日)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類I Eurosids I
: ブナ目 Fagales
: ブナ科 Fagaceae
: コナラ属 Quercus
: アベマキ Q. variabilis
学名
Quercus variabilis
Blume[1]
シノニム

Quercus serrata
auct. non Thunb.
Quercus serrata
Thunb.
var. variabilis
(Blume) Matsum.

和名
アベマキ(棈)、コルククヌギ、ワタクヌギ
英名
Chinese cork oak

アベマキ(棈、学名: Quercus variabilis)とは、ブナ科コナラ属落葉高木コルククヌギワタクヌギともいう。中国地方では、良質の樹皮を持つものをアベ、樹皮が薄い悪質なものをミズアベと呼んでいた。

特徴[編集]

樹皮はコルク層が発達し、深い割れ目ができるが、ヨーロッパ北アフリカに分布するコルクガシほどではない。

の裏には星状毛があり、白っぽく見える。

期は4-5月頃で、雌雄異花。雄花はタン黄色で新枝の葉の付け根から10㎝程の房になり下がる、雌花は新枝の上の方に1個ずつ付く。

果期は9-10月頃で、堅果ドングリ)が殻斗に包まれており、クヌギの堅果とよく似ているが、クヌギよりは殻斗は浅く、楕円形のものが多い。

クヌギとの見分け方[編集]

  • 樹皮のコルク質がより発達している。
  • 葉がやや幅広であるものが多く、裏が白っぽい。
  • 殻斗だけで見分けることは困難。
  • クヌギQuercus acutissima )と交雑したものはアベクヌギと呼ばれ、両親の中間的な特徴をもつ。

分布・生育地[編集]

日本中華人民共和国台湾朝鮮半島に多く自生している。日本では、関東地方から四国九州山地に自生し、西日本では雑木林に普通にみられる。日本では国の天然記念物として兵庫県養父市口大屋の大アベマキが指定されている。

利用[編集]

薪炭材シイタケの原木など。

樹皮は、弾力があり軽くて強く、熱やガス、水を通さない。このためコルクの代用品[2]として栽培されていたこともある。戦時色が強くなった1941年6月以降には、産地であった広島県を皮切りに岡山県島根県兵庫県京都府石川県鳥取県徳島県で樹皮の県営検査が行われた[3]

アベマキ(又は、クヌギ、コナラ、ミズナラ)の樹皮は、生薬「ボクソク」(第十七改正日本薬局方 収載)の原料となる。タンニン等を多く含むため、収れん作用があり、十味敗毒湯などに処方される[4]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年12月2日閲覧。
  2. ^ 小野陽太郎「アベマキ」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p15 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行
  3. ^ 香田徹也「昭和18年(1943年)林政・民有林」『日本近代林政年表 1867-2009』p444 日本林業調査会 2011年 全国書誌番号:22018608
  4. ^ 東京生薬協会. “ボクソク”. 新常用和漢薬集. 2020年11月6日閲覧。

参考文献[編集]

  • 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、244-245頁。ISBN 4-635-07003-4。
  • 平野隆久写真、片桐啓子文『探して楽しむドングリと松ぼっくり』山と溪谷社〈森の休日〉、2001年、14-15頁。ISBN 4-635-06321-6。
  • 伊藤ふくお『どんぐりの図鑑』北川尚史監修、トンボ出版、2001年、20-21頁。ISBN 4-88716-144-1。
  • いわさゆうこ『どんぐりハンドブック』八田洋章監修、文一総合出版、2010年、32-33頁。ISBN 978-4-8299-1176-1。

関連項目[編集]