アンソニーヴァンダイク

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アンソニーヴァンダイク
DSC 2798AnthonyVanDyck.jpg
BCジュヴェナイルターフ出走時
(2018年11月2日)
欧字表記 Anthony Van Dyck[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2016年5月19日(3歳)[1]
Galileo[1][2]
Believe'N'Succeed[1][2]
母の父 Exceed and Excel[1][2]
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産 Orpendale, Chelston & Wynatt [2]
馬主 Susan Magnier
Michael Tabor & Derrick Smith
[2]
調教師 Aidan Patrick O'Brienアイルランド[2]
競走成績
生涯成績 12戦5勝
(2019年9月15日現在)[1][2]
 
勝ち鞍
GI 英ダービー 2019年
GII フューチュリティステークス 2018年
GIII タイロスステークス 2018年
Listed ダービートライアルステークス 2019年
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アンソニーヴァンダイクAnthony Van Dyck) は、アイルランド生産・調教の競走馬である。主な勝ち鞍は2019年英ダービー

デビューまで[編集]

アンソニーヴァンダイクは2016年5月19日、クールモアスタッド系列の牧場であるシェルストン&ワイナット・オープンデールで産まれる。成長後、他のクールモア生産馬とともにエイダン・オブライエンバリードイル調教場に送られて調教が施されることとなった。

戦績[編集]

2歳時(2018年)[編集]

7月1日、カラ競馬場での芝7ハロンの未勝利戦でドナカ・オブライエンを鞍上にデビューするも、クルートの7着に終わる[3]。二週間後の7月15日のキラーニー競馬場英語版での未勝利戦で再びドナカ・オブライエンを背に出走し、初勝利を挙げた[4]。中1週でレパーズタウン競馬場のGIIIタイロスステークス英語版にオブライエン厩舎の主戦ライアン・ムーア騎乗で出走、2番手から抜け出しボールドアプローチに1馬身4分の3の着差をつけて重賞初勝利を挙げた[5][6]。タイロスステークスでのレースぶりについてエイダン・オブライエンは、「キラーニーでのレースぶりを見るにマイル以上が守備範囲と思っていたが、今日の結果を踏まえると7ハロン戦も十分対応可能できる賢い馬だ」と感想を述べた[7]

1か月後の8月26日、カラ競馬場のGIIフューチュリティステークス英語版に再びムーア騎乗で圧倒的1番人気に支持されて出走し、クリスマスに半馬身差をつけて重賞連勝を達成[8]。エイダン・オブライエンもマイルから中距離向きの馬と見立てるようになる[9]。その後はヴィンセントオブライエンナショナルステークスおよびデューハーストステークスと2歳GIを連戦するが、前者ははゴドルフィン所有のクオルトの2着[10]、後者は素質馬トゥーダーンホットの3着に終わる[11]。その後、2歳戦の締めくくりとしてチャーチルダウンズ競馬場でのブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフに1番人気で出走したが、ラインオブデューティーの9着と惨敗して2歳戦を終えた[12]。  

3歳時(2019年)[編集]

3歳時は5月11日のリングフィールド競馬場でのリステッド競走ダービートライアルステークスから始動し、2着パブロエスコバルに2馬身4分の1差をつけて1番人気に応えて3歳初戦を飾った[13]。240回目を迎える英ダービーに、エイダン・オブライエン厩舎からの3本目の矢として向かうこととなる[13]

2019年6月1日のダービー当日はエイダン・オブライエン厩舎のセカンドジョッキーであるシーミー・ヘファーナン英語版[14]を鞍上に迎え、チェスターヴェースを8馬身差で圧勝したサードラゴネット[15]デリンズタウンスタッドアイリッシュダービートライアルステークス勝ち馬のブルーム[16]、前走のダンテステークスでトゥーダーンホットをねじ伏せて追加登録の上で出走してきたジョン・ゴスデン厩舎のテレキャスター[17]に次ぐ4番人気の支持を得る。エイダン・オブライエン厩舎自体も他にジャパン、ノルウェー、サーカスマキシマス英語版およびソヴリン英語版の4頭を加えて出走馬13頭中過半数を超える7頭出しとなった[18]

レースでは中団馬群の後ろから進み、最後の直線半ばに達するや否やインコースを突き、サードラゴネット、ブルーム、ジャパンにプレンダガスト厩舎のマドムーンが繰り広げる2着争いの大接戦をしり目にインコースから抜け出してマドムーンに半馬身差をつけて優勝した[19]。46歳のヘファーナンは12回目の英ダービー挑戦で初優勝[20]、エイダン・オブライエンは史上最多タイ記録の英ダービー7勝目を挙げた[19]。ヘファーナンは「それは時間の問題だった。エイダンの馬に乗るときは自信があるし、その馬が本命だろうが大穴だろうが関係ない。いつだってチャンスがあった。」と感謝の言葉を述べた[19][20]。続く愛ダービーではムーア騎乗で父ガリレオに続く英愛ダービー二冠を目指したものの、ペースメーカーであったソヴリンの大逃げを捕まえることが出来ず2着に敗れる[21]。7月27日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは、これも父ガリレオ以来となる英ダービーとキングジョージの同一年度での制覇を目指したが[22]エネイブルの10着と大敗した[23]

競走成績[編集]

以下の内容は、Racing Post、Sky Sports Horse Racing[24]、Timeform[25]およびIrishracing[26]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 枠番(Draw) 馬番(Horse) 着順 騎手 斤量(st.)(lb./kg換算) タイム 着差 1着(2着)馬 出典
2018.07.15 カラ 未勝利 芝7f (GF) 10 6 1 7着 D.オブライエン 9-5(131/59.5) (4 3/4馬身) Klute [3]
0000.07.15 キラーニー 未勝利 芝8f (Gd) 9 8 2 1着 D.オブライエン 9-5(131/59.5) 1:43.25 8馬身 (Yonkers) [4]
0000.07.26 レパーズタウン タイロスステークス GIII 芝7f (GF) 5 3 1 1着 R.ムーア 9-3(129/58.5) 1:31.11 4 3/4馬身 (Bold Approach) [5]
0000.08.26 カラ フューチュリティステークス GII 芝7f (Y) 6 3 1 1着 R.ムーア 9-3(129/58.5) 1:24.37 1/2馬身 (Christmas) [8]
0000.09.16 カラ ヴィンセントオブライエンナショナルステークス GI 芝7f (Gd/Y) 7 5 1 2着 R.ムーア 9-3(129/58.5) (1 1/2馬身) Quotro [27]
0000.10.13 ニューマーケット デューハーストステークス GI 芝7f (GF) 7 3 2 3着 D.オブライエン 9-1(127/57.5) (1/2馬身) Too Darn Hot [28]
0000.11.02 チャーチルダウンズ ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ GI 芝8f (Y) 14 14 14 9着 R.ムーア 8-10(122/55.5) (6 3/4馬身) Line of Duty [29]
2019.05.11 リングフィールド ダービートライアルステークス LR 芝11.6f (Sft) 10 4 1 1着 R.ムーア 9(126/57) 2:31.27 2 1/4馬身 (Pablo Escobarr) [30]
0000.06.01 エプソム ダービーステークス GI 芝12f6y (GF) 13 7 1 1着 J.ヘファーナン 9(126/57) 2:33:38 1/2馬身 (Madhmoon) [31]
0000.06.29 カラ アイルランドダービー GI 芝12f (Gd) 8 4 1 2着 R.ムーア 9(126/57) (6馬身) Sovereign [32]
0000.07.27 アスコット キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス GI 芝12f (GS) 11 7 10 10着 R.ムーア 8-10(122/55.5) (39馬身) Enable [33]
0000.09.14 レパーズタウン 愛チャンピオンステークス GI 芝1m2f (Gd) 8 2 6 3着 W.ローダン 9-1(127/57.5) (2 1/2馬身) Magical [34]
  • 2019年9月15日現在
  • 馬場状態: Fm=Firm, GF=Good to Firm, Gd=Good, GS=Good to Soft, Y=Yielding, YSft=Yielding to Soft, Sft=Soft, Hy=Heavy
  • 着差:dht=dead heat(同着), nse=nose(ハナ), shd=short head(短頭), hd=head(アタマ), nk=neck(クビ), l=length(馬身), dist=distance(大差)
  • 馬場状態、着差、斤量の見方はJRA公式[35]を参考

血統表[編集]

アンソニーヴァンダイク血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系

Galileo
1998 鹿毛
父の父
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
父の母
Urban Sea
1989 栗毛
Miswaki Mr. Prospector
Hopespringseternal
Allegretta Lombard
Anatevka

Believe'N'Succeed
2005 鹿毛
Exceed and Excel
2000 鹿毛
Danehill Danzig
Razyana
Patrona Lomond
Pasadoble
母の母
Arctic Drift
2000 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
November Snow Storm Cat
Princess Alydar
母系(F-No.) 16号族(FN:16-c) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer3×5×5、Mr.Prospector4×4 [§ 3]
出典
  1. ^ [36]
  2. ^ [36]
  3. ^ [36]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i Anthony Van Dyck(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Anthony Van Dyck(IRE)”. Racing Post. 2019年9月15日閲覧。
  3. ^ a b Barronstown Stud Irish EBF (Colts & Geldings) Maiden (Plus 10 Race)”. Racing Post (2018年7月1日). 2019年9月15日閲覧。
  4. ^ a b Irish Stallion Farms EBF Maiden result”. Racing Post (2018年7月15日). 2019年6月4日閲覧。
  5. ^ a b Tyros Stakes result”. Racing Post (2018年7月26日). 2019年6月4日閲覧。
  6. ^ a b 愛G3タイロスS、G1馬の半弟アンソニーヴァンダイクが圧勝”. JRA-VAN (2018年7月27日). 2019年6月4日閲覧。
  7. ^ O'Hanlon, Justin (2018年7月26日). “Anthony Van Dyck Lifts Ballydoyle After Goddess Flops”. The Blood-Horse. 2019年6月4日閲覧。
  8. ^ a b Galileo Irish EBF Futurity Stakes (Group 2)”. Racing Post (2018年8月26日). 2019年9月15日閲覧。
  9. ^ 注目2歳馬アンソニーヴァンダイク、愛G2フューチュリティSも制す”. JRA-VAN (2018年8月28日). 2019年6月4日閲覧。
  10. ^ クオルトがデビュー3連勝、愛G1ヴィンセントオブライエンナショナルS制す”. JRA-VAN (2018年9月18日). 2019年6月4日閲覧。
  11. ^ 素質馬トゥーダーンホット、無傷4連勝で英G1デューハーストS制覇”. JRA-VAN (2018年10月14日). 2019年6月4日閲覧。
  12. ^ 欧州から遠征のラインオブデューティ、BCジュベナイルターフ制覇”. JRA-VAN (2018年11月3日). 2019年6月4日閲覧。
  13. ^ a b アンソニーヴァンダイク、A.オブライエン厩舎から3頭目の英ダービー前哨戦勝ち”. JRA-VAN (2019年5月12日). 2019年6月4日閲覧。
  14. ^ 凱旋門賞の気になる有力騎手・調教師はコチラ!”. JRA-VAN (2017年9月28日). 2019年6月4日閲覧。
  15. ^ サードラゴネット、英ダービー前哨戦を8馬身差で圧勝”. JRA-VAN (2019年5月17日). 2019年6月4日閲覧。
  16. ^ 愛G3ダービートライアル、またもA.オブライエン厩舎のブルームが快勝”. JRA-VAN (2019年5月17日). 2019年6月4日閲覧。
  17. ^ トゥーダーンホット初黒星、ダンテSは新星テレキャスターが制す”. JRA-VAN (2019年5月17日). 2019年6月4日閲覧。
  18. ^ A.オブライエン厩舎が英ダービーに7頭出し、出走馬の過半数”. JRA-VAN (2019年5月17日). 2019年6月4日閲覧。
  19. ^ a b c 英ダービーはゴール前で大激戦、アンソニーヴァンダイクが半馬身差で戴冠”. JRA-VAN (2019年6月2日). 2019年6月4日閲覧。
  20. ^ a b Cook, Chris (2019年6月1日). “Seamie Heffernan, the quiet man of Ballydoyle, gets his Derby reward”. The Guardian. 2019年6月4日閲覧。
  21. ^ 伏兵ソヴリンが大逃げ、愛ダービーで僚馬アンソニーヴァンダイクの快挙封じる”. JRA-VAN (2019年6月30日). 2019年7月28日閲覧。
  22. ^ アンソニーヴァンダイク、父に続く英ダービーとキングジョージの連勝なるか”. JRA-VAN (2019年7月27日). 2019年7月28日閲覧。
  23. ^ 【全着順・結果】キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(2019)”. JRA-VAN (2019年7月28日). 2019年7月28日閲覧。
  24. ^ Anthony Van Dyck (IRE)”. BSkyB (2019年7月28日). 2019年7月28日閲覧。
  25. ^ HORSE PROFILE ANTHONY VAN DYCK (IRE)”. Timeform (2019年7月28日). 2019年7月28日閲覧。
  26. ^ Anthony Van Dyck (IRE)”. irishracing (2019年7月28日). 2019年7月28日閲覧。
  27. ^ Goffs Vincent O'Brien National Stakes (Group 1) (Entire Colts & Fillies)”. Racing Post (2018年9月16日). 2019年9月15日閲覧。
  28. ^ Darley Dewhurst Stakes (Group 1) (Colts & Fillies)”. Racing Post (2018年10月13日). 2019年9月15日閲覧。
  29. ^ Breeders' Cup Juvenile Turf (Grade 1) (2yo Colts & Geldings) (Turf)”. Racing Post (2018年11月2日). 2019年9月15日閲覧。
  30. ^ RaceBets Derby Trial Stakes (Listed Race) (Colts & Geldings)”. Racing Post (2019年5月11日). 2019年9月15日閲覧。
  31. ^ Investec Derby Stakes (Group 1) (Entire Colts & Fillies)”. Racing Post (2019年6月1日). 2019年9月15日閲覧。
  32. ^ Dubai Duty Free Irish Derby (Group 1) (Entire Colts & Fillies)”. Racing Post (2019年6月29日). 2019年9月15日閲覧。
  33. ^ King George VI And Queen Elizabeth Qipco Stakes (Group 1) (British Champions Series)”. Racing Post (2019年7月27日). 2019年9月15日閲覧。
  34. ^ King George VI And Queen Elizabeth Qipco Stakes (Group 1) (British Champions Series)”. Racing Post (2019年9月14日). 2019年9月15日閲覧。
  35. ^ 主要国 WEBサイトの歩き方 Racing Post”. 海外競馬発売. 日本中央競馬会. 2019年9月15日閲覧。
  36. ^ a b c Anthony Van Dyck(IRE) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月15日閲覧。