キューボックス

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キューボックス(cue box)とは、録音スタジオあるいは舞台において演奏者の手元で複数の入力のレベルが調整可能なミキサー付きのヘッドフォンアンプである。特にこの用途に特化した製品をキューボックスと呼称する。

目次

歴史

音楽録音の歴史においてステレオ録音の発達にともない楽器ごとのセパレーションが重視されるようになり、スタジオ内で楽器同士の音が目的外のマイクに混ざらないように衝立を立てるような録音手法が一般化したときに演奏者同士がお互いの音を確認するためにヘッドフォンを用いるようになった。このときに各演奏者ごとに要求されるバランスが異なり、スタジオのミキサーの出力数では対応が難しくなった為にBUSあるいはAUXからいくつかにまとめられた信号を送り、演奏者の手元でミキシングさせることによって演奏の利便性を向上させた。

舞台においては演出上テープであるとかシーケンサーなどからの演奏以外のガイド信号を舞台上のスピーカーから出さずに(お客さんにガイド信号が聞こえてしまう為に)ミュージシャンに聞かせる必要にせまられ、スピーカーの替わりにヘッドフォンを用いるケースが多くなった。このときに録音同様演奏者が自分の好みのバランスをとれるように手元にキューボックスを置くようになった。

ハードウェア構成

キューボックスは親機と子機に分類される。小規模な構成では子機のみで運用が可能な場合もある。一般に親機、子機ともアナログ入力の製品が多いが近年はデジタル伝送のキューボックスも登場している。

親機

基本機能として、子機へ送る信号の分配と制御、電源の供給をおこなう。電源部分のみの機能の場合は親機とは呼称しない事がほとんどである。

子機

演奏者側の手元に置いて利用する。(子機をさしてキューボックスと呼称することが多い)
複数の入力を加算するミキサー部分とヘッドフォンを駆動するパワーアンプ部分から構成される。
入力数は4~16程度だが多くの機種は6~8入力となっている。
電源を個別に内蔵したタイプと電源ボックスから各キューボックスに音声信号と一緒に専用ケーブルで給電するタイプがある。
大規模なスタジオでは子機の個数も膨大になるので、ミキサーの出力を親機(分配機)を経由してキューボックスに接続する場合がある。

付加機能

トーンコントロールや外部からのミュートスイッチ、コントロールルームとの会話用のバックトークマイク(注:コントロールルームから演奏者へ連絡するのはトークバックと呼ばれ、バックトークとは区別される)等を組み込んだ製品がある。

接続方法、使用方法

専用機は複数の入力を一個のコネクターで一括して接続できるようになっている物が多い。 大型のスタジオでは壁にキューボックス用の専用のコネクターパネルが取り付けられている。

関連項目

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