オリンポスの果実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オリンポスの果実』(オリンポスのかじつ)は、田中英光の中編小説。『文學界』1940年9月号に掲載、11月高山書院より刊行。第7回池谷信三郎賞受賞。

梗概[編集]

主人公の「ぼく」こと坂本が、ロサンゼルス・オリンピックにボートの選手として参加するために搭乗する、太平洋を渡る船の上が主たる舞台である。「秋ちゃん」という呼びかけで始まり、主人公は陸上の選手として同船している熊本秋子に淡い恋心を抱いているが、仲間の男たちの冷やかしを受け、秋子も気づくけれど、遂に恋心を伝えるにはいたらない。

田中自身が1932年に経験した事実に基づいた私小説で、2人の間にほとんど何も起こらない純然たる片思い小説である。帰国後、坂本は学生運動をへて結婚するが、「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか」というつぶやきで終わっている。秋子のモデルは相良八重である。

戦後、田中の小説があまり読まれなくなる中で、新潮文庫に収められて読み継がれた。

テレビドラマ[編集]

NHKの『銀河テレビ小説』枠で、1977年1月10日から21日まで10回にわたって放送された[1]

脚注[編集]

  1. ^ NHKアーカイブス保存番組検索結果一覧 2012年10月15日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『日本近代文学大事典』講談社、1984年
  • 『国文学解釈と鑑賞 現代作品の造形とモデル』1984年11月(島田昭男執筆)