エネイブル

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エネイブル
DSC 3339Enable.jpg
2018年ブリーダーズカップ・ターフ出走時
(2018年11月3日)
欧字表記 Enable
香港表記 成全寶
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2014年2月12日(5歳)
Nathaniel
Concentric
母の父 Sadler's Wells
生国 イギリスの旗 イギリス
生産 Juddmonte Farms Ltd.
馬主 Khalid Abdullah
調教師 ジョン・ゴスデンイギリス
競走成績
生涯成績 12戦11勝
 
勝ち鞍
GI オークス 2017年
GI アイリッシュオークス 2017年
GI KGVI & QES 2017,2019年
GI ヨークシャーオークス 2017年
GI 凱旋門賞 2017,2018年
GI ブリーダーズカップ・ターフ 2018年
GI エクリプスステークス 2019年
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エネイブル:Enable)は、イギリス競走馬である。主な勝ち鞍は2017年オークス愛オークスキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス凱旋門賞、2018年凱旋門賞、ブリーダーズカップ・ターフ、2019年エクリプスステークス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスである。「イネイブル」・「イネーブル」と表記されることもある。

ナサニエルの初年度産駒の一頭である。

戦績[編集]

2歳時(2016年)[編集]

2016年11月28日ニューカッスル競馬場の未勝利戦でゴスデン厩舎の主戦騎手であるロバート・ハヴリン騎手を背にデビュー、2着馬に3馬身3/4差をつけて快勝する。

3歳時(2017年)[編集]

年が明けて2017年4月21日ニューベリー競馬場の条件戦はビュイック騎手とのコンビで挑んだが3着に敗れる。続く5月10日チェスター競馬場の準重賞チェシャーオークスに出走、2勝目を挙げる。このレースからデットーリ騎手とコンビを組むことになる。

6月2日に行われたオークスに2番人気で出走。道中好位追走から直線で抜け出すと、残り2ハロンあたりから1000ギニー2着で1番人気のロードデンドロンとの叩き合いとなり、最後は5馬身差をつけて圧勝、G1初制覇を果たした[1]

また、続く愛オークスでは、2番手追走から直線に入って先頭に立つとそのまま後続を突き放し、2着のレインゴッデスに5馬身半の差をつけ圧勝した。英愛オークス連覇はスノーフェアリー以来7年ぶり[2]

次走に関しては未定であったが、後にキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスへの出走が決定[3]。レースでは先行しながら逃げ馬との差を徐々に詰め、直線では迫る後続を突き放し、2着のユリシーズ(Ulysses)に4馬身半の差をつけて完勝した。レース後、管理するJ.ゴスデン調教師は「彼女は、私が調教した中で最高の牝馬だと思う」と述べた[4]。その後、凱旋門賞に向かう前にヨークシャーオークスに出走すると、同厩のコロネット(Coronet)に5馬身差をつけて圧勝した。

エネイブルは予定通り、12万ユーロの追加登録料を払って凱旋門賞(G1)に出走[5]。圧倒的人気で出走すると、早目先頭に立ってそのまま後続を突き放し、2着のクロスオブスターズ(Cloth of Stars)に2馬身半差をつけて完勝、英国調教の3歳牝馬として初の凱旋門賞制覇となった[6]

この勝利によりこの年のカルティエ賞年度代表馬・同最優秀3歳牝馬を受賞[7]。凱旋門賞後は休養に入る。

4歳時(2018年)[編集]

翌4歳シーズンは当初5月か6月の復帰を目指していたが[8]、5月の調教中にひざを負傷[9]。復帰は9月のセプテンバーステークス(G3、AW11F219Y)にずれこんだ。このレースではこの年のキングジョージ2着馬クリスタルオーシャンに3馬身半の差を付けて圧勝。復活を大きくアピールした。

そして連覇を目指し出走した凱旋門賞では道中4番手から直線で抜け出し、道中最後方から追い詰めた愛オークス馬・シーオブクラスを僅か短首差に抑えて連覇を達成した。凱旋門賞連覇は史上7頭目、牝馬としては3頭目、また開催競馬場が異なる凱旋門賞を連覇したのは史上初である(2017年はシャンティイ、2018年はパリロンシャン)。

その後、アメリカに遠征しブリーダーズカップ・ターフに出走した。戦前はチャーチルダウンズ競馬場の小回りコースへの対応が懸念されたものの、レースでは道中6番手から直線先頭に立ち、2着マジカルを3/4馬身差抑え優勝。凱旋門賞からBCターフの同一年連覇は史上初。

5歳時(2019年)[編集]

5歳シーズンも史上初の凱旋門賞三連覇を目指して現役続行。初戦は7月のエクリプスステークスになり、前年のBCターフで2着だったマジカルに3/4馬身差を付けて優勝した。

7月27日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1、1マイル3ハロン211ヤード[10][11][注 1])では序盤から後方を進み[19][20]、最後の直線に入ると外から一気にスパート[21]、先行していた世界ランク1位のクリスタルオーシャンをクビ差退けて優勝した。最後の直線では2頭がまったく並んでの「一騎打ち[22] 」「火の出るような叩き合い[18][22]」「ヘビー級ボクサー[注 2]の足を止めての殴り合い[23]」「大接戦の対決(head-to-head confrontations[25])」となり、これが最後の直線いっぱいに4、500メートルあまり続いた[26][27][28][注 3]。残り1ハロンほど(約201メートル)でわずかにエネイブルの勢いが勝り[21][18]、残り数完歩でエネイブルが前に出て[27]、最後はクビ差でエネイブルが勝利した[27]

この模様は、「世紀の一戦」と評された1975年のグランディバスティノのレースを様々なメディアが引き合いにだしつつ[25][27][23]、「巨星と巨星の決闘(duel de titans)[28]」、「ゴールの瞬間、毛が逆立つような興奮(at the line it made your hair tingle[24])」(タイムズ、Brough Scott)、「何十年も語り草になる(be talked of for decades[26])」「伝説的死闘(epic duel[26])」(BBC)、「史上最高かつ最も興奮したレースの一つ(one of the greatest and most pulsating races ever seen[30][31])」(レーシング・ポスト誌Peter Scargill、レーシング・ポスト誌Robbie Wilders)、「永久に語り継がれる(always linger longest in the memory)[25]」(Racint TV)、「おそらく競馬史上最高の一戦(Perhaps it even was the finest race ever run.)[31]」(ブラッドホース誌)、などと評した。

血統表[編集]

Enable血統サドラーズウェルズ系 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

Nathaniel
鹿毛 2008
父の父
Galileo
鹿毛 1998
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
父の母
Magnificient Style
鹿毛 1993
Silver Hawk Roberto
Gris Vitesse
Mia Karina Icecapade
Basin

Concentric
2004
Sadler's Wells
鹿毛 1981
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
母の母
Apogee
鹿毛 1990
Shirley Heights Mill Reef
Hardiemma
Bourbon Girl *イルドブルボン
Fleet Girl
母系(F-No.) 4号族(FN:4-m)
5代内の近親交配 Sadler's Wells 3×2 Nearctic 5・5×4 Hail to Reason 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ Enable 5代血統表2017年7月23日閲覧。
  2. ^ Enable 5代血統表2017年7月23日閲覧。
  3. ^ Enable 5代血統表2017年7月23日閲覧。


  • 母Concentricは現役時代7戦3勝。Enableのいとこ(母の全姉の仔)にパリ大賞典などG1競走5勝、凱旋門賞2着のFlintshireがいる。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 1マイル3ハロン211ヤードをメートルに換算すると、約2406メートルとなる。国際競馬統括機関連盟では「11.9591ハロン」と表記しており[12]、これは換算すると2405.793012メートルとなる。国際セリ名簿基準委員会では「12ハロン[13]」と表記しているほか、主催者であるアスコット競馬場やさまざまなメディアでも「1.5マイル[14][15]」と表記することもあり、これは換算すると約2414.02メートルとなる。日本国内向けにで海外馬券発売をしたJRAが「2390メートル」としている[16]など、日本経済新聞などのメディアでも「2390メートル[17][18]」としている。
  2. ^ 2頭とも馬体重が500kgに達している[23][24]
  3. ^ アスコット競馬場の最後の直線は約2.5ハロン(約500メートル)[29]

出典[編集]

  1. ^ Enable 英オークス圧勝!netkeiba.com、2017年6月11日閲覧
  2. ^ イネーブルが突き抜け圧勝で英愛オークス制覇!凱旋門賞でも人気に/愛オークスnetkeiba.com、2017年7月21日閲覧
  3. ^ Enable heads high-quality field of ten in King George” (英語). Racing Post. 2017年7月30日閲覧。
  4. ^ Gosden hails best filly he has trained after Enable's spectacular success” (英語). Racing Post. 2017年7月30日閲覧。
  5. ^ Prix de l'Arc de Triomphe: Enable heads field at Chantilly for Frankie Dettori” (英語). Racing Post. 2017年10月6日閲覧。
  6. ^ 3歳牝馬エネイブル圧勝! 日本勢は着外/仏・凱旋門賞netkeiba.com、2017年10月06日閲覧
  7. ^ エネイブルの他クラックスマンやオーダーオブセントジョージらが受賞/カルティエ賞”. netkeiba (2017年11月15日). 2018年9月26日閲覧。
  8. ^ エネイブルの今年初戦は5月以降 タタソールズGC、コロネーションCが有力”. netkeiba (2018年3月28日). 2018年9月26日閲覧。
  9. ^ 凱旋門賞馬エネイブル故障で復帰遅れる 英紙報道”. netkeiba (2018年5月8日). 2018年9月26日閲覧。
  10. ^ ブリティッシュチャンピオンシリーズ、2019年7月28日付、The King George VI And Queen Elizabeth Stakes (Sponsored by QIPCO)、2019年7月28日閲覧。
  11. ^ レーシング・ポスト、レース結果(2019年7月27日アスコット競馬場)King George VI And Queen Elizabeth Qipco Stakes、2019年7月28日閲覧。
  12. ^ 国際競馬統括機関連盟King George Vi And Queen Elizabeth Stakes (Sponsored By Qipco)、2019年7月28日閲覧。
  13. ^ 国際セリ名簿基準委員会2019 International Cataloguing Standards Book、2019年7月28日閲覧。
  14. ^ アスコット競馬場公式HP、THE HISTORY OF THE KING GEORGE VI AND QUEEN ELIZABETH STAKES、2019年7月28日閲覧。
  15. ^ Horse Racing Nation、2019年7月27日付、Enable out-duels Crystal Ocean in epic King George finish、2019年7月28日閲覧。
  16. ^ 日本中央競馬会、海外競馬発売、2019年キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス・レース概要、ヨーロッパにおける芝2400メートル路線の上半期総決算、2019年7月28日閲覧。
  17. ^ 日本経済新聞、2019年7月28日付、シュヴァルグラン6着、エネイブル11連勝 英国競馬G1、2019年7月28日閲覧。
  18. ^ a b c スポーツニッポン、スポニチannex、2019年7月27日付、【キングジョージ】エネイブル優勝 鞍上のデットーリ「言葉にならない 凄く興奮している」、2019年7月28日閲覧。
  19. ^ レーシング・ポスト、レース結果(2019年7月27日アスコット競馬場)King George VI And Queen Elizabeth Qipco Stakes、2019年7月28日閲覧。
  20. ^ スポーツニッポン、スポニチannex、2019年7月27日付、【キングジョージ】エネイブル優勝 鞍上のデットーリ「言葉にならない 凄く興奮している」、2019年7月28日閲覧。
  21. ^ a b 、Horse Racing Nation、2019年7月27日付、Enable out-duels Crystal Ocean in epic King George finish、2019年7月28日閲覧。
  22. ^ a b スポーツ報知、2019年7月28日付、【キングジョージ】エネイブルがクリスタルオーシャンとの死闘制し、G1・9勝目、11連勝 日本のシュヴァルグランは6着、2019年7月28日閲覧。
  23. ^ a b c ガーディアン、2019年7月27日付、Frankie Dettori and Enable dig deep to win epic King George at Ascot、2019年7月28日閲覧。
  24. ^ a b タイムズ、2019年7月28日付、Enable a mare in a million after King George VI and Queen Elizabeth Stakes win、2019年7月28日閲覧。
  25. ^ a b c Racing TV、2019年7月27日付、Comment: Enable and Crystal Ocean stir the soul with epic showdown、2019年7月28日閲覧。
  26. ^ a b c 英国放送協会、2019年7月27日付、Enable beats Crystal Ocean in epic duel to win historic second King George crown at Ascot、2019年7月28日閲覧。
  27. ^ a b c d デイリー・テレグラフ、2019年7月28日付、Enable holds off Crystal Ocean in epic duel to win King George at Ascot、2019年7月28日閲覧。
  28. ^ a b Paris-Turf、2019年7月27日付、THE KING GEORGE VI AND QUEEN ELIZABETH STAKES (GR.I) : ENABLE FAIT LE SPECTACLE、2019年7月28日閲覧。
  29. ^ ジャパン・スタッドブック・インターナショナル、イギリスの競馬場、アスコット競馬場の紹介、2019年7月28日閲覧。
  30. ^ レーシング・ポスト、2019年7月27日付、Enable prevails in epic King George battle to leave Frankie drained but joyous、2019年7月28日閲覧。
  31. ^ a b Blood Horse、2019年7月27日付、Enable Denies Crystal Ocean in Epic King George、2019年7月28日閲覧。