ウズベキスタンの交通
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投資額の低下や整備の稚拙さから、ウズベキスタンの国土全体に渡る交通網のインフラストラクチャーはソビエト連邦から独立した後大きくその質を落としている。2000年代前半には政府の大規模投資により国内主要都市に空港が整備され、空港の整備も進行中である[1]。ソビエト連邦時代の交通事情に関してはソビエト連邦の交通を参照のこと。
鉄道[編集]
2005年時点において、ウズベキスタンには3,950kmの鉄道が整備されており、約620kmが電気鉄道である。しかし、ウズベキスタン国内の鉄道網に関しては大部分が整備が必要な状態にある。国内最長の路線は首都タシュケントからアムダリア川流域までを結ぶカスピ海横断鉄道である。この鉄道はカザフスタンやキルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンとウズベキスタンを結んでいる。2018年、中国とキルギスと同国の3ヶ国における国際鉄道網の新たな開拓計画として予てから考案されていた中国 - キルギス - ウズベキスタン鉄道が4月に決定され、同年12月下旬にその三者協議の開催地となったタシュケントにて同3ヶ国における国際列車の路線建設が決定されている[注釈 1][2]。
2011年10月にはタシュケントとサマルカンドを結ぶタシュケント・サマルカンド高速鉄道 (アフラシャブ号) が開通している[3]。
また、タシュケント地下鉄はカザフスタンにアルマトイ地下鉄が開通するまで中央アジア唯一の地下鉄だった[1]。
最新のタシュケント地下鉄の路線や整備計画に関する情報に関しては以下のサイトを参照のこと。(uzrailway.uz)
路線図[編集]
タシュケント地下鉄の路線図: 地下鉄路線図 (PDF)
道路[編集]
2005年時点において、ウズベキスタンには84,400kmの道路があり、内約72,000kmが舗装道路である。道路のインフラ整備は首都タシュケント以外ではあまり進んでいない。国の主要道路は国道M39線で、北東部のタシュケントからサマルカンドを経て、南部のテルメズまでの約450キロメートルある。この道路の65キロはカザフスタンを通り、10年間閉鎖されてグリスタンを経由する回り道を余儀なくされていたが、2017年1月にカザフスタン・ウズベキスタン両政府が再開するように合意した[4]。また、国道M37線はサマルカンドから西へ向かい、ナヴォイとブハラを経て、トルクメン国境へ向かう。州道A373線はタシュケントから東へ向かい、フェルガナ州コーカンドを経て、キルギス国境へ。
2006年時点において、ウズベキスタン国内の高速道路整備計画はない。2000年代前半にはアフガニスタンへの人道支援物資供与のためアメリカ合衆国の整備士がテルメズ空港付近の道路の整備を行い状況が改善された。ウズベキスタンはアジアハイウェイ参加国であり、数本の国道はアジアハイウェイとして利用されている[1]。
港と水路[編集]
二重内陸国であるウズベキスタンには海に面する港はない。ただ、アムダリヤ川が付近を流れるテルメズには河川港がある。テルメズ港は規模が小さく現代的な設備が揃っているわけではないものの、国境を接するアフガニスタンの情勢が安定化するにつれ貿易額は増加している。テルメズはアフガニスタンに人道支援物資を届ける際の玄関口として重要な役割を果たしている[1]。
ウズベキスタンには約1,100kmの内陸水路網がある。1990年代後半より、アムダリヤ川の水量が減少したことでアムダリア川付近への観光ツアーは減少傾向にある[1]。
パイプライン[編集]
2006年時点において、ウズベキスタンには9,594kmの天然ガスのパイプラインと868kmの石油パイプライン、33kmの石油精製用パイプラインがある[1]。
空港[編集]

2006年時点において、ウズベキスタンには34の舗装路を有する空港があり、そのうち6つは3,000m以上の滑走路を有する。最長の滑走路を有するタシュケント国際空港にはアエロフロート・ロシア航空やルフトハンザドイツ航空、トランスアエロ航空、ターキッシュ エアラインズが就航しヨーロッパや中東の都市とウズベキスタンを結んでいる。また、モスクワを経由したニューヨークやロサンゼルスへの便も発着している。日本とはウズベキスタン航空が成田国際空港との定期便を運航している。ウズベキスタン航空は国内便の他、主にCIS諸国への国際便を運航している。燃料不足などの事情により、ウズベキスタン航空はしばしば運航スケジュールが変更される[1]。
2017年10月、ミルズィヤエフ大統領によって署名された大統領令により、トルコ・オーストリア・ベルギー・イギリス・フランス・ドイツ・スペイン・イタリア・スイス・ラトビア・マレーシア・日本・タイの国民を対象に簡素化ビザの運用が開始され、さらに2018年、同大統領が「ウズベキスタンで渡航の潜在能力発展に向けて有利な条件を確保する」ことに関する大統領令を公布、同年2月以降からイスラエル・インドネシア・韓国・マレーシア・シンガポール・日本・トルコの国民にビザを30日間免除することを明かしている。またこの大統領令には同年7月1日以降同国で「電子ビザ(e-Visa)」の運用が開始されるとも記されており、今後の同国での航空はこれまで以上の広範囲へ変化するであろうことが予測される[5]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f g “COUNTRY PROFILE: UZBEKISTAN”. Library of Congress – Federal Research Division (2007年2月). 2013年1月18日閲覧。
- ^ China-Kyrgyzstan-Uzbekistan Railway to Improve Attractiveness of Central Asia Stratfor 2018年1月19日配信 2019年8月24日閲覧。
- ^ “Uzbekistan receives first high-speed train from Spain”. Railway Insider. 2011年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月18日閲覧。
- ^ Kazakhstan, Uzbekistan to Reopen Section of M-39 Highway in February (The Astana Times, January 10, 2017
- ^ ウズベキスタンが7か国にビザ免除、トルコや日本も TRT 日本語版 2018年2月4日
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