インド鉄道WAP5形電気機関車

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インド鉄道WAP5形電気機関車
30022号機
30022号機
基本情報
製造所 ABBチラタンジャン工場英語版
製造年 1995年 -
製造数 90両(2016年現在)
主要諸元
軸配置 Bo-Bo
軌間 1,676mm
電気方式 交流 25,000V、単相50Hz
自重 78t
制御装置 インバータ制御
GTOサイリスタ方式)
制動装置 ディスクブレーキ
最高運転速度 160km/h
設計最高速度 200km/h
定格出力 4,474kw
最大引張力 26.3t
定格引張力 19.5t
備考 数値は[1][2][3]に基づく。
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インド鉄道WAP5形電気機関車(インドてつどうWAP5かたでんききかんしゃ)は、インド鉄道(Indian Railways)が所有する旅客用交流電気機関車。スイス・ABBとの技術提携により製造された、インドで初めてインバータ制御を採用した電気機関車である[4]

概要[編集]

1959年に導入されたWAM1形以降、インドでは整流器を用いた交流電気機関車が長期に渡って製造されていた。1988年以降はサイリスタ位相制御を採用したWAG6形が日本スウェーデンから輸入されたものの、その後製造されたWAG7形はコスト面を考慮した上で整流器式に戻っていた。だが、旅客列車の高速化や貨物列車の重量化が進行するためには整流子式のままでは保守や出力に難があり、新技術を用いた電気機関車が要望された[5]

そこでインド鉄道は1993年に欧州企業と技術提携を結び、インバータ制御を使用する三相誘導電動機を搭載した電気機関車を導入する事となった[6]。その中で最初に製造されたのが、ABBの技術を用いた旅客用のWAP5形である[4]

電力半導体素子として、ABBが電子機器を担当したスイス国鉄Re460形電気機関車と同様のGTOサイリスタを採用している他、インドの電気機関車で初めて回生ブレーキディスクブレーキを導入している。営業時の最高速度は160km/hだが、試運転時には最高速度184km/hを記録している[4]

最初の10両はABBの工場で生産され、貨物用機関車であるWAG9形と共に1995年にインドへと輸入された。同年より営業運転を開始し、主にシャターブディー急行ラージダーニー急行などの優等列車に使用されている。特にWAP5形が牽引するハズラト・ニザームッディーン駅 - ジャーンシー駅間を結ぶガティマン急行は、2016年の時点でインド最速の列車である。2000年以降はチラタンジャン工場英語版での国内生産も実施されており、2016年の時点で90両が在籍している[7]

なお、一部の車両については将来の最高速度200km/h運転に対応すべく歯車比の変更が行われている[8]

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

  • WAP7形WAG9形 - WAP5形と同様に、欧州企業との技術提携により製造された電気機関車。

脚注[編集]

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  1. ^ AC Locomotives - Indian RailwayINDIAN RAILWAYS 2019年1月8日閲覧
  2. ^ 石田周二、笠井健次郎 2015, p. 164.
  3. ^ Indian Railways 2016, p. 24.
  4. ^ a b c Electric Locomotive Roster: The WAP Series!2016年9月3日作成 2019年1月21日閲覧
  5. ^ 石田周二、笠井健次郎 2015, p. 130.
  6. ^ Indian Railways 2016, p. 18.
  7. ^ Indian Railways 2016, p. 26.
  8. ^ Indian Railways 2016, p. 30.

参考資料[編集]

  • 石田周二、笠井健次郎 『交通ブックス 124 電気機関車とディーゼル機関車』 成山堂書店、2015年6月。ISBN 978-4-425-76231-6。