オムニアム

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オムニアム(ラテン語: Omnium)は、自転車トラックレースの複合競技であり、1日間に4つの種目を行い、その成績をポイントに置き換えて順位を決定する[1]。2016年秋のルール改正以前は2日間に6種目が行われた[2]

ラテン語で「全部」を意味するomnium(発音は「オムニウム」)が由来で、現代の英語読みでは「ムニアム [ˈɒmnɪəm][3]」と発音される(アクセントは頭の"O"にある)。その他、非英語圏の各国ではそれぞれ各国語の読み方で呼ばれる。

歴史[編集]

オムニアムは世界選手権自転車競技大会では男子が2007年から、女子は2009年から実施されている。当初は5種目(200 mフライングラップ、5 kmスクラッチ、3 km個人追抜、15 km/10 kmポイントレース、1 km/500 mタイムトライアル)で実施されていたが、2010年からエリミネーションが加わって6種目となり、またスクラッチおよびポイントレースの距離が延長され(男子の場合それぞれ5 km→15 km、15 km→30 km)、長距離を得意とする選手に有利となった[4]。オリンピックでは2012年のロンドン大会から採用されたが、代わって個別種目としての個人追抜、ポイントレースおよびマディソンが廃止された。2014年の改定では競技の実施順が変更され、さらにポイントレースの距離が延長された(男子で30 km→40 km)。 2016年の秋に再びルールが改正され、1km(500m)タイムトライアル、フライングラップ、個人追抜がなくなり、新たにテンポレースが加わり1日間4種目となった。また、スクラッチおよびポイントレースの距離はそれぞれ短縮された[1]。日本人選手の活躍は、梶原悠未 が2017年UCIトラックワールドカップ第3戦にて、女子オムニアムを全4種目1位の完全優勝、金メダルを獲得する活躍を果たす。これは、日本女子自転車選手として、オリンピック・世界選手権・ワールドカップ通じて、初の金メダルの快挙である。

現行の種目[編集]

1日間に以下の4つの種目を行い、その成績をポイントに置き換えて順位を決定する。第1種目から第3種目までは1位に40ポイント、2位に38ポイント、以下着順によって2ポイントずつ減点され、21位以下には1ポイントが与えられる。最終種目はポイントレースであり、獲得したポイントが加算される。合計ポイントが同じの場合は、ポイントレースの成績で総合順位が決まる。

第1種目・スクラッチ[編集]

参加者全員がコースの上下分かれて縦列に整列し、ホイッスルとともにニュートラルラップが開始され、1周回った後に号砲が打たれて正式スタートする。男子10 km、女子7.5 ㎞の距離で着順を競う[1]。周回遅れの選手はトラックの外側に離れないといけない[5]

第2種目・テンポレース[編集]

ポイントレースに似ているが、男子10km、女子7.5kmで行われ、毎周回ごとに先頭の選手にのみ1点が与えられる[1]。周回遅れの選手に追いつくと20点が与えられる。

第3種目・エリミネーション[編集]

スクラッチ同様に一周のニュートラルラップの後、スターターの号砲でスタートする。333.3 m以下のトラックではスタートから2周ごと、それより長いトラックでは周回ごとに最下位(後輪後端で判定)の選手が脱落し、最後に2人になったところで、残り1周のマッチレースで勝敗を決める[6]

第4種目・ポイントレース[編集]

一周のニュートラルラップの後スターターが号砲を打ち、そこから男子25 ㎞、女子20 ㎞を走破する[1]。250 mトラックでは10周毎、それより長いトラックでは2 ㎞毎にスプリントを行いポイントを獲得し、その合計得点を競う[7]

  • 通過ポイントの順位は1位5点、2位3点、3位2点、4位1点、5位以下は0点。ゴール地点のポイントは2倍となる。
  • 周回遅れの選手がいた場合、それに追いついた選手には20点がボーナスとして付与されるが、追いつかれた選手には20点のマイナス点となる。

2016年のルール改正以前の競技種目[編集]

2016年のルール改正以前の2日間で行われた6種目は以下の通り。リオデジャネイロオリンピックまでの旧ルール。

  • 第1種目・スクラッチ

男子15 km、女子10 ㎞で行われた。

  • 第2種目・個人追抜

2人の選手がホームストレッチとバックストレッチから静止状態からスターティングブロックを用いてスタートし、男子4 ㎞、女子3 ㎞を走破するタイムを競う[8]。単独種目として実施される場合は、名前のとおり相手を追い抜いた時点で勝利となるが、オムニアムで実施する場合は単純にタイム競うことになるので、実質はタイムトライアルである。

  • 第3種目・エリミネーション
  • 第4種目・タイムトライアル

スターティングブロックを用いて静止状態からスタートし、男子1 ㎞、女子500 mを走破したタイムで着順を決定する[9]。単独種目として実施される場合は独走が基本であるが、オムニアムの場合は個人追い抜きと同じ要領で、ホームストレッチとバックストレッチから同時に2名がスタートする。

  • 第5種目・フライングラップ

オムニアム独自の競技である。250 mトラックではを3周半、333.33 mトラックは2周半、400 mトラックでは2周走るが、助走(フライング)をつけ最後の1周の走破タイムを競う[10]

  • 第6種目・ポイントレース

男子40 ㎞、女子25 ㎞で行われた。

出典[編集]