アンドレアス・ミケルセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンドレアス・ミケルセン
2015年 モナコにて
2015年 モナコにて
基本情報
国籍  ノルウェー
生年月日 (1989-06-22) 1989年6月22日(30歳)[1]
WRCでの経歴
活動時期 2006 -
所属チーム フォードフォルクスワーゲンシトロエンヒュンダイ
チャンピオン回数 0
優勝回数 3
初戦 2006 ラリー・グレートブリテン
初勝利 2015 ラリー・カタルーニャ
最終勝利 2016 ラリー・オーストラリア
テンプレートを表示

アンドレアス・ミケルセン: Andreas Mikkelsen1989年6月22日 - )は、ノルウェーオスロ出身のラリードライバー[1]2011年2012年インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)のチャンピオンである。

来歴[編集]

初期の活動[編集]

幼い頃から運動神経が良かったミケルセンは、アルペンスキーダウンヒル競技の有望選手として、12歳の頃にはノルウェーのジュニアチームのメンバーに選ばれた[2][3]。また、モトクロスでもナショナルジュニアチームに選ばれている[4]。しかし、膝の怪我のためスキー選手の道を断念し、2006年にラリー競技へ転向した[3]

イギリスへ移住して17歳で運転免許を取り、ローカルラリーに出場して経験を積む。2006年ラリーGBストバート・フォードフォーカスWRC'04を駆りWRC初出場。2007年はWRC8戦に出場し、3戦でトップ10フィニッシュを記録した[3]2008年のWRC第3戦スウェーデンで5位に入賞し、WRC最年少入賞記録(18歳7カ月)を残した[注 1]。同年のノルウェーラリー選手権ではマッズ・オストベルグに次ぐシリーズ2位を獲得した。

IRC連覇[編集]

2011 IRCメチェックラリー

2010年はMスポーツフォード・フィエスタS2000を駆りIRC7戦に出場し[5]、シリーズ7位。

2011年はシュコダサテライトチームであるシュコダUKのファビアS2000を駆りIRCにフル参戦。2013年よりWRC参戦を表明しているフォルクスワーゲン(シュコダの親会社)の若手評価プログラムにも選ばれる。IRC第10戦スコットランドで初優勝をマークして5名によるチャンピオン争いに加わると[6]、最終戦キプロス・ラリーでも連勝し、ランキング4位から逆転でシリーズチャンピオンを獲得した(22歳の最年少王者)[7]

2012年もシュコダUKよりIRCに参戦し、優勝2回・2位5回という安定した成績を残し、IRC連覇を達成した[8]。翌年よりIRCがヨーロッパラリー選手権 (ERC) に併合されるため、ミケルセンは最後のIRCチャンピオンとなった。また、フォルクスワーゲンのWRC準備プログラムにも起用され、セバスチャン・オジェとともにWRCでファビアS2000をドライブした。

フォルクスワーゲンでの成長[編集]

ポロR WRCを走らせるミケルセン(2013 WRCポルトガル)

2013年はWRCに参戦するフォルクスワーゲンの正式ドライバーに選ばれた。エース格のセバスチャン・オジェとヤリ=マティ・ラトバラに次ぐサードドライバーとして、サテライトのフォルクスワーゲン・モータースポーツIIに所属する[9]。第4戦ポルトガルからレギュラー参戦し[注 2]、最高成績4位・ドライバーズランキング10位でシーズンを終えた。

2014年は第2戦スウェーデンで2位初表彰台を獲得[11]。その後も4度の表彰台を獲得し、年間ランキングではオジェとラトバラに次ぐ3位になった。

2015年は第2戦スウェーデンで初優勝を目前にした最終SSで痛恨のスピンを喫し、オジェに勝利を譲った[12]。第12戦スペインでは逆に独走していたオジェが最終SSでクラッシュし、WRC64戦目のミケルセンに初優勝が転がり込んだ[13]。先に走行を終えていたミケルセンはインタビュアーから自分の初優勝を知らされ、唖然としたあと喜びを爆発させた[14]。年間ランキングでは、2位のラトバラに12ポイント差の3位となった。

2016年は第7戦ポーランドと最終戦オーストラリアで2勝。年間ランキングは3年連続3位ながら、不振のラトバラ(6位)を上回る成績を残した。しかし、シーズン終盤にフォルクスワーゲンがWRC撤退を表明[15]。オジェはMスポーツ、ラトバラはトヨタへの移籍を決めたが、ミケルセンは来期のレギュラーシートを失ってしまった。

ヒュンダイ加入[編集]

2017年は一時的に古巣のシュコダに再加入し、WRC2クラスにスポット参戦[16]。開幕戦モンテカルロと第4戦ツール・ド・コルスを圧勝して格の違いを見せた。また、開発を手がけていた2017年型ポロR WRCを調達し、プライベーターとしてWRCに参戦する計画を進めたが、国際自動車連盟 (FIA) の追加公認を取得できなかった[17]。その後、シトロエンとスポット契約し、クリス・ミークの代役として第7戦イタリアからWRCに復帰。そして第11戦スペインからヒュンダイに加入し、来期以降の2年契約も交わした[18]

2018年は2年振りのフル参戦を果たす。第2戦スウェーデンでは3位表彰台を獲得しまずまずのスタートを切るが、その後はチャンピオン争いを演じるチームメイトティエリー・ヌービルとは対照的に、中盤から失速が目立ちチャンピオン争いに絡めずに終わった。結果的に表彰台はスウェーデンの1度のみとなりドライバーズランキング6位で終えた。

2019年も引き続きヒュンダイから参戦。

エピソード[編集]

  • 2009年、ノルウェー選手権のRally Larvikでコースオフしたミケルセンの車が観客と接触し、その事故で家族と共にラリーを観に来ていた10歳の少女が亡くなった[19]。それ以来、ミケルセンはヘルメットの後部に「Elise」という彼女の名前を記している[20]
  • ティエリー・ヌービルはIRC時代から競い合ってきた同世代のライバルであり、ともにモナコに住み、一緒にトレーニングをする友人でもある[21]。2017年からはヒュンダイのチームメイト同士になった。
  • 北欧系の整った顔立ちをしており、「WRCきってのイケメン」と評される[22]
  • 2006年にラリーデビューして以来、20歳年上のコ・ドライバーのオーラ・フローネ (Ola Fløeneと長くコンビを組んできたが、2015年末に関係を解消した。ミケルセン側が契約期限を「2016年まで」に区切ったため、フローネは新たなパートナーにマッズ・オストベルグを選んだ[23]
  • 2019年の固定ナンバー制度により「89」を選んだ。これは自身とコ・ドライバーのアンダース・イェーガーが生まれた1989年からとったものである。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ それまでの最年少入賞記録は2006年ラリー・アルゼンチンのマシュー・ウィルソン(19歳3カ月)。また、2008年ラリー・スウェーデンはヤリ=マティ・ラトバラがWRC最年少優勝記録(22歳11カ月)を印したイベントでもあった。
  2. ^ 第9戦ドイツコ・ドライバーのミッコ・マルックラの負傷により欠場した[10]

出典[編集]

  1. ^ a b 【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】第1回スタート!”. Rally+.net (2015年2月11日). 2017年10月31日閲覧。
  2. ^ “IRC王者のミケルセン、スキーで山修行”. Rally+.net. (2012年2月14日). https://www.rallyplus.net/6304 2017年10月31日閲覧。 
  3. ^ a b c アンドレアス・ミケルセン”. ドライバー紹介. J SPORTS. 2017年10月31日閲覧。
  4. ^ ドライビングスキル向上に役立つスポーツ”. Redbull.com (2017年). 2017年10月31日閲覧。
  5. ^ “アンドレアス・ミケルセン、MスポーツからフィエスタでIRC7戦に参戦決定”. Rally+.net. (2010年2月9日). https://www.rallyplus.net/9755 2017年10月31日閲覧。 
  6. ^ “IRC最終戦キプロス:5人のチャンピオンの可能性を検証する”. Rally+.net. (2011年11月4日). https://www.rallyplus.net/6698 2017年10月31日閲覧。 
  7. ^ “IRCキプロス:ミケルセン、22歳で最年少王者に!”. Rally+.net. (2011年11月7日). https://www.rallyplus.net/6683 2017年1月閲覧。 
  8. ^ “IRCキプロス:スタート待たずにミケルセンの連覇が確定”. Rally+.net. (2012年10月31日). https://www.rallyplus.net/5100 2017年10月31日閲覧。 
  9. ^ “ミケルセンは「フォルクスワーゲン・モータースポーツII」から参戦”. Rally+.net. (2013年3月7日). https://www.rallyplus.net/4622 2017年1月閲覧。 
  10. ^ “ミケルセンがドイツを欠場”. Rally+.net. (2013年8月21日). https://www.rallyplus.net/3836 2017年10月31日閲覧。 
  11. ^ “ラトバラ快勝&ミケルセン快走!スタッドタイヤ「ミシュラン・Xアイス・ノース2」、グラベル露出の悪条件に耐え抜く”. モータースポーツレポート WRC(世界ラリー選手権) (日本ミシュランタイヤ). (2014年2月10日). http://nihon.michelin.co.jp/Motorsports_report/wrc/2014/02/rd02-sweden-report.html 2017年11月1日閲覧。 
  12. ^ “最終ステージにトップ3台が4.6秒差で突入! ミケルセンが痛恨のスピンでWRC初優勝を逸し、オジェが逆転で開幕2連勝!”. モータースポーツレポート WRC(世界ラリー選手権) (日本ミシュランタイヤ). (2015年2月16日). http://nihon.michelin.co.jp/Motorsports_report/wrc/2015/02/02-sweden-report.html 2017年11月1日閲覧。 
  13. ^ “ミケルセンがスペインで劇的な初優勝”. ラリーXモバイル. (2015年10月25日). http://rallyx.net/news/%E3%83%9F%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%A7%E5%8A%87%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%88%9D%E5%84%AA%E5%8B%9D-12475/ 2017年11月1日閲覧。 
  14. ^ WRC News - RallyRACC - Rally de España 2015: Power Stage/ Ogier CRASH- FIA World Rally Championship (Youtube)
  15. ^ “フォルクスワーゲン、16年限りのWRC撤退を正式発表! カスタマースポーツに集中”. AUTOSPORTweb. (2016年11月2日). http://www.as-web.jp/rally/62437?all 2017年11月2日閲覧。 
  16. ^ “ミケルセン、モンテカルロはシュコダワークスからファビアでスポット参戦”. Rally+.net. (2016年12月20日). https://www.rallyplus.net/26716 2017年11月2日閲覧。 
  17. ^ “WRC:「ペイドライバーにはなりたくない」とミケルセン。18年のワークス加入に注力か”. AUTOSPORTweb. (2017年2月22日). http://www.as-web.jp/rally/92659?all 2017年11月2日閲覧。 
  18. ^ “ミケルセン、来年より2年間ヒュンダイとドライバー契約を締結”. motorsport.com. (2017年9月28日). https://jp.motorsport.com/wrc/news/%E3%83%9F%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3-%E6%9D%A5%E5%B9%B4%E3%82%88%E3%82%8A2%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%A8%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%82%92%E7%B7%A0%E7%B5%90-958574/ 2017年11月2日閲覧。 
  19. ^ CPdB, View record [ID:1747]”. The Crash Photo Database. The Fastlane. 2017年11月2日閲覧。
  20. ^ The story behind the helmet: Andreas Mikkelsen”. wrc.com (2014年11月2日). 2017年11月2日閲覧。
  21. ^ “親友同士がガチンコ対決のWRCランキング2位争い、先手を打つのは?”. Rally+.net. (2016年10月27日). https://www.rallyplus.net/25248 2017年11月2日閲覧。 
  22. ^ “アンドレアス・ミケルセンの日記がスタート!”. Rally+.net. (2015年2月11日). https://www.rallyplus.net/1080 2017年11月2日閲覧。 
  23. ^ “大混乱のWRCストーブリーグ、オストベルグの新パートナーはフローネ!”. Rally+.net. (2015年12月8日). https://www.rallyplus.net/16375 2017年11月2日閲覧。