エサペッカ・ラッピ

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エサペッカ・ラッピ
2015年ラリー・ポーランドにて
基本情報
国籍  フィンランド
生年月日 (1991-01-17) 1991年1月17日(28歳)
出身地 フィンランド 南サヴォ県 ピエクサマキ[1]
WRCでの経歴
活動時期 2011年 - 2013年2015年 -
コ・ドライバー ヤンネ・フェルム
所属チーム シュコダトヨタシトロエン
優勝回数 1
初戦 2011年ラリー・フィンランド
初勝利 2017年ラリー・フィンランド
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エサペッカ・ラッピEsapekka Lappi1991年1月17日 - )は、フィンランド・ピエクサマキ (Pieksämäki出身[1]ラリードライバー2012年フィンランド国内ラリーチャンピオン、2014年ヨーロッパラリー選手権(ERC)チャンピオン、2016年WRC2チャンピオン。2017・2018年のTOYOTA GAZOO Racing WRTを経て、2019年からはシトロエン・レーシングWRTのドライバーとして世界ラリー選手権(WRC)に参戦する。

経歴[編集]

初期の活動[編集]

ラッピは6歳の頃からレーシングカートに乗り、F1ドライバーを目指していた[1]。2007年にはカートのフィンランド選手権を制覇するが、ジュニア・フォーミュラへステップアップするための資金が足りず、ラリー競技へ転向する[1]

2009年にホンダ・シビック Type Rを駆り、本格的にラリーに参戦。2011年よりコ・ドライバーのヤンネ・フェルムとコンビを組み、シトロエン・C2 R2を駆りラリー・フィンランドでWRCデビューを果たす。この年末にイーブン・マネージメント[2]と契約したことがキャリアの転機となる[1]

2012年はフォード・フィエスタ S2000を駆り、7戦全勝でフィンランドラリー選手権のチャンピオンとなる。同年10月にはチェコの名門シュコダ・モータースポーツと契約し、同年のERCラリー・ポーランドで初参戦初優勝を飾る。

シュコダ[編集]

シュコダ・ファビアR5を駆るラッピ(2015年ラリー・ポーランド)

2013年はシュコダのワークスドライバーとしてファビア S2000をドライブし、国際的な舞台で活躍を始める。アジアパシフィックラリー選手権(APRC)にチームMRFからフル参戦し、6戦中3勝を挙げ、チームメイトに次ぐ年間総合2位を獲得。第5戦ラリー北海道に出場するため来日している[3]。ERCとWRC2にもシュコダ・モータースポーツからスポット参戦し、ERCでは1勝を挙げ年間総合5位。WRC2ではラリー・ポルトガルで勝利した上WRCの総合ポイント(1pt)も初めて獲得した。

2014年はERCに参戦し、出場8戦中3勝を挙げてチャンピオンを獲得した[4]

2015年はマシンをファビア R5に変更。WRC2ではポーランドとフィンランドで勝利し、年間総合3位で終えた。フィンランドでは総合8位に入り、WRCでの自己最上位を更新した。

2016年はWRC2に参戦。シーズン序盤は不振だったが後半に調子を上げ、フィンランド、ドイツイギリス、最終戦オーストラリアと4連勝して逆転でチャンピオンを獲得した[5]

トヨタ[編集]

トヨタ・ヤリスWRCを駆るラッピ(2017年ラリー・ポルトガル)

2017年は4年半在籍したシュコダを離れ、19年ぶりにWRCに復帰するトヨタと契約。TOYOTA GAZOO Racing WRTのテストドライバーとしてチームに帯同し、WRC第6戦ラリー・ポルトガルからサードドライバーとしてヤリスWRCを駆る[6]WRカー参戦2戦目のイタリアではパワーステージを含め6つのSSウィンを記録[7]。4戦目のラリー・フィンランドでWRC初優勝を飾った[8]

2018年も引き続きトヨタから参戦。初のフル参戦となったこの年は優勝こそなかったが、3度3位表彰台に登るなど安定した成績を残し、タナクとラトバラに次ぐ年間5位を獲得。復帰2年目でのトヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献した。そして来シーズンはトヨタから参戦するクリス・ミークと入れ替わる形でシトロエンへの移籍が決定した。

シトロエン[編集]

2019年は6年連続チャンピオンセバスチャン・オジェのチームメイトとしてシトロエンから参戦。第2戦スウェーデンで2位に入り移籍後初表彰台を達成。しかしスウェーデン以降はなかなか結果を残せず、第5戦アルゼンチンでクラッシュ、第7戦ポルトガルでも転倒し一時スランプに陥ってしまう。チームはシーズン後半に向けマシンのアップデートを投入。これが効いたのか第9戦フィンランドで前年までのチームメイトで優勝したオット・タナクと互角のスピードを見せ2位表彰台に登った。第11戦トルコではチームメイトのオジェを凌ぐ速さで初日に首位を快走し、最終的にはオジェに優勝を譲ったもののそれでも今季3度目の2位に登りシトロエンに4年振りのワンツーフィニッシュをもたらした。しかしトヨタに所属してた前年と違い安定感に欠けポイントの取りこぼしもあり年間ランキングは前年を下回る10位で終わった。

エピソード[編集]

  • 2019年からの固定ナンバー制度により「4」を選んだ。これは自分の名前の姓にある"A" (Lappi)にひっかけたもの。
  • スタート前に手首を高速で回すルーティンがある。
  • 小麦粉アレルギーである。
  • 初めて覚えた日本語は「生きがい」[9]。なおラトバラも好きな日本語に「生きがい」を挙げている[10]が、関係は不明である。
  • 幼い頃ファンとして訪れたF1でヘイキ・コバライネンから帽子にサインを貰った。それから10年以上経った後、二人はトヨタの縁で日本で対談をし、お互いのマシンを交換して体験ドライブしている[11]。コバライネンはカートで鳴らしていた頃からラッピを知っていたという。
  • 2018年にトヨタからシトロエンに移籍することが決まった後の、トヨタのタイトル獲得記念Tシャツのイラストでラッピとフェルムはシトロエンのマシンを持って描かれていた。また友山茂樹トヨタ副社長からはフランス語の辞書を贈られるなど、別れは円満なものであった[12]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e 「エサペッカ・ラッピ トヨタ第3の男の肖像」、『RALLY PLUS』(vol.14)、三栄書房 pp. 24-27
  2. ^ ラッピのほかにアンドレアス・ミケルセンやポンタス・ティデマンドらの世話をするノルウェーのスポーツマネージメント会社(「【Martin’s eye】現役ワークスドライバー4人を輩出! イーブン・マネージメントの快挙」 Rally+.net 2017年10月29日)。
  3. ^ “ラリー北海道:トシがラッピを歓迎”. Rallyplus.net. (2013年9月26日). http://www.rallyplus.net/3644 2017年8月2日閲覧。 
  4. ^ “ラッピがERCチャンピオンとして表彰”. Rallyplus.net. (2014年11月10日). http://www.rallyplus.net/1568 2017年8月2日閲覧。 
  5. ^ “WRC2は豪州を制したラッピが初タイトル”. Rallyplus.net. (2016年11月22日). http://www.rallyplus.net/25931 2017年8月2日閲覧。 
  6. ^ “【WRC】トヨタ、5月頃に3台目投入か。ラッピを起用予定”. motorsport.com. (2016年12月15日). https://jp.motorsport.com/wrc/news/wrc-%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF-5%E6%9C%88%E9%A0%83%E3%81%AB3%E5%8F%B0%E7%9B%AE%E6%8A%95%E5%85%A5%E3%81%8B-%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%94%E3%82%92%E8%B5%B7%E7%94%A8%E4%BA%88%E5%AE%9A-859488/ 2017年8月2日閲覧。 
  7. ^ “WRCイタリア:トヨタ、総合2位ラトバラを筆頭に3台揃って完走。マキネン「もっとも力強いラリーのひとつ」”. オートスポーツ. (2017年6月12日). https://www.as-web.jp/rally/131168?all 2017年8月2日閲覧。 
  8. ^ WRC:トヨタの”ホーム”、フィンランド戦で若手ラッピが初優勝。チームはシーズン2勝目 - オートスポーツ・2017年7月30日
  9. ^ なぜその言葉!? ドライバーが覚えた日本語が面白い【TOYOTA GAZOO Racing WRC 2017年シーズン報告会】
  10. ^ 『地球の走り方〜世界ラリー応援宣言!』 ラリー・オーストラリア分 テレビ朝日 2018年12月3日放送
  11. ^ "フライング・フィン"クロストーク
  12. ^ [1]

外部サイト[編集]