アンディ・ニューマーク
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アンディ・ニューマーク | |
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![]() (2008年) | |
基本情報 | |
出生名 | Andrew Newmark |
生誕 | 1950年7月14日(69歳) |
出身地 |
![]() ニューヨーク州ポートチェスター |
ジャンル | ロック、ソウル、ファンク |
職業 | 音楽家 |
担当楽器 | ドラム、パーカッション |
共同作業者 | スライ&ザ・ファミリー・ストーン |
アンディ・ニューマーク(英語: Andrew "Andy" Newmark, 1950年7月14日 - )は、アメリカ合衆国のドラマー。
来歴[編集]
ビートルズなどの影響を受け、10代からドラムを始める。10代後半にはプロとして活動をはじめ、1971年にカーリー・サイモンのアルバム『Anticipation』で初レコーディングを飾る。カーリーサイモンのツアーに参加している際に、その卓越した演奏能力が観客として来ていたスライ・ストーンの目に留まり、スライ&ザ・ファミリー・ストーンに 1973年から1975年までドラマーとして参加する。参加時に制作されたアルバム『フレッシュ』でのドラミングはファンク演奏最高のひとつと評価され、多くのミュージシャンから注目を集めた。
その後は、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのツアー中に知り合ったロン・ウッドのソロアルバムの制作に携わり、以降はイギリスとアメリカを往復しながら、ジョン・レノン、ローラ・ニーロ、デヴィッド・ボウイ、ジョージ・ハリスン、リッキー・リー・ジョーンズ、ロキシー・ミュージック、ジェームス・テイラーなど英米を代表するアーティストのレコーディングやツアーに参加し、一流スタジオミュージシャンとしての地位を確立した。また、前述のロン・ウッドのアルバムでベーシストを務めたウィリー・ウィークスとは抜群の名コンビぶりを発揮し、70年代を代表するリズムセクションとしてニール・ラーセンの「ジャングル・フィーバー」をはじめ、コンビで起用されている。
逸話[編集]
- 自身のキャリアにとってのハイライトは、敬愛していたジョン・レノンの『ダブル・ファンタジー』への参加であるとインタビューで語っている。制作中はジョン・レノンから「リンゴ(リンゴ・スター)のようにシンプルに叩いてくれ」と指示を受け、リンゴ・スターのグルーヴを心に刻みながら演奏した。制作を通じてジョン・レノンの人柄と音楽性に深い感銘を受け、以降はすべての仕事をキャンセルしてまでジョンのために演奏しようと心に決めていたが、(ジョン・レノン自身もアンディのドラムを気に入っており、レコーディングメンバーとともにツアーをする計画をしていた)ジョンの暗殺によってすべてが不意になり、精神的に追い詰められ2年近く虚無状態に陥ったとインタビューで語っている。
- 日本のミュージシャンとも縁があり、野口五郎、氷室京介、今井美樹などのアルバムに参加している。また、坂本龍一のレコーディングに参加したことがきっかけで、YMOの散開ツアーのサポートの候補にあがったことがある。アンディが参加した今井美樹のアルバムでプロデュースを務めた布袋寅泰は、クリックを全く使用せず、曲の収録前にシンバルのカウントを1分近く続けることによって曲全体のグルーヴを築き上げていく彼のやり方に驚く半面、その合理的な方法に深い感銘を受けたと語っている。
主なセッション参加アルバム[編集]
- 1971年 アンティシペイション - Anticipation/カーリー・サイモン
- 1972年 ノー・シークレッツ - No Secrets/カーリー・サイモン
- 1973年 Butterflies in Heaven/メアリー・マックリアリー
- 1973年 U.F.O/ロン・デイヴィス
- 1974年 ダーク・ホース/ジョージ・ハリスン
- 1974年 俺と仲間 - I've Got My Own Album To Do/ロン・ウッド
- 1974年 ホットケーキ - Hotcakes/カーリー・サイモン
- 1975年 ヤング・アメリカンズ - Young Americans/デヴィッド・ボウイ
- 1975年 ロックン・ロール/ジョン・レノン
- 1975年 ゴリラ - Gorilla/ジェイムス・テイラー
- 1975年 ナウ・ルック - Now Look/ロン・ウッド
- 1975年 人生はいたずら - Playing Possum/カーリー・サイモン
- 1976年 ブラック・ウィドウ/ラロ・シフリン
- 1976年 i /パトリック・モラーツ
- 1976年 見知らぬ二人 - Another Passenger/カーリー・サイモン
- 1977年 スティーヴ・ウィンウッド/スティーヴ・ウィンウッド
- 1978年 ボルチモア - Baltimore/ニーナ・シモン
- 1978年 ジャングル・フィーバー/ニール・ラーセン
- 1979年 ファイス・ザ・ファイヤー - Face The Fire/ダン・フォーゲルバーグ
- 1979年 慈愛の輝き/ジョージ・ハリスン
- 1980年 フレッシュ・アンド・ブラッド - Flesh + Blood/ロキシー・ミュージック
- 1980年 ダブル・ファンタジー - Double Fantasy/ジョン・レノン
- 1982年 アヴァロン - AVALON/ロキシー・ミュージック
- 1983年 ファイナル・カット - The Final Cut/ピンク・フロイド
- 1984年 ヒッチハイクの賛否両論 - The Pros And Cons Of Hitch Hiking/ロジャー・ウォーターズ
- 1985年 Boys And Girls/ブライアン・フェリー
- 1987年 ナッシング・ライク・ザ・サン - Nothing Like the Sun/スティング
- 1993年 Memories Of Blue/氷室京介
- 1996年 ファースト・ライト/リチャード&リンダ・トンプソン
- 1997年 PRIDE/今井美樹
- 2000年 ファー・イースト・エクスプレス/清水靖晃
- 2000年 ザ・フォックス/アービー・グリーン
- 2001年 シューギー・ワナ・ブギー/デヴィッド・マシューズ
- 2001年 ザ・オプティミスト/トゥーリン・ブレイクス
- 2006年 オン・アン・アイランド - On an Island/デヴィッド・ギルモア
- 2015年 飛翔 - Rattle That Lock/デヴィッド・ギルモア