キ65 (航空機)

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キ65は、大日本帝国陸軍が計画した戦闘機もしくは襲撃機。実機は製作されていない。

概要[編集]

計画当初、キ65は三菱重工業に対して三菱「ハ102」空冷複列星型14気筒エンジンを装備した襲撃機として要求されており、試作初号機を1942年昭和17年)3月までに完成させる予定だった。しかし、三菱側が他機の開発作業で多忙を極めていたためこの計画は中止され、キ65は海軍が三菱に開発させていた十四試局地戦闘機(のちの雷電)を小改造した重戦闘機に変更された。

だが、十四試局戦の開発が難航していたため三菱に対する正式な試作発注は行われず、代わって陸軍航空技術研究所1940年(昭和15年)に満州飛行機(満飛)に対して高性能防空戦闘機キ65の試作指示を行い、これを受けて満飛設計部は1942年(昭和17年)に単発低翼配置の単座戦闘機を設計した。実機(試作機3機と増加試作機9機)の試作は陸軍航空工廠で行われる予定であり、1943年(昭和18年)7月に初号機を完成、1944年(昭和19年)5月に審査を完了させ、満飛での量産に入ることを計画していたが、1943年半ばの機種統合整理によって基礎設計段階で計画は中止された。その後、キ65の後を継ぐ形でキ98の計画が開始された。

なお、満飛機はそれぞれ三菱「ハ111」空冷複列星型14気筒、三菱「ハ211-I」および「ハ211-V」空冷複列星型18気筒エンジンを搭載した3種類が存在し、ハ111搭載機が「キ65甲」、ハ211-I搭載機が「キ65乙」、ハ211-V搭載機が「キ65丙」だとする説も存在する[1]

諸元(キ65乙・計画値)[編集]

  • 全長:9.70 m
  • 全幅:12.50 m
  • 全高:2.97 m
  • 主翼面積:24.0 m2
  • 自重:3,050 kg
  • 全備重量:4,136 kg
  • エンジン:三菱 ハ211-I 空冷複列星型18気筒(離昇2,200 hp) × 1
  • 武装:
    12.7mm固定機関銃ホ103 × 2(機首)
    20mm固定機関砲ホ5 × 2(主翼)
  • 乗員:1名

脚注[編集]

  1. ^ 『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』 62頁。

参考文献[編集]

  • 野沢正 『日本航空機総集 立川・陸軍航空工廠・満飛・日国篇』 出版協同社、1980年、151頁。全国書誌番号:80027840
  • 佐原晃 『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』 イカロス出版2006年、61・62頁。ISBN 978-4-87149-801-2。
  • 歴史群像編集部編 『決定版 日本の陸軍機』 学研パブリッシング2011年、55・76頁。ISBN 978-4-05-606220-5。