ウージー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ウージー
UZI
UZI
UZI
概要
製造国 Flag of Israel.svg イスラエル
設計・製造 IMI
性能
銃身長 260mm
ライフリング 4条右回り
使用弾薬 9mm × 19
装弾数 20・25・32・40・50発
作動方式 オープンボルト
全長 470mm(ストック展開時650mm)
重量 3,570g
発射速度 650発/分
銃口初速 400m/s
有効射程 200m
  

ウージーまたはウジ(ヘブライ語:עוז 英語:UZIまたはUzi)は、イスラエルIMI社(現 IWI社)製の短機関銃。イスラエル初の国産兵器として1951年に陸軍中佐ウジール・ガル(ウジエル・ガルまたウージー・ガルとも)が完成させ、1953年に量産開始。1956年の第二次中東戦争で活躍した。

目次

概要

Uzi smg.jpg

第二次世界大戦後、パレスチナに建国したイスラエルは、敵対するアラブ諸国からキブツを防衛するため、簡単な訓練で使用できるような単純な構造の銃火器を必要とした。しかし、当時のイスラエルは建国間もないこともあって工業基盤が貧弱で、高い技術力を必要とするような火器の製造はできなかった。そのため、比較的構造の単純な短機関銃を選択、ウジール・ガル陸軍中佐が設計した。

イスラエル国防軍に採用された他、その優れた性能は旧西側諸国で高く評価され、西側で最も多く使われる短機関銃の一つとなった。旧西ドイツドイツ連邦軍では、コッキングハンドルの大型化・ダストカバーの追加を行った改良型であるMP2としてライセンス生産された。アメリカのSWATでも使われたことがあり、レーガン大統領暗殺未遂事件の際にはシークレット・サービスがブリーフケースの中に隠し持っていた。中国でも民間向けのカービン型デッドコピーが生産され、輸出されている。

また短機関銃としてはめずらしく、バヨネット装着用のラグを備える。しかしながら、設計の古さは隠せず、その射撃精度の低さも相まって、他の短機関銃に取って代わられてしまった。

特徴

木製銃床つきの初期型ウージー
銃床を引き延ばした状態のUZI

砂漠戦闘を意識し、発射機構には構造が簡易なオープンボルトファイヤー方式を採用、本体にはプレススティールを多用し、高い信頼性を確保したうえ、当時工業基盤が貧弱だったイスラエルでも大量生産できる程の生産性を実現している。生産性を良くするために、全体的に部品数を減らし、主用部品の多くをプレス加工で製造している。

設計はチェコのVz26サブマシンガンを参考にしているが、パイプ型レシーバーではなく、スチール版を用いた堅牢性の高い箱型レシーバーを採用しているので面影はそれほど残っていない。ボルトもレシーバーと同じく円筒型ではなく、四角形の箱型で、ボルト重量を前方に置くべく、銃身を包むような設計をしている。このような構造のボルトを「L型構造ボルト」と呼び、銃の全長を短くし、フルオート射撃の制御を容易にすることができる。作動方式はブローバック方式で、オープンボルトで射撃する単純な構造を持っている。ただし、オープンボルトは連射時の命中精度が低下するため、改良型では、ストライカー形式の撃発機構を組み込んだクローズドボルトとなっている仕様も存在する[1]

安全装置を兼ねたスライド式のセレクタースイッチが銃握左側面にあり、フル、セミオートの2つの射撃モードの選択ができる。また、銃握後部には、握ることで解除される安全装置も存在する。このほかにも、ボルトをコックする際に手が滑り、暴発することを防ぐため、コッキングセイティも組み込まれているなど、高い安全性を確保している。

当初は脱着式の木製銃床が装備されていたが、オランダ空軍の要請[1]で、鋼鉄製銃床を製造。その後、それを発展させ折り畳み式となり、パイロットや車輌搭乗員にも使いやすいデザインとなった。初期型には銃剣を装着するための着剣装置が用意されたモデルや、ライフル・グレネード型のグレネードランチャーも存在するなど、短機関銃としては珍しい特徴をもっていた。

全長は47センチとコンパクトだが重量は約4kgもあるため、その重量のおかげで却ってフルオート射撃中のコントロールが容易である。使用弾薬は9mm × 19弾であるが、その他にも各国からの要請で.40S&W弾、.45ACP弾など、9mm×19弾以外の弾薬を使用できるバリエーションも製造されている。装弾数はマガジンによって20、25、32、40[1]、50発[2]がある。

派生型

ミニウージー

Mini UZI
  • 銃身/=201mm
  • ライフリング/4条右回り
  • 使用弾薬/9mm × 19
  • 装弾数/20・25・32・40・50発
  • 作動方式/オープンボルト or クローズドボルト
  • 重量/2950g
  • 全長/357mm(ストック展開時595mm)

イスラエル軍特殊部隊の要請で小型化、連射速度の高速化を施した派生型。主な変更点として、銃身を切り詰めストックをスチールワイヤ型へ、銃口上部は連射時の反動を抑えるためにコンペンセイターが開けられている。また、2005年に発表された最新型は、命中精度の向上を目的にオープンボルトからクローズドボルトへ変更された他、ボルトのコッキングハンドルをレシーバー側面に移動させることで照準器の装着を容易にしている。

マイクロウージー

  • 銃身長/1171mm
  • ライフリング/4条右回り
  • 使用弾薬/9mm × 19
  • 装弾数/20・25・32・40・50発
  • 作動方式/クローズドボルト
  • 発射速度/1400発/分
  • 重量/1950g
  • 全長/250mm(ストック展開時460mm)

ミニウージーをさらに小型化し、クローズドボルトに変更したモデル。小型化と同時に、発射速度が毎分1400発の高速化し、制御が難しいなどの問題点がある。

ウージーピストル

UZI Pistol
  • 銃身長/1171mm
  • ライフリング/4条右回り
  • 使用弾薬/9mm × 19
  • 装弾数/20・25・32・40・50発
  • 作動方式/クローズドボルト
  • 重量/1950g
  • 全長/250mm

マイクロウージーをセミオート射撃のみにした民間モデル。

ウージーカービン

他の変種としては16インチバレルを装備したカービンタイプ。アメリカ国内で販売するために、規制をクリアする必要があるため、本来サブマシンガンであるウージーのフルオート機能を省略し、16インチバレルを装備したモデルである。

採用国

UZIを持つニジェール軍兵士

軍・警察などの国家機関で採用している、もしくは採用していた国を以下に挙げる。

ウジグラム

ウージーを使用するシーンを映画等で撮ろうとする場合、ウージーをベースにしたステージガンを使用するが、ベースになるウージーが手に入りにくい場合、イングラムM10をベースにウージー風のパーツを追加し、一見ウージーであるかのように見えるようデコレーションを施したものを使用する。このようなステージガンは、「ウジグラム」の通称で呼ばれる。発砲シーンではコッキングハンドルが前後動している(ウージーは動かない)ので、その部分でわかってしまう。

日本では、イングラムのモデルガンをベースにウジグラムが作られる。ウジグラムに限らず、発火性能の高いモデルガンは、別の遊戯銃の外装をかぶせられステージガン化されることが多い。

登場作品

映画・テレビドラマ

  • アート・オブ・ウォー
  • 48時間 パート2 帰って来たふたり
アイスマンがウージーピストルを使用。
標準モデルは、映画版第1作では犯人・豹藤、第2作『またまた~』ではクライマックスに大下刑事、第3作『もっとも~』では殺し屋・結城がストーリー序盤に使用しそれを大下刑事に奪われ、第4作『~リターンズ』ではテロリストリーダー・柊、TVスペシャル『~フォーエヴァーTVスペシャル'98』ではクライマックスに大下刑事がそれぞれ使用。また、『~リターンズ』ではクライマックスに大下刑事がマイクロ・ウージーを使用。
警視庁特殊部隊SUMP(サンプ)の銃器で登場。
金相美演じる北朝鮮工作員が使用。
T-800が銃器ショップにて「UZI 9mm」と要求。その後、バーで使用。
ジョン・メイトリクスが港と敵地で使用。
  • ナショナル・セキュリティ
ナッシュとその部下が使用(ナッシュは中盤で使用)。
  • ハードボイルド/新・男たちの挽歌
國村準演じる殺し屋が、料理店でマイクロUZIを使用。他にはトニーが倉庫で、病院でジョニーがマイクロUZIを使用。
  • パープルストーム -紫雨風暴-
ソンの手下がマイクロUZIを使用(一部ミニUZIを使用)。
原作と映画版。原作ではイングラムM10とウージーが登場し、映画版ではイングラムM10(誰に支給されたか不明瞭。金井泉、黒長博、笹川竜平のうちだれか)の代わりにウージー(笹川竜平に支給)が、原作のウージー(野田聡美に支給)の代わりにマイクロウージー(中川有香に支給)が登場。
佐藤の手下がマイクロUZIを使用(ストック無し)。
イスラエル軍のコマンド部隊が使用。
  • リプレイスメント・キラー
チャイニーズマフィアが使用。
主人公が使用。
峰不二子が、幽閉されたヒロインクラリス姫を尖塔から脱出させる際に使用。木製ストック付きのUZIを連射する。
冒頭でルパンが盗みに入ったカジノで、警備員がUZIと思われる銃を使用。
主人公が初めて売った銃として登場。
映画版で、主人公率いる傭兵部隊がウージーで武装している。ただし、一部のシーンでイングラムM10を改造したと思われるウジグラムが登場する。前記の通りイングラムの前後にウージー風のパーツを追加し、一見ウージーであるかのように見せている。原作である小説ではMP40を使用している。
UZI装備の傭兵部隊が一国を相手に戦いを挑む。
トリニティがモーフィアス救出の際、ワンシーンだけ使用。
トリニティが使用。二挺拳銃。
ミシェール・キング(現:ミシェール・ヨー)が中盤の軍事キャンプシーンでウージー・ピストルを使用。
テロ組織の一人が所持。民家に乱射した。
在米のモン族のギャングが所持。いざこざとなったアメリカ人の一人がリボルバーを抜いたのに対抗してモン族の一人がウージーを抜き、恐れをなしたアメリカ人が逃げ出した。
ハッカーのサン・ゲンパ(通称コーギー)が中国製のUZIを使用。9課の装甲バンに対し、強装弾(設定では高速徹甲弾)を発射、装甲バンを破壊した。形的に見てミニUZIのようである。(イングラムM10のフロントストラップつけがあった。)

漫画・アニメ

小砂こと小泉太湖が使用(ミニ・Uzi)。
登場人物の一人、ベアトリーチェが使用(マイクロ・Uzi)。
「胡桃の兵隊」にてガードマンのアレクセイ・コスロフが使用。
オレンジハイスクール編にてバスジャック一味の一人が使用。
第4話「ゲイトウェイ・シャッフル」にて「トゥインクル・マリア・マードック」の息子4人が銃撃戦に使用。
第4巻で黒田(兄)が学校に乱入した際に使用。威力が誇張されている(被弾箇所が欠損するなど)。
NERVの隊員がUZIらしき銃を所持。
コミックス第5巻見開きページでサングラスをかけた人が所持
原作2巻PHASE.9「サキノハカという黒い花(後編)」冒頭で「宇宙防衛戦線」のテロリストの一人が使用していたが、暗殺対象の星野ゴローに後方回転半ひねりカカト落としを喰らって奪われる。

ゲーム

『III』以降から登場。作中では私服警官(『VC』のみ)、SWAT、(『IV』からはMP5のコピー品やポンプ式ショットガン、M4カービンを装備)序盤から終盤のギャングが、『IV』からはチンピラも所持。ちなみに『サンアンドレアス』ではウージーが登場しないので代わりのイングラムM10を装備して登場。
レジスタンス(v1.85)から追加。サイレンサーを装着したバージョンのみ登場。
SMG U101という名称で登場。初期装備。装弾数25発。
ゲーム内通貨で購入できる武器。
敵の暴力団組員がウージーと思われる短機関銃を乱射。横一直線に撃ってくる者と不規則に撃ってくる者がいる。
マイクロウージー。主人公のフランクがモール内の銃砲店などで拝借することで使用することができる。作中ではリロードができないが、複数入手することで装弾数が増加する。
工兵・衛生兵が使用できるショップ武器。威力は高いが連射が悪い。
minUZIが登場。装弾数は32発。
ゲーム内の兵種である「ポイントマン」が購入可。装弾数は25発(ただしカスタム可能)。
『1』・『R』と『メタルサーガ 〜鋼の季節〜』、『メタルサーガ 〜旋律の連鎖〜』でSMGウージーとして登場。『メタルサーガ 〜砂塵の鎖〜』ではウージーのみの表記となっている。
インドのカルト教団の一部の信者が使用。
赤龍会メンバーと青蓮会メンバーがマイクロウージーを使用。また青蓮会メンバーの一部がサプレッサー付きマイクロウージーを使用。
装弾数32発。ゲーム内でサブマシンガンとして入手できる武器。サプレッサーを装着できる。条件を満たせば弾数無限のものも使用可能。
生存者の初期装備として選択可能。

小説

『宇治式短機関銃』との名称にて、日本海軍在欧州情報機関『ハギス』による「独逸秘匿兵器試験艦」強奪作戦で登場。後に後世日本軍携行兵器として正式採用されたとされる。
「ワンワン刑事」が両手撃ちで使用。壁に貼られた「図書室では静かに」と書かれた張り紙を「図書室では主に平野部に雨が降る」と読めるようにした。
テロリストたちが使用。
主人公がモデルガンを改造したものを保有。
作中ではウジサブマシンガン、ウジと表記されている。高麗遠征軍の先遣コマンドや、イシハラグループのタケイが所持。シーホークホテル内でカネシロが使用した。

出典・脚注

  1. ^ a b c 床井雅美『軍用銃事典』並木書房 p206~207 ISBN 9784890632138
  2. ^ http://www.ifatactical.com/page/1002466
ウィキメディア・コモンズ

今日は何の日(1月20日

もっと見る

「ウージー」のQ&A