アルジェリア文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルベール・カミュ(1957年)。

アルジェリア文学古代ローマアラブ人フランス人スペイン人、更には先住民など多くの文化から影響を受けてきた。アルジェリア文学における支配的な言語はフランス語アラビア語だが、ベルベル語もまた表されている。 アルジェリア文学は北アフリカの文化において不可欠の役割を果たし、その影響は全世界に及んでいる[1]

特筆に値するアルジェリアの作家としてはアウグスティヌスカテブ・ヤシーン、ラシッド・ミムーニ、ムールード・メムーリ、ムールード・フェラウン、アシア・ジェバール、ムハンマド・ディブなどが挙げられる。フランス系アルジェリア人(もしくはピエ・ノワール)のアルベール・カミュは疑いなくアルジェリア出身の作家として最も有名である。哲学者、小説家、劇作家として、カミュは1957年にノーベル文学賞を受賞した。

歴史[編集]

古代に於いては、ローマ帝国統治下で『黄金のろば』を著したアプレイウスと、『告白』(397年 - 398年)を著したキリスト教教父アウグスティヌスが現在のアルジェリア出身であったため、現在でもアルジェリア文学史にその名が挙げられる[2]

19世紀には、フランスアルジェリア侵略に対抗したアブド・アルカーディル神秘主義を残している[3]。19世紀末から20世紀にかけて、ヨーロッパからフランス領アルジェリア入植した人々(コロン)の2世、3世は、アルジェリアで生まれ育った自らを「アルジェリア人」であると看做し、ルイ・ベルトランやロベール・ランドーらが「アルジェリアニスム」運動を展開した[4]。この流れの中から「アルジェ派」と呼ばれる文学潮流が生まれ、ガブリエル・オーディジオ、アルベール・カミュなどが現れている[5]

他方、アルジェリアにそれまで住んでいたアラブ人ベルベル人も1920年代からフランス語で創作を始め、とりわけ詩人ジャン・アルムーシュはアンドレ・ジッドポール・クローデルのような20世紀フランス文学の有力者と共に活動した[6]。カビール地方のベルベル人出身のムールード・フェラウンはフランス語小説『貧者の息子』(1950年)によって多大な名声を獲得した[7][8]。同じくカビール地方のベルベル人出身のムールード・マムリはアルジェリア独立戦争を題材にした作品を発表し、また、自らの出自たるベルベル人研究の先駆者となった[9][10]。『ネジュマ』(1956年)で知られるカテブ・ヤシーヌもまた、フランス語で書いた[11]

現代の作家としては、女性作家のアシア・ジェバールや、イスラム原理主義を題材にするヤスミナ・カドラなどの名が挙げられる。

脚註[編集]

[ヘルプ]

参考文献[編集]

  • 鵜戸聡 「文学の旅――アルジェリア文学の形成史」『アルジェリアを知るための62章』 私市正年明石書店〈エリア・スタディーズ73〉、東京2009年4月30日、初版、320-323頁。ISBN 4-7503-2969-X。
  • 片岡幸彦 「アフリカ――フランス語」『激動の文学――アジア・アフリカ・ラテンアメリカの世界』 信濃毎日新聞社、信濃毎日新聞社長野市1995年3月15日、初版、205-218頁。ISBN 4-7840-9522-5。

関連項目[編集]