カレーパンマン

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カレーパンマン
アンパンマン
それいけ!アンパンマン』のキャラクター
Nankoku Yanase-takashi Road Currypanman Statue 1.jpg
高知県南国市やなせたかしロードの「カレーパンマン像」。
登場(最初) TV版: 第2話B 「アンパンマンとカレーパンマン」[1]
1988年10月10日
作者 やなせたかし
声優 柳沢三千代
冨永みーな(代役)
プロフィール
性別 男性
出身地 ジャムおじさんのパン工場
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アンパンマン列車「カレーパンマン号」。
車体にカレーパンマンが描かれている。

カレーパンマンラテン文字表記:Currypanman)はやなせたかし作の絵本『アンパンマン』及びその関連作品に登場する架空のキャラクター。声優は柳沢三千代[2]

人物[編集]

頭部がカレーパンで出来ており、空腹の者には顔のカレーパンでなく、カレーライスを提供することが主[3]。ごはんをたいて、鍋に切った野菜と共に自身の体にあるカレーを入れて温めるときと、カレールーを用意して作るときとがある。

アンパンマンと同じくジャムおじさんによって作られて生まれたが、アンパンマン、メロンパンナ、ロールパンナとは異なり、誕生時のエピソードはアニメ作中では描かれておらず、生まれた時期は不明。アンパンマンは初めて会ったカレーパンマンをパン工場まで連れ帰るまで、彼がジャムおじさんによって作られた事を知らなかった事から、カレーパンマンの方が先に作られていたとも受け取れるが、テレビアニメ第1話『アンパンマン誕生』における、世界のどこにもないパン、心を持ったあんパンを作ろうとジャムおじさんが取り掛かっていた描写とそぐわないため、どちらが先に生まれたのか、アニメ作中の描写からははっきりとは分からない。[4]キャラクターソングにて「生まれたところは知らないが――」という表現がある。[5]

生活・仕事[編集]

アンパンマンやメロンパンナなど異なり、パン工場では生活しておらず、普段の生活風景は分かっていないが、「カレーの国」にあるとされる「カレーが丘」で生活している。近年はよく、しょくぱんまんと共に、学校での給食の配達を手伝うこともあるが、特に定まった仕事は見当たらない。草原で昼寝をしている場合もある[6]

性格・特徴[編集]

性格はかなり短気[7]。また、喧嘩っ早く熱血な一方で非常に涙もろい江戸っ子のような性格。アンパンマン同様、弱い者を決して見捨てない優しさと勇気を持っている。粗野な口調が目立つ[8]が、ジャムおじさんなどの目上の人には敬語を使う等、ある程度の礼儀は弁えている。一人称は「俺」[9]。落ち込んでいる者を辛口で責め立てて却って深く落ち込ませてしまうこともある。不器用で女性や幼い子への扱いは苦手としているが、人情深く面倒見のいい所もあり子供達からも慕われている。強さとは「辛さ」と考えている。また、「○○くん・ちゃん」まで呼称があるキャラクターは、相手によっては呼び捨てだったり、そのまま呼ぶことがある[10]

カレー料理を作るのが得意で[7]、カレー丼を提供したことがあるが、カレーどんまんのカレー丼には否定的だった。空腹のばいきんまんドキンちゃんにもカレーを分ける姿勢はあるが、他の食べ物のキャラクター同様に列に並ばない、他人の分を取り上げる、武器で脅かすといった暴挙に出ればあげることを拒む。わざと激辛カレーをあげることもある。

甘い食べ物は苦手で、食べ過ぎると体が弱ってしまう。この体質を利用したばいきんまんに甘いお菓子で脅かされることもある[11]。ジャムおじさんのシチューの製作途中で、しょくぱんまんがカレー粉を入れて無理やり作ったカレーを補給した際には、「頭がクラッとする」とコメントしていた。その一方で、シチューおばさんの作った甘みのあるカレーシチューを食べた時には、「優しい味がする」と気に入って何杯もおかわりをしていた[12]

アンパンマンの戦い方が甘いと指摘する程、自身は好戦的である。ただし、カレービューの多用でパワーダウンしたり詰めの甘さから形勢が逆転されることも珍しくない。演劇では主に悪役をやらされ、アンパンマン程ではないが演技は下手でセリフも棒読み。ただし、舞台に立つこと自体は嫌いではないようで、しょくぱんまんと主役の取り合いをすることもある(大抵はしょくぱんまんに役を取られ、脇役か裏方をやらされてしまう)。バレエなど芸術には無関心だったが「たまにはいい」ということで観劇していた。

しょくぱんまん初登場の時は、彼のキザな言動を不愉快に感じており[1]、彼がかびるんるんに襲われていても見捨てようとしていたが、結局はしょくぱんまんの苦しそうな姿が見ていられず助け出した[13]。以来、しょくぱんまんとは言い争いが多いものの、パトロールやアンパンマンの手助けなどにおいて行動を共にするようになった。しょくぱんまんの助言にて問題を解決したことがある。しょくぱんまんが白い物を食パンに例えるセリフを言う時にいつも体を痒がっている。

女性との接触はあまり得意ではないが、これまでいくつかの女性キャラクターと交流があり、さらには好意を抱いているかのような描写も見られる。アニメ初期の頃はシュークリーム姫と両想いの関係にあったが、現在はどうなったかは不明である。『カレーパンマンとおかしのくに』では、改めて行動を共にしていたが、特別な感情は見られなかった。また、ハッパちゃんにも好意を抱いているかのような描写があり、彼女に絵を贈ったことがある[14]

外見[編集]

前述のとおり、頭部はカレーパンで出来ている。黒目はアニメ初期のころの方が大きく描かれていて、目を閉じると茶色の瞼が見られた。TV版の設定では、顔を提供することはしない。

アンパンマンと同じく顔が何らかの異常をきたすと力が出なくなる。カレーは彼の頭の中に入っており、口から飛ばしすぎて顔がへこみ、力が出なくなることがある。その際、カレーを補給すれば戻る(カレーパックを口に入れる場合もある)。カレーを補給し復活した後の決めゼリフは「辛さ100倍、カレーパンマン!」(背景には本人の顔を模した花火が打ち上がる)。顔ごと交換することはほとんどないが、裏で取り替えているという設定がある。アンパンマンと同様、顔を殴られるとたんこぶができる。また本編でアンパンマンの体が泥まみれですぐには洗い落とせない時には服を提供したこともあった[15]。胸には、顔をイメージしたマークがある。服はオレンジで、黄色のブーツと手袋、白いベルトを装着している。原作では『月刊いちごえほん』版から登場。現在とは異なり服の真ん中にCurryのCではなく、なぜかKのマークがデザインされていた[16]


能力・得意技[編集]

カレービュー
口から激辛で熱いカレーを飛ばす。技名を言う事は少ない。ばいきんまんをはじめ、熱いものや辛いものが苦手な敵を怯ませるのに役立つ他、バイキンメカ等の視界を遮る効果も持つ。しかし、前述のとおり、カレーが無くなるとカレーを飛ばせなくなる。
カレーパンチ
カレーキック
ダブルパンチ
アンパンマンやしょくぱんまんとの同時技。『とばせ! 希望のハンカチ』のヨゴスゾウ戦ではメロンパンナと共に使用した。
トリプルパンチ
アンパンマン・しょくぱんまんとの同時技で強大な威力を誇る。
スペシャルダブルパンチ[11]
『ダブルパンチ』と異なり両手でパンチを繰り出す単独技。

変装・変身[編集]

辛口カレーパンマン
初登場回 - TV第124話B「アンパンマンとからくちカレーパンマン」
ドキンちゃんが作った超激辛カレー(ばいきんまん曰く、「脳みそがカレーだらけになるほど辛い」)をばいきんまんに注入されたカレーパンマン。山をも砕くほどのパワーを持ち、暴走する。ジャムおじさんの調合した調味料で元に戻った。
激辛カレーパンマン
初登場回 - TV第623話A「カレーパンマンとスパイス王子」
バタコさんやスパイス王子が作った「辛さ100倍カレー」によって、普段より顔が真っ赤になりパワーアップしたカレーパンマン。上記の「辛口カレーパンマン」とは違い、普段の彼と性格は変わらぬままパワーアップしている。TV第740話B「カレーパンマンとみずうみ姫」では、バタコさんが作った特製の辛さ100倍カレーを補給したことで変身し、ばいきんまんの吹雪攻撃などをものともせずに圧倒しつつアンパンマン号を凍らせようとしたばいきんまんを阻止した。
さわやかカレーパンマン
初登場回 - TV第866話A「カレーパンマンとミントちゃん」
ミントちゃんのミントが入ったカレーを食べて爽やかになってしまったカレーパンマン。性格がしょくぱんまんのようになり、言葉遣いも丁寧になってしまい、一人称が「僕」になったりばいきんまんを「君」付けで呼んだりする。
ブラックカレーパンマン
初登場回 - 映画第14作目「ロールとローラ うきぐも城のひみつ」
パワーアップしたブラックロールパンナの力で、悪い心になってしまったカレーパンマン。ばいきんまんの命令に従い、アンパンマンを襲う。黒いカレーで攻撃し、ブラックしょくぱんまんと『ダブルパンチ』を繰り出す。バタコさんと共にバイキン草の雨を浴び、2人とも泥人形になってしまう。『ローラの雨』を浴びて元に戻ったが、顔が完全にふやけてしまった。

劇場版においての強制変身・固め[編集]

劇場版では、他のキャラクターを守ったりしてしょくぱんまんと同様に真っ先に変身・固められるパターンが多く、その頻度もしょくぱんまんと並んで多い。

第5作『恐竜ノッシーの大冒険』 固め(石)
第6作『リリカル☆マジカルまほうの学校』 変身(かびるんるん) - 「かびるんカレーパンマン」と称する[7]
第6作『みんな集まれ! アンパンマンワールド』 変身(赤ちゃん) - 「あかちゃんカレーパンマン」と称する[7]
第8作『空とぶ絵本とガラスの靴』 固め(ガラス)
第9作『虹のピラミッド』 変身ピラミッド) - 「ピラミッドカレーパンマン」と称する[17]
第10作『てのひらを太陽に』 固め(石)
第11作『勇気の花がひらくとき』 変身(鉄球)
第12作『人魚姫のなみだ』 変身ヒトデ) - 「ヒトデカレーパンマン」と称する[17]
第13作『ゴミラの星』 変身人形) - 「カレーパンマンの泥人形」と称する[17]
第16作『夢猫の国のニャニイ』 変身ネコ) - 「ねこカレーパンマン」と称する[17]
第17作『ハピーの大冒険』 変身イモムシ) - 「カレーパンマンいもむし」と称する[7]
第18作『いのちの星のドーリィ』 変身(かびるんるん) - 「カレーパンマンかびるんるん」と称する[7]
第20作『妖精リンリンのひみつ』変身) - 「おはなカレーパンマン」と称する[17]
第23作『すくえ! ココリンと奇跡の星』 変身UFO) - 「UFOカレーパンマン」と称する[17]
第26作『りんごぼうやとみんなの願い』 変身リンゴ
第27作『ミージャと魔法のランプ』 変身(魔法のランプ
第28作『おもちゃの星のナンダとルンダ』 変身(ぜんまい式玩具)
第30作『かがやけ!クルンといのちの星』 変身(流れ星)
第31作『きらめけ!アイスの国のバニラ姫』 変身アイスクリーム) 

テーマソング・キャラクターソング[編集]

これ以外にも「すすめ!アンパンマン号!」でカレーパンマンが歌っている。

人気[編集]

2018年に『それいけ!アンパンマン』放送30周年特別企画として、過去にアンパンマンに登場した全キャラクターを対象としたキャラクター人気投票「いちばん すきなの だあれ?」を実施した結果、カレーパンマンは第7位(得票数非公表)となり、第12位のしょくぱんまんより上位であった[18][19]

その他[編集]

原作者のやなせは、カレーパンマンの役割について「スパイス役」と語っている。カレーはやなせの学生時代からの好物であり、カレーパンマンの顔のデザインもやなせがよく買っていたカレーパンの形に因んでいる。やなせが作詞したカレーパンマンのテーマ曲『とべ!カレーパンマン』も本人のお気に入りである[20]

アンパンマン列車[編集]

四国旅客鉄道(JR四国)はJR四国2000系気動車にラッピングを施し、カレーパンマンをテーマにした車両である「カレーパンマン号」(2100形2107)を「予讃線アンパンマン列車」として2001年(平成13年)10月より運行していた。

2000系のアンパンマン列車は大きく予讃線系統と土讃線系統があり、予讃線には11両のアンパンマン列車が配属されていたが[21][22]、 2016年3月26日のダイヤ改正によりJR四国8000系電車で運行されることになり、「ばいきんまん号」を初め、大半の車両が予讃線の2000系アンパンマン列車から引退した[23]。そのような中、予讃線の2000系アンパンマン列車は「予讃線宇和海アンパンマン列車」として3両が存続された。「カレーパンマン号」はその内の1両である[24]。運行開始より何度かデザインが変更され、現行のデザインは四代目である。

脚注[編集]

  1. ^ a b 『アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック』5頁。
  2. ^ 1999年8月から10月(関東地区)までの放送話では冨永みーなが代役。
  3. ^ しかし、『それいけ!アンパンマン』第562話A『カレーパンマンとニガウリマン』ではカレーパンを提供していた。また、原作絵本では顔のカレーパンを提供する描写がある。
  4. ^ 『アンパンマン大研究』94頁には、「ジャムおじさんは、アンパンマンを作ったときのノウハウを活かしてカレーパンマンを作った」という旨の記述がある。
  5. ^ 漫画『とべ!アンパンマン』では「カレー星」から来た宇宙人という設定がある。
  6. ^ TV第398話『アンパンマン海賊ロブスター (前編)』では雲の上で寝ていた。
  7. ^ a b c d e f 『アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック』58頁。
  8. ^ 第221話B『アンパンマンとやさしいばいきんまん』では、バタコさんが「ばいきんまんと同じく言葉遣いが悪い」といった趣旨の発言をしている。
  9. ^ TVアニメ初期の頃は「オイラ」とも言っていた。稀に「俺様」や「僕」とも言う。
  10. ^ ただし、初期にはロールパンナやクリームパンダを呼び捨てしていた。
  11. ^ a b TV第538話B『ばいきんまんとにこにこカレーパンマン』。
  12. ^ TV第605話B『カレーパンマンとシチューおばさん』
  13. ^ TV第3話B『アンパンマンとしょくぱんまん』
  14. ^ 第169話A『アンパンマンとハッパちゃん』。
  15. ^ TV第11話B『アンパンマンとぴいちくもり』。
  16. ^ 『やなせ・たかしの世界』54-55頁。
  17. ^ a b c d e f 『アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック』59頁
  18. ^ NEWS 30周年特別企画!キャラクター人気投票開催決定!”. アンパンマン ポータルサイト. 2018年10月4日閲覧。
  19. ^ アンパンマン人気投票”. アンパンマン ポータルサイト. 2018年10月4日閲覧。
  20. ^ vap、2002年、『それいけ!アンパンマン にんきものだいしゅうごう! キャラクターベスト15』(DVD,VHS)
  21. ^ 予讃線を走るアンパンマン列車”. 四国旅客鉄道. 2015年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月13日閲覧。
  22. ^ JR四国「予讃線8000系アンパンマン列車」2016年春デビューへ”. 株式会社 鉄道新聞社(鉄道新聞) (2015年12月29日). 2016年7月13日閲覧。
  23. ^ 予讃線アンパンマン列車」,2000系での運用終了”. 株式会社 交友社(鉄道ファン) (2016年3月26日). 2016年7月13日閲覧。
  24. ^ 予讃線を走るアンパンマン列車”. 四国旅客鉄道. 2016年7月13日閲覧。

参考文献[編集]

  • やなせたかし、鈴木一義共著『アンパンマン大研究』フレーベル館、1998年6月。ISBN 978-4577018989。
  • やなせたかし『アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック』フレーベル館、2013年6月。ISBN 978-4577041161。
  • 『やなせ・たかしの世界 増補版』サンリオ、1996年7月25日。ISBN 4-387-96008-6。