アメリカ陸軍

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アメリカ陸軍
United States Army
アメリカ陸軍の紋章
陸軍省
主要部隊
陸軍総軍
第1軍
第3軍
第7軍
第8軍
現役部隊一覧
アメリカ陸軍の編成
主要機関
陸軍士官学校
陸軍指揮幕僚大学
陸軍工兵司令部
トリプラー陸軍病院
アメリカ合衆国教化隊
歴史・伝統
アメリカ陸軍の軍服
装備品
装備品一覧
その他
階級一覧
インシグニア
アメリカ陸軍の旗
アメリカ陸軍のロゴ

アメリカ陸軍(アメリカりくぐん、United States Army, 略称:USA)は、アメリカ合衆国陸軍である。

歴史[編集]

アメリカ陸軍はアメリカ独立戦争のためにアメリカ合衆国建国の前の1775年6月14日大陸会議の決議によって、イギリス軍に対抗するため組織された大陸軍を起源としている。大陸軍はアメリカ13植民地の統一された命令系統を持ち、独立戦争の全期間を通じてジョージ・ワシントンがその総司令官を務めた。大陸軍の行動ははじめ武器、食料の不足などで苦戦したが、各植民地の民兵隊やその管制下に残されていた部隊の支援とさらにヨーロッパ諸国からも支援も得て、独立戦争に勝利しパリ講和条約によって13植民地はアメリカ合衆国として正式に独立を認められた。パリ講和条約締結後ウエストポイントと幾つかの辺境の前哨基地に小さな地域軍隊が残されたのみで、1783年11月3日ほとんどの大陸軍部隊は解散されたが、1784年6月3日の大陸会議の決議によってアメリカ陸軍が結成された。

紋章にあるモットーは“This we'll defend”(我等これを護る)。

構成[編集]

アメリカ陸軍は下記3兵種から構成される。アメリカ陸軍の兵員は“Soldier”と呼ばれる[要出典]

上記3つの要素は、全て第一次世界大戦からアメリカが関わった全戦争に参加した。予備軍および州兵の使用権はベトナム戦争の後に強められた。予備軍および州兵の部隊は、湾岸戦争コソボ紛争における平和維持活動)および2003年イラク戦争に参加した。2017年4月現在約46万人、予備役約53万人が所属[要出典]

編制[編集]

アメリカ陸軍は大まかに以下の編制からなる。コマンドもよく用いられるが、さまざまな規模であるため特定の階梯にはない。

  1. 総軍 - 陸軍総軍(Army Forces Command)が存在する。主要司令部の一つ。 緊急即応・戦略予備部隊と陸軍予備軍・州兵部隊の管理を任務とするフォース・プロバイダーである。
  2. 軍集団(Army Group) - 必要に応じて編成する。
  3. (Army) - 軍と訳す。軍政上は方面部隊を維持管理する。指揮官は中将
  4. 軍団(Corps) - 通常2個師団以上からなる。現在第1軍団、第3軍団、第18空挺軍団、化学軍団(化学隊)(英語版)などの軍団がある。戦域と任務が指定されていて指揮官は中将。
  5. 師団(Division) - 現在、アメリカ軍の師団は通常3個以上の旅団戦闘団と、航空旅団、火力旅団などの支援部隊から成る。指揮官は少将
  6. 旅団(Brigade)、(group) - 現在、アメリカ軍が力を入れて改変中の編成である。旅団規模での独立行動を可能とし、小規模(旅団単独)から中規模(数個旅団編成・師団への統合も含む)までの武力衝突への対応へ取り回しの効く実戦部隊を目指している。重旅団戦闘団、ストライカー旅団戦闘団、歩兵旅団戦闘団などの旅団戦闘団米軍再編にて編成された。指揮官は大佐、まれに准将。旅団も群も通常複数の大隊からなる。
  7. 連隊(Regiment)- いくつかの例外を除いて現在使われていない単位である。また旅団戦闘団と同一の編制であるが伝統上の理由から騎兵連隊の名称を用いている部隊がある。
  8. 大隊(Battalion, Squadron) - 歩兵砲兵および機甲部隊の場合 Battalion、騎兵部隊の場合 Squadron の名称で大隊は編成される。大隊クラスの部隊は中佐が指揮をとる。
  9. 中隊(Company, Battery, Troop) - 大部分の兵科では Company、砲兵の場合は Battery、騎兵部隊の場合は Troop の名称で中隊は編成される。中隊クラスの部隊は通常、大尉が指揮をとる。
  10. 小隊(Platoon) - 通常、中尉あるいは少尉が指揮をとる。
  11. 分隊(Squad)、班(Section) - 分隊以下はアメリカ陸軍の分隊編制も参照すること。
  12. 操作班(Crew)、射撃班(Fire Team)

戦闘部隊と戦闘支援部隊[編集]

軍は任務によって編制される。

組織[編集]

アメリカ陸軍の組織は、制度上の組織(人員・配置・装備・訓練等を担う)と、運用上の組織(作戦・戦闘の指揮命令系統)に分けられている[2]。制度上の組織は大きく陸軍コマンド、陸軍支援構成コマンド、直轄部隊で3区分されているが、これは3つの機関が存在している訳ではない[2]。直轄部隊を除く各軍は制度上は陸軍組織に入るが、運用上は統合軍の指揮命令系統に従う(後述)。下記に制度上の組織を示す。(出典:アメリカ陸軍公式サイト[2]

上級組織
  • アメリカ陸軍省(Department of the Army)
    • 陸軍長官(Secretary of the Army)
      • 陸軍次官(Under Secretary of the Army)
  • 陸軍参謀本部(General staff headquarters[2]
    • 陸軍参謀総長(Chief of Staff of the Army)
      • 陸軍参謀副総長(Vice Chief of Staff of the Army)
部隊編成
指揮・統制

アメリカ陸軍の長は陸軍参謀総長が務め、4つ星の将官である大将が任命される。他の統合参謀本部のメンバーと同じく、陸軍参謀総長に陸軍部隊に対する作戦上の直接指揮権は無い。あるのは軍内行政執行権及び軍政策決定権だけであり、作戦指揮権は大統領から国防長官を通して命令を下される各統合軍司令官にある。陸軍参謀総長に部隊指揮権は無いものの、各軍の参謀総長と共に統合参謀本部を構成し、大統領に作戦上のアドバイスをする立場にある。陸軍の3つ星の将官(中将)の職には、各戦域統合軍の副司令官、各戦域統合軍の陸軍司令官、各種軍団の将官職等がある。

統合軍との関係

各軍・軍団は部隊管理組織であり、陸軍参謀総長の指揮を受ける。作戦行動は各統合軍司令官の指揮を受けている。

アメリカ統合戦力軍(USJFCOM) - 陸軍総軍(FORSCOM)※2011年にアメリカ統合戦力軍は廃止された。

装備品[編集]

兵装[編集]

軍用車両[編集]

航空機[編集]

詳細は各国軍の航空配備一覧

火器[編集]

艦船[編集]

人員・装備の国際的な展開を図るために、大規模な艦船部隊を独自に持つ。

下記は揚陸艦の形式を踏襲しているが、基本的に陸軍艦船には両用戦任務は無い。港湾が存在しないか、あっても積み下ろし設備が不備など積み下ろしに適当でない場合において、沖合いに停泊する大型貨物船と地上との「(ビーチングができる)」としての任務にあたるなど、もっぱら後方支援に利用する。

この他に独自に積み降ろし機材を備えた事前集積船多数、高速双胴船型の輸送艦「ジョイントベンチャー」、海洋調査船などを装備している。

階級[編集]

士官
給与等級 O-1 O-2 O-3 O-4 O-5 O-6 O-7 O-8 O-9 O-10 Special Special
階級章 US-O1 insignia.svg US-O2 insignia.svg US-O3 insignia.svg US-O4 insignia.svg US-O5 insignia.svg US-O6 insignia.svg US-O7 insignia.svg US-O8 insignia.svg US-O9 insignia.svg US-O10 insignia.svg US-O11 insignia.svg General of Armies insignia.svg
名称 少尉
Second Lieutenant
中尉
First Lieutenant
大尉
Captain
少佐
Major
中佐
Lieutenant
Colonel
大佐
Colonel
准将
Brigadier
General
少将
Major General
中将
Lieutenant
General
大将
General
元帥
General of
the Army
大元帥
General of
the Armies
略称 2LT 1LT CPT MAJ LTC COL BG MG LTG GEN GA
NATO
階級コード
OF-1 OF-1 OF-2 OF-3 OF-4 OF-5 OF-6 OF-7 OF-8 OF-9 OF-10
准士官
給与等級 W-1 W-2 W-3 W-4 W-5
階級章 US-Army-WO1.png US-Army-CW2.png US-Army-CW3.png US-Army-CW4.png US-Army-CW5.png
名称 准尉
Warrant Officer 1
准尉長
Chief Warrant Officer 2
准尉長
Chief Warrant Officer 3
准尉長
Chief Warrant Officer 4
最上級准尉長
Chief Warrant Officer 5
略称 WO1 CW2 CW3 CW4 CW5
NATO
階級コード
WO-1 WO-2 WO-3 WO-4 WO-5
下士官・兵
給与等級 E-1 E-2 E-3 E-4 E-5 E-6 E-7 E-8 E-9
階級章 階級章無し Army-USA-OR-02.svg Army-USA-OR-03.svg Army-USA-OR-04b.svg Army-USA-OR-04a.svg Army-USA-OR-05.svg Army-USA-OR-06.svg Army-USA-OR-07.svg Army-USA-OR-08b.svg Army-USA-OR-08a.svg Army-USA-OR-09c.svg Army-USA-OR-09b.svg Army-USA-OR-09a.svg
名称 二等兵 一等兵 上等兵 特技兵 伍長 三等軍曹 二等軍曹 一等軍曹 曹長 先任曹長 上級曹長 最先任上級曹長 陸軍
最先任上級曹長
Private Private Private
First Class
Specialist Corporal Sergeant Staff
Sergeant
Sergeant
First Class
Master
Sergeant
First
Sergeant
Sergeant
Major
Command
Sergeant Major
Sergeant Major
of the Army
略称 PVT ¹ PV2 ¹ PFC SPC ² CPL SGT SSG SFC MSG 1SG SGM CSM SMA
NATO
階級コード
OR-1 OR-2 OR-3 OR-4 OR-4 OR-5 OR-6 OR-7 OR-8 OR-8 OR-9 OR-9 OR-9
¹ PVTの略称は二等兵・一等兵の両方に使われる。
² 特技兵のためにSP4の略称も使われることがある

自殺について[編集]

退役軍人については一般人よりも自殺率が高い(約2倍)ことが指摘されている[3]。特に、朝鮮戦争後やベトナム戦争後、そしてイラクアフガニスタンに派遣された軍人の自殺率の高さが指摘されている[3]

脚注[編集]

  1. ^ なお、現在の騎兵部隊は実際に乗馬しているわけではなく、主に伝統的な理由から「騎兵」の名称を持つ部隊を指している。
  2. ^ a b c d The US Army's Command Structure and Mission - Army.milアメリカ陸軍公式サイト(2018年9月28日閲覧)
  3. ^ a b 一般人の2倍以上の自殺率…帰還した米兵とその家族を苦しめるものとは - ダ・ヴィンチニュース(2015年8月13日配信、2018年9月28日閲覧)

参考文献[編集]

  • 上田 信 『コンバット バイブル:アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル』 日本出版社、1992年5月。ISBN 4-89048-316-0。
  • 田中昭成 『ウォームービー・ガイド』 海鳴社、2008年2月。ISBN 978-4-87525-246-7。

関連項目[編集]