アンダーグラウンド (文化)

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アンダーグラウンド(underground)は、地下の意。転じて地下運動。反権威主義などを通じて波及した1960年代後半に起こった商業性を否定した文化芸術運動のことを指す。アングラと略される。 なおWikipedia英語版では、アンダーグラウンドとインターネットを関連づけてはいない。

文化としてのアンダーグラウンド[編集]

元々はアンダーグラウンドとは地下運動を通じて、旧来の社会体制に対しての反発、批判精神による反体制活動を指す。たとえば戦前の全体主義に対抗したレジスタンス運動や、1950年代のビートニクスなどが挙げられる。アンダーグラウンドの定義は、こうした一般に認知される可能性の低い、水面下に密かに行われていた活動を指している。

その後、1960年代アメリカやヨーロッパを起点として西側社会、キリスト教社会に対する文化的な対抗、権威主義保守派、エスタブリッシュメント、政治家、資本家への反発などの抵抗は、ヒッピーなどの若者を中心にしたカウンターカルチャーとして発展した[1]。 アメリカでは特にポピュラー音楽映画現代美術を中心に影響を及ぼした。当時のアメリカ社会におけるカウンターカルチャーの旗手としては、ティモシー・リアリー、ラルフ・ネーダー、ジョン・レノンニール・ヤンググレイトフル・デッド[2]フランク・ザッパヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどがあげられる。なおドアーズもポップなヒット曲が多かったが、グループの持つ体質からはアンダーグラウンド的な雰囲気が濃厚にただよっていた。

日本では1960年代ごろから、前衛美術前衛芸術、前衛映画や演劇、暗黒舞踏などが登場した。その担い手としては、アングラ演劇では寺山修司らの天井桟敷などが代表としてあげられる。現代美術は「具体美術協会」が創設され、極めて革新的な美術表現が展開された。日本映画界は新たな映像美を求め、大島渚らの映画監督が松竹ヌーヴェルヴァーグのムーブメントを興した。 また若松孝二や寺山修司、吉田喜重らの映画が、ATGの協力を得て制作された。暗黒舞踏では大野一雄、土方巽らが活躍した。

関連

アングラフォーク[編集]

アングラ演劇[編集]

アングラ・アートとエログロ[編集]

関東大震災と世界的不況を背景にした昭和初期の日本では、国の倦怠感や封建的政府の硬直性から、いわゆるエログロナンセンスが社会の一部で流行した[3]エロは比較的多数の人が興味を持つ分野である。他ジャンルと比較して、政治権力や民間人による規制が強い。内輪向けに作品が発表されるアンダーグラウンドな芸術分野において、頻繁に表現が試みられている分野でもある。

インターネット[編集]

インターネット上において表沙汰にはできないこと、違法行為の指南を扱ったサイトのことを指す。「アングラサイト」とも呼ばれた。 アングラ犯罪ネットの違法行為、反社会的行為の一部

ハイテク犯罪についてはサイバー犯罪に移転。またダークウェブも参照。

インターネットがアンダーグラウンド扱いされる一つの原因として、IT企業経営者のモラルの低さや、モラルそのものがないことがあげられる。ネットの巨大掲示板の元運営者西村博之は、裁判で敗訴した分の巨額賠償金や税金の未払いについて、質問をした報道陣に対し「支払わなくてもどうということはないので支払わない」「踏み倒そうとしたら支払わなくても済む。そんな国の変なルールに基づいて支払うのは、ばかばかしい」と、支払いの意思がないことを明らかにした[4]

2010年1月、書籍『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(ISBN 978-4104715213)の印税新潮社から掲示板運営者に支払われていることに着目し、印税を差し押さえることで初めて損害賠償金が回収される[5]。掲示板管理人への捜査に関する国家賠償請求訴訟について 「2ちゃんねる」(2ch.net)で覚醒剤の購入を持ちかける違法な書き込みが放置された事件で、2012年3月に麻薬特例法違反(あおり・唆し)のほう助容疑で、警視庁は巨大掲示板管理人の自宅等を捜索・差押えした。だが、なぜか管理人が逮捕をされることはなかった。



関連人物[編集]


出典[編集]

  1. ^ Theodore Roszak, The Making of a Counter Culture: Reflections on the Technocratic Society and Its Youthful Opposition, 1968/1969, Doubleday, New York,978-0-385-07329-5.
  2. ^ The Grateful Dead - Live/Dead”. 2020年4月3日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ 昭和エロ・グロ・ナンセンスと震災後の世相(WEBRONZA)
  4. ^ 2ちゃんねる賠償金「死刑なら払う」…管理人・西村氏(2007.3 読売新聞社 ウェブアーカイブ)
  5. ^ 2ちゃんねるから「賠償金」 回収成功は極めて珍しいケース - 2010.2J-CASTニュース2020年3月23日閲覧
  6. ^ ライブドア堀江社長ら、証券取引法違反で逮捕”. impress (2006年1月23日). 2020年4月1日閲覧。