エレクトリックギター

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エレクトリックギターElectric Guitar)は、弦の振動をピックアップマイク)で音を電気信号に変え、ギター本体とギターアンプをシールドケーブルで接続し、任意の音量で演奏できるギターエレキギター電気ギターとも呼ばれる。

なお世界最初のエレクトリックギターは、1932年リッケンバッカーが発売したラップスチール型の「フライングパン」と、他社製ボディにピックアップを追加した「エレクトリック・スパニッシュ・ギター」である。その後1940年代に ホロウボディのGibson ES-150、ソリッドボディの Bigsby マール・トラヴィスモデル 等新しいモデルが次々と登場し、エレクトリック・ギターが広く一般に認知された。

エフェクターなどで音質を変化させやすいため、多彩な表現が可能である。様々なジャンル音楽に用いられる。

エレクトリックギター

目次

ピックアップ

エレクトリックギターの音色を特徴づける最大の要素は、何といってもピックアップである。ピックアップの種類を言い表す場合、その構造によって大きく以下2つに大別できる。

エレクトリックギター用のピックアップは、一般的に板状の磁石の上に並べた棒(ポールピース)の周囲にワイヤを巻いたものだが、この構造がひとつのものをシングルコイルと呼ぶ。そのサウンドはカラっとした乾いたような音色が特徴である。対してハムバッカーは、一般的にはシングルコイルを横または縦にふたつ並べる事によってノイズに強い構造になっており、太く暖かいサウンドが持ち味となる。ギブソンのモデルはハムバッカーが多く、 フェンダーはシングルコイルのモデルが多い。

ひとつのギターに複数のピックアップが搭載されている場合、ネック側から以下のように呼ばれる。

  • フロント・ピックアップ(ネック、リズム、ベース)
  • センター・ピックアップ(ミドル)
  • リア・ピックアップ(ブリッジ、リード、トレブル)

ストラップ

詳細は「ストラップ」を参照

コンサートなどで演奏する際は立って演奏する場合が多いが、その場合はギターを体に固定するためのストラップを用いる。ソリッドボディは詰まっている分重量があり、ストラップがはずれてギターを落としやすいため、ストラップのロックをつけることが多い。

種類

大分類

エレクトリックギターはボディの構造で概ね以下の2種類に大別できる。

  • ホロウボディギター
  • ソリッドボディギター

ホロウボディはバイオリンのような中空構造であるのに対して、ソリッドボディはホロウボディのような中空構造を持たない。エレクトリックギターの原型は通常のギターにピックアップを施したものであるため、ソリッドボディギターの方が歴史的に新しいといえる。

ヘッドの形状は、フェンダー系とギブソン系に大別される。フェンダー系ではストラトキャスターに見られるようにヘッドは指板面に平行で、指板面より一段下がっており、ペグはヘッドの片側に一列に並んで、多くの場合は高音弦側がナットから遠ざかるように配置される。このため高音弦はそのままではナットに当たる角度が浅くなってテンションを保てないので、ストリングガイドが設けられる。一方ギブソン系ではレスポールに見られるようにヘッドはネックに対して角度を持っており、これによってテンションが保たれる。またペグはヘッドの両サイドに対称に配置される。

小分類

アーチトップギター
中空ボディで、トップ板が緩い弧を描いている形状をしており、両サイドにはヴァイオリンのようなf字孔が空いている。この構造のお陰で、コンパクトなボディにも関わらず、音の反響効率が良いため大音量がなる仕組みになっている。後述するフルアコースティックギター、セミアコースティックギターの多くが、アーチトップギターに属する。世界トップレベルのメーカー(ルシアー)としてロバート・ベネデットが挙げられ、生産量で言えばギブソン社(およびエピフォン・ブランド)が有名。
フルアコースティックギター(フルアコ)
アコースティックギターと同程度の空洞部を胴にもつ。最初期に開発されたタイプは、ピックギターのボディに弦振動を電気信号に変えるピックアップを取り付けたもので、音はかなり柔らかく厚みのある音。スウィング・ジャズの頃から用いられた。ビバップ形式の演奏などでは現在も主要なギターである。ただしそのボディ構造と大きな容積のため、大音量になるとアンプの音でボディが共振し、いわゆるハウリングが起きやすい。グレッチのテネシアンやギブソン社のES-175やSuper 400 CES、J-160E等がこのタイプ。
セミアコースティックギター(セミアコ)
フルアコースティックギターに比べると空洞部分が狭い。多くはボディ中心部に胴木(センターブロック)と呼ばれる木材ブロックがネックからボディ後部まで入っている。弦振動を拾うピックアップはこの上に固定されていて、そのためフルアコースティックギターにありがちなハウリングが起きにくくなっている。音はフルアコースティックギターとソリッドギターの中間といったところ。ギブソン社のES-335エピフォンのシェラトン、リヴィエラやカジノリッケンバッカー社の360・360/12等がこのタイプ。
セミソリッドギター
セミホロウギターとも呼ばれる。大きく分類するとソリッドギターに分類される事もある。ソリッドギターのボディの一部がくり抜かれて空洞状になっている。そのため音もソリッドギターよりは若干柔らかい。また、ボディの左側にf字孔が空いているものもある。フェンダー社のテレキャスター・シンライン、リッケンバッカー社の325シリーズ、ギブソン社のレスポール・スタンダード(2008年以降)、デューゼンバーグ社のスタープレイヤーTV等がこのタイプ。ストラトキャスターもこの部類ではないかと言われることもある。
ソリッドギター
通常はエレクトリックギターというとこのタイプを指す。ソリッド(中身の詰まった)という言葉通りフルアコなどとは違い、木材の板をそのまま胴としている。比較的、胴は薄い。弦が細い特性を生かした独特の奏法が多数ある。また、胴に共鳴部をもたないために器具の追加、交換が極めて柔軟であり、そのため多くのバリエーションを生んだ。形状も多様である。ギブソン社のレスポールSGフェンダー社のテレキャスターストラトキャスター等が特に有名。
シタールギター
シタールギター(エレクトリックシタール)は、エレクトリックギターの構造でシタールに似た音色を出すが、シタールのBUZZ音を出すのは独特の形状をしたブリッジによるもので共鳴弦はあまり関係しない。巷間言われるように、共鳴弦が鳴ってあの音を出すというのは誤りである。
シタールのブリッジ(ジャワーリと呼称する)の構造は、弦が振動する際、弦の振動域がブリッジの幅広い面に微妙に接触し、あの独特のバズトーンを生み出す。エレクトリックシタールにおいてもこの構造は同じである。
主なメーカーはダンエレクトロ(主に日本製の木部を使用したコーラル)がオリジナル。レプリカモデルがジェリー・ジョーンズ、Star'sなどから発売されている。いずれも独特の音が重宝され、様々なアーティストに使用されているが、現在はオリジナルの物を含め、レプリカ共に流通量が比較的少なくなっている。
また角松敏生は、東京都内のギター工房である松下工房にエレクトリックシタールを特注して所有している。ブリッジがアルミで作られている事と、スルーネック構造が特徴である。
エレクトリックアコースティックギター(マイク付きギター・エレアコ)

詳細は「エレクトリックアコースティックギター」を参照

アコースティックギターにピックアップを内蔵したもの。合奏時、生演奏でアコースティックギターの音を安定して伝えるのはしばしば困難なのでステージ用として開発された。
アコースティックギターの音を完全に再現する事は難しいが近年かなり近い音を出力できるようになってきた。アンプに通さずそのまま生音で演奏すればアコースティックギターとして使用出来る。
エレクトリックガットギター(エレクトリッククラシックギター)
ガットギターにピックアップを内蔵したもの。主にジャズやボサノヴァのような音楽で使用される。
スティール・ギター
ハワイアン、カントリーアンドウエスタンに用いられている横置きの電気ギター。普通は指で押えるフレットがなく、左手のバーでフレットに相当する位置の弦を押え、右手の親指、人差し指、中指につけたフィンガーピックで弾く。弦は6弦、8弦などがあり、演奏者により様々なチューニングがある。2006年6月に亡くなった大橋節夫のチューニングはC-E-G-A-C-EのAm7th、バッキー白片はAm、大塚竜男はE7thなど。マヒナスターズの和田弘はマイナー系とメジャー系の二つのチューニングをセットしたダブルネックのタイプで、ハワイアンと歌謡曲など曲目によって使い分けていた。カントリー音楽ではこのチューニングを変えて多彩な和音を出すことが出来るペダルをつけた10弦や12弦のペダルスチールギターなどもある。電気を使わないタイプでは、リゾネーター・ギターと呼ばれる物もあり、もともとは、これが横置きギターの原型という説もある。
ソニック・ユースのリー・ラナルドのためにユーリ・ランドマンが特別に制作した楽器「ムーンランダー」(2007年)

特有の奏法

主なメーカー

特許について

脚注

関連項目

ウィキメディア・コモンズ
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