エウテルペー
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エウテルペー(古希: Εὐτέρπη, Euterpē)は、ギリシア神話の女神の1人で、ムーサイの一員である。抒情詩のムーサ。長母音を省略してエウテルペとも表記される。
「喜ばしい女」の意で、ギリシア語の Ευ (ふさわしい)と τέρπ-εω (喜ばす)から。
ゼウスとムネーモシュネーの娘であり、カリオペー、クレイオー、メルポメネー、エラトー、テルプシコラー、ウーラニアー、タレイア、ポリュムニアーと姉妹[1][2][3]。ムーサイひとりひとりに役割が与えられた時に「快を与えるもの」として性格付けられ、後には抒情詩のムーサとされた。アウロスないしはフルートを持って描かれる。
アウロスの発明者だとも言われているが、その点ではマルシュアースの方が有名である。アポロドーロスによると、エウテルペーはストリューモーン河によって身ごもり、男の子レーソスを生んだ[4]。レーソスはトラーキア人を統べることとなったが、トローイアでディオメーデースによって殺害された[5][6][4][7]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『ギリシア悲劇IV エウリピデス(下)』、ちくま文庫(1986年)
- ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
関連項目[編集]
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