オジュウチョウサン

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オジュウチョウサン
Oju Chosan-20161223.jpg
第139回中山大障害優勝時
欧字表記 Oju Chosan
香港表記 長山之馬
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2011年4月3日(8歳)[1]
死没 (現役競走馬)
登録日 2013年8月8日[2]
ステイゴールド[1]
シャドウシルエット[1]
母の父 シンボリクリスエス[1]
生国 日本の旗 日本北海道平取町[1]
生産 坂東牧場[1]
馬主 (株)チョウサン[1]
調教師 小笠倫弘(美浦
和田正一郎(美浦)[1]
厩務員 長沼昭利
競走成績
タイトル JRA賞最優秀障害馬(2016年)
JRA賞最優秀障害馬(2017年)
JRA賞最優秀障害馬(2018年)
生涯成績 27戦16勝
平地5戦2勝・障害22戦14勝[1]
獲得賞金 6億6680.5万円
(2019年4月13日現在)
 
勝ち鞍
J・GI 中山GJ 2016年~2019年
J・GI 中山大障害 2016年・2017年
J・GII 東京HJ 2016年・2017年
J・GII 阪神SJ 2017年・2019年
J・GIII 東京JS 2016年
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オジュウチョウサンは日本の競走馬史上最多のJ・GI6勝をあげるなどして2016年から2018年まで3年連続のJRA賞最優秀障害馬に選出されている。主な勝ち鞍は2016年~2019年の中山グランドジャンプ(同一重賞4連覇は平地競走含めても史上初)、2016年・2017年の中山大障害。障害重賞11勝(1位)、JRA重賞9連勝(1位)、11レース連続勝利(平地・障害含めて。1位タイ)の記録も持つ。

デビュー前[編集]

2011年4月3日、北海道平取町の坂東牧場で産まれる。全兄にケイアイチョウサン(2013年ラジオNIKKEI賞)がいる。

馬主は(株)チョウサン(代表・長山尚義)。馬名の由来はJRAの発表では「家族名より+冠名」となっているが、正確にはオーナーの長山の息子(次男)が子供の頃、自分のことを「俺」と言えず「オジュウ(俺)オジュウ(俺)」と発音していたことから命名された[3]

戦績[編集]

障害競走の3年連続チャンピオンへ[編集]

美浦・小笠倫弘厩舎に所属し、平地競馬の新馬戦で11着、未勝利戦で8着と勝てず、1年の休養を挟み障害に転向。障害初戦は大江原圭が騎乗し14頭中最下位人気でシンガリ負けを喫した。レース後、和田正一郎厩舎に転厩し、山本康志の騎乗で障害4戦目の2015年2月21日東京競馬場で行われた障害4歳以上未勝利で初勝利。続く3月21日中京競馬場での障害4歳以上オープンを連勝。6月27日には東京ジャンプステークス(J・GIII)で重賞初出走し、オースミムーンの4着となった。山本の乗り馬が重なったため、このレースから調教を手伝っていた石神深一が手綱を取るようになる[4]。同年末にはJ・GIの中山大障害に初出走するが、アップトゥデイトに敗れ6着となる。

2016年4月16日の中山グランドジャンプを2番人気で制し、初重賞勝利がJ・GIとなった。また管理する和田調教師は初の重賞優勝、石神騎手も初のGI優勝となった。同年6月25日の東京ジャンプステークス(J・GIII)では前年の4着から大きく成長し、GI馬の貫禄を見せ1番人気で優勝した。10月16日の東京ハイジャンプ(J・GII)では最後の直線手前から空馬によって不利を受け失速するも、再び盛り返して勝利した[5]。 12月23日の中山大障害では前年の最優秀障害馬アップトゥデイトと再戦。最終障害手前で先頭に立ったアップトゥデイトを楽にかわすと、9馬身差の圧勝劇でリベンジに成功した[6]

2018年4月14日の中山グランドジャンプでもライバルのアップトゥデイトらを寄せつけず1着となり、重賞9連勝を達成。これまでテイエムオペラオーが記録していた「JRA最多重賞連勝記録」(8連勝)を18年ぶりに更新した[7]

平地競走・有馬記念挑戦[編集]

2018年7月、馬主の意向もあり平地競走に復帰。7月7日、福島競馬第9レースの開成山特別(500万下)に初コンビとなる武豊鞍上で出走。平地挑戦は4年8ヶ月ぶりとなるも1番人気に推された。レースでは絶好のスタートを切り、4番手から4コーナー手前で早め先頭に立つと、直線では2着に3馬身差をつけ完勝し、平地初勝利と障害時代からの10連勝を果たした。JRAのレースのみで10連勝が達成されたのは1954年に日本中央競馬会が発足されて以来史上初となる[8]。レース後、馬主である株式会社チョウサン代表取締役・長山尚義は「障害レースへの復帰は現時点で頭にない」と語り、今回の勝利で(仮にその時点でオープン以下の格付けであっても)フルゲートに満たない重賞競走に出走が可能となった事から、最大目標としてファン投票でも出走可能な有馬記念を目指したローテーションを組んでいくことを表明した[9]

次走の南武特別(1000万下)も武とのコンビで出走、ミルコ・デムーロ騎乗のブラックプラチナム、父がディープインパクト・母がアパパネと両親が三冠馬の良血馬ジナンボーに次ぐ単勝3番人気に推された。レースを好位で進めると直線で抜け出し、ブラックプラチナムを1/2馬身差で振り切り平地2勝目・11連勝を達成[10]。この後ジャパンカップへの挑戦も検討されたが結局有馬記念へ直行することで落ち着き、同レースのファン投票で2017年ダービー馬レイデオロ、有馬記念回避を明言している三冠牝馬アーモンドアイに次ぐ100,382票を集め3位に名を連ねた[11]

直前の小雨で稍重まで芝コースが悪化した中で行われたその有馬記念では、まずまずのスタートを切った直後、鞍上の武豊の追いに応え一旦先頭に出るも、外枠からやってきたキセキにハナを譲り、同じく外からやってきたミッキーロケットと共に2番手グループを形成しそのまま最後の直線へ向かった。直線の入り口でそのミッキーロケットからの追撃を抗うも、直線の半ばで外から追い込んできた馬にあっという間に交わされると、そのまま馬群に飲み込まれ、9番手で入線した。当レースの勝ち馬投票券発売締め切り直前まで単勝3番人気に支持され、最終的には5番人気であったが単勝オッズ9.2倍と平地競走GIでも改めて本馬の人気を裏付ける結果となった。レース中もハイペースで逃げるキセキから離れた2〜3番手を追走し、直線でも粘り腰を図るなどの見せ場を作り観衆を沸かせた。

障害競走復帰[編集]

有馬記念出走後、陣営は平地賞金を加算するためダイヤモンドステークスへの出走を目標に調整していたが、仕上がりの遅れから同競走を回避した。平地で出走条件に適するレースがなかったため再び障害競走への出走を決断、阪神スプリングジャンプを目標に再調整することとなった。迎えたレースでは単勝1.1倍の圧倒的1番人気に推され、11ヶ月ぶりのブランクを感じさせない障害飛越で安定した走りを見せて優勝した。そして史上初のJRA同一重賞4連覇を目指し中山グランドジャンプへ駒を進め、危なげないレースで1番人気に応え圧勝。J・GI競走6勝目、障害重賞11勝目、障害競走11連勝はいずれもJRA史上1位もしくは1位タイ記録となった。

保持記録[編集]

JRA障害GI(J・GI)競走勝利数…1位(6勝)

JRA障害重賞勝利数…1位(11勝)

JRA重賞競走勝利数…3位(11勝)

JRA障害GI競走出走機会連続勝利数…1位(6連勝)

JRA競走連続勝利数…1位(11連勝) 国営競馬時代を含めると単独ではなく1位タイとなる[8]

JRA重賞競走連続勝利数…1位(9連勝)[12]

JRA障害競走連続勝利数…1位(11連勝)

JRA障害競走獲得賞金額…1位(6億4088.5万円)

中山グランドジャンプ走破タイム…1位(4分43秒0)

中山大障害走破タイム…1位(4分36秒1)

※2019年4月13日時点

競走成績[編集]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2013.10.19 東京 2歳新馬 芝1800(良) 15 2 2 066.5(12人) 11着 R1:54.3(34.5) -0.8 松岡正海 55 ロジテースト
0000.11.16 東京 2歳未勝利 芝2000(良) 13 8 13 219.1(11人) 08着 R2:02.9(35.1) -1.8 三浦皇成 55 ベルキャニオン
2014.11.15 福島 障害3歳上未勝利 障2800(良) 14 8 14 099.1(14人) 14着 R3:19.6(43.1) 13.7 大江原圭 58 シゲルヒタチ
2015.01.05 中山 障害4歳上未勝利 障2880(良) 12 5 6 101.7(11人) 02着 R3:15.0(40.4) -0.1 山本康志 59 エースワン
0000.01.24 中京 障害4歳上未勝利 障3000(重) 13 6 9 005.8(02人) 03着 R3:24.3(40.4) -0.5 山本康志 59 カウウェラ
0000.02.21 東京 障害4歳上未勝利 障3000(良) 14 5 7 006.3(04人) 01着 R3:25.0(38.6) -0.6 山本康志 59 (イフウドウドウ)
0000.03.21 中京 障害4歳上OP 障3300(稍) 14 1 1 006.0(03人) 01着 R3:39.9(39.5) -0.2 山本康志 59 (アドマイヤサイモン)
0000.06.06 東京 障害3歳上OP 障3100(稍) 13 5 7 008.0(04人) 09着 R3:34.6(39.8) -2.8 山本康志 61 サナシオン
0000.06.27 東京 東京ジャンプステークス J・GIII 障3110(稍) 14 6 9 062.0(09人) 04着 R3:28.3(37.5) -1.1 石神深一 60 オースミムーン
0000.07.25 福島 障害3歳上OP 障3380(良) 8 5 5 003.5(02人) 01着 R3:44.0(38.0) -0.5 石神深一 61 (カシマシンセイ)
0000.12.05 中山 イルミネーションジャンプS OP 障3570(良) 15 5 8 012.7(04人) 04着 R3:59.9(38.4) -1.7 石神深一 60 サナシオン
0000.12.26 中山 中山大障害 J・GI 障4100(良) 14 1 1 021.3(06人) 06着 R4:42.2(40.6) -4.3 石神深一 63 アップトゥデイト
2016.03.06 中山 障害4歳上OP 障3200(良) 14 4 6 005.8(02人) 02着 R3:32.5(37.3) -0.2 石神深一 62 ニホンピロバロン
0000.04.16 中山 中山グランドジャンプ J・GI 障4250(良) 10 7 7 006.5(02人) 01着 R4:49.4(38.4) -0.6 石神深一 63 (サナシオン)
0000.06.25 東京 東京ジャンプステークス J・GIII 障3110(稍) 14 7 12 002.0(01人) 01着 R3:26.2(39.6) -0.2 石神深一 62 (ウインヤード)
0000.10.16 東京 東京ハイジャンプ J・GII 障3110(良) 10 2 2 002.1(01人) 01着 R3:27.6(36.5) -0.2 石神深一 62 (マキオボーラー)
0000.12.23 中山 中山大障害 J・GI 障4100(良) 11 7 9 001.4(01人) 01着 R4:45.6(38.8) -1.5 石神深一 63 (アップトゥデイト)
2017.03.11 阪神 阪神スプリングジャンプ J・GII 障3900(良) 11 8 11 001.3(01人) 01着 R4:28.1(36.6) -0.4 石神深一 62 (アップトゥデイト)
0000.04.15 中山 中山グランドジャンプ J・GI 障4250(良) 13 8 12 001.3(01人) 01着 R4:50.8(36.5) -0.6 石神深一 63 (サンレイデューク)
0000.10.15 東京 東京ハイジャンプ J・GII 障3110(重) 10 8 9 001.4(01人) 01着 R3:32.5(38.0) -2.0 石神深一 62 (グッドスカイ)
0000.12.23 中山 中山大障害 J・GI 障4100(良) 15 4 7 001.1(01人) 01着 R4:36.1(38.0) -0.1 石神深一 63 (アップトゥデイト)
2018.04.14 中山 中山グランドジャンプ J・GI 障4250(良) 12 5 6 001.5(01人) 01着 R4:43.0(36.9) -2.4 石神深一 63 (アップトゥデイト)
0000.07.07 福島 開成山特別 500万下 芝2600(稍) 12 5 6 002.0(01人) 01着 R2:42.3(37.1) -0.5 武豊 57 (ドリームスピリット)
0000. 11.3 東京 南武特別 1000万下 芝2400(良) 7 3 3 003.1(03人) 01着 R2:25.0(34.5) -0.1 武豊 57 (ブラックプラチナム)
0000. 12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500(稍) 16 1 1 009.2(05人) 09着 R2:33.0(36.9) -0.8 武豊 57 ブラストワンピース
2019.03.09 阪神 阪神スプリングジャンプ J・GII 障3900(良) 12 8 11 001.1(01人) 01着 R4:23.6(39.0) -0.4 石神深一 62 (タイセイドリーム)
0000.04.13 中山 中山グランドジャンプ J・GI 障4250(良) 11 5 5 001.1(01人) 01着 R4:47.6(38.9) -0.4 石神深一 63 (シンキングダンサー)
  • 競走成績は2019年4月13日現在
  • タイム欄のRはレコードタイムを表す
  • 競走馬成績と情報 netkeiba

血統表[編集]

オジュウチョウサン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Fiower
父の母
ゴールデンサッシュ 1988
栗毛
*ディクタス
Dictus
Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ ノーザンテースト
ロイヤルサッシュ

シャドウシルエット
2005 青鹿毛
シンボリクリスエス
1999 黒鹿毛
Kris S. Roberto
Sharp Queen
Tee Kay Gold Meridian
Tri Argo
母の母
ユーワジョイナー
1990 黒鹿毛
ミルジョージ Mill Reef
Miss Charisma
サシマサンダー ネヴァービート
シアラ
母系(F-No.) 4号族(FN:4-i) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 9.38% 4x5 [§ 4]
出典
  1. ^ [13]
  2. ^ [13]
  3. ^ [13]
  4. ^ [13]

母 シャドウシルエットは不出走馬。オジュウチョウサン以外に2013年のラジオNIKKEI賞勝ちのケイアイチョウサンを出している。シャドウシルエットの半兄に2002年のブリーダーズゴールドカップオグリキャップ記念に勝利したアルアラン(父アルカング)、同じくシャドウシルエットの半弟に2015年のくろゆり賞・名港盃の地方重賞を2勝したアップアンカー(父サクラバクシンオー)、シャドウシルエットの半姉の仔に2008年の北海道2歳優駿の勝ち馬メトロノースがいる。

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k netkeiba/オジュウチョウサン2017年4月16日閲覧。
  2. ^ @keiba/競走馬情報/オジュウチョウサン2017年6月26日閲覧。
  3. ^ 2017年5月23日 日刊スポーツコラム 「明日への伝言 先人から競馬界の後輩へ」
  4. ^ 【障害GI連覇へ】石神深一騎手(1)『落とされ、喧嘩し、分かり合い…わが子同然のオジュウチョウサン』
  5. ^ 【東京ハイジャンプ】さすがのオジュウチョウサン、障害重賞V3! - スポニチアネックス、2016年10月17日閲覧
  6. ^ 怪物オジュウチョウサン9馬身差圧勝/中山大障害 - 日刊スポーツ、2016年12月28日閲覧
  7. ^ なお、オジュウチョウサンは重賞全競走が障害競走での勝利であるため、この記録更新以降はオジュウチョウサン側の記録については純然たる「JRA重賞連勝記録」(平地+障害の合算)の他に「JRA障害競走重賞最多連勝記録」として、テイエムオペラオー側の記録については「JRA平地競走重賞最多連勝記録」として取り扱うこととなった。また、JRA以外のレースを含めると1998年タイキシャトルが重賞8連勝を達成している(同馬は重賞6連勝後に国外重賞競走の1勝を挟んでまたJRAでの重賞競走を1勝しての重賞8連勝を達成したが、JRAのレースのみでの連勝ではない)。交流重賞を含めると、2012年1月25日の川崎記念スマートファルコンが記録を更新している。
  8. ^ a b 10連勝以上を記録した競走馬は、日本中央競馬会の前身にあたる国営競馬では5頭存在する(トサミドリウイザートダイナナホウシュウタカオーの4頭が11連勝、トキノミノルが10連勝)。また、同じく日本中央競馬会の前身にあたる日本競馬会では11連勝を達成したクリフジがいる。
  9. ^ “【開成山特別】武豊騎乗の障害王者オジュウチョウサンが4年8か月ぶりの平地参戦で3馬身差V 馬主「目標は有馬記念」”. スポーツ報知. (2018年7月8日). https://www.hochi.co.jp/horserace/20180707-OHT1T50235.html 2018年9月22日閲覧。 
  10. ^ オジュウチョウサン、南武特別に勝利 11連勝 毎日新聞、2018年11月3日、2018年11月24日閲覧
  11. ^ 【有馬記念ファン投票】最終結果発表! レイデオロが1位、アーモンドアイ・オジュウチョウサンが続く - netkeiba.com、2018年12月6日閲覧
  12. ^ “【中山GJ】オジュウ重賞9連勝!3秒6もレコード更新(3/3ページ)”. サンケイスポーツ. (2018年4月15日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20180415/ope18041504070002-n3.html 2019年3月14日閲覧。 
  13. ^ a b c d netkeiba/オジュウチョウサン/血統情報:5代血統表2017年6月26日閲覧。