カーテン (推理小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動

カーテン―ポアロ最後の事件』(Curtain: Poirot's Last Case)は、1975年に刊行されたアガサ・クリスティの長編推理小説。エルキュール・ポアロのデビュー作『スタイルズ荘の怪事件』の「スタイルズ荘」を舞台に描かれた、ポアロシリーズ最後の事件。

解説[編集]

本作はポアロシリーズの完結を目的として、ミス・マープルシリーズ最終作『スリーピング・マーダー』と共に1943年に執筆され、死後出版の契約がなされていた物である[1]。しかし、出版社にせっつかれる形で1975年にクリスティが公開の許可を出す。本作が公開されたその翌1976年にクリスティは死去している。

あらすじ[編集]

友人のエルキュール・ポアロから誘いを受け、再びスタイルズ荘に訪れることになったアーサー・ヘイスティングズ大尉。しかし歳月は流れ、老朽化したスタイルズ荘と老いた2人に、かつての古きよき面影は残っていなかった。

ポアロはヘイスティングズに一見無関係に見える5つの殺人事件を提示する。これらの殺人事件の裏には全てある人物が関わっており、その人物は今、このスタイルズ荘に滞在しているという。

老いてなお推理力はいささかも衰えていないというポアロだが、手足の自由が効かなくなってしまっていたため、ヘイスティングズにその人物Xの情報収集を依頼する。しかし、ポアロはXは誰なのか明かそうとはしなかった。

ポアロは犯人を知っていた。しかし、それを明かすことなく死んでしまう。残された手がかりは『オセロ』だった。困惑したヘイスティングズに、ついにポアロ最期の告白書が届く。

登場人物[編集]

  • エルキュール・ポアロ - 私立探偵
  • アーサー・ヘイスティングズ大尉 - ポアロの友人
  • ジュディス・ヘイスティングズ - ヘイスティングズの娘
  • ジョージ・ラトレル - 今のスタイルズ荘の持ち主
  • デイジー・ラトレル - ジョージの妻
  • スタイルズ荘の泊まり客
    • スティーヴン・ノートン
    • ウィリアム・ボイド・キャリントン
    • ジョン・フランクリン
    • バーバラ・フランクリン
    • アラートン
    • エリザベス・コール
  • クレイヴン - バーバラの看護婦
  • カーティス - ポアロの従僕
  • ジョージ - ポアロの元従僕

映像作品[編集]

『Curtain: Poirot’s Last Case』
2013年11月13日、イギリスの人気長寿TVドラマ『名探偵ポワロ』の最終作として放映された作品。
日本での放映は2014年10月6日、邦題は『カーテン〜ポワロ最後の事件〜』であり、文字通り最後に放送された作品である。ただし、最後の撮影は本作ではなく、『死者のあやまち』である。これは、ポワロを演じたデヴィッド・スーシェが「ポワロの25年間を明るく終えたい」と希望したためである。

脚注[編集]

  1. ^ 『アガサ・クリスティー百科事典』 数藤康雄・編(ハヤカワ文庫)より、「アガサ・クリスティー年譜」の1943年を参照。

関連作品[編集]

名探偵に乾杯
西村京太郎の推理小説(名探偵シリーズの第4作)。「ポアロの息子」を名乗るポアロ・マードックが登場し、アーサー・ヘイスティングズ(と、明智小五郎ジュール・メグレエラリー・クイーン)の前で『カーテン』の結末に対して異論を主張した(第3作までは、エルキュール・ポアロも登場していた)。